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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-04-15T00:24:39Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37872</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2018-01-05T00:55:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表2、3&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表2．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表3．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表4．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上の周辺症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表5．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら[[釣藤散]]、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、周辺症状、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37871</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37871"/>
		<updated>2018-01-04T23:53:47Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表2、3&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表2．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表3．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表4．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上の周辺症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表5．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、周辺症状、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37870</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37870"/>
		<updated>2018-01-04T23:50:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表5、6&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：次は表にしました）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表5．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表6．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表7&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表7．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：略号の使用は極力避けておりますので、BPSDを周辺症状と致しましたが、よろしいでしょうか）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表8&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表8．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37869</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37869"/>
		<updated>2018-01-04T23:50:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&amp;lt;u&amp;gt;}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表5、6&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：次は表にしました）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表5．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表6．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表7&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表7．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：略号の使用は極力避けておりますので、BPSDを周辺症状と致しましたが、よろしいでしょうか）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表8&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表8．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37868</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37868"/>
		<updated>2018-01-04T23:48:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：名称に関する議論は、イントロに詳しいので、省きました。１段落で全体に対する要約をお願いいたします）&amp;lt;/u&amp;gt;}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表5、6&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：次は表にしました）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表5．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表6．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表7&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表7．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：略号の使用は極力避けておりますので、BPSDを周辺症状と致しましたが、よろしいでしょうか）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表8&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表8．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37867</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=37867"/>
		<updated>2018-01-04T23:46:29Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（滋賀医科大学　神経内科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌　（いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：名称に関する議論は、イントロに詳しいので、省きました。１段落で全体に対する要約をお願いいたします）&amp;lt;/u&amp;gt;}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である[[wj:浅井貞庵|浅井貞庵]]の著書「[[wj:方彙口訣|方彙口訣]]」や[[wj:本間棗軒|本間棗軒]]の著書「[[wj:内科秘録|内科秘録]]」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。[[wj:江戸時代|江戸時代]]末期から[[wj:明治時代|明治]]初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「dementia」については1872年（明治5年）の「[[wj:医語類聚|医語類聚]]」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の[[wj:呉秀三|呉秀三]]教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、[[wj:厚生労働省|厚生労働省]]における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に[[記憶]]、[[思考]]、[[見当識]]、[[理解]]、[[計算]]、[[学習能力]]、[[言語]]、[[判断]]を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の[[想起]]も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち[[意識混濁]]は存在しない）。[[せん妄]]のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．[[情動]]コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) [[情動不安定]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) [[易怒性]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) [[無気力]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) [[社会行動の粗雑化]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：DSM各版の比較は、概念の歴史的変遷を俯瞰するのには良いかもしれませんが、記事の長さも限られているのでDSM−5を除いて省いてはと思います。）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「[[精神障害]]の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・[[長期記憶]]障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)[[即時記憶]]は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)[[遠隔記憶]]は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)[[遂行機能]]（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：neurocognitive disorders（ND）」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表4．DSM-5による認知症（major neurocognitive disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、major neurocognitive disordersが内容的に従来のdementiaと重なる部分が多いこと、またdementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、major neurocognitive disordersを「認知症」とすることが[[日本精神神経学会]] 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、[[レビー小体型認知症]]、[[前頭側頭葉変性症]]、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内[[分泌]]疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;長谷川式認知症スケール&#039;&#039;&#039;：1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:&#039;&#039;&#039;Mini-mental state examination&#039;&#039;&#039;：国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。また長谷川式認知症スケールやmini-mental state examinationでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵ら&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊[[髄液]][[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性[[白質]]脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[陽電子断層撮像法#脳機能計測|FDG-PET]]で側頭葉内側や[[頭頂-側頭連合野]]、[[帯状回]]後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種とした[[陽電子断層撮像法#様々なPETプローブとその応用|アミロイドイメージング]]によりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する（&#039;&#039;&#039;表5、6&#039;&#039;&#039;）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：次は表にしました）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表5．解剖学的見地からの病態生理&lt;br /&gt;
!障害部位!!症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[前頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[失行]]、[[失語]]、[[性格変化]]、[[意欲]]・[[活動性]]低下、[[興奮]]、[[多幸感]]、[[無頓着]]、[[脱抑制]]、大食、[[注意力]]低下、[[記銘力]]障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[劣位半球]][[頭頂葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半側身体失認]]や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、[[着衣失行]]、[[病態失認]]、[[地誌的記憶障害]]など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[優位半球]]頭頂葉&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[観念失行]]や[[観念運動失行]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;優位半球[[角回]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[手指失認]]・[[左右識別障害]]・[[失算]]・[[失書]]を4徴とする[[Gerstmann症候群]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[側頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[Wernicke失語]]や[[嗅覚障害]]、[[聴覚失認]]、[[皮質聾]]、[[複合幻聴]]、[[Klüver-Bucy症候群]]、側頭葉内側の障害により[[記憶障害]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[後頭葉]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[半盲]]、[[皮質盲]]、[[視幻覚]]、[[視覚保続]]、[[視覚失認]]、[[純粋失読]]、[[Anton症候群]]（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[脳梁]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|左視野の[[失読]]や左手の[[失書]]・[[失行]]、[[道具]]の強迫使用、[[拮抗性失行]]（[[離断症候群]]）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[大脳辺縁系]]&amp;lt;br&amp;gt;（[[梁下回]]・[[帯状回]]・[[海馬傍回]]・[[鉤]]・[[扁桃体]]・[[海馬]]・[[歯状回]]・[[脳弓]]・[[中隔核]]）&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[Papez回路]]や[[Yakovlev回路]]を含み、記憶や[[情動]]と関連する。両側海馬障害により[[近時記憶]]が、[[乳頭体]]病変では[[遠隔記憶]]が障害される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;[[視床]]&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ 表6．各種脳疾患ごとの見地から病態生理&lt;br /&gt;
!疾患!!病態&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;アルツハイマー病&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|早期から海馬を中心とする[[側頭葉]]内側部、[[側頭頭頂移行部]]の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの[[人格]]変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;レビー小体型認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳血流SPECT]]において[[一次視覚野]]を含めた[[後頭葉]]から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、[[幻視]]や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;前頭側頭葉変性症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、[[構成障害]]は見られない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;嗜銀顆粒性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|側頭葉内側面の迂回回が[[嗜銀顆粒]]の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;血管性認知症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれる[[まだら状認知症]]を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性硬膜下血腫&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;正常圧水頭症&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;硬膜動静脈瘻&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|[[動静脈間シャント]]により動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。[[大脳皮質]]のみならず、[[Galen大静脈]]へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;脳腫瘍&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。[[前頭葉穹窿部]]が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;外傷性脳損傷&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる[[脳浮腫]]や[[脳循環障害]]などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;慢性外傷性脳症&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|&#039;&#039;&#039;Creutzfeldt-Jakob病&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳失調]]、[[錐体路]]・[[錐体外路徴候]]、[[ミオクローヌス]]を経て[[無動性無言状態]]に至る。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は[[中核症状]]と[[周辺症状]]（behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 中核症状 ===&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca&amp;lt;sup&amp;gt;2+&amp;lt;/sup&amp;gt;流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表7&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表7．アルツハイマー病治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ドネペジル]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[ガランタミン]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[リバスチグミン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! [[メマンチン]]&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：[[ブチリルコリンエステラーゼ]]（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 ====&lt;br /&gt;
　血管性認知症では[[ドーパミン]]放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有する[[アマンタジン]]が「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対し[[メチルフェニデート]]やChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月より[[アリセプト]]が承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるが[[ランダム化比較試験]]で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 周辺症状===&lt;br /&gt;
&amp;lt;u&amp;gt;（編集部コメント：略号の使用は極力避けておりますので、BPSDを周辺症状と致しましたが、よろしいでしょうか）&amp;lt;/u&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ケアと環境整備による対応 ====&lt;br /&gt;
　周辺症状に対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や[[失禁]]・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]]（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている（&#039;&#039;&#039;表8&#039;&#039;&#039;）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表8．周辺症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[リスペリドン]] || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ペロスピロン]] || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[フルボキサミン]] || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[パロキセチン]] || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[セルトラリン]] || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスシタロプラム]] || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルナシプラン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[デュロキセチン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミルタザピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[トラゾドン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1[[GABA受容体|ベンゾジアゼピン受容体]]&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾルピデム]] || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[エスゾピクロン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クアゼパム]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[メラトニン受容体]]|| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ラメルテオン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：[[多受容体作用抗精神病薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== その他の治療アプローチ ===&lt;br /&gt;
==== 漢方療法 ====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
==== 日常生活動作障害への対応 ====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には[[日常生活動作]]（activities of daily living：ADL）のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 非薬物療法 ====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の[[wj:国際アルツハイマー病協会|国際アルツハイマー病協会]]の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34354</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34354"/>
		<updated>2016-02-05T09:04:56Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（京都大学 大学院医学研究科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]によるICD-10や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRおよび2013年5月に公開された[[DSM-5]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に]]記憶]]、[[思考]]、[[見当識]]、[[理解]]、[[計算]]、[[学習能力]]、[[言語]]、[[判断]]を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の[[想起]]も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。[[せん妄]]のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．[[情動]]コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) [[情動不安定]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) [[易怒性]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) [[無気力]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) [[社会行動の粗雑化]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表4．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内分泌疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
===== 神経心理検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　HDS-Rは1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 血液検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 脳脊髄液検査 =====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊髄液[[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 画像検査 =====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[FDG]]-[[PET]]で側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳]]失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体[[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合により[[CA2|Ca2]]+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や神経[[細胞死]]を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;850&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表5．アルツハイマー病（[[Alzheimer&#039;s disease]] ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:14%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:23%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドーパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、[[アパシー]]、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM[[睡眠]]期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表6．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・ドーパミン拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34353</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34353"/>
		<updated>2016-02-05T08:58:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;札幌医科大学　医学部　神経内科学講座&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2016年2月5日　原稿完成日：2016年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真]（京都大学 大学院医学研究科）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、[[意識]]正常下で[[認知機能]]が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の[[神経変性疾患]]である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]によるICD-10や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRおよび2013年5月に公開された[[DSM-5]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に]]記憶]]、[[思考]]、[[見当識]]、[[理解]]、[[計算]]、[[学習能力]]、[[言語]]、[[判断]]を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の[[想起]]も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。[[せん妄]]のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．[[情動]]コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) [[情動不安定]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) [[易怒性]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) [[無気力]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) [[社会行動の粗雑化]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表4．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、[[せん妄]]などの[[意識障害]]、[[抑うつ状態]]、[[統合失調症]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、[[嗜銀顆粒性認知症]]、[[進行性核上性麻痺]]、[[大脳皮質基底核変性症]]、[[ハンチントン病]]などの[[神経変性疾患]]が挙げられる他、[[脳血管障害]]による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜下血腫]]、[[正常圧水頭症]]、[[硬膜動静脈瘻]]、[[脳腫瘍]]、[[外傷性脳損傷]]、[[慢性外傷性脳症]]、[[Creutzfeldt-Jakob病]]やその他の感染症として[[HIV感染症]]、[[亜急性硬化性全脳炎]]、[[進行性多巣性白質脳症]]、[[神経梅毒]]、[[髄膜脳炎]]など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にも[[パーキンソン病]]や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは[[神経ベーチェット]]や[[サルコイドーシス]]など全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、[[wikipedia:ja:甲状腺機能低下症|甲状腺機能低下症]]などの内分泌疾患、[[wikipedia:ja:糖尿病|糖尿病]]、栄養異常（[[wikipedia:ja:ビタミンB1|ビタミンB1]]や[[wikipedia:ja:ビタミンB12|B12]]低下）などの代謝疾患、[[wikipedia:ja:肝不全|肝不全]]や[[wikipedia:ja:腎不全|腎不全]]などの[[wikipedia:ja:臓器不全|臓器不全]]、[[アルコール]]や[[麻薬]]、その他薬物や金属、[[wikipedia:ja:一酸化炭素|一酸化炭素]]による[[wikipedia:ja:中毒|中毒]]など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
===== 神経心理検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では[[長谷川式認知症スケール]]（Hasegawa&#039;s dementia scale-revised：HDS-R）や[[mini-mental state examination]]（MMSE）が広く用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　HDS-Rは1974年に作成された[[長谷川式簡易知能スケール]]の改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」[[clock frawing test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法として[[frontal assessment battery]]（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸、種村 純、大沢 愛、川原田 美、関口 恵、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery（FAB）の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 血液検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として[[wikipedia:ja:血算|血算]]、[[wikipedia:ja:血沈|血沈]]、肝機能、腎機能、[[wikipedia:ja:電解質|電解質]]、[[wikipedia:ja:血糖|血糖]]、[[wikipedia:ja:HbA1c|HbA1c]]、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:アンモニア|アンモニア]]、[[wikipedia:ja:甲状腺ホルモン|甲状腺ホルモン]]、ビタミンB1、B12、[[wikipedia:ja:葉酸|葉酸]]、[[wikipedia:ja:梅毒血清反応|梅毒血清反応]]、[[wikipedia:ja:動脈血ガス分析|動脈血ガス分析]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また悪性腫瘍の鑑別に各種[[wikipedia:ja:腫瘍マーカー|腫瘍マーカー]]、[[wikipedia:ja:自己免疫疾患|自己免疫疾患]]の鑑別に各種[[wikipedia:ja:自己抗体|自己抗体]]、感染症の鑑別には[[wikipedia:ja:HIV抗体|HIV抗体]]や[[wikipedia:ja:JCウイルス|JCウイルス]]、[[wikipedia:ja:麻疹ウイルス|麻疹ウイルス]]、[[wikipedia:ja:風疹ウイルス|風疹ウイルス]]抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイドβ]]（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 脳脊髄液検査 =====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は[[髄膜脳炎]]や[[くも膜下出血]]、各種[[神経免疫疾患]]、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。[[亜急性硬化性全脳炎]]においては脳脊髄液[[wikipedia:ja:麻疹|麻疹]]抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液[[14-3-3タンパク質]]や総タウタンパク質の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中の[[タウ]]タンパク質やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 画像検査 =====&lt;br /&gt;
　画像検査のうち[[CT]]、[[MRI]]、[[MRA]]は脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年では[[voxel-based morphometry]]（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や[[海馬傍回]]の評価などに用いる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血流SPECT]]は主に[[123I-IMP|&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMP]]や[[99mTc-ECD|&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECD]]を核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年では[[statistical parametric mapping]]（SPM）、[[three-dimentional stereotactic surface projection]]（3D-SSP）、[[easy Z-score imaging system]]（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病において[[FDG]]-[[PET]]で側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、[[11C-PIB|&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIB]]や[[FDDNP]]、[[BF-227]]などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における[[老人斑]]の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳]]失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体[[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合により[[CA2|Ca2]]+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や神経[[細胞死]]を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表5．アルツハイマー病（[[Alzheimer&#039;s disease]] ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:15%&amp;quot; | 一般名 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序 !! style=&amp;quot;width:15%&amp;quot; | 適応 !! style=&amp;quot;width:24%&amp;quot; | 副次的効果 !! style=&amp;quot;width:18%&amp;quot; | 剤型 !! style=&amp;quot;width:10%&amp;quot; | 用法（回/日） !! style=&amp;quot;width:6%&amp;quot; | 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック（APL）作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2 &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1 &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン（nicotic acetylcholine）、BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ（butyrylcholinesterase）、&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症（vascular dementia）、DLB：レビー小体型認知症（dementia with Lewy bodies）&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドーパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、[[アパシー]]、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM[[睡眠]]期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表6．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則1週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分1&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分1、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分3、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分1、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分1、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分1で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・1〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・ドーパミン拮抗薬、DLB：レビー小体型認知症、MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]]、SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬、SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆、泰羅 雅、石合 純、清原 裕、池田 学、et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利、清原 裕、小原 知、米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34238</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34238"/>
		<updated>2016-02-04T18:15:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患である[[アルツハイマー病]]が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;[[Alzheimer&#039;s disease|Alzheimer&#039;s Disease]] International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「[[健忘]]」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に[[取り入れ]]る知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関による[[ICD-10]]や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、[[DSM-Ⅳ]]-TRおよび2013年5月に公開された[[DSM-5]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、[[言語]]、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の[[想起]]も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。[[せん妄]]のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．[[情動]]コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「[[精神障害]]の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・[[長期記憶]]障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)[[即時記憶]]は数字の順唱、逆唱により、[[近時記憶]]は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)[[遠隔記憶]]は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)[[遂行機能]]（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが[[意識障害]]のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の[[精神疾患]]ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、[[前頭側頭葉変性症]]、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、[[大脳皮質]]基底核変性症、[[ハンチントン病]]などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による[[血管性認知症]]、慢性[[硬膜]]下血腫、正[[常圧]]水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性[[白質]]脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や[[多発性硬化症]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、あるいは神経ベーチェットや[[サル]]コイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内[[分泌]]疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや[[麻薬]]、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
===== 神経心理検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing [[Test]]（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な[[前頭葉]]機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 血液検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己[[免疫]]疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に[[抗精神病薬]]や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿[[アミロイド]]β（[[Aβ]]）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 脳脊髄液検査 =====&lt;br /&gt;
　[[脳脊髄液]]検査は髄膜脳炎や[[くも膜]]下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊[[髄液]]麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルス[[DNA]] PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 画像検査 =====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における[[海馬]]や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface [[projection]]（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や[[半側空間無視]]、[[構成失行]]、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。[[前頭連合野]]は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から[[頭頂葉]]の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、[[妄想]]や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　[[脳室]]拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップ[[テスト]]により早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、[[前頭眼窩野]]が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性[[軸索]]損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、[[睡眠障害]]、[[頭痛]]、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、[[小脳]]失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、[[プリオン病]]、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]]（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体[[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核の[[アセチルコリン]]（[[acetylcholine]]：[[ACh]]）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合により[[CA2|Ca2]]+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や神経[[細胞死]]を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（[[Alzheimer’s disease]] ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：[[ニコチン性]]アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患や[[プリオン]]病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、[[アパシー]]、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM[[睡眠]]期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[クエチアピン]] || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[オランザピン]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アリピプラゾール]] || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | [[抗うつ薬]]&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SSRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| [[SNRI]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、[[MAO阻害薬]]との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・[[前立腺]]疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの[[痛み]]&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アモキサピン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ミアンセリン]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | [[抗不安薬]]/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;[[作動薬]] || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：[[セロトニン]]・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：[[前頭側頭型認知症]], SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]], NaSSA：[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%BB%BD%E5%BA%A6%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E9%9A%9C%E5%AE%B3&amp;diff=34237</id>
		<title>軽度認知障害</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%BB%BD%E5%BA%A6%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E9%9A%9C%E5%AE%B3&amp;diff=34237"/>
		<updated>2016-02-04T18:11:58Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：mild cognitive impairment, minor neurocognitive disorder、英略語：MCI&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
独：Mild cognitive impairment　仏：La déficience cognitive légère&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　軽度認知障害（Mild cognitive impairment：MCI）は正常ではないが認知症ともいえないほど軽度の認知機能障害を呈し、日常生活も保たれている状態を示す概念である。2013年の調査では本邦において400万人ほどの症例が存在することが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;。MCIは認知症の前駆状態であるとする考えがある一方、健常加齢の経過においてもみられる状態であるとする考え方も存在する。実際、MCIから認知症へのコンバート率は年間約10％とする一方、正常状態に戻るリバート率も14〜44％と報告されている。検査法については簡易スクリーニング法として近年、Montreal Cognitive Assessment日本語版（MoCA-J）が作成され、他にもMRI、SPECTといった画像検査や、脳脊髄液中のAβ42、リン酸化タウといったバイオマーカーが試みられている。治療法はまだ確立したものは無いがアルツハイマー病に対する治療やレビー小体型認知症に対する治療が試みられている。またライフスタイルの改善が重要とする考えもある。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 軽度認知障害とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　軽度認知障害（Mild cognitive impairment：MCI）は何らかの認知機能障害を呈し健常とはいえないが、[[認知症]]ともいえない正常加齢と認知症のいわば境界領域に該当する概念である。[[アルツハイマー病]]などの認知症の前駆状態としてとらえられることが多く、認知症における早期診断・治療の重要性という観点から近年注目されるようになっている。しかし他方で、認知症は未だ根治療法が無いことや診断・告知による心理社会的影響から早期診断については慎重な対応が必要とする考えも存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　類似概念としては、まず1962年にKralが提唱した「進行速度が緩徐な正常老化としての『良性[[健忘]]』と急速に進行する病的な『悪性健忘』」が挙げられる。その後、1986年に米国の国立精神保健研究所のCrookらにより「年齢50歳以上で日常生活上の記憶障害の訴えがあり、記憶検査で成人平均値より1SD以下の低下を認めるが認知症ではない」という定義でAge-associated memory impairment（AAMI）という概念が提唱される。これは健常高齢者における記憶障害という位置づけでとらえられている。また1994年には国際老年精神医学会のLevyによりAge-associated cognitive decline（AACD）という概念が提唱される。これはAAMIとは異なり「記憶・学習以外にも注意・集中、思考、[[言語]]、視空間認知のいずれかが健常高齢者平均から1SD以上低下しているもの」とされる。ここには健常加齢と認知症前駆状態の両方が含まれうる。概してヨーロッパでは健常加齢の果てに認知機能の低下が起こるという考え方（Normality model）が受け入れられており、現在でもAAMIやAACDがしばしば引用されている。その後1995年にはカナダの認知症研究に基づいてEblyらによりCognitive impaired not demented（CIND）という概念が提唱されたが、[[せん妄]]やうつ状態、[[精神疾患]]、アルコールや薬物によるものも含まれるため必ずしも認知症の前駆状態とはいえない。また、他にも[[ICD-10]]におけるMild cognitive disorder（MCD）や[[DSM-Ⅳ]]におけるAge related cognitive decline（ARCD）、Mild neurocognitive decline（MNCD）などが提唱されてきた。&lt;br /&gt;
　一方、米国においては病的状態を背景とした認知症前駆状態としてのMCIという概念（Pathology model）が提唱されるようになる。具体的には、1988年にReisbergらが、自らが提唱したGlobal deterioration scale for assessment of primary degenerative dementia（GDS）におけるstage 3をMCIと表現したのが始まりとされる。1991年にはZaudigらが神経心理学的測定による検証を行い、新たなMCIの定義を提唱してGDS 2および3、CDR 0.5に相当するとしている。米国Mayo ClinicのPetersenらは1995年からMCIという用語を使用しているが、1999年には記憶障害に重きを置いた診断基準を提唱している（後述）&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10190820 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、同年にシカゴで開催されたMCIコンセンサス会議においてはMCIを1つのclinical entityとして表現することは困難として、「(1)健忘型（Amnestic type）」「(2)複数の高次機能領域にまたがってごく軽度の障害を呈するタイプ（Multiple cognitive domains slightly impaired type）」「(3)記銘力以外の高次機能領域で単一の障害を呈するタイプ（Single non-memory domain impaired type）」の3つのsubtypeに分類することが提唱されている。そして2003年にスウェーデンのWinbladらが開催したMCI Key symposiumにおいて現在の診断基準が提唱された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15324367 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では記憶とその他の認知機能障害の有無によってAmnestic MCIかNon-amnestic MCIかに分け、さらにそれぞれを単一領域の障害か複数の障害かによって「(1)Amnestic MCI Single Domain」「(2)Amnestic MCI Multiple Domain」「(3)Non-amnestic MCI Single Domain」「(4)Non-amnestic MCI Multiple Domain」の4つのサブタイプに分類することが提唱されている。このように、MCIという概念は様々な変遷を経ながら予防医学的観点から認知症高リスク群として注目され、受け入れられるようになっていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　MCIの診断基準としては1999年にPetersonらが提唱した記憶障害に重きを置いた診断基準&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;の他、2003年のMCI Key symposiumで提唱された診断基準&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;、および2013年5月に公開された[[DSM-5]]の診断基準などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　1999年　Petersonらの診断基準&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;ではMCIを「(1)記憶障害の愁訴がある」「(2)日常生活活動は正常」「(3)全般的な認知機能は正常」「(4)年齢に比して記憶力が低下」「(5)認知症は認めない」ものと定義している。&lt;br /&gt;
　一方、2003年のMCI Key symposiumにおけるMCI診断基準&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;では「(1)認知機能は正常ではないが認知症でもない（DSM-Ⅳ、ICD-10による認知症の診断基準を満たさない）」「(2)認知機能低下-①本人および/または第三者からの申告および客観的認知検査の障害、-②客観的認知検査上の経時的減衰の証拠」「(3)基本的な日常生活は保たれており、複雑な日常生活機能の障害は軽度にとどまる」ものとしている。&lt;br /&gt;
　他方、DSM-5では「(1) 複雑性注意、[[遂行機能]]、学習および記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知の6項目のうち1項目以上でわずかな低下が-①本人の訴え、よく知る介護者やかかりつけ医等からの情報、-②標準化された認知[[テスト]]の成績に基づいて明らか」「(2)認知障害は日常生活の独立性を妨げるものではない」「(3)せん妄によるものではない」「(4)うつ病や統合失調症等の精神疾患ではうまく説明できない」ことをMild neurocognitive disorder（ND）としている。本邦老年精神医学会病名検討委員会において、Mild NDは内容的にmild cognitive impairment（MCI）とみなすのが妥当であることから「軽度認知障害」とすることが決まり、日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会に提案して承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　[[血管性認知症]]、外傷性認知症、アルツハイマー病や他の変性性認知症、[[プリオン病]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　MCIを鑑別する簡易スクリーニング検査のうち、国際的にも認知されているのがMontreal Cognitive Assessment（MoCA）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15817019 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;である。近年、その日本語版であるMoCA-J&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20141536 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;も作成されている。これはTrail Making [[Test]] B簡略版、立方体の図形模写、時計描画、命名課題、数字の順唱と逆唱、Target Detection課題（ひらがなのリストを読み上げ「あ」の時に手を叩くよう求める）、計算、復唱課題、語[[想起]]課題、類似課題、5単語遅延再生課題、見当識の12課題からなり最高点は30点満点で26点以上を正常、25点以下をMCIの疑いとする。画像検査としてはMRIや脳血流SPECTなどが挙げられるが所見が軽微のことが多く視察法では評価が難しいため画像統計解析の利用が必要になることが多い。Voxel-based morphometry（VBM）による画像解析では近年、[[海馬]]傍回前方の[[嗅内野]]皮質の萎縮が注目されている。保健適応外の臨床研究領域では、FDG-PETやバイオマーカーとして[[脳脊髄液]]中の[[Aβ]]42やリン酸化タウの測定が注目されているが、まだ確立はしていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　当初は生活状況と記憶テストで判定し、アルツハイマー病に移行する前駆状態という位置づけであった。しかし、現在ではレビー小体型認知症や[[前頭側頭葉変性症]]、血管性認知症などアルツハイマー病以外の認知症性疾患の前駆状態も含む概念として認識されている。MCIのサブタイプ別に考えると、記憶障害のみであったり、記憶を含む多領域障害であればアルツハイマー病に移行しやすく、記憶以外の症状が主症状の場合はレビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症等に移行しやすいと認識されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　現状、MCIに対する認知症薬の保険適応は無い。上記の通りMCIにおいて認知機能低下は軽微で基本的な日常生活は保たれるため、将来的には認知症への進展（コンバート）の予防を目標とした治療法が検討される可能性はある。&lt;br /&gt;
　臨床研究レベルで、薬物治療としてドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンなどのアルツハイマー病治療薬（cholinesterase（ChE）阻害薬）の有効性を検討した研究がいくつかあるが、MCIから認知症への転換を抑制する効果について明らかなエビデンスは無いのが現状である。しかし、[[APOE|ApoE]]遺伝子ε4多型保因者の検討においてドネペジル治療により36ヶ月後のAD発症率が有意に低下していたとする報告も存在する。レビー小体型認知症のMCIでは記憶障害や遂行機能障害は呈さずにリアルな幻視やREM[[睡眠]]行動障害等が出現することがあり、この場合はレビー小体型認知症としての抑肝散やドネペジル等による薬物療法が有効な場合があるとされる。&lt;br /&gt;
　薬物以外のアプローチでは、認知症予防のライフスタイル、具体的には運動や食生活・睡眠の改善、血圧や血糖、脂質異常の改善、視覚・聴覚の維持などがMCIから認知症への進行を防ぐためには重要という考え方も存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2013年の全国調査によるとMCI患者数は400万人と推計され、高齢者人口の約13％を占めることが明らかとなった&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。他の報告でも高齢者人口の17〜18％とするものが散見される。また、長期介護施設に入所している集団では地域社会で暮らしている人に比べ2倍近く高いとする報告がある。MCIのコンバート率については、Bowenらによる記憶障害のみ認める群の追跡調査では、4年間に48％が認知症を発症したのに対して対照群では18％であったと報告している。また、メタアナリシスの報告では認知症へのコンバート率は年間約10％とされ、正常へのリバート率については14〜44％の範囲で報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%BB%BD%E5%BA%A6%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E9%9A%9C%E5%AE%B3&amp;diff=34236</id>
		<title>軽度認知障害</title>
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		<updated>2016-02-04T18:09:42Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: ページの作成:「英：mild cognitive impairment, minor neurocognitive disorder、英略語：MCI&amp;lt;br&amp;gt; 独：Mild cognitive impairment　仏：La déficience cognitive légère  {{box|text...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：mild cognitive impairment, minor neurocognitive disorder、英略語：MCI&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
独：Mild cognitive impairment　仏：La déficience cognitive légère&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　軽度認知障害（Mild cognitive impairment：MCI）は正常ではないが認知症ともいえないほど軽度の認知機能障害を呈し、日常生活も保たれている状態を示す概念である。2013年の調査では本邦において400万人ほどの症例が存在することが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;。MCIは認知症の前駆状態であるとする考えがある一方、健常加齢の経過においてもみられる状態であるとする考え方も存在する。実際、MCIから認知症へのコンバート率は年間約10％とする一方、正常状態に戻るリバート率も14〜44％と報告されている。検査法については簡易スクリーニング法として近年、Montreal Cognitive Assessment日本語版（MoCA-J）が作成され、他にもMRI、SPECTといった画像検査や、脳脊髄液中のAβ42、リン酸化タウといったバイオマーカーが試みられている。治療法はまだ確立したものは無いがアルツハイマー病に対する治療やレビー小体型認知症に対する治療が試みられている。またライフスタイルの改善が重要とする考えもある。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 軽度認知障害とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　軽度認知障害（Mild cognitive impairment：MCI）は何らかの認知機能障害を呈し健常とはいえないが、[[認知症]]ともいえない正常加齢と認知症のいわば境界領域に該当する概念である。[[アルツハイマー病]]などの認知症の前駆状態としてとらえられることが多く、認知症における早期診断・治療の重要性という観点から近年注目されるようになっている。しかし他方で、認知症は未だ根治療法が無いことや診断・告知による心理社会的影響から早期診断については慎重な対応が必要とする考えも存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　類似概念としては、まず1962年にKralが提唱した「進行速度が緩徐な正常老化としての『良性[[健忘]]』と急速に進行する病的な『悪性健忘』」が挙げられる。その後、1986年に米国の国立精神保健研究所のCrookらにより「年齢50歳以上で日常生活上の記憶障害の訴えがあり、記憶検査で成人平均値より1SD以下の低下を認めるが認知症ではない」という定義でAge-associated memory impairment（AAMI）という概念が提唱される。これは健常高齢者における記憶障害という位置づけでとらえられている。また1994年には国際老年精神医学会のLevyによりAge-associated cognitive decline（AACD）という概念が提唱される。これはAAMIとは異なり「記憶・学習以外にも注意・集中、思考、[[言語]]、視空間認知のいずれかが健常高齢者平均から1SD以上低下しているもの」とされる。ここには健常加齢と認知症前駆状態の両方が含まれうる。概してヨーロッパでは健常加齢の果てに認知機能の低下が起こるという考え方（Normality model）が受け入れられており、現在でもAAMIやAACDがしばしば引用されている。その後1995年にはカナダの認知症研究に基づいてEblyらによりCognitive impaired not demented（CIND）という概念が提唱されたが、[[せん妄]]やうつ状態、[[精神疾患]]、アルコールや薬物によるものも含まれるため必ずしも認知症の前駆状態とはいえない。また、他にも[[ICD-10]]におけるMild cognitive disorder（MCD）や[[DSM-Ⅳ]]におけるAge related cognitive decline（ARCD）、Mild neurocognitive decline（MNCD）などが提唱されてきた。&lt;br /&gt;
　一方、米国においては病的状態を背景とした認知症前駆状態としてのMCIという概念（Pathology model）が提唱されるようになる。具体的には、1988年にReisbergらが、自らが提唱したGlobal deterioration scale for assessment of primary degenerative dementia（GDS）におけるstage 3をMCIと表現したのが始まりとされる。1991年にはZaudigらが神経心理学的測定による検証を行い、新たなMCIの定義を提唱してGDS 2および3、CDR 0.5に相当するとしている。米国Mayo ClinicのPetersenらは1995年からMCIという用語を使用しているが、1999年には記憶障害に重きを置いた診断基準を提唱している（後述）&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10190820 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、同年にシカゴで開催されたMCIコンセンサス会議においてはMCIを1つのclinical entityとして表現することは困難として、「(1)健忘型（Amnestic type）」「(2)複数の高次機能領域にまたがってごく軽度の障害を呈するタイプ（Multiple cognitive domains slightly impaired type）」「(3)記銘力以外の高次機能領域で単一の障害を呈するタイプ（Single non-memory domain impaired type）」の3つのsubtypeに分類することが提唱されている。そして2003年にスウェーデンのWinbladらが開催したMCI Key symposiumにおいて現在の診断基準が提唱された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15324367 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では記憶とその他の認知機能障害の有無によってAmnestic MCIかNon-amnestic MCIかに分け、さらにそれぞれを単一領域の障害か複数の障害かによって「(1)Amnestic MCI Single Domain」「(2)Amnestic MCI Multiple Domain」「(3)Non-amnestic MCI Single Domain」「(4)Non-amnestic MCI Multiple Domain」の4つのサブタイプに分類することが提唱されている。このように、MCIという概念は様々な変遷を経ながら予防医学的観点から認知症高リスク群として注目され、受け入れられるようになっていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　MCIの診断基準としては1999年にPetersonらが提唱した記憶障害に重きを置いた診断基準&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;の他、2003年のMCI Key symposiumで提唱された診断基準&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;、および2013年5月に公開された[[DSM-5]]の診断基準などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　1999年　Petersonらの診断基準&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;ではMCIを「(1)記憶障害の愁訴がある」「(2)日常生活活動は正常」「(3)全般的な認知機能は正常」「(4)年齢に比して記憶力が低下」「(5)認知症は認めない」ものと定義している。&lt;br /&gt;
　一方、2003年のMCI Key symposiumにおけるMCI診断基準&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;では「(1)認知機能は正常ではないが認知症でもない（DSM-Ⅳ、ICD-10による認知症の診断基準を満たさない）」「(2)認知機能低下-①本人および/または第三者からの申告および客観的認知検査の障害、-②客観的認知検査上の経時的減衰の証拠」「(3)基本的な日常生活は保たれており、複雑な日常生活機能の障害は軽度にとどまる」ものとしている。&lt;br /&gt;
　他方、DSM-5では「(1) 複雑性注意、[[遂行機能]]、学習および記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知の6項目のうち1項目以上でわずかな低下が-①本人の訴え、よく知る介護者やかかりつけ医等からの情報、-②標準化された認知[[テスト]]の成績に基づいて明らか」「(2)認知障害は日常生活の独立性を妨げるものではない」「(3)せん妄によるものではない」「(4)うつ病や統合失調症等の精神疾患ではうまく説明できない」ことをMild neurocognitive disorder（ND）としている。本邦老年精神医学会病名検討委員会において、Mild NDは内容的にmild cognitive impairment（MCI）とみなすのが妥当であることから「軽度認知障害」とすることが決まり、日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会に提案して承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　[[血管性認知症]]、外傷性認知症、アルツハイマー病や他の変性性認知症、[[プリオン病]]などが挙げられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　MCIを鑑別する簡易スクリーニング検査のうち、国際的にも認知されているのがMontreal Cognitive Assessment（MoCA）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15817019 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;である。近年、その日本語版であるMoCA-J&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20141536 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;も作成されている。これはTrail Making [[Test]] B簡略版、立方体の図形模写、時計描画、命名課題、数字の順唱と逆唱、Target Detection課題（ひらがなのリストを読み上げ「あ」の時に手を叩くよう求める）、計算、復唱課題、語[[想起]]課題、類似課題、5単語遅延再生課題、見当識の12課題からなり最高点は30点満点で26点以上を正常、25点以下をMCIの疑いとする。画像検査としてはMRIや脳血流SPECTなどが挙げられるが所見が軽微のことが多く視察法では評価が難しいため画像統計解析の利用が必要になることが多い。Voxel-based morphometry（VBM）による画像解析では近年、[[海馬]]傍回前方の[[嗅内野]]皮質の萎縮が注目されている。保健適応外の臨床研究領域では、FDG-PETやバイオマーカーとして[[脳脊髄液]]中の[[Aβ]]42やリン酸化タウの測定が注目されているが、まだ確立はしていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　当初は生活状況と記憶テストで判定し、アルツハイマー病に移行する前駆状態という位置づけであった。しかし、現在ではレビー小体型認知症や[[前頭側頭葉変性症]]、血管性認知症などアルツハイマー病以外の認知症性疾患の前駆状態も含む概念として認識されている。MCIのサブタイプ別に考えると、記憶障害のみであったり、記憶を含む多領域障害であればアルツハイマー病に移行しやすく、記憶以外の症状が主症状の場合はレビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症等に移行しやすいと認識されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　現状、MCIに対する認知症薬の保険適応は無い。上記の通りMCIにおいて認知機能低下は軽微で基本的な日常生活は保たれるため、将来的には認知症への進展（コンバート）の予防を目標とした治療法が検討される可能性はある。&lt;br /&gt;
　臨床研究レベルで、薬物治療としてドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンなどのアルツハイマー病治療薬（cholinesterase（ChE）阻害薬）の有効性を検討した研究がいくつかあるが、MCIから認知症への転換を抑制する効果について明らかなエビデンスは無いのが現状である。しかし、[[APOE|ApoE]]遺伝子ε4多型保因者の検討においてドネペジル治療により36ヶ月後のAD発症率が有意に低下していたとする報告も存在する。レビー小体型認知症のMCIでは記憶障害や遂行機能障害は呈さずにリアルな幻視やREM[[睡眠]]行動障害等が出現することがあり、この場合はレビー小体型認知症としての抑肝散やドネペジル等による薬物療法が有効な場合があるとされる。&lt;br /&gt;
　薬物以外のアプローチでは、認知症予防のライフスタイル、具体的には運動や食生活・睡眠の改善、血圧や血糖、脂質異常の改善、視覚・聴覚の維持などがMCIから認知症への進行を防ぐためには重要という考え方も存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2013年の全国調査によるとMCI患者数は400万人と推計され、高齢者人口の約13％を占めることが明らかとなった&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。他の報告でも高齢者人口の17〜18％とするものが散見される。また、長期介護施設に入所している集団では地域社会で暮らしている人に比べ2倍近く高いとする報告がある。MCIのコンバート率については、Bowenらによる記憶障害のみ認める群の追跡調査では、4年間に48％が認知症を発症したのに対して対照群では18％であったと報告している。また、メタアナリシスの報告では認知症へのコンバート率は年間約10％とされ、正常へのリバート率については14〜44％の範囲で報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34235</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34235"/>
		<updated>2016-02-04T18:08:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
===== 神経心理検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 血液検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 脳脊髄液検査 =====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 画像検査 =====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して手続き記憶を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・共感的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34234</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34234"/>
		<updated>2016-02-04T17:58:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
===== 神経心理検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 血液検査 =====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 脳脊髄液検査 =====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== 画像検査 =====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して手続き記憶を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・共感的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34233</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34233"/>
		<updated>2016-02-04T17:37:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して手続き記憶を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・共感的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34232</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34232"/>
		<updated>2016-02-04T17:33:10Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;965&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:9%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:12%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:43%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:2%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して手続き記憶を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・共感的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34231</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T17:26:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:8%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:11%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:44%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:3%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== その他の治療アプローチ ====&lt;br /&gt;
===== 漢方療法 =====&lt;br /&gt;
　保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのはBPSDに対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には甘草が多く含まれるので、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯、黄連解毒湯、加味温胆湯、加味帰脾湯、八味地黄丸、当帰芍薬散など複数の漢方薬の報告がある。&lt;br /&gt;
===== 日常生活動作（Activities of daily living：ADL）障害への対応 =====&lt;br /&gt;
　認知症の初期には家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的ADL（instrumental ADL：IADL）から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL（basic ADL ：BADL）が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用（メモや日毎の内服分包、タイマー使用など）で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して手続き記憶を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。&lt;br /&gt;
===== 非薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　認知機能、BPSD、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の４つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習するリアリティオリエンテーション療法、「刺激」については音楽療法などの各種芸術療法、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・共感的に傾聴する回想法などが試みられる。また他にも認知刺激療法、運動療法などが試みられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 疫学 ==&lt;br /&gt;
　2014年の国際アルツハイマー病協会の報告によると、2013年時点での世界の認知症患者数は4400万人にものぼるとされ、疾患別内訳としてはアルツハイマー病が50-75％、血管性認知症が30-40％、前頭側頭葉変性症が5−10％、レビー小体型認知症が5％以下と記載されている。本邦においても厚生労働省研究班の調査により認知症患者数は2012年時点で460万人以上にのぼることが報告され、2025年には700万人にものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;朝田 隆, 泰羅 雅, 石合 純, 清原 裕, 池田 学, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成23年度-平成24年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業&#039;&#039;: 2013&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;二宮 利, 清原 裕, 小原 知, 米本 孝&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;平成26年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業&#039;&#039;: 2015&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34230</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T17:15:24Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! style=&amp;quot;width:8%&amp;quot; | 分類 !! style=&amp;quot;width:11%&amp;quot; | 作用機序など !! style=&amp;quot;width:13%&amp;quot; | 薬物名 !! style=&amp;quot;width:21%&amp;quot; | 想定される&amp;lt;br&amp;gt;認知症への使用 !! style=&amp;quot;width:44%&amp;quot; | 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:3%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性&amp;lt;br&amp;gt;または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、&amp;lt;br&amp;gt;情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛み&amp;lt;br&amp;gt;を訴える心気症状に&amp;lt;br&amp;gt;効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| NaSSA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルタザピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果 ||・分１、眠気が出やすい、眠前投与&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では血中濃度上昇のリスクあり、慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 三環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アモキサピン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状&amp;lt;br&amp;gt;（SSRI無効時） ||・抗コリン作用、弱心毒性 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜75mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 四環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミアンセリン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | せん妄、不眠 ||・弱抗コリン作用、鎮静効果&amp;lt;br&amp;gt;・心毒性なし、分１で眠前投与も可 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜30mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| 異環系 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | トラゾドン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、不眠&lt;br /&gt;
 ||・抗コリン作用、心毒性なし&amp;lt;br&amp;gt;・眠気のため就寝前に投与も可&amp;lt;br&amp;gt;・１〜数回分服、高齢者では安全性未確立 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;6&amp;quot; | 抗不安薬/&amp;lt;br&amp;gt;睡眠導入薬&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ω1受容体&amp;lt;br&amp;gt;作動薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾルピデム || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; | 超短時間作用型 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 7.5mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスゾピクロン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 1〜2mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クアゼパム || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中途覚醒/早朝覚醒 || 長時間型、活性代謝物あり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メラトニン&amp;lt;br&amp;gt;受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ラメルテオン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 入眠障害 || フルボキサミンとの併用は禁忌 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 8mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;厚生労働省　かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;SDA：セロトニン・ドパミン拮抗薬, DLB：レビー小体型認知症, MARTA：多受容体作用抗精神病薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;FTD：前頭側頭型認知症, SSRI：選択的セロトニン取り込み阻害薬, SNRI：セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬, NaSSA：ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T13:00:55Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 分類 !! 作用機序など !! 薬物名 !! 想定される認知症への使用 !! 特徴・注意点 !! style=&amp;quot;width:5%&amp;quot; | 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SNRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ミルナシプラン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状 ||・分３、MAO阻害薬との併用は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・前立腺疾患等合併例では尿閉が起きることあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 15〜60mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | デュロキセチン || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、舌などの痛みを訴える心気症状に効果がある可能性あり || ・分Ⅰ、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・SSRI類似の消化器症状が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高度の肝・腎機能障害では禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 20〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34227</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34227"/>
		<updated>2016-02-04T12:47:11Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 分類 !! 作用機序など !! 薬物名 !! 想定される認知症への使用 !! 特徴・注意点 !! 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;10&amp;quot; | 抗うつ薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SSRI || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | フルボキサミン || rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | うつ症状、FTDの脱抑制、情動行動、食行動異常 ||・分3、食直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25-75〜75-100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | パロキセチン || ・うつ病とうつ状態では用量は右記。原則１週ごとに10mg/日ずつ増量&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与（SIADH、出血のリスク増）&amp;lt;br&amp;gt;・分１、夕直後の服用&amp;lt;br&amp;gt;・開始時悪心や嘔吐が出現することあり || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10〜40mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | セルトラリン || ・分１&amp;lt;br&amp;gt;・高齢者では慎重投与 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜50mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | エスシタロプラム || ・分１、夕食後&amp;lt;br&amp;gt;・QT延長例は禁忌&amp;lt;br&amp;gt;・肝機能障害、高齢者では10mgを上限が望ましい || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 10mg&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34226</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34226"/>
		<updated>2016-02-04T12:36:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
==== 背景 ====&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 歴史的推移 ====&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
==== 診断基準 ====&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;680&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 鑑別診断 ====&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
==== 神経心理検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 血液検査 ====&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳脊髄液検査 ====&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 画像検査 ====&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 病態生理 ==&lt;br /&gt;
　認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 解剖学的見地から ====&lt;br /&gt;
====== 前頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　失行、失語、性格変化、意欲・活動性低下、興奮、多幸感、無頓着、脱抑制、大食、注意力低下、記銘力障害、問題解決能力低下など&lt;br /&gt;
====== 劣位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半側身体失認や半側空間無視、構成失行、着衣失行、病態失認、地誌的記憶障害など&lt;br /&gt;
====== 優位半球頭頂葉障害 ======&lt;br /&gt;
　観念失行や観念運動失行&lt;br /&gt;
====== 優位半球角回の障害 ======&lt;br /&gt;
　手指失認・左右識別障害・失算・失書を4徴とするGerstmann症候群&lt;br /&gt;
====== 側頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　Wernicke失語や嗅覚障害、聴覚失認、皮質聾、複合幻聴、Kluver-Bucy症候群、側頭葉内側の障害により記憶障害&lt;br /&gt;
====== 後頭葉障害 ======&lt;br /&gt;
　半盲、皮質盲、視幻覚、視覚保続、視覚失認、純粋失読、Anton症候群（視覚障害を否認）など&lt;br /&gt;
====== 脳梁障害 ======&lt;br /&gt;
　左視野の失読や左手の失書・失行、道具の強迫使用、拮抗性失行（離断症候群）&lt;br /&gt;
====== 大脳辺縁系（梁下回・帯状回・海馬傍回・鉤・扁桃体・海馬・歯状回・脳弓・中隔核） ======&lt;br /&gt;
　Papez回路やYakovlev回路を含み、記憶や情動と関連する。両側海馬障害により近時記憶が、乳頭体病変では遠隔記憶が障害される。&lt;br /&gt;
====== 視床 ======&lt;br /&gt;
　種々の感覚入力の中継点であり、視床核はPapez回路やYakovlev回路を構成するため、視床障害により記憶・情動障害が起こりえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 各種脳疾患ごとの見地から ====&lt;br /&gt;
====== アルツハイマー病 ======&lt;br /&gt;
　早期から海馬を中心とする側頭葉内側部、側頭頭頂移行部の萎縮がみられる。記憶障害がほぼ必発である。前頭連合野は比較的保たれるため初期からの人格変化は稀で礼節は保たれる。&lt;br /&gt;
====== レビー小体型認知症 ======&lt;br /&gt;
　脳血流SPECTにおいて一次視覚野を含めた後頭葉から頭頂葉の血流低下を認め、幻視や視覚障害を呈するが初期の記銘力障害は目立たないことが多い。&lt;br /&gt;
====== 前頭側頭葉変性症 ======&lt;br /&gt;
　多幸、脱抑制、異常行動、自発性の低下などが高頻度に認められる一方、妄想や幻視は少なく初期からの顕著な記憶障害、失語、視空間障害、失行・失認、構成障害は見られない。&lt;br /&gt;
====== 嗜銀顆粒性認知症 ======&lt;br /&gt;
　側頭葉内側面の迂回回が嗜銀顆粒の好発部位であり、左右差を呈することが多く、物忘れを初発としつつ頑固さや易怒性、自発性低下など前頭側頭葉変性症に類似の症状を呈するが進行は緩徐である。&lt;br /&gt;
====== 血管性認知症 ======&lt;br /&gt;
　病態、局在とも多様で不均一である。記憶力の割に人格や理解力などが保たれるまだら状認知症を呈し、階段状に進行する。&lt;br /&gt;
====== 慢性硬膜下血腫 ======&lt;br /&gt;
　局所神経症状がなくとも認知機能障害を呈する場合があり、その機序として血腫による脳循環障害が考えられる。&lt;br /&gt;
====== 正常圧水頭症 ======&lt;br /&gt;
　脳室拡大や正常範囲内での頭蓋内圧上昇をきたし、神経線維の直接圧迫や脳循環障害を介して種々の症状を呈する。タップテストにより早期から反応がみられることから脳循環障害の要素が強いと思われる。注意障害や思考・反応・作業速度の低下、語想起能力低下、遂行機能障害など前頭葉機能中心の認知機能障害を呈する。&lt;br /&gt;
====== 硬膜動静脈瘻 ======&lt;br /&gt;
　動静脈間シャントにより動脈血流が静脈に流入し、脳静脈還流障害・浮腫などを呈し認知機能障害を発症する。大脳皮質のみならず、Galen大静脈へのシャントによる両側視床の局所血流障害でも発症する。&lt;br /&gt;
====== 脳腫瘍 ======&lt;br /&gt;
　局在により多彩な症状を呈するが、認知症だけを呈する場合は前頭葉病変が多いとされる。前頭葉穹窿部が両側性に障害されると自発性の欠如が、前頭眼窩野が両側性に障害されると人格の変化がみられる。&lt;br /&gt;
====== 外傷性脳損傷 ======&lt;br /&gt;
　頭部に対して物理的な衝撃が作用した結果起こる急性の脳損傷で、脳挫傷やびまん性軸索損傷を主体とし、これによる脳浮腫や脳循環障害などにより広範な脳機能障害が誘発される。&lt;br /&gt;
====== 慢性外傷性脳症 ======&lt;br /&gt;
　頭部への外力を慢性的に受けることで脳の微小損傷が蓄積し、数年〜数十年後に様々な神経症状と認知機能障害を呈する。詳細な機序は不明だが病理学的にアルツハイマー病との類似性が指摘される。&lt;br /&gt;
====== Creutzfeldt-Jakob病 ======&lt;br /&gt;
　MRI拡散強調画像において大脳皮質、大脳基底核、視床に異常信号を認める。食欲不振、倦怠感、睡眠障害、頭痛、視覚障害から亜急性に認知症状が進行し、言語障害、性格変化や異常行動、小脳失調、錐体路・錐体外路徴候、ミオクローヌスを経て無動性無言状態に至る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 治療 ==&lt;br /&gt;
　認知症を呈する疾患のうち、まずは根治可能な疾患を鑑別し加療する。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などは外科手術、内分泌・代謝疾患、感染症は内科的治療、薬剤誘発性のものは原因薬剤の中止を行う。他方、アルツハイマー病などの神経変性疾患、プリオン病、後遺障害の残存しやすい外傷性脳損傷や血管性認知症、ある種の脳腫瘍などは根治困難であり対症療法を検討する。認知症の症状は中核症状と周辺症状（Behavioral psychological symptoms of dementia：BPSD）に二分され、以下にそれぞれの特徴と治療・対処法について記載する。&lt;br /&gt;
==== 中核症状 ====&lt;br /&gt;
　記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、計算力低下など進行に伴い出現する普遍的症状を指す。&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　認知症の50％を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのはコリンエステラーゼ（cholinesterase：ChE）阻害薬とN-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体拮抗薬である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病においてMeynert核のアセチルコリン（acetylcholine：ACh）作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」というコリン仮説を基に開発され、シナプス間隙のACh量を増加させる。一方、NMDA受容体拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内グルタミン酸濃度の持続的上昇やNMDA受容体へのアミロイドβの結合によりCa2+が細胞内に過剰流入し、シナプス後膜電位変化が増大して（シナプティックノイズ）記憶・学習の形成を阻害したり、酸化ストレス増大や神経細胞死を招く」というグルタミン酸仮説に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA受容体に結合して過剰Ca2+流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。&#039;&#039;&#039;表5&#039;&#039;&#039;に各薬剤の特徴を示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;800&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表５．アルツハイマー病（Alzheimer’s disease ; AD）治療薬の特徴&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 一般名 !! 作用機序 !! 適応 !! 副次的効果 !! 剤型 !! 用法(回/日) !! 代謝・排泄&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ドネペジル&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;3&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| ChE阻害剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤・散剤&amp;lt;br&amp;gt;口腔内崩壊錠&amp;lt;br&amp;gt;ゼリー剤等 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ || rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 肝&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! ガランタミン&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 軽〜中等度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | nACh受容体への&amp;lt;br&amp;gt;アロステリック(APL)作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ２ &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! リバスチグミン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | BuChE阻害作用 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 経皮吸収型製剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ ||  rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 腎&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! メマンチン&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | NMDA受容体拮抗薬 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 中等度〜重度AD || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | なし || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 錠剤 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | １ &lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
===== アルツハイマー病以外の認知症性疾患の中核症状に対する対症療法 =====&lt;br /&gt;
　血管性認知症ではドパミン放出促進作用とNMDA受容体拮抗作用を有するアマンタジンが「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下」に対し保険承認されている他、保険適応外の臨床研究でChE阻害剤が有効とする報告もある。外傷性脳損傷についてはこれも保険適応外だが、注意障害に対しメチルフェニデートやChE阻害剤、アマンタジンなどが有効との報告がある。レビー小体型認知症ではChE阻害剤にて認知機能や妄想、幻覚など臨床症状全般が改善したという報告があり本邦では2014年9月よりアリセプトが承認されている。メマンチンも本邦未承認ではあるがランダム化比較試験で改善が報告されている。しかし前頭側頭葉変性症など他の神経変性疾患やプリオン病は現状では有効な治療薬はない。&lt;br /&gt;
==== BPSD ====&lt;br /&gt;
　かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は不穏、多動、徘徊、攻撃性、興奮、拒絶、拒食・異食、不潔行為、つきまとい、概日リズム障害、社会的・性的逸脱行動が、後者は抑うつや不安、アパシー、幻覚、妄想などがあげられる。認知症患者の約60〜90％が少なくとも1つ以上のBPSD症状を呈し、特に無関心、興奮、易刺激性、抑うつなどの頻度が高いとされる。&lt;br /&gt;
===== ケアと環境整備による対応 =====&lt;br /&gt;
　BPSDに対しては原因、誘因、状態を把握し、会話の仕方の工夫（短く簡潔に、穏やかに）や失禁・空腹など身体的問題への対処、不安の原因の除去、首尾一貫した対応、道具の工夫などまずはケア・環境整備により対応する。これらの対応で難しい場合には次の薬物療法を試みる。&lt;br /&gt;
===== BPSDに対する薬物療法 =====&lt;br /&gt;
　ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想やREM睡眠期行動異常（RBD）などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される（詳細は後述）。抗精神病薬では非定型抗精神病薬が使われやすいが、米国食品衛生局（FDA）より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている。その内容を&#039;&#039;&#039;表6&#039;&#039;&#039;にまとめた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表６．BPSDの各症状に対する向精神薬治療&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
! 分類 !! 作用機序など !! 薬物名 !! 想定される認知症への使用 !! 特徴・注意点 !! 用量&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
! rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; | 抗精神病薬&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| SDA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リスペリドン || rowspan=&amp;quot;5&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 焦燥、興奮、攻撃性または精神病症状 ||・高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第１選択。&amp;lt;br&amp;gt;・DLBではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 0.5〜2.0mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ペロスピロン || ・抗不安薬、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 4〜12mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Loose binding || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | クエチアピン || ・パーキンソン症状がある場合とDLBでは第１選択、眠前薬として使用可。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 25〜100mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| MARTA || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | オランザピン || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では禁忌。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 2.5〜10mg&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot;| Dopamine partial agonist || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アリピプラゾール || ・眠前薬としては用いない。&amp;lt;br&amp;gt;・高血糖/糖尿病合併例では慎重投与。 || style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 3〜9mg&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;nACh：ニコチン性アセチルコリン (nicotic acetylcholine), BuChE：ブチリルコリンエステラーゼ (butyrylcholinesterase),&amp;lt;/small&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;small&amp;gt;VaD：血管性認知症 (vascular dementia), DLB：レビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies)&amp;lt;/small&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34219</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34219"/>
		<updated>2016-02-04T07:57:36Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
=== 神経心理検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-11&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 血液検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症が疑われた際に、認知症をきたす各種内科疾患とそれ以外の認知症疾患の鑑別に有用である。例えば、一般的な項目として血算、血沈、肝機能、腎機能、電解質、血糖、HbA1c、脂質、アンモニア、甲状腺ホルモン、ビタミンB1、B12、葉酸、梅毒血清反応、動脈血ガス分析などが挙げられる。また悪性腫瘍の鑑別に各種腫瘍マーカー、自己免疫疾患の鑑別に各種自己抗体、感染症の鑑別にはHIV抗体やJCウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス抗体がそれぞれ役立つ。さらに中毒を疑う例では各種薬剤、特に抗精神病薬や金属、有機化合物などの血中濃度測定が有用である。一方、神経変性疾患であるアルツハイマー病においては血漿アミロイドβ（Aβ）についての検証がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9065558 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9029078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脳脊髄液検査 ===&lt;br /&gt;
　脳脊髄液検査は髄膜脳炎やくも膜下出血、各種神経免疫疾患、腫瘍性疾患などの鑑別に有用である。亜急性硬化性全脳炎においては脳脊髄液麻疹抗体、進行性多巣性白質脳症ではJCウイルスDNA PCRが、Creutzfeldt-Jakob病では脳脊髄液14-3-3蛋白や総タウ蛋白の測定がそれぞれ有用とされる。またアルツハイマー病では脳脊髄液中のタウ蛋白やAβが検証され、近年注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 画像検査 ===&lt;br /&gt;
　画像検査のうちCT、MRI、MRAは脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、髄膜脳炎、多発性硬化症などの診断に有用である。MRIの拡散強調画像はCreutzfeldt-Jakob病の病変描出能に優れる。またMRIは神経変性疾患における脳の形態学的変化の描出にも優れ、近年ではvoxel-based morphometry（VBM）が発達している。これは各個人の脳の形態情報を標準化し、健常標準脳の形態と比較してvoxel単位で統計学的に脳の萎縮を評価する手法である。アルツハイマー病における海馬や海馬傍回の評価などに用いる。脳血流SPECTは主に&amp;lt;sup&amp;gt;123&amp;lt;/sup&amp;gt;I-IMPや&amp;lt;sup&amp;gt;99m&amp;lt;/sup&amp;gt;Tc-ECDを核種として用い、特に神経変性疾患においては形態学的変化をきたす以前の異常を検出しうる検査法として重要視されている。かつては評価において客観性に欠けることが指摘されていたが、近年ではstatistical parametric mapping（SPM）、three-dimentional stereotactic surface projection（3D-SSP）、easy Z-score imaging system（e-ZIS）などの画像統計解析手法が発達し、課題が克服されている。保健適応外の臨床研究領域では、アルツハイマー病においてFDG-PETで側頭葉内側や頭頂-側頭連合野、帯状回後部などにおける糖代謝低下が指摘される。また近年、&amp;lt;sup&amp;gt;11&amp;lt;/sup&amp;gt;C-PIBやFDDNP、BF-227などを核種としたアミロイドイメージングによりアルツハイマー病における老人斑の検出が非侵襲的に可能になり注目されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34213</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34213"/>
		<updated>2016-02-04T07:47:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;: 2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;602&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 鑑別診断 ===&lt;br /&gt;
　認知症と鑑別すべき疾患・病態としては、せん妄などの意識障害、抑うつ状態、統合失調症などが挙げられる。せん妄は症状に類似点も多く、各種診断基準においても除外項目に挙げられることが多いが、本質は意識障害であり急性発症である点、興奮や幻覚で発症することが多い点、日内変動が見られやすい点、数日から数週間で軽快することが多い点などが鑑別点として挙げられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　また認知症を呈する疾患の鑑別診断には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒性認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患が挙げられる他、脳血管障害による血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、硬膜動静脈瘻、脳腫瘍、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、Creutzfeldt-Jakob病やその他の感染症としてHIV感染症、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、神経梅毒、髄膜脳炎など多彩な脳・神経疾患が挙げられる。また上記以外にもパーキンソン病や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、あるいは神経ベーチェットやサルコイドーシスなど全身性疾患の中枢神経症状においても認知症を合併する場合がある。さらに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、糖尿病、栄養異常（ビタミンB1やB12低下）などの代謝疾患、肝不全や腎不全などの臓器不全、アルコールや麻薬、その他薬物や金属、一酸化炭素による中毒など、各種身体疾患においても認知症は認められ、鑑別の範囲は非常に多岐に渡る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 検査 ==&lt;br /&gt;
　認知症であるか否か、あるいは認知症性疾患であるとしてどのような診断であるのか、以下のような検査が必要になる。&lt;br /&gt;
=== 神経心理検査 ===&lt;br /&gt;
　認知症であるか否かのスクリーニング検査のうち、質問式の方法としては本邦では長谷川式認知症スケール（Hasegawa’s Dementia Scale-Revised：HDS-R）やMini-Mental State Examination（MMSE）が広く用いられる。HDS-Rは1974年に作成された長谷川式簡易知能スケールの改訂版（1991年）であり、2004年の認知症への改称に伴い2005年から現在の名称になっている。9つの設問からなり最高点は30点満点で21点以上を正常、20点以下を認知症の疑いとする。MMSEは国際的に最も広く使用されている方法で、11の設問からなる。最高点は30点満点で24点以上を正常、23点以下を認知症の疑いとしていたが、最近では27点以上を正常、22〜26点を軽度認知症の疑い、21点以下を認知症の疑いが強いとする基準も用いられる。他にも、より簡便なスクリーニング法として「10時10分もしくは8時20分を指す時計の文字盤を描かせる」Clock Drawing Test（CDT）や年齢、日付、生年月日などのみを質問する方法なども行われる。またHDS-RやMMSEでは評価が困難な前頭葉機能の評価法としてFrontal Assessment Battery（FAB）が挙げられる。これは6設問からなり最高点は18点満点でカットオフ値については諸説あり、11、12点を勧める報告&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;前島 伸, 種村 純, 大沢 愛, 川原田 美, 関口 恵, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;高齢者に対するFrontal assessment battery(FAB)の臨床意義について.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;脳と神経&#039;&#039;: 2006, 58; 207-211&amp;lt;/ref&amp;gt;などが散見される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34209</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34209"/>
		<updated>2016-02-04T07:33:32Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
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|+ &#039;&#039;&#039;表３．DSM-Ⅳ-TRによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．多彩な認知機能障害の発現として以下の2項目がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶障害（新規情報の学習や、過去に学習した情報の想起の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)即時記憶は数字の順唱、逆唱により、近時記憶は言葉や物品の遅延再生により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)遠隔記憶は随伴者に確認可能な個人情報（誕生日や卒業年、結婚記念日など）もしくは被&lt;br /&gt;
　　 験者の教育レベル・文化背景に合った一般知識の質問により評価する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 以下の認知機能障害のうち1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(a)失語（言語の障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(b)失行（運動機能は障害されていないのに運動の遂行が障害される）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(c)失認（感覚機能は障害されていないのに対象を認識もしくは同定できない）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(d)遂行機能（計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化すること）の障害&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．上記A-1)、A-2)の認知機能障害各々が社会的もしくは職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準からの著しい低下を示す。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．この障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を&#039;&#039;&#039;表4&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表４．DSM-5による認知症（Major Neurocognitive Disorder）の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．1つ以上の認知領域（複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、知覚-運動、社会的認知）において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) できれば標準化された神経心理学的検査で記録される形で、それが無い場合は他の定量化された臨床的評価によって確認された認知機能の明らかな障害。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．毎日の活動において認知機能障害が自立性を阻害している（例：請求書の支払いや服薬管理など日常生活における複雑な操作的活動に援助を要する）。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．認知機能障害はせん妄の経過中にのみ起こるものではない。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．認知機能障害は他の精神疾患ではうまく説明されない（例：うつ病、統合失調症）。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34195</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:52:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表1&#039;&#039;&#039;に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;949&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表１．ICD-10による認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表2&#039;&#039;&#039;に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を&#039;&#039;&#039;表3&#039;&#039;&#039;に示す。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; width=&amp;quot;550&amp;quot; height=&amp;quot;20&amp;quot;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表２．DSM-Ⅲ-Rによる認知症の診断基準の要約&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| A．短期・長期記憶障害の明らかな証拠が存在する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B．以下のうち少なくとも1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 抽象的思考の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 判断の障害&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 高次皮質機能の障害（失語、失行、失認、構成障害）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 性格変化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C．上記A、Bにより仕事、社会生活、人間関係が損なわれる。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| D．意識変容やせん妄が存在する場合には起こらない（除外項目）。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| E．以下のどちらかの状況にある。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 病歴、身体所見、検査などの証拠から器質的疾患が病因であると判断される。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) このような証拠がなくとも器質的疾患以外の状況が合理的に除外されている場合。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:28:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:25:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&lt;br /&gt;
2) 易怒性&lt;br /&gt;
3) 無気力&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:24:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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		<updated>2016-02-04T06:23:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34185</id>
		<title>認知症</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34185"/>
		<updated>2016-02-04T06:22:06Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G4．診断確定にはG1症状が6ヶ月以上存在していることが必要。それより短い期間の場合は暫定診断とする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34184</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:20:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G2．周囲の環境に対する認識がG1の症状を明確に証明するのに十分な期間、保たれている（すなわち意識混濁は存在しない）。せん妄のエピソードが重なっている場合は認知症の診断は保留する。&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G3．情動コントロールや意欲の低下、社会行動の変化など以下の1項目以上を認める。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 情動不安定&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 易怒性&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
3) 無気力&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
4) 社会行動の粗雑化&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 2．血管性認知症の臨床的特徴&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 早期からの歩行障害&amp;lt;br&amp;gt;B. 不安定性および頻回の転倒&amp;lt;br&amp;gt;C. [[wikipedia:ja:泌尿器|泌尿器]]疾患で説明困難な[[wikipedia:ja:尿失禁|尿失禁]]などの[[wikipedia:ja:排尿障害|排尿障害]]&amp;lt;br&amp;gt;D. [[偽性球麻痺]]&amp;lt;br&amp;gt;E. [[人格障害]]および[[情緒障害]]([[感情失禁]])&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 3．血管性認知症らしくない症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 局所神経徴候や画像異常を伴わない記憶障害・認知機能障害の悪化。&amp;lt;br&amp;gt;B. 認知機能障害以外に局所神経徴候を欠く。&amp;lt;br&amp;gt;C. 画像上、脳血管障害が確認できない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34182</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:18:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
1) 記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
2) 記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B. 脳血管障害 &lt;br /&gt;
a) 神経学的診察で，脳卒中の際にみられる局所神経症候([[片麻痺]]・下部[[顔面神経麻痺]]・[[Babinski徴候]]・[[感覚障害]]・[[半盲]]・[[構音障害]])がみられる。&amp;lt;br&amp;gt; b) 脳画像(CT・MRI)で明らかな多発性の大梗塞，重要な領域の単発梗塞，多発性の基底核ないし白質の小梗塞あるいは広範な脳室周囲白質の病変を認める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C. AとBの間隔が３カ月以内&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
1）明らかな脳血管障害後3か月以内に認知症が起こる。&amp;lt;br&amp;gt; 2）認知機能が急激に低下するか，認知機能障害が動揺性ないし段階的に進行する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 2．血管性認知症の臨床的特徴&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 早期からの歩行障害&amp;lt;br&amp;gt;B. 不安定性および頻回の転倒&amp;lt;br&amp;gt;C. [[wikipedia:ja:泌尿器|泌尿器]]疾患で説明困難な[[wikipedia:ja:尿失禁|尿失禁]]などの[[wikipedia:ja:排尿障害|排尿障害]]&amp;lt;br&amp;gt;D. [[偽性球麻痺]]&amp;lt;br&amp;gt;E. [[人格障害]]および[[情緒障害]]([[感情失禁]])&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 3．血管性認知症らしくない症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 局所神経徴候や画像異常を伴わない記憶障害・認知機能障害の悪化。&amp;lt;br&amp;gt;B. 認知機能障害以外に局所神経徴候を欠く。&amp;lt;br&amp;gt;C. 画像上、脳血管障害が確認できない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:17:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(1)記憶力の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　(2)記憶以外の認知機能の低下&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　　　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B. 脳血管障害 &lt;br /&gt;
a) 神経学的診察で，脳卒中の際にみられる局所神経症候([[片麻痺]]・下部[[顔面神経麻痺]]・[[Babinski徴候]]・[[感覚障害]]・[[半盲]]・[[構音障害]])がみられる。&amp;lt;br&amp;gt; b) 脳画像(CT・MRI)で明らかな多発性の大梗塞，重要な領域の単発梗塞，多発性の基底核ないし白質の小梗塞あるいは広範な脳室周囲白質の病変を認める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C. AとBの間隔が３カ月以内&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
1）明らかな脳血管障害後3か月以内に認知症が起こる。&amp;lt;br&amp;gt; 2）認知機能が急激に低下するか，認知機能障害が動揺性ないし段階的に進行する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 2．血管性認知症の臨床的特徴&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 早期からの歩行障害&amp;lt;br&amp;gt;B. 不安定性および頻回の転倒&amp;lt;br&amp;gt;C. [[wikipedia:ja:泌尿器|泌尿器]]疾患で説明困難な[[wikipedia:ja:尿失禁|尿失禁]]などの[[wikipedia:ja:排尿障害|排尿障害]]&amp;lt;br&amp;gt;D. [[偽性球麻痺]]&amp;lt;br&amp;gt;E. [[人格障害]]および[[情緒障害]]([[感情失禁]])&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 3．血管性認知症らしくない症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 局所神経徴候や画像異常を伴わない記憶障害・認知機能障害の悪化。&amp;lt;br&amp;gt;B. 認知機能障害以外に局所神経徴候を欠く。&amp;lt;br&amp;gt;C. 画像上、脳血管障害が確認できない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:16:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| G1．以下の各項目を示す証拠が存在する。&lt;br /&gt;
　(1)記憶力の低下&lt;br /&gt;
　　　　新規情報についての記憶力が低下し、重症例では過去に学習した情報の想起も障害される。可能であれば客観的に確認する。&lt;br /&gt;
　(2)記憶以外の認知機能の低下&lt;br /&gt;
　　　　計画・整理といった判断や思考に関する能力、および情報処理全般の悪化があり、従来の能力水準からの悪化を可能であれば客観的に確認する。　&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B. 脳血管障害 &lt;br /&gt;
a) 神経学的診察で，脳卒中の際にみられる局所神経症候([[片麻痺]]・下部[[顔面神経麻痺]]・[[Babinski徴候]]・[[感覚障害]]・[[半盲]]・[[構音障害]])がみられる。&amp;lt;br&amp;gt; b) 脳画像(CT・MRI)で明らかな多発性の大梗塞，重要な領域の単発梗塞，多発性の基底核ないし白質の小梗塞あるいは広範な脳室周囲白質の病変を認める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C. AとBの間隔が３カ月以内&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
1）明らかな脳血管障害後3か月以内に認知症が起こる。&amp;lt;br&amp;gt; 2）認知機能が急激に低下するか，認知機能障害が動揺性ないし段階的に進行する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 2．血管性認知症の臨床的特徴&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 早期からの歩行障害&amp;lt;br&amp;gt;B. 不安定性および頻回の転倒&amp;lt;br&amp;gt;C. [[wikipedia:ja:泌尿器|泌尿器]]疾患で説明困難な[[wikipedia:ja:尿失禁|尿失禁]]などの[[wikipedia:ja:排尿障害|排尿障害]]&amp;lt;br&amp;gt;D. [[偽性球麻痺]]&amp;lt;br&amp;gt;E. [[人格障害]]および[[情緒障害]]([[感情失禁]])&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 3．血管性認知症らしくない症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 局所神経徴候や画像異常を伴わない記憶障害・認知機能障害の悪化。&amp;lt;br&amp;gt;B. 認知機能障害以外に局所神経徴候を欠く。&amp;lt;br&amp;gt;C. 画像上、脳血管障害が確認できない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:14:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| 1．Probable VaDの診断基準&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 認知症 &lt;br /&gt;
a) 記憶障害と，次の認知機能のうち2つ以上の障害がある．[[見当識]]，[[注意力]]，[[言語]]，[[視覚]]空間機能，[[行動機能]]，[[運動統御]]，[[行為]]。&amp;lt;br&amp;gt; b) 臨床的診察と神経心理学的検査の両方で確認することが望ましい。 &amp;lt;br&amp;gt; c) 機能障害は，日常生活に支障をきたすほど重症である．しかし，これは脳卒中に基づく身体障害によるものを除く。 &amp;lt;br&amp;gt; 【除外基準】&amp;lt;br&amp;gt; a) 神経心理検査を妨げる[[意識障害]]，[[せん妄]]，[[精神病]]，重症[[失語]]，著明な感覚運動障害がない&amp;lt;br&amp;gt; b) [[記憶]]や認知機能を障害する全身性疾患や他の脳疾患がない&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| B. 脳血管障害 &lt;br /&gt;
a) 神経学的診察で，脳卒中の際にみられる局所神経症候([[片麻痺]]・下部[[顔面神経麻痺]]・[[Babinski徴候]]・[[感覚障害]]・[[半盲]]・[[構音障害]])がみられる。&amp;lt;br&amp;gt; b) 脳画像(CT・MRI)で明らかな多発性の大梗塞，重要な領域の単発梗塞，多発性の基底核ないし白質の小梗塞あるいは広範な脳室周囲白質の病変を認める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| C. AとBの間隔が３カ月以内&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
1）明らかな脳血管障害後3か月以内に認知症が起こる。&amp;lt;br&amp;gt; 2）認知機能が急激に低下するか，認知機能障害が動揺性ないし段階的に進行する。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 2．血管性認知症の臨床的特徴&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 早期からの歩行障害&amp;lt;br&amp;gt;B. 不安定性および頻回の転倒&amp;lt;br&amp;gt;C. [[wikipedia:ja:泌尿器|泌尿器]]疾患で説明困難な[[wikipedia:ja:尿失禁|尿失禁]]などの[[wikipedia:ja:排尿障害|排尿障害]]&amp;lt;br&amp;gt;D. [[偽性球麻痺]]&amp;lt;br&amp;gt;E. [[人格障害]]および[[情緒障害]]([[感情失禁]])&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 3．血管性認知症らしくない症状&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| A. 局所神経徴候や画像異常を伴わない記憶障害・認知機能障害の悪化。&amp;lt;br&amp;gt;B. 認知機能障害以外に局所神経徴候を欠く。&amp;lt;br&amp;gt;C. 画像上、脳血管障害が確認できない。&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;表1：血管性認知症のNINDS-AIREN診断基準&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87&amp;diff=34178</id>
		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:12:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width: 949px; height: 494px;&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;background-color:#dfd&amp;quot; | 1．Probable VaDの診断基準&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T06:01:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>認知症</title>
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		<updated>2016-02-04T05:38:06Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 診断 ==&lt;br /&gt;
=== 診断基準 ===&lt;br /&gt;
　認知症の診断基準のうち、国際的に広く用いられているものとしては世界保健機関によるICD-10や、米国精神学会によるDSM-Ⅲ、DSM-Ⅳ-TRおよび2013年5月に公開されたDSM-5などが挙げられる。&lt;br /&gt;
　ICD-10は1990年の第43回世界保健総会において採択された「疾病および関連保健問題の国際統計分類（International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems）」第10版であり、Dementiaを「脳疾患により慢性（6ヶ月以上）あるいは進行性に記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む高次皮質機能障害を示す症候群で、意識は清明である」としている。ICD-10における認知症の具体的な診断基準の要約を表1に示す。2017年にはICD-11が制定・公表される予定である。&lt;br /&gt;
　DSM-Ⅲは1980年出版の「精神障害の診断統計マニュアル（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）」第3版であり、1987年にはその改訂版であるDSM-Ⅲ-Rが出版されている。DSM-Ⅲ-Rにおける認知症の診断基準の要約を表2に示す。また1994年には第4版にあたるDSM-Ⅳが出版され、2000年にDSM-Ⅳ-TRとして改訂されている。DSM-Ⅳ-TRにおける認知症の診断基準の要約を表3に示す。&lt;br /&gt;
　これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。&lt;br /&gt;
　他方、2013年に公表されたDSM-5ではDementiaという用語は消失し、代わりに「神経認知障害：Neurocognitive Disorders（ND）」と総称することを提唱している。Dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「De (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を表4に示す。DSM-5の変更点に対する本邦の対応は、Major NDが内容的に従来のDementiaと重なる部分が多いこと、またDementiaに対する用語が本邦ではすでに「痴呆」から「認知症」へと変更されており社会的にも受け入れられていることから、Major NDを「認知症」とすることが日本精神神経学会 精神科用語検討委員会 精神科病名検討連絡会にて承認されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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		<title>認知症</title>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 歴史的推移 ===&lt;br /&gt;
　本邦において本概念は古来、「呆ける、惚ける、耄ける（ぼける、ほける、ほうける）」「老い痴らふ（おいしらふ）」などの一般語で表わされ、少なくとも平安時代以降の文学などにおいて記載が散見される。江戸時代には広義に「老化による衰え」というニュアンスを含む「耄碌（もうろく）」という一般語が使用されるようになる。一方、医学用語としては、江戸時代の医師である浅井貞庵の著書「方彙口訣」や本間棗軒の著書「内科秘録」の中に「健忘」の語が認められる。江戸時代末期から明治初期にかけて様々な西洋医学用語が日本語に訳されたが「Dementia」については1872年（明治5年）の「医語類聚」では「狂ノ一種」と訳され、以後も「痴狂」や「瘋癩」「痴呆」など様々に訳され一定しなかった。その後、1908年（明治41年）、東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」の使用を提唱し、それが一般化した。しかし、徐々に「痴呆」という用語における差別感・侮蔑感・不適切感が指摘されるようになり、厚生労働省における議論や検討会を経て、2004年末に公的な用語としてはそれまでの「痴呆」を「認知症」と呼び変えることが決定した。一方、人間が外界の情報を内部に取り入れる知的機能・現象を表わす「認知」という言葉の後に「〜の状態」という意味の「症」を続けるのは日本語として意味が不明であり、不適切であると言う議論も出ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Prince M, Albanese E, Guerchet M, Prina M, Prince M, et al.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;World Alzheimer Report 2014&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Alzheimer&#039;s Disease International (London)&#039;&#039;:2014&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
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同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
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（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
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&lt;div&gt;英：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知症(英: dementia, DSM-5ではmajor neurocognitive disorder)は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。本邦では「痴呆」という用語が定着していたが、その差別感・侮蔑感が指摘され2005年より「認知症」に変更することが定められた。国際的に広く用いられる診断基準としてICD-10やDSM-Ⅲ-R、DSM-Ⅳ-TRなどが挙げられ、Dementiaという用語が用いられていたが、2013年に改訂されたDSM-5においてはNeurocognitive Disordersという用語で記憶障害を必須としない定義に変更されている。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
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== 認知症とは ==&lt;br /&gt;
=== 背景 ===&lt;br /&gt;
　認知症は概ね、意識正常下で認知機能が後天的に持続性に低下し、それにより日常生活・社会生活の障害をきたす疾患と捉えられている。近年、世界的な高齢化の進展に伴い増加している。その多くは病因未解明の神経変性疾患であるアルツハイマー病が占めており、有効な根治療法が確立していないケースが多い。認知症ケアに要する経済的コストは2010年時点で全世界において6000億ドル以上と試算され、2030年には1兆ドルにものぼると推計されている[1]。このように、高齢化が進む世界において認知症患者の増加は経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。&lt;br /&gt;
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同義語：痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌&lt;br /&gt;
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（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：dementia, major neurocognitive disorder　独：Demenz　仏：démence&lt;br /&gt;
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（執筆者：松村晃寛、川又　純、下濱　俊　　担当編集委員：漆谷　真）&lt;/div&gt;</summary>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Akihiromuramatsu: ページの作成:「英語名：dementia　独」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：dementia　独&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Akihiromuramatsu</name></author>
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