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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T07:30:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use　独：Werkzeuggebrauch　仏：l&#039;utilisation d&#039;outils&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さは，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム」が関与すると指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;ダーリア・W・ザイテル編　河内十郎監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経心理学ーその歴史と臨床の現状&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;産業図書（東京）&#039;&#039;:1998&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;2465733&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;がいる一方で，道具の意味概念には問題はないが，「櫛で髪をとかすふりをしてください」などの指示に応じてパントマイムを行えない患者（観念運動性失行：道具使用のための運動スキルにアクセスできない）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12870824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が存在することから，２つのシステムは異なる神経機構に対応すると考えられてきた．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588811&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16684967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;は，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムや道具を使うための運動スキルには運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近，小脳などが関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;8951846&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体図式の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11377755&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，道具使用の訓練が，頭頂葉における初期遺伝子発現&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12063125&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，頭頂葉・側頭葉・小脳における皮質構造の変化&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19820167&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12704240&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12676278&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体図式や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
*[[身体図式]]&lt;br /&gt;
*[[感覚運動学習]]&lt;br /&gt;
*[[頭頂葉]]&lt;br /&gt;
*[[内部モデル]]&lt;br /&gt;
*[[観念性失行]]&lt;br /&gt;
*[[観念運動性失行]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<updated>2012-05-16T07:18:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use　独：Werkzeuggebrauch　仏：l&#039;utilisation d&#039;outils&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム」が関与すると指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;ダーリア・W・ザイテル編　河内十郎監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経心理学ーその歴史と臨床の現状&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;産業図書（東京）&#039;&#039;:1998&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;2465733&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;がいる一方で，道具の意味概念には問題はないが，「櫛で髪をとかすふりをしてください」などの指示に応じてパントマイムを行えない患者（観念運動性失行：道具使用のための運動スキルにアクセスできない）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12870824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が存在することから，２つのシステムは異なる神経機構に対応すると考えられてきた．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588811&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16684967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムや道具を使うための運動スキルには運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近，小脳などが関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;8951846&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11377755&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12063125&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19820167&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12704240&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12676278&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
*[[身体図式]]&lt;br /&gt;
*[[感覚運動学習]]&lt;br /&gt;
*[[頭頂葉]]&lt;br /&gt;
*[[観念性失行]]&lt;br /&gt;
*[[観念運動性失行]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T07:12:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：l&#039;utilisation d&#039;outils&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム」が関与すると指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;ダーリア・W・ザイテル編　河内十郎監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経心理学ーその歴史と臨床の現状&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;産業図書（東京）&#039;&#039;:1998&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;2465733&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;がいる一方で，道具の意味概念には問題はないが，「櫛で髪をとかすふりをしてください」などの指示に応じてパントマイムを行えない患者（観念運動失行：道具使用のための運動スキルにアクセスできない）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12870824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が存在することから，２つのシステムは異なる神経機構に対応すると考えられてきた．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588811&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16684967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムや道具を使うための運動スキルには運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近，小脳などが関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;8951846&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11377755&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12063125&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19820167&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12704240&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12676278&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T06:43:57Z</updated>

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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：l&#039;utilisation d&#039;outils&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム」が関与すると指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;ダーリア・W・ザイテル編　河内十郎監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経心理学ーその歴史と臨床の現状&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;産業図書（東京）&#039;&#039;:1998&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;2465733&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;がいる一方で，道具の意味概念には問題はないが，「櫛で髪をとかすふりをしてください」などの指示に応じてパントマイムを行えない患者（観念運動失行：道具使用のための運動スキルにアクセスできない）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12870824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が存在することから，２つのシステムは異なる神経機構に対応すると考えられてきた．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588811&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16684967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムや道具を使うための運動スキルには運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近，小脳などが関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;8951846&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11377755&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%81%93%E5%85%B7%E4%BD%BF%E7%94%A8&amp;diff=8327</id>
		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T03:05:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム（運動スキル）」が関与すると指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;ダーリア・W・ザイテル編　河内十郎監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経心理学ーその歴史と臨床の現状&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;産業図書（東京）&#039;&#039;:1998&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）と，道具の意味概念には問題はないが，運動スキルに障害が見られる患者（観念運動失行）が存在することから，２つのシステムが異なる神経機構に対応すると考えられる．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムは運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近の領域が関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
	</entry>
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		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T02:57:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム（運動スキル）」が関与すると指摘されている．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）と，道具の意味概念には問題はないが，運動スキルに障害が見られる患者（観念運動失行）が存在することから，２つのシステムが異なる神経機構に対応すると考えられる．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムは運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近の領域が関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
===頭頂葉における変化===&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===小脳における変化===&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<title>道具使用</title>
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		<updated>2012-05-16T02:52:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: ページの作成：「英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：  自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知ら...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：tool use 独：Werkzeuggebrauch　仏：&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の体以外の物を使って作業を行うこと．ヒト以外の多くの動物も道具を使うことが知られているが，使える道具の多様性・複雑さ，使いこなす器用さ，ヒトで特に発達している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用に関連する神経機構==&lt;br /&gt;
神経心理学では，脳損傷患者の行動パターンから，道具の使用には「概念システム」と「産生システム（運動スキル）」が関与すると指摘されていた．これは，道具を使う運動スキルには問題はないが，櫛で歯を磨く，歯ブラシで食べ物をつかむなど，道具の意味概念に障害が見られる患者（観念性失行）と，道具の意味概念には問題はないが，運動スキルに障害が見られる患者（観念運動失行）が存在することから，２つのシステムが異なる神経機構を対応することが推測される．それぞれに対応する神経機構を一概に特定することは難しいが，脳活動イメージングなどの結果も踏まえた，最近の展望論文によると，概念システムは頭頂下部から中側頭回の領域と下前頭回が関与し，産生システムは運動前野，補足運動野，頭頂間溝付近の領域が関与することを指摘している． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==道具使用の訓練による脳の変化==&lt;br /&gt;
==頭頂葉における変化==&lt;br /&gt;
ニホンザルは自然環境で道具を使用しないが，長期間の訓練を行えば，熊手を使ってエサを引き寄せるなどの道具使用が可能になる．頭頂間溝付近には，手に触覚刺激を与えられたときにも，手の周辺に光が点灯するような視覚刺激が与えられたときにも応答するbimodalニューロンが存在する．サルに熊手を使ってエサを引き寄せる訓練を行うと，エサを引き寄せられる範囲まで，視覚刺激よってニューロンが応答する範囲（受容野）が広がる．我々は，道具が使えるようになると道具が手の延長になったように感じられる．Bimodalニューロンの変化は，このような身体象の変化を反映すると考えられる．同様の変化はモニタ上のカーソルを操作する場合にも見られる．また，道具使用の訓練が，頭頂における初期遺伝子発現や，頭頂・小脳などにおける皮質構造の変化も引き起こすことが確認され，一連の研究は，道具使用をモデルとして，動物からヒトへの知性の進化を知る上で重要な示唆を与えている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==小脳における変化==&lt;br /&gt;
道具を速く正確に操作するためには，「道具に対してどのような操作をすれば，道具がどのような動きをするか」「道具にある動きをさせたいと思ったとき，それを実現するためには，どのような操作をする必要があるか」を予測する必要がある．ヒトがこのような道具の操作特性を学習しているときの小脳活動をfMRIで計測すると，ほとんどの部位で学習が進むにつれて，活動は減少するが，外側部の限局された場所（後上溝付近）では活動が上昇することが知られている．学習する道具の操作特性が異なれば，活動が上昇する位置や活動パターンも異なり，この活動は道具の操作特性（道具に対する操作と結果の関係）を模倣・シミュレーションする神経機構（内部モデル）に対応すると考えられる．上述のサルに道具使用を学習させる実験でも，学習後に後上溝付近の皮質構造が変化することが知られている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脳科学における重要性==&lt;br /&gt;
自己の身体は，成長，老化，ケガなどによる長期的な変化はあるにせよ，短時間で形態や操作特性が変化することはまれである．しかし，道具にはさまざまな種類があり，持ち替えた瞬間に操作すべき形態や特性が変化する．複数の道具を身体の延長として器用に使いこなすためには，基本的な道具の形態や操作特性を記憶し，必要に応じて切り替えたり，組み合わせたりすることが必要になる（モジュール性）．道具のイメージや操作スキルにおけるモジュール性は，さまざまな道具を使って作業をするときに不可欠な脳の仕組みである．さらに，複数の道具を組み合わせて作業する場合（例えば，短い熊手で長い熊手を引き寄せ，遠くのエサを引き寄せる），モジュールの階層性が必要になる．モジュール性・階層性は，言語や思考など高次認知機能に共通する特性である．道具使用は，身体像や運動制御といった脳の基本的なメカニズムに深く根ざす一方で，高次認知機能の特性も必要とするため，その神経機構を解明することは，ヒト知性の進化を知るうえで重要な手がかりであると考えられる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>内部モデル</title>
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		<updated>2012-05-02T05:23:06Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model　独: interne Modelle　仏: modèle interne&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動を実行する前に結果を予測したり，望ましい運動結果を実現するために必要な運動司令を予測することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も反映する．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，過去の経験に基づいて，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．時として，未来の予測を瞬時に行えるのは，外界の仕組みを反映する「モデル」を，学習によって脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からと考えられる．ヒトが目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，ほぼ直線の軌道で，滑らかに加速・減速する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7262217&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた（文献&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;815518&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15136283&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;など）．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の剛性をかなり高くしないと，筋肉の性質のみで上記のような軌道はできない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8600521&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，ヒトの予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先に力をかけて，腕が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差は，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7569931&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，指で物体を摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9006993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これらの研究が，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10607637&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルは，順モデルと逆モデルに区分される．順モデルは，脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12662535&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．逆モデルは，望ましい運動結果から，それを実現するために必要な運動司令を計算する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;3676355&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作する．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12163543&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，マウスをどの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測できる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデル==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者や他の物の運動によるものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，外敵から身を守るために重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10943682&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられるという可能性が指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12039604&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．脳の定量的な予測システムに関する研究は，運動制御から知覚・認知へと波及している．「内部モデル」は，学習によって獲得された予測メカニズムを示す言葉として広く使われつつあるが，分野や研究者によってだいぶ意味が異なることもある．どのような情報から（入力），どのような情報を予測（出力）する神経機構を想定しているのか，始めに示してから話を展開することが重要と思われる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
*[[運動学習・運動記憶]]&lt;br /&gt;
*[[手続き記憶]]&lt;br /&gt;
*[[遠心性コピー]]&lt;br /&gt;
*[[道具使用]]&lt;br /&gt;
*[[計算論的神経科学]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB&amp;diff=6869</id>
		<title>内部モデル</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB&amp;diff=6869"/>
		<updated>2012-05-02T04:57:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動を実行する前に結果を予測したり，望ましい運動結果を実現するために必要な運動司令を予測することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も反映する．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，過去の経験に基づいて，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．時として，未来の予測を瞬時に行えるのは，外界の仕組みを反映する「モデル」を，学習によって脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からと考えられる．ヒトが目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，ほぼ直線の軌道で，滑らかに加速・減速する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7262217&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた（文献&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;815518&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15136283&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;など）．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の剛性をかなり高くしないと，筋肉の性質のみで上記のような軌道はできない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8600521&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，ヒトの予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先に力をかけて，腕が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差は，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7569931&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，指で物体を摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9006993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これらの研究が，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10607637&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルは，順モデルと逆モデルに区分される．順モデルは，脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12662535&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．逆モデルは，望ましい運動結果から，それを実現するために必要な運動司令を計算する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;3676355&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作する．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12163543&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，マウスをどの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測できる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデル==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者や他の物の運動によるものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，外敵から身を守るために重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10943682&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられるという可能性が指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12039604&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．脳の定量的な予測システムに関する研究は，運動制御から知覚・認知へと波及している．「内部モデル」は，学習によって獲得された予測メカニズムを示す言葉として広く使われつつあるが，分野や研究者によってだいぶ意味が異なることもある．どのような情報から（入力），どのような情報を予測（出力）する神経機構を想定しているのか，始めに示してから話を展開することが重要と思われる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動が実行される前に結果を予測したり，望ましい運動を実現するための運動司令を予め計算することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も含まれる．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からと考えられる．ヒトが目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，ほぼ直線の軌道で，滑らかに加速・減速する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7262217&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた（文献&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;815518&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15136283&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;など）．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の剛性をかなり高くしないと，筋肉の性質のみで上記のような軌道はできない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8600521&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，ヒトの予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先に力をかけて，腕が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差は，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7569931&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，指で物体を摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9006993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これらの研究が，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10607637&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルは，順モデルと逆モデルに区分される．順モデルは，脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12662535&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．逆モデルは，望ましい運動結果から，それを実現するために必要な運動司令を計算する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;3676355&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作する．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12163543&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，マウスをどの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測できる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデル==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者や他の物の運動によるものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，外敵から身を守るために重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10943682&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられるという可能性が指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12039604&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．脳の定量的な予測システムに関する研究は，運動制御から知覚・認知へと波及している．「内部モデル」は，学習によって獲得された予測メカニズムを示す言葉として広く使われつつあるが，分野や研究者によってだいぶ意味が異なることもある．どのような情報から（入力），どのような情報を予測（出力）する神経機構を想定しているのか，始めに示してから話を展開することが重要と思われる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<updated>2012-05-02T00:57:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動が実行される前に結果を予測したり，望ましい運動を実現するための運動司令を予め計算することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も含まれる．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からと考えられる．ヒトが目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，始点と終点を結ぶ，ほぼ直線の軌道で加速度は滑らかに変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7262217&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた（文献&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;815518&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15136283&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;など）．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の剛性をかなり高くしないと，筋肉の性質のみで上記のような軌道はできない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8600521&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，ヒトの予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先に力をかけて，腕が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差は，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7569931&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，指で物体を摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9006993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これらの研究が，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10607637&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルは，順モデルと逆モデルに区分される．順モデルは，脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12662535&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．逆モデルは，望ましい運動結果から，それを実現するために必要な運動司令を計算する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;3676355&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作する．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12163543&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，マウスをどの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測できる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデル==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者や他の物の運動によるものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，外敵から身を守るために重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10943682&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられるという可能性が指摘されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12039604&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．脳の定量的な予測システムに関する研究は，運動制御から知覚・認知へと波及している．「内部モデル」は，学習によって獲得された予測メカニズムを示す言葉として広く使われつつあるが，分野や研究者によってだいぶ意味が異なることもある．どのような情報から（入力），どのような情報を予測（出力）する神経機構を想定しているのか，始めに示してから話を展開することが重要と思われる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：今水　寛，担当編集委員：入來篤史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<updated>2012-05-01T13:36:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動が実行される前に結果を予測したり，望ましい運動を実現するための運動司令を予め計算することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も含まれる．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からであると考えられる．目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，始点と終点を結ぶほぼ直線の軌道で，加速度は滑らかに変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7262217&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の性質のみで上記のような軌道を実現するためには，筋肉の剛性をかなり高くしないと実現できない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8600521&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，脳による予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差が，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7569931&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，ヒトは物体を指で摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9006993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これらの研究は，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルには，順モデルと逆モデルが存在すると考えられる．脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測するのが順モデル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12662535&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，望ましい運動結果から，それを実現するための運動司令を計算するのが逆モデルと言われている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;3676355&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作できる．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10646603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12163543&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，どの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測することができる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデルの機能==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者の運動にものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，天敵や外敵から身を守るため重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられている可能性が指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB&amp;diff=6800</id>
		<title>内部モデル</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB&amp;diff=6800"/>
		<updated>2012-05-01T07:53:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動が実行される前に結果を予測したり，望ましい運動を実現するための運動司令を予め計算することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も含まれる．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からであると考えられる．目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，始点と終点を結ぶほぼ直線の軌道で，加速度は滑らかに変化する．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の性質のみで上記のような軌道を実現するためには，筋肉の剛性をかなり高くしないと実現できない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，脳による予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差が，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと，ヒトは物体を指で摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである．これらの研究は，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルには，順モデルと逆モデルが存在すると考えられる．脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測するのが順モデル，望ましい運動結果から，それを実現するための運動司令を計算するのが逆モデルと言われている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作できる．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，どの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測することができる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデルの機能==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者の運動にものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，天敵や外敵から身を守るため重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている．統合失調症の陽性症状で見られる幻聴は，このような予測や引き算のメカニズムに障害があり，自分自身の「つぶやき」や内語を自己に帰属できないために，他人の声のように感じられている可能性が指摘されている．&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<title>内部モデル</title>
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		<updated>2012-05-01T07:38:51Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Hiroshiimamizu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英: internal model&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
外部世界の仕組みを脳の内部で模倣・シミュレーションする神経機構である．ヒトや動物は，複雑な筋骨格系で構成される身体を，速く正確に制御できる．これは，脳の内部に，運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル（信号変換器）が存在し，運動が実行される前に結果を予測したり，望ましい運動を実現するための運動司令を予め計算することを可能にしているからと考えられている．このようなモデルは，身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も含まれる．また，言語や思考などさまざまな認知機能に関与する可能性も指摘されている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からであると考えられる．目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，始点と終点を結ぶほぼ直線の軌道で，加速度は滑らかに変化する．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の性質のみで上記のような軌道を実現するためには，筋肉の剛性をかなり高くしないと実現できない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，脳による予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差が，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと，ヒトは物体を指で摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである．これらの研究は，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルには，順モデルと逆モデルが存在すると考えられる．脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測するのが順モデル，望ましい運動結果から，それを実現するための運動司令を計算するのが逆モデルと言われている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作できる．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，どの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測することができる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデルの機能==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者の運動にものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，天敵や外敵から身を守るため重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている．&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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		<title>内部モデル</title>
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		<updated>2012-05-01T07:11:44Z</updated>

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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;==内部モデルとは==&lt;br /&gt;
ヒトを含むさまざまな動物は，外部世界でこれから起こる現象を素早く予測し，情報処理の効率を高め，外界の変化に対して適切な対応をとることができる．未来の予測を瞬時に行えるのは，経験を通して，外界の仕組みを反映する「モデル」を，脳内に獲得しているからと考えられる．外部世界の仕組みを脳内で模倣・シミュレーションする神経機構のことを内部モデルと言う．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==運動制御における内部モデル==&lt;br /&gt;
脳科学で内部モデルという言葉が広まったのは，ヒトの運動制御に関する1990年代の研究からであると考えられる．目標物に手を伸ばすときの手先の軌道は，始点と終点を結ぶほぼ直線の軌道で，加速度は滑らかに変化する．従来の研究では，筋肉自体のバネのような性質からこのような特徴が生じると考えられていた．しかし，運動中の腕には，慣性力・遠心力・コリオリ力などの力がかかり，筋肉の性質のみで上記のような軌道を実現するためには，筋肉の剛性をかなり高くしないと実現できない．だが，実際に運動中の腕の剛性を計測すると，従来考えられていたよりも遙かに低い剛性であることが解った．この結果から，脳は，運動中に刻々と変化する慣性力やコリオリ力などの動力学的な要因を予測して，必要最小限の力で制御していることが示唆された．ほぼ同時期に，脳による予測的な運動制御を示す研究が多く報告された．例えば，手先が見えない状態で運動したときの手先位置の予測誤差が，脳内にカルマンフィルターモデルが存在すると仮定したときの結果と良く合うこと，ヒトは物体を指で摘んで上下させるときに，慣性力など物体にかかる力（負荷力）を正確に予測して，指の力（把持力）を調節していることなどである．これらの研究は，定量的な予測を可能にする神経機構の名称として「内部モデル」を用いた．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==順モデルと逆モデル==&lt;br /&gt;
内部モデルには，順モデルと逆モデルが存在すると考えられる．脳から筋肉に送信された運動司令の遠心性コピーから運動結果（感覚フィードバック）を予測するのが順モデル，望ましい運動結果から，それを実現するための運動司令を計算するのが逆モデルと言われている．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==外界の操作対象物の内部モデル==&lt;br /&gt;
ヒトは身体の延長として，さまざまな物体や道具を操作できる．身体と同様に，道具などの外界の対象物の内部モデルを獲得することで，早く正確な操作が可能になると考えられる．例えば，使い慣れたコンピュータマウスであれば，画面上のカーソルをある場所に移動させたいと思ったときに，どの方向にどれくらい移動させればよいか，過去の経験の蓄積に基づいて予測することができる．&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==知覚・認知における内部モデルの機能==&lt;br /&gt;
視覚など感覚情報における変化が，自分の運動によるものか，他者の運動にものかを区別することは，外界の恒常性を保ち，天敵や外敵から身を守るため重要である．順モデルは自分の運動による感覚フィードバックを予測するので，感覚入力から順モデルの予測を差し引けば，外界の変化を正確に知ることできる．自分で自分をくすぐってもくすぐったくないのは，くすぐるための運動司令の遠心性コピーから，くすぐられる感覚を予測し，引き算しているためと考えられている．&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Hiroshiimamizu</name></author>
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