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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-05-20T17:25:34Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<title>損失回避</title>
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		<updated>2012-05-14T08:12:02Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 微修正&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：loss aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避（loss aversion）とは、ある額を得る場合（gain）の[[wikipedia:ja:効用|効用]]と失う場合（loss）の不効用を比べると、後者のほうが大きいという個人の[[wikipedia:ja:選好|選好]]である。[[wikipedia:ja:行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）における重要な理論である、[[wikipedia:ja:プロスペクト理論|プロスペクト理論]]（prospect theory）を構成する一要素である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==期待効用理論とその反証==&lt;br /&gt;
　「くじ」のような[[wikipedia:ja:リスク|リスク]]のある事象に対する[[wikipedia:ja:意思決定|意思決定]]問題は、古くから議論がなされてきた。いくつかのくじからどれが選ばれるか、という問題を説明するのに第一に使われたのは、[[wikipedia:ja:期待値|期待値]]（expected value）である。期待値はくじの結果 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; をそれぞれの出現確率 &amp;lt;math&amp;gt;p_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; で加重和をとったもので、&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EV=\textstyle \sum p_i x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述できる。しかし、期待値では個人がリスクを好むかどうかを表現することはできない。例えば、「1/2の確率で200万円が当たるくじ（はずれは0円）」と「確実に100万円が当たるくじ」は同じ期待値を持つが、現実にはリスクを好む人は少なく、後者を選ぶ人が多いだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　個人のリスクを好むかどうかを捉えた理論が、[[wikipedia:ja:期待効用|期待効用]]理論（expected utility theory）である。この理論では、個人はそれぞれくじの結果に対する効用 &amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; を持ち、その効用の期待値を最大化するような選択をすると考える。期待効用は&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EU=\textstyle \sum p_i u(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述することができる。&amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt;が上に凸（concave）である（&amp;lt;math&amp;gt;u&#039;&#039;(x_i) &amp;lt;0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）とすると、個人は大きな額をあまり高く評価せず、リスク回避的（risk averse）であると言える。逆に下に凸の場合は、リスク愛好的（risk love）、線形であればリスク中立的（risk neutral）と呼ばれる。期待効用理論は個人のリスク態度を考慮できる簡便な方法であり、経済学のモデルに幅広く用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、期待効用理論にも欠点があり、多数の「パラドックス」があることが知られている。例えば、有名な「アレのパラドックス（Allais paradox）」&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Maurice Allais&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Le Comportement de l&#039;Homme Rationnel devant le Risque: Critique des Postulats et Axiomes de l&#039;Ecole Americaine. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1953, 21(4);503-546&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=KT1979&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Daniel Kahneman, Amos Tversky&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1979, 47(2);263-292&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
では、以下のような不備が指摘されている。まず、くじの選択問題を２つ考える。（はずれは全て0円）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*問題１：「80%の確率で40万円」または「確実に30万円」&lt;br /&gt;
*問題２：「20%の確率で40万円」または「25%の確率で30万円」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
問題１では多くの人が後者を、問題２では多くの人が前者を選ぶ。問題１ではより確実な選択肢が選ばれ、問題２はリスクが高いくじの中から、結果がより大きいものが選ばれていると考えられる。しかし、問題２は問題１の確率をそれぞれ単に1/4にしたものであり、期待効用理論から言うと問題１と問題２の選択は「どちらも前者」または「どちらも後者」という一貫したものになるはずである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==プロスペクト理論と損失回避==&lt;br /&gt;
　このような期待効用理論の問題を解決すべく作られた理論がプロスペクト理論である。&amp;lt;ref name=KT1979 /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Amos Tversky, Daniel Kahneman&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Advances in prospect theory: Cumulative representation of uncertainty.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1992, 5(4);297-323&amp;lt;/ref&amp;gt;プロスペクト理論では、くじの価値 &amp;lt;math&amp;gt;V \!&amp;lt;/math&amp;gt; は以下のように表現される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;V=\textstyle \sum w(p_i) v(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;w(p_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は確率に対する加重関数（weighting function）を表し、個人が確率をある程度主観的に評価しているとする（[[wikipedia:ja:主観確率|主観確率]]）。&amp;lt;math&amp;gt;v(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は価値関数（value function）である。価値関数の最大の特徴は、参照点依存（reference-dependent）であるという点である。&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; がある参照点より大きいか小さいかで、その評価が異なる。プロスペクト理論では、&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より小さい場合により大きい不効用を感じる、という損失回避を仮定する。さらに、 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より大きい場合はリスク回避的だが、小さい場合はリスク愛好的であるとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避によって、以下の様な現象が説明できる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
;保有効果（endowment effect）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Richard Thaler&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Toward a positive theory of consumer choice. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Economic Behavior &amp;amp; Organization&#039;&#039;: 1980, 1(1);39-60&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある物を持っていることに特別な価値を置き、それを手放すことを嫌がる効果。保有効果があると、ある物を売っても良いと考える最低額（WTA, willingness to accept）が買っても良いと考える最高額（WTP, willingness to pay）を上回る。&lt;br /&gt;
;現状維持バイアス（status quo biases）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;William Samuelson and Richard Zeckhauser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Status quo bias in decision making. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1988, 1(1);7-59&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある状態から移行することを嫌がり、現状維持を好むようなバイアス。&lt;br /&gt;
;デフォルト効果（default effect）&lt;br /&gt;
:外部から与えられたデフォルト状態をそのままとる人が多いという効果。例えば[[wikipedia:ja:臓器提供|臓器提供]]において、「提供する」をデフォルトとする国と、「提供しない」をデフォルトとする国では大きく提供率が異なることが知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14631022&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　プロスペクト理論は、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）でも検証されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　金銭的には同じだが、表現が異なる（「損失が発生する」または「利益を得られる」）くじを比較した研究では、「損失」ではリスク愛好的な、「利益」ではリスク回避的な行動が見られた。そのような行動をとる際には、情動が司る[[扁桃体]]が賦活化し、逆に[[報酬系]]である[[前帯状皮質]]が賦活化しなくなることが示された。また、表現に影響されない「合理的な」人は、[[眼窩前頭皮質]]がより賦活化していた。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16888142&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　同じくくじの表現の違いに着目した研究では、くじの結果を『「大きい利益」と「大きい罰」』の組合せと表現したほうが、眼窩前頭皮質の外側と腹内側部が賦活化したことが示されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16839292&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　様々な利益・損失を組み合わせたくじによる研究では、利益が増えるにつれ[[線条体]]・[[前頭前皮質]]・前帯状皮質などの部位が賦活化するが、損失が増えても賦活化せず、むしろ賦活化しなくなる部位があることが示されている。また、賦活量にも「損失回避」の傾向が見られ、実際の損失回避行動と相関があることも検証されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17255512&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：大竹　文雄、担当編集委員：定藤　規弘）　&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=8076</id>
		<title>不平等嫌悪</title>
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		<updated>2012-05-14T08:05:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 簡単な修正&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：inequality aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の[[wikipedia:jp: 選好|選好]]である。他者の状態・行動が個人の[[wikipedia:jp: 効用|効用]]にも影響する、という社会的選好（social preference）の一形態である。[[wikipedia:jp: 行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）と呼ばれる分野で発達した概念であり、90年以降に様々な定式化が試みられている。検証手法として、当初は[[実験経済学]]の手法が用いられ、後に神経科学の手法がとられるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好とは==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　経済学の世界では伝統的に「個人は自分の利益のみを動機として行動する」と仮定していた。これは、旧来の経済学が、主として多数の個人からなる市場での行動を分析していたことに由来する。実際、市場実験による結果は、利己的な個人をモデルとした予測によりかなりの程度が説明できる。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Microeconomic systems as an experimental science.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Economic Review&#039;&#039;: 1982, 72(5);923-955&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;An experimental study of competitive market behavior. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Political Economy&#039;&#039;: 1962, 70(2);111-137&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし[[ゲーム理論]]の進展に伴い、経済学がより少数の個人からなる経済行動を分析するようになると、利己的な個人を基にしたモデルの当てはまりは悪くなっていった。そこで予測のずれを説明するために導入された概念の１つが、「個人は他者の利益や行動も考慮する」と考える、社会的選好である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好の類型と不平等回避==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好の定式化は。大きく２つに分けられる。１つは分配に関する選好、もう１つは他者の意図に対する選好である。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The economics of fairness, reciprocity and altruism―experimental evidence and new theories.&amp;lt;br&amp;gt;In: Serge-Christophe Kolm and Jean M. Ythier (ads), &#039;&#039;Handbook of the Economics of Giving, Altruism and Reciprocity&#039;&#039;, North-Holland: Elsevier, 2006;615-691&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
不平等回避は、前者の一形態である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前者の分配に関する選好は、結果に依存した定式化で、結果（典型的には、お金）がどのように分布しているかが個人の選好に影響する。その結果がもたらされた過程は問わない。後者の意図に対する選好は、他者の行動、そしてその背後にある意図が選好に影響を与えるとする。後者のほうがより現実を生々しく描写しているが、モデルが複雑になるという欠点がある。前者はより簡便で扱いやすい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　分配に関する選好は、他者の状態がどのように個人に影響を与えるかという点でいくつかに分類される。例えば、他者の利益が本人の効用に常に正の影響を与えるという[[wikipedia:jp: 利他主義|利他主義]]的定式化が挙げられる。この中で最も有名と言えるのが、不平等回避である。不平等回避は、個人が本人の利益と他者の利益の相対的な水準を意識し、平等な状態から乖離するほど不効用を感じるとする。例えば、プレーヤーが２人の場合、以下のような定式化&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;A theory of fairness, competition, and cooperation. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics&#039;&#039;: 1999, 114(3);817-868&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
が考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt; u_i (x_i, x_j)=x_i - \alpha_i \{x_j-x_i, 0\} - \beta_i \{x_i-x_j, 0\} \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge 0, \beta_i \ge 0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;を仮定する。何らかの行動の結果として得られた個人の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;、他者の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_j \!&amp;lt;/math&amp;gt;である。&amp;lt;math&amp;gt;u_i(\cdot) \!&amp;lt;/math&amp;gt;は効用関数である。右辺第一項は、個人の利益が大きいほど効用が高まることを示す利己的な部分である。第二項・第三項が不平等回避にあたる部分である。第二項は、自分より相手の利益が大きかった場合の不効用の程度を表す羨望（envy）を、第三項は相手より自分の利益が大きかった場合のそれを表す憐れみ（compassion）を表現している。どちらも、自分と相手の利益の乖離が大きくなるほど、不効用を感じるとしている。ただし、その程度はどちらの利益が大きいかによって異なる。さらに、&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge \beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;を仮定し、羨望の不効用はより高いとされる。また不効用の程度は個人によっても違いがあることを表している。&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;や&amp;lt;math&amp;gt;\beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;が十分大きければ、自分の利益を多少犠牲にしても、他者の利益を優先するような行動が発生する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==経済実験による検証==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避を含む社会的選好は、様々な経済実験によりその存在が確かめられている。経済実験では、簡単なゲームの結果に応じて報酬を支払う。そのゲームにおける行動を分析することで、社会的選好が存在するかどうかを検証している。[[最後通牒ゲーム]]・[[独裁者ゲーム]]・[[信頼ゲーム]]・[[公共財ゲーム]]などの代表的ゲームが、様々な環境で行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好を純粋な形で検証するためには、個人の「評判」が行動に影響することを可能な限り避ける必要がある。良い評判が個人の利益につながるような状況を設定すると、自分の一時的な利益を犠牲にしてでも良い評判を得ようとする行動が増える可能性がある。そのような状況では、自分の利益より他者の利益を優先する行動が、社会的選好によるものなのか、評判を通して最終的に自己の利益を増やそうとする利己的な行動なのかが区別できなくなってしまう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これを避けるため、実験では同じゲームを同じメンバーで繰り返さず、１回のみのゲームとし、実験内での評判形成を避ける。また、実験外での評判形成を避けるため、可能な限り匿名の状況を設定し、どの行動を誰がとったのかを特定できないようにする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうした経済実験は数多く行われ、社会的選好は国や世代を超えた幅広い層で存在することが確認されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Colin F Camerer&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Behavioral Game Theory―Experiments in Strategic Interaction.&amp;lt;br&amp;gt;Princeton, NJ: Princeton University Press, 2006&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14574401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、「分配に関する選好」と「意図に関する選好」がどちらも重要であることも確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gary Charness&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Attribution and Reciprocity in an Experimental Labor Market. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Labor Economics&#039;&#039;: 2004, 22(3);665-688&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　2000年代に入ると、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）が盛んに行われるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好に関する最初の神経経済学研究は、最後通牒ゲームと[[機能的磁気共鳴画像法（fMRI）]]を用いて、より不公平な提案に対し、[[前島皮質]]の両側・[[前帯状皮質]]・背外側[[前頭前皮質]]の両側が賦活化したことを示し、それぞれ不公平な提案に対する憤り・自分の利益と相手への憤りの間の葛藤・憤りの抑制を示しているとした。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12805551&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;同様の研究はさらに、不公平な提案を受け入れる時、前島皮質の右側と外側部前頭前皮質の右側が賦活化しなくなることを示している。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18399886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　背外側前頭前皮質の活性化を[[経頭蓋磁気刺激法（TMS）]]や[[経頭蓋直流電気刺激（tDCS）]]で制御することで、行動に変化があるかどうかを検証した研究は、上記の考察とは異なり、背外側前頭前皮質の右側の活動を落とすと、不公平な提案が受け入られるようになることを示した。背外側前頭前皮質の右側は、公平性を確保する行動を実施する役割があるとしている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17023614&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16237340&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避の定式化では、より平等であるほど効用が上がるとされる。不平等を嫌がることや実際に避ける行動が、脳の[[報酬系]]である[[線条体]]に影響を与えるかどうかの研究も多くなされている。[[陽電子画像法（PET）]]を用い、「信頼ゲーム」で相手への罰が実際に利得を下げるかどうかで比較した研究では、実際に利得を下げるほうが、より背側線条体が賦活化することを示した。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15333831&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
自分の利益が同じでも、他者の利得が異なると線条体の賦活度が異なることも知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18033886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17717096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、自分より優れた人に不幸なことが起きると線条体が賦活化すること&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19213918&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
や、利益が少なかった人に対して自分の利益を譲る場合、より利益が高い人の線条体が賦活化するということ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20182511&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
も示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：大竹　文雄、担当編集委員：定藤　規弘）　&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%90%8D%E5%A4%B1%E5%9B%9E%E9%81%BF&amp;diff=7948</id>
		<title>損失回避</title>
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		<updated>2012-05-12T10:01:47Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 執筆者追加&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：loss aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避（loss aversion）とは、ある額を得る場合（gain）の[[wikipedia:ja:効用|効用]]と失う場合（loss）の不効用を比べると、後者のほうが大きいという個人の[[wikipedia:ja:選好|選好]]である。[[wikipedia:ja:行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）における重要な理論である、[[wikipedia:ja:プロスペクト理論|プロスペクト理論]]（prospect theory）を構成する一要素である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==期待効用理論とその反証==&lt;br /&gt;
　「くじ」のような[[wikipedia:ja:リスク|リスク]]のある事象に対する[[wikipedia:ja:意思決定|意思決定]]問題は、古くから議論がなされてきた。いくつかのくじからどれが選ばれるか、という問題を説明するのに第一に使われたのは、[[wikipedia:ja:期待値|期待値]]（expected value）である。期待値はくじの結果 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; をそれぞれの出現確率 &amp;lt;math&amp;gt;p_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; で加重和をとったもので、&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EV=\textstyle \sum p_i x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述できる。しかし、期待値では個人がリスクを好むかどうかを表現することはできない。例えば、「1/2の確率で200万円が当たるくじ（はずれは0円）」と「確実に100万円が当たるくじ」は同じ期待値を持つが、現実にはリスクを好む人は少なく、後者を選ぶ人が多いだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　個人のリスクを好むかどうかを捉えた理論が、[[wikipedia:ja:期待効用|期待効用]]理論（expected utility theory）である。この理論では、個人はそれぞれくじの結果に対する効用 &amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; を持ち、その効用の期待値を最大化するような選択をすると考える。期待効用は&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EU=\textstyle \sum p_i u(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述することができる。&amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt;が上に凸（concave）である（&amp;lt;math&amp;gt;u&#039;&#039;(x_i) &amp;lt;0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）とすると、個人は大きな結果をあまり高く評価せず、リスク回避的（risk averse）であると言える。逆に下に凸の場合は、リスク愛好的（risk love）、線形であればリスク中立的（risk neutral）と呼ばれる。期待効用理論は個人のリスク態度を考慮できる簡便な方法であり、経済学のモデルに幅広く用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、期待効用理論にも欠点があり、多数の「パラドックス」があることが知られている。例えば、有名な「アレのパラドックス（Allais paradox）」&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Maurice Allais&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Le Comportement de l&#039;Homme Rationnel devant le Risque: Critique des Postulats et Axiomes de l&#039;Ecole Americaine. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1953, 21(4);503-546&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=KT1979&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Daniel Kahneman, Amos Tversky&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1979, 47(2);263-292&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
では、以下のような不備が指摘されている。まず、くじの選択問題を２つ考える。（はずれは全て0円）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*問題１：「80%の確率で40万円」または「確実に30万円」&lt;br /&gt;
*問題２：「20%の確率で40万円」または「25%の確率で30万円」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
問題１では多くの人が後者を、問題２では多くの人が前者を選ぶ。問題１ではより確実な選択肢が選ばれているが、問題２はどちらもリスクが高く、結果がより大きいものが選ばれていると考えられる。しかし、問題２は問題１の確率をそれぞれ単に1/4にしたものであり、期待効用理論から言うと問題１と問題２の選択は「どちらも前者」または「どちらも後者」という一貫したものになるはずである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==プロスペクト理論と損失回避==&lt;br /&gt;
　このような期待効用理論の問題を解決すべく作られた理論がプロスペクト理論である。&amp;lt;ref name=KT1979 /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Amos Tversky, Daniel Kahneman&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Advances in prospect theory: Cumulative representation of uncertainty.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1992, 5(4);297-323&amp;lt;/ref&amp;gt;プロスペクト理論では、くじの価値 &amp;lt;math&amp;gt;V \!&amp;lt;/math&amp;gt; は以下のように表現される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;V=\textstyle \sum w(p_i) v(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;w(p_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は確率に対する加重関数（weighting function）を表し、個人が確率をある程度主観的に評価しているとする（[[wikipedia:ja:主観確率|主観確率]]）。&amp;lt;math&amp;gt;v(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は価値関数（value function）である。価値関数の最大の特徴は、参照点依存（reference-dependent）であるという点である。&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; がある参照点より大きいか小さいかで、その評価が異なる。プロスペクト理論では、&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より小さい場合により大きい不効用を感じる、という損失回避を仮定する。さらに、 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より大きい場合はリスク回避的だが、小さい場合はリスク愛好的であるとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避によって、以下の様な現象が説明できる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
;保有効果（endowment effect）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Richard Thaler&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Toward a positive theory of consumer choice. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Economic Behavior &amp;amp; Organization&#039;&#039;: 1980, 1(1);39-60&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある物を持っていることに特別な価値を置き、それを手放すことを嫌がる効果。保有効果があると、ある物を売っても良いと考える最低額（WTA, willingness to accept）が買っても良いと考える最高額（WTP, willingness to pay）を上回る。&lt;br /&gt;
;現状維持バイアス（status quo biases）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;William Samuelson and Richard Zeckhauser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Status quo bias in decision making. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1988, 1(1);7-59&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある状態から移行することを嫌がり、現状維持を好むようなバイアス。&lt;br /&gt;
;デフォルト効果（default effect）&lt;br /&gt;
:外部から与えられたデフォルト状態をそのままとる人が多いという効果。例えば[[wikipedia:ja:臓器提供|臓器提供]]において、「提供する」をデフォルトとする国と、「提供しない」をデフォルトとする国では大きく提供率が異なることが知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14631022&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　プロスペクト理論は、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）でも検証されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　金銭的には同じだが、表現が異なる（「損失が発生する」または「利益を得られる」）くじを比較した研究では、「損失」ではリスク愛好的な、「利益」ではリスク回避的な行動が見られた。そのような行動をとる際には、情動が司る[[扁桃体]]が賦活化し、逆に[[報酬系]]である[[前帯状皮質]]が賦活化しなくなることが示された。また、表現に影響されない「合理的な」人は、[[眼窩前頭皮質]]がより賦活化していた。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16888142&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　同じくくじの表現の違いに着目した研究では、「大きい利益」と「大きい罰」と表現したほうが、眼窩前頭皮質の外側と腹内側部が賦活化したことが示されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16839292&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　様々な利益・損失を組み合わせたくじによる研究では、利益が増えるにつれ[[線条体]]・[[前頭前皮質]]・前帯状皮質などの部位が賦活化するが、損失が増えても賦活化せず、むしろ賦活化しなくなる部位があることが示されている。また、賦活量にも「損失回避」の傾向が見られ、実際の損失回避行動と相関があることも検証されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17255512&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：大竹　文雄、担当編集委員：定藤　規弘）　&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%90%8D%E5%A4%B1%E5%9B%9E%E9%81%BF&amp;diff=7947</id>
		<title>損失回避</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%90%8D%E5%A4%B1%E5%9B%9E%E9%81%BF&amp;diff=7947"/>
		<updated>2012-05-12T10:00:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 執筆者追加&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：loss aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避（loss aversion）とは、ある額を得る場合（gain）の[[wikipedia:ja:効用|効用]]と失う場合（loss）の不効用を比べると、後者のほうが大きいという個人の[[wikipedia:ja:選好|選好]]である。[[wikipedia:ja:行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）における重要な理論である、[[wikipedia:ja:プロスペクト理論|プロスペクト理論]]（prospect theory）を構成する一要素である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==期待効用理論とその反証==&lt;br /&gt;
　「くじ」のような[[wikipedia:ja:リスク|リスク]]のある事象に対する[[wikipedia:ja:意思決定|意思決定]]問題は、古くから議論がなされてきた。いくつかのくじからどれが選ばれるか、という問題を説明するのに第一に使われたのは、[[wikipedia:ja:期待値|期待値]]（expected value）である。期待値はくじの結果 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; をそれぞれの出現確率 &amp;lt;math&amp;gt;p_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; で加重和をとったもので、&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EV=\textstyle \sum p_i x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述できる。しかし、期待値では個人がリスクを好むかどうかを表現することはできない。例えば、「1/2の確率で200万円が当たるくじ（はずれは0円）」と「確実に100万円が当たるくじ」は同じ期待値を持つが、現実にはリスクを好む人は少なく、後者を選ぶ人が多いだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　個人のリスクを好むかどうかを捉えた理論が、[[wikipedia:ja:期待効用|期待効用]]理論（expected utility theory）である。この理論では、個人はそれぞれくじの結果に対する効用 &amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; を持ち、その効用の期待値を最大化するような選択をすると考える。期待効用は&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;EU=\textstyle \sum p_i u(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と記述することができる。&amp;lt;math&amp;gt;u(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt;が上に凸（concave）である（&amp;lt;math&amp;gt;u&#039;&#039;(x_i) &amp;lt;0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）とすると、個人は大きな結果をあまり高く評価せず、リスク回避的（risk averse）であると言える。逆に下に凸の場合は、リスク愛好的（risk love）、線形であればリスク中立的（risk neutral）と呼ばれる。期待効用理論は個人のリスク態度を考慮できる簡便な方法であり、経済学のモデルに幅広く用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、期待効用理論にも欠点があり、多数の「パラドックス」があることが知られている。例えば、有名な「アレのパラドックス（Allais paradox）」&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Maurice Allais&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Le Comportement de l&#039;Homme Rationnel devant le Risque: Critique des Postulats et Axiomes de l&#039;Ecole Americaine. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1953, 21(4);503-546&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=KT1979&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Daniel Kahneman, Amos Tversky&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Econometrica&#039;&#039;: 1979, 47(2);263-292&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
では、以下のような不備が指摘されている。まず、くじの選択問題を２つ考える。（はずれは全て0円）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*問題１：「80%の確率で40万円」または「確実に30万円」&lt;br /&gt;
*問題２：「20%の確率で40万円」または「25%の確率で30万円」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
問題１では多くの人が後者を、問題２では多くの人が前者を選ぶ。問題１ではより確実な選択肢が選ばれているが、問題２はどちらもリスクが高く、結果がより大きいものが選ばれていると考えられる。しかし、問題２は問題１の確率をそれぞれ単に1/4にしたものであり、期待効用理論から言うと問題１と問題２の選択は「どちらも前者」または「どちらも後者」という一貫したものになるはずである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==プロスペクト理論と損失回避==&lt;br /&gt;
　このような期待効用理論の問題を解決すべく作られた理論がプロスペクト理論である。&amp;lt;ref name=KT1979 /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Amos Tversky, Daniel Kahneman&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Advances in prospect theory: Cumulative representation of uncertainty.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1992, 5(4);297-323&amp;lt;/ref&amp;gt;プロスペクト理論では、くじの価値 &amp;lt;math&amp;gt;V \!&amp;lt;/math&amp;gt; は以下のように表現される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;V=\textstyle \sum w(p_i) v(x_i) \! &amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;w(p_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は確率に対する加重関数（weighting function）を表し、個人が確率をある程度主観的に評価しているとする（[[wikipedia:ja:主観確率|主観確率]]）。&amp;lt;math&amp;gt;v(x_i) \!&amp;lt;/math&amp;gt; は価値関数（value function）である。価値関数の最大の特徴は、参照点依存（reference-dependent）であるという点である。&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; がある参照点より大きいか小さいかで、その評価が異なる。プロスペクト理論では、&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より小さい場合により大きい不効用を感じる、という損失回避を仮定する。さらに、 &amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt; が参照点より大きい場合はリスク回避的だが、小さい場合はリスク愛好的であるとされる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　損失回避によって、以下の様な現象が説明できる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
;保有効果（endowment effect）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Richard Thaler&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Toward a positive theory of consumer choice. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Economic Behavior &amp;amp; Organization&#039;&#039;: 1980, 1(1);39-60&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある物を持っていることに特別な価値を置き、それを手放すことを嫌がる効果。保有効果があると、ある物を売っても良いと考える最低額（WTA, willingness to accept）が買っても良いと考える最高額（WTP, willingness to pay）を上回る。&lt;br /&gt;
;現状維持バイアス（status quo biases）&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;William Samuelson and Richard Zeckhauser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Status quo bias in decision making. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Risk and Uncertainty&#039;&#039;: 1988, 1(1);7-59&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
:ある状態から移行することを嫌がり、現状維持を好むようなバイアス。&lt;br /&gt;
;デフォルト効果（default effect）&lt;br /&gt;
:外部から与えられたデフォルト状態をそのままとる人が多いという効果。例えば[[wikipedia:ja:臓器提供|臓器提供]]において、「提供する」をデフォルトとする国と、「提供しない」をデフォルトとする国では大きく提供率が異なることが知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14631022&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　プロスペクト理論は、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）でも検証されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　金銭的には同じだが、表現が異なる（「損失が発生する」または「利益を得られる」）くじを比較した研究では、「損失」ではリスク愛好的な、「利益」ではリスク回避的な行動が見られた。そのような行動をとる際には、情動が司る[[扁桃体]]が賦活化し、逆に[[報酬系]]である[[前帯状皮質]]が賦活化しなくなることが示された。また、表現に影響されない「合理的な」人は、[[眼窩前頭皮質]]がより賦活化していた。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16888142&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　同じくくじの表現の違いに着目した研究では、「大きい利益」と「大きい罰」と表現したほうが、眼窩前頭皮質の外側と腹内側部が賦活化したことが示されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16839292&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　様々な利益・損失を組み合わせたくじによる研究では、利益が増えるにつれ[[線条体]]・[[前頭前皮質]]・前帯状皮質などの部位が賦活化するが、損失が増えても賦活化せず、むしろ賦活化しなくなる部位があることが示されている。また、賦活量にも「損失回避」の傾向が見られ、実際の損失回避行動と相関があることも検証されている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17255512&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7935</id>
		<title>不平等嫌悪</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7935"/>
		<updated>2012-05-12T08:49:30Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：inequality aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の[[wikipedia:jp: 選好|選好]]である。他者の状態・行動が個人の[[wikipedia:jp: 効用|効用]]にも影響する、という社会的選好（social preference）の一形態である。[[wikipedia:jp: 行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）と呼ばれる分野で発達した概念であり、90年以降に様々な定式化が試みられている。検証手法として、当初は[[実験経済学]]の手法が用いられ、後に神経科学の手法がとられるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好とは==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　経済学の世界では伝統的に「個人は自分の利益のみを動機として行動する」と仮定していた。これは、旧来の経済学が、主として多数の個人からなる市場での行動を分析していたことに由来する。実際、市場実験による結果は、利己的な個人をモデルとした予測によりかなりの程度が説明できる。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Microeconomic systems as an experimental science.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Economic Review&#039;&#039;: 1982, 72(5);923-955&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;An experimental study of competitive market behavior. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Political Economy&#039;&#039;: 1962, 70(2);111-137&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし[[ゲーム理論]]の進展に伴い、経済学がより少数の個人からなる経済行動を分析するようになると、利己的な個人を基にしたモデルの当てはまりは悪くなっていった。そこで予測のずれを説明するために導入された概念の１つが、「個人は他者の利益や行動も考慮する」と考える、社会的選好である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好の類型と不平等回避==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好の定式化は。大きく２つに分けられる。１つは分配に関する選好、もう１つは他者の意図に対する選好である。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The economics of fairness, reciprocity and altruism―experimental evidence and new theories.&amp;lt;br&amp;gt;In: Serge-Christophe Kolm and Jean M. Ythier (ads), &#039;&#039;Handbook of the Economics of Giving, Altruism and Reciprocity&#039;&#039;, North-Holland: Elsevier, 2006;615-691&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
不平等回避は、前者の一形態である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前者の分配に関する選好は、結果に依存した定式化で、結果（典型的には、お金）がどのように分布しているかが個人の選好に影響する。その結果がもたらされた過程は問わない。後者の意図に対する選好は、他者の行動、そしてその背後にある意図が選好に影響を与えるとする。後者のほうがより現実を生々しく描写しているが、モデルが複雑になるという欠点がある。前者はより簡便で扱いやすい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　分配に関する選好は、他者の状態がどのように個人に影響を与えるかという点でいくつかに分類される。例えば、他者の利益が本人の効用に常に正の影響を与えるという[[wikipedia:jp: 利他主義|利他主義]]的定式化が挙げられる。この中で最も有名と言えるのが、不平等回避である。不平等回避は、個人が本人の利益と他者の利益の相対的な水準を意識し、平等な状態から乖離するほど不効用を感じるとする。例えば、プレーヤーが２人の場合、以下のような定式化&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;A theory of fairness, competition, and cooperation. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics&#039;&#039;: 1999, 114(3);817-868&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
が考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt; u_i (x_i, x_j)=x_i - \alpha_i \{x_j-x_i, 0\} - \beta \{x_i-x_j, 0\} \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　何らかの行動の結果として得られた個人の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;、他者の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_j \!&amp;lt;/math&amp;gt;である。&amp;lt;math&amp;gt;u_i(\cdot) \!&amp;lt;/math&amp;gt;は効用関数である。右辺第一項は、個人の利益が大きいほど効用が高まることを示す利己的な部分である。第二項・第三項が不平等回避にあたる部分である（&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge 0, \beta_i \ge 0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）。第二項は、自分より相手の利益が大きかった場合の不効用の程度を表す羨望（envy）を、第三項は相手より自分の利益が大きかった場合のそれを表す憐れみ（compassion）を表現している。どちらも、自分と相手の利益の乖離が大きくなるほど、不効用を感じるとしている。ただし、その程度はどちらの利益が大きいかによって異なる。さらに、&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge \beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;を仮定し、羨望の不効用はより高いとされる。また個人によっても違いがあることを表している。&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;や&amp;lt;math&amp;gt;\beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;が十分大きければ、自分の利益を多少犠牲にしても、他者の利益を優先するような行動が発生する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==経済実験による検証==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避を含む社会的選好は、様々な経済実験によりその存在が確かめられている。経済実験では、簡単なゲームの結果に応じて報酬を支払う。そのゲームにおける行動を分析することで、社会的選好が存在するかどうかを検証している。[[最後通牒ゲーム]]・[[独裁者ゲーム]]・[[信頼ゲーム]]・[[公共財ゲーム]]などの代表的ゲームが、様々な環境で行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好を純粋な形で検証するためには、個人の「評判」が行動に影響することを可能な限り避ける必要がある。良い評判が個人の利益につながるような状況を設定すると、自分の利益を犠牲にして良い評判を得ようとする行動が増えるだろう。そのような状況では、自分の利益より他者の利益を優先する行動が、社会的選好によるものなのか、評判を通して最終的に自己の利益を増やそうという利己的な行動なのかが区別できなくなってしまう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これを避けるため、実験では同じゲームを同じメンバーで繰り返さず、１回のみのゲームとし、実験内での評判形成を避ける。また、実験外での評判形成を避けるため、可能な限り匿名の状況を設定し、どの行動を誰がとったのかを特定できないようにする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうした経済実験は数多く行われ、社会的選好は国や世代を超えた幅広い層で存在することが確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Colin F Camerer&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Behavioral Game Theory―Experiments in Strategic Interaction.&amp;lt;br&amp;gt;Princeton, NJ: Princeton University Press, 2006&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14574401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、「分配に関する選好」と「意図に関する選好」がどちらも重要であることも確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gary Charness&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Attribution and Reciprocity in an Experimental Labor Market. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Labor Economics&#039;&#039;: 2004, 22(3);665-688&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　2000年代に入ると、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）が盛んに行われるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好に関する最初の神経経済学研究は、最後通牒ゲームと[[機能的磁気共鳴画像法（fMRI）]]を用いて、より不公平な提案に対し、[[前島皮質]]の両側・[[前帯状皮質]]・背外側[[前頭前皮質]]の両側が賦活化したことを示し、それぞれ不公平な提案に対する憤り・自分の利益と相手への憤りの間の葛藤・憤りの抑制を示しているとした。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12805551&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
同様の研究はさらに、不公平な提案を受け入れる時、前島皮質の右側と外側部前頭前皮質の右側が賦活化しなくなることを示している。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18399886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　背外側前頭前皮質の活性化を[[経頭蓋磁気刺激法（TMS）]]や[[経頭蓋直流電気刺激（tDCS）]]で制御することで、行動に変化があるかどうかを検証した研究は、上記の考察とは異なり、背外側前頭前皮質の右側の活動を落とすと、不公平な提案が受け入られるようになることを示した。背外側前頭前皮質の右側は、公平性を確保する行動を実施する役割があるとしている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17023614&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16237340&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避の定式化では、より平等であるほど効用が上がるとされる。不平等を嫌がることや実際に避ける行動が、脳の[[報酬系]]である[[線条体]]に影響を与えるかどうかの研究も多くなされている。[[陽電子画像法（PET）]]を用い、「信頼ゲーム」で相手への罰が実際に利得を下げるかどうかで比較した研究では、実際に利得を下げるほうが、背側線条体が賦活化することを示した。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15333831&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
自分の利益が同じでも、他者の利得が異なると線条体の賦活度が異なることも知られている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18033886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17717096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、自分より優れた人に不幸なことが起きると線条体が賦活化すること&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19213918&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
や、利益が少なかった人に対して自分の利益を譲る場合、より利益が高い人の線条体が賦活化するということ&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20182511&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
も示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：大竹　文雄、担当編集委員：定藤　規弘）　&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7934</id>
		<title>不平等嫌悪</title>
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		<updated>2012-05-12T08:48:11Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 執筆者追加&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：inequality aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の[[wikipedia:jp: 選好|選好]]である。他者の状態・行動が個人の[[wikipedia:jp: 効用|効用]]にも影響する、という社会的選好（social preference）の一形態である。[[wikipedia:jp: 行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）と呼ばれる分野で発達した概念であり、90年以降に様々な定式化が試みられている。検証手法として、当初は[[実験経済学]]の手法が用いられ、後に神経科学の手法がとられるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好とは==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　経済学の世界では伝統的に「個人は自分の利益のみを動機として行動する」と仮定していた。これは、旧来の経済学が、主として多数の個人からなる市場での行動を分析していたことに由来する。実際、市場実験による結果は、利己的な個人をモデルとした予測によりかなりの程度が説明できる。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Microeconomic systems as an experimental science.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Economic Review&#039;&#039;: 1982, 72(5);923-955&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;An experimental study of competitive market behavior. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Political Economy&#039;&#039;: 1962, 70(2);111-137&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし[[ゲーム理論]]の進展に伴い、経済学がより少数の個人からなる経済行動を分析するようになると、利己的な個人を基にしたモデルの当てはまりは悪くなっていった。そこで予測のずれを説明するために導入された概念の１つが、「個人は他者の利益や行動も考慮する」と考える、社会的選好である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好の類型と不平等回避==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好の定式化は。大きく２つに分けられる。１つは分配に関する選好、もう１つは他者の意図に対する選好である。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The economics of fairness, reciprocity and altruism―experimental evidence and new theories.&amp;lt;br&amp;gt;In: Serge-Christophe Kolm and Jean M. Ythier (ads), &#039;&#039;Handbook of the Economics of Giving, Altruism and Reciprocity&#039;&#039;, North-Holland: Elsevier, 2006;615-691&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
不平等回避は、前者の一形態である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前者の分配に関する選好は、結果に依存した定式化で、結果（典型的には、お金）がどのように分布しているかが個人の選好に影響する。その結果がもたらされた過程は問わない。後者の意図に対する選好は、他者の行動、そしてその背後にある意図が選好に影響を与えるとする。後者のほうがより現実を生々しく描写しているが、モデルが複雑になるという欠点がある。前者はより簡便で扱いやすい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　分配に関する選好は、他者の状態がどのように個人に影響を与えるかという点でいくつかに分類される。例えば、他者の利益が本人の効用に常に正の影響を与えるという[[wikipedia:jp: 利他主義|利他主義]]的定式化が挙げられる。この中で最も有名と言えるのが、不平等回避である。不平等回避は、個人が本人の利益と他者の利益の相対的な水準を意識し、平等な状態から乖離するほど不効用を感じるとする。例えば、プレーヤーが２人の場合、以下のような定式化&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;A theory of fairness, competition, and cooperation. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics&#039;&#039;: 1999, 114(3);817-868&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
が考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt; u_i (x_i, x_j)=x_i - \alpha_i \{x_j-x_i, 0\} - \beta \{x_i-x_j, 0\} \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　何らかの行動の結果として得られた個人の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;、他者の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_j \!&amp;lt;/math&amp;gt;である。&amp;lt;math&amp;gt;u_i(\cdot) \!&amp;lt;/math&amp;gt;は効用関数である。右辺第一項は、個人の利益が大きいほど効用が高まることを示す利己的な部分である。第二項・第三項が不平等回避にあたる部分である（&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge 0, \beta_i \ge 0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）。第二項は、自分より相手の利益が大きかった場合の不効用の程度を表す羨望（envy）を、第三項は相手より自分の利益が大きかった場合のそれを表す憐れみ（compassion）を表現している。どちらも、自分と相手の利益の乖離が大きくなるほど、不効用を感じるとしている。ただし、その程度はどちらの利益が大きいかによって異なる。さらに、&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge \beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;を仮定し、羨望の不効用はより高いとされる。また個人によっても違いがあることを表している。&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;や&amp;lt;math&amp;gt;\beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;が十分大きければ、自分の利益を多少犠牲にしても、他者の利益を優先するような行動が発生する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==経済実験による検証==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避を含む社会的選好は、様々な経済実験によりその存在が確かめられている。経済実験では、簡単なゲームの結果に応じて報酬を支払う。そのゲームにおける行動を分析することで、社会的選好が存在するかどうかを検証している。[[最後通牒ゲーム]]・[[独裁者ゲーム]]・[[信頼ゲーム]]・[[公共財ゲーム]]などの代表的ゲームが、様々な環境で行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好を純粋な形で検証するためには、個人の「評判」が行動に影響することを可能な限り避ける必要がある。良い評判が個人の利益につながるような状況を設定すると、自分の利益を犠牲にして良い評判を得ようとする行動が増えるだろう。そのような状況では、自分の利益より他者の利益を優先する行動が、社会的選好によるものなのか、評判を通して最終的に自己の利益を増やそうという利己的な行動なのかが区別できなくなってしまう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これを避けるため、実験では同じゲームを同じメンバーで繰り返さず、１回のみのゲームとし、実験内での評判形成を避ける。また、実験外での評判形成を避けるため、可能な限り匿名の状況を設定し、どの行動を誰がとったのかを特定できないようにする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうした経済実験は数多く行われ、社会的選好は国や世代を超えた幅広い層で存在することが確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Colin F Camerer&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Behavioral Game Theory―Experiments in Strategic Interaction.&amp;lt;br&amp;gt;Princeton, NJ: Princeton University Press, 2006&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14574401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、「分配に関する選好」と「意図に関する選好」がどちらも重要であることも確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gary Charness&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Attribution and Reciprocity in an Experimental Labor Market. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Labor Economics&#039;&#039;: 2004, 22(3);665-688&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　2000年代に入ると、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）が盛んに行われるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好に関する最初の神経経済学研究は、最後通牒ゲームと[[機能的磁気共鳴画像法（fMRI）]]を用いて、より不公平な提案に対し、[[前島皮質]]の両側・[[前帯状皮質]]・背外側[[前頭前皮質]]の両側が賦活化したことを示し、それぞれ不公平な提案に対する憤り・自分の利益と相手への憤りの間の葛藤・憤りの抑制を示しているとした。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12805551&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
同様の研究はさらに、不公平な提案を受け入れる時、前島皮質の右側と外側部前頭前皮質の右側が賦活化しなくなることを示している。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18399886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　背外側前頭前皮質の活性化を[[経頭蓋磁気刺激法（TMS）]]や[[経頭蓋直流電気刺激（tDCS）]]で制御することで、行動に変化があるかどうかを検証した研究は、上記の考察とは異なり、背外側前頭前皮質の右側の活動を落とすと、不公平な提案が受け入られるようになることを示した。背外側前頭前皮質の右側は、公平性を確保する行動を実施する役割があるとしている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17023614&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16237340&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避の定式化では、より平等であるほど効用が上がるとされる。不平等を嫌がることや実際に避ける行動が、脳の[[報酬系]]である[[線条体]]に影響を与えるかどうかの研究も多くなされている。[[陽電子画像法（PET）]]を用い、「信頼ゲーム」で相手への罰が実際に利得を下げるかどうかで比較した研究では、実際に利得を下げるほうが、背側線条体が賦活化することを示した。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15333831&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
自分の利益が同じでも、他者の利得が異なると線条体の賦活度が異なることも知られている。&lt;br /&gt;
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&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17717096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、自分より優れた人に不幸なことが起きると線条体が賦活化すること&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19213918&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
や、利益が少なかった人に対して自分の利益を譲る場合、より利益が高い人の線条体が賦活化するということ&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20182511&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
も示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：大竹　文雄、担当編集委員：定藤　規弘）　&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7933</id>
		<title>不平等嫌悪</title>
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		<updated>2012-05-12T08:45:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: 執筆&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：inequality aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の[[wikipedia:jp: 選好|選好]]である。他者の状態・行動が個人の[[wikipedia:jp: 効用|効用]]にも影響する、という社会的選好（social preference）の一形態である。[[wikipedia:jp: 行動経済学|行動経済学]]（behavioral economics）と呼ばれる分野で発達した概念であり、90年以降に様々な定式化が試みられている。検証手法として、当初は[[実験経済学]]の手法が用いられ、後に神経科学の手法がとられるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好とは==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　経済学の世界では伝統的に「個人は自分の利益のみを動機として行動する」と仮定していた。これは、旧来の経済学が、主として多数の個人からなる市場での行動を分析していたことに由来する。実際、市場実験による結果は、利己的な個人をモデルとした予測によりかなりの程度が説明できる。&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Microeconomic systems as an experimental science.&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Economic Review&#039;&#039;: 1982, 72(5);923-955&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Vernon L Smith&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;An experimental study of competitive market behavior. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Political Economy&#039;&#039;: 1962, 70(2);111-137&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし[[ゲーム理論]]の進展に伴い、経済学がより少数の個人からなる経済行動を分析するようになると、利己的な個人を基にしたモデルの当てはまりは悪くなっていった。そこで予測のずれを説明するために導入された概念の１つが、「個人は他者の利益や行動も考慮する」と考える、社会的選好である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好の類型と不平等回避==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好の定式化は。大きく２つに分けられる。１つは分配に関する選好、もう１つは他者の意図に対する選好である。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The economics of fairness, reciprocity and altruism―experimental evidence and new theories.&amp;lt;br&amp;gt;In: Serge-Christophe Kolm and Jean M. Ythier (ads), &#039;&#039;Handbook of the Economics of Giving, Altruism and Reciprocity&#039;&#039;, North-Holland: Elsevier, 2006;615-691&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
不平等回避は、前者の一形態である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前者の分配に関する選好は、結果に依存した定式化で、結果（典型的には、お金）がどのように分布しているかが個人の選好に影響する。その結果がもたらされた過程は問わない。後者の意図に対する選好は、他者の行動、そしてその背後にある意図が選好に影響を与えるとする。後者のほうがより現実を生々しく描写しているが、モデルが複雑になるという欠点がある。前者はより簡便で扱いやすい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　分配に関する選好は、他者の状態がどのように個人に影響を与えるかという点でいくつかに分類される。例えば、他者の利益が本人の効用に常に正の影響を与えるという[[wikipedia:jp: 利他主義|利他主義]]的定式化が挙げられる。この中で最も有名と言えるのが、不平等回避である。不平等回避は、個人が本人の利益と他者の利益の相対的な水準を意識し、平等な状態から乖離するほど不効用を感じるとする。例えば、プレーヤーが２人の場合、以下のような定式化&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Ernst Fehr, Klaus M Schmidt&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;A theory of fairness, competition, and cooperation. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics&#039;&#039;: 1999, 114(3);817-868&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
が考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt; u_i (x_i, x_j)=x_i - \alpha_i \{x_j-x_i, 0\} - \beta \{x_i-x_j, 0\} \!&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　何らかの行動の結果として得られた個人の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;、他者の利益が&amp;lt;math&amp;gt;x_j \!&amp;lt;/math&amp;gt;である。&amp;lt;math&amp;gt;u_i(\cdot) \!&amp;lt;/math&amp;gt;は効用関数である。右辺第一項は、個人の利益が大きいほど効用が高まることを示す利己的な部分である。第二項・第三項が不平等回避にあたる部分である（&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge 0, \beta_i \ge 0 \!&amp;lt;/math&amp;gt;）。第二項は、自分より相手の利益が大きかった場合の不効用の程度を表す羨望（envy）を、第三項は相手より自分の利益が大きかった場合のそれを表す憐れみ（compassion）を表現している。どちらも、自分と相手の利益の乖離が大きくなるほど、不効用を感じるとしている。ただし、その程度はどちらの利益が大きいかによって異なる。さらに、&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \ge \beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;を仮定し、羨望の不効用はより高いとされる。また個人によっても違いがあることを表している。&amp;lt;math&amp;gt;\alpha_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;や&amp;lt;math&amp;gt;\beta_i \!&amp;lt;/math&amp;gt;が十分大きければ、自分の利益を多少犠牲にしても、他者の利益を優先するような行動が発生する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==経済実験による検証==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避を含む社会的選好は、様々な経済実験によりその存在が確かめられている。経済実験では、簡単なゲームの結果に応じて報酬を支払う。そのゲームにおける行動を分析することで、社会的選好が存在するかどうかを検証している。[[最後通牒ゲーム]]・[[独裁者ゲーム]]・[[信頼ゲーム]]・[[公共財ゲーム]]などの代表的ゲームが、様々な環境で行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好を純粋な形で検証するためには、個人の「評判」が行動に影響することを可能な限り避ける必要がある。良い評判が個人の利益につながるような状況を設定すると、自分の利益を犠牲にして良い評判を得ようとする行動が増えるだろう。そのような状況では、自分の利益より他者の利益を優先する行動が、社会的選好によるものなのか、評判を通して最終的に自己の利益を増やそうという利己的な行動なのかが区別できなくなってしまう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これを避けるため、実験では同じゲームを同じメンバーで繰り返さず、１回のみのゲームとし、実験内での評判形成を避ける。また、実験外での評判形成を避けるため、可能な限り匿名の状況を設定し、どの行動を誰がとったのかを特定できないようにする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうした経済実験は数多く行われ、社会的選好は国や世代を超えた幅広い層で存在することが確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Colin F Camerer&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Behavioral Game Theory―Experiments in Strategic Interaction.&amp;lt;br&amp;gt;Princeton, NJ: Princeton University Press, 2006&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14574401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、「分配に関する選好」と「意図に関する選好」がどちらも重要であることも確認されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gary Charness&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Attribution and Reciprocity in an Experimental Labor Market. &amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Journal of Labor Economics&#039;&#039;: 2004, 22(3);665-688&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　2000年代に入ると、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という[[神経経済学]]（neuroeconomics）が盛んに行われるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好に関する最初の神経経済学研究は、最後通牒ゲームと[[機能的磁気共鳴画像法（fMRI）]]を用いて、より不公平な提案に対し、[[前島皮質]]の両側・[[前帯状皮質]]・背外側[[前頭前皮質]]の両側が賦活化したことを示し、それぞれ不公平な提案に対する憤り・自分の利益と相手への憤りの間の葛藤・憤りの抑制を示しているとした。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12805551&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
同様の研究はさらに、不公平な提案を受け入れる時、前島皮質の右側と外側部前頭前皮質の右側が賦活化しなくなることを示している。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18399886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　背外側前頭前皮質の活性化を[[経頭蓋磁気刺激法（TMS）]]や[[経頭蓋直流電気刺激（tDCS）]]で制御することで、行動に変化があるかどうかを検証した研究は、上記の考察とは異なり、背外側前頭前皮質の右側の活動を落とすと、不公平な提案が受け入られるようになることを示した。背外側前頭前皮質の右側は、公平性を確保する行動を実施する役割があるとしている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17023614&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16237340&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避の定式化では、より平等であるほど効用が上がるとされる。不平等を嫌がることや実際に避ける行動が、脳の[[報酬系]]である[[線条体]]に影響を与えるかどうかの研究も多くなされている。[[陽電子画像法（PET）]]を用い、「信頼ゲーム」で相手への罰が実際に利得を下げるかどうかで比較した研究では、実際に利得を下げるほうが、背側線条体が賦活化することを示した。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15333831&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
自分の利益が同じでも、他者の利得が異なると線条体の賦活度が異なることも知られている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18033886&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17717096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
また、自分より優れた人に不幸なことが起きると線条体が賦活化すること&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19213918&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
や、利益が少なかった人に対して自分の利益を譲る場合、より利益が高い人の線条体が賦活化するということ&lt;br /&gt;
&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20182511&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
も示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7911</id>
		<title>不平等嫌悪</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E5%AB%8C%E6%82%AA&amp;diff=7911"/>
		<updated>2012-05-12T06:57:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Fumioohtake: ページの作成：「英：inequality aversion  　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の選好である。他者の状態...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：inequality aversion&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避（inequality aversion）とは、「不平等な状態を好まない」という個人の選好である。他者の状態・行動が個人の効用にも影響する、という社会的選好（social preference）の一形態である。行動経済学（behavioral economics）と呼ばれる分野で発達した概念であり、90年以降に様々な定式化が試みられている。検証手法として、当初は実験経済学の手法が用いられ、後に神経科学の手法がとられるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好とは==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　経済学の世界では伝統的に「個人は自分の利益のみを動機として行動する」と仮定していた。これは、旧来の経済学が、主として多数の個人からなる市場での行動を分析していたことに由来する。実際、市場実験による結果は、利己的な個人をモデルとした予測によりかなりの程度が説明できる。[1][2]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかしゲーム理論の進展に伴い、経済学がより少数の個人からなる経済行動を分析するようになると、利己的な個人を基にしたモデルの当てはまりは悪くなっていった。そこで予測のずれを説明するために導入された概念の１つが、「個人は他者の利益や行動も考慮する」と考える、社会的選好である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==社会的選好の類型と不平等回避==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好の定式化は。大きく２つに分けられる。１つは分配に関する選好、もう１つは他者の意図に対する選好である。[3]不平等回避は、前者の一形態である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前者の分配に関する選好は、結果に依存した定式化で、結果（典型的には、お金）がどのように分布しているかが個人の選好に影響する。その結果がもたらされた過程は問わない。後者の意図に対する選好は、他者の行動、そしてその背後にある意図が選好に影響を与えるとする。後者のほうがより現実を生々しく描写しているが、モデルが複雑になるという欠点がある。前者はより簡便で扱いやすい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　分配に関する選好は、他者の状態がどのように個人に影響を与えるかという点でいくつかに分類される。例えば、他者の利益が本人の効用に常に正の影響を与えるという利他主義的定式化が挙げられる。この中で最も有名と言えるのが、不平等回避である。不平等回避は、個人が本人の利益と他者の利益の相対的な水準を意識し、平等な状態から乖離するほど不効用を感じるとする。例えば、プレーヤーが２人の場合、以下のような定式化が考えられる。[4]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
u_i (x_i,x_j )=&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　何らかの行動の結果として得られた個人の利益がx_i、他者の利益がx_jである。u_i (∙)は効用関数である。右辺第一項は、個人の利益が大きいほど効用が高まることを示す利己的な部分である。第二項・第三項が不平等回避にあたる部分である（α_i≥0,β_i≥0）。第二項は、自分より相手の利益が大きかった場合の不効用の程度を表す羨望（envy）を、第三項は相手より自分の利益が大きかった場合のそれを表す憐れみ（compassion）を表現している。どちらも、自分と相手の利益の乖離が大きくなるほど、不効用を感じるとしている。ただし、その程度はどちらの利益が大きいかによって異なる。さらに、α_i≥β_iを仮定し、羨望の不効用はより高いとされる。また個人によっても違いがあることを表している。α_iやβ_iが十分大きければ、自分の利益を多少犠牲にしても、他者の利益を優先するような行動が発生する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==経済実験による検証==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避を含む社会的選好は、様々な経済実験によりその存在が確かめられている。経済実験では、簡単なゲームの結果に応じて報酬を支払う。そのゲームにおける行動を分析することで、社会的選好が存在するかどうかを検証している。最後通牒ゲーム・独裁者ゲーム・信頼ゲーム・公共財ゲームなどの代表的ゲームが、様々な環境で行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好を純粋な形で検証するためには、個人の「評判」が行動に影響することを可能な限り避ける必要がある。良い評判が個人の利益につながるような状況を設定すると、自分の利益を犠牲にして良い評判を得ようとする行動が増えるだろう。そのような状況では、自分の利益より他者の利益を優先する行動が、社会的選好によるものなのか、評判を通して最終的に自己の利益を増やそうという利己的な行動なのかが区別できなくなってしまう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これを避けるため、実験では同じゲームを同じメンバーで繰り返さず、１回のみのゲームとし、実験内での評判形成を避ける。また、実験外での評判形成を避けるため、可能な限り匿名の状況を設定し、どの行動を誰がとったのかを特定できないようにする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうした経済実験は数多く行われ、社会的選好は国や世代を超えた幅広い層で存在することが確認されている。[5][6]また、「分配に関する選好」と「意図に関する選好」がどちらも重要であることも確認されている。[7] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経科学による検証==&lt;br /&gt;
　2000年代に入ると、神経科学の手法を通じて人間の意思決定行動を把握しよう、という神経経済学（neuroeconomics）が盛んに行われるようになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　社会的選好に関する最初の神経経済学研究は、最後通牒ゲームとfMRIを用いて、より不公平な提案に対し、前島皮質の両側・前帯状皮質・背外側前頭前皮質の両側が賦活化したことを示し、それぞれ不公平な提案に対する憤り・自分の利益と相手への憤りの間の葛藤・憤りの抑制を示しているとした。[8]同様の研究はさらに、不公平な提案を受け入れる時、前島皮質の右側と外側部前頭前皮質の右側が賦活化しなくなることを示している。[9]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　背外側前頭前皮質の活性化をTMSやtDCSで制御することで、行動に変化があるかどうかを検証した研究は、上記の考察とは異なり、背外側前頭前皮質の右側の活動を落とすと、不公平な提案が受け入られるようになることを示した。背外側前頭前皮質の右側は、公平性を確保する行動を実施する役割があるとしている。[10][11]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　不平等回避の定式化では、より平等であるほど効用が上がるとされる。不平等を嫌がることや実際に避ける行動が、脳の報酬系である線条体に影響を与えるかどうかの研究も多くなされている。PETを用い、「信頼ゲーム」で相手への罰が実際に利得を下げるかどうかで比較した研究では、実際に利得を下げるほうが、背側線条体が賦活化することを示した。[12]自分の利益が同じでも、他者の利得が異なると線条体の賦活度が異なることも知られている。[13][14]また、自分より優れた人に不幸なことが起きると線条体が賦活化すること[15]や、利益が少なかった人に対して自分の利益を譲る場合、より利益が高い人の線条体が賦活化するということ[16]も示されている。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Fumioohtake</name></author>
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