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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-04-13T14:41:53Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
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		<updated>2012-12-02T08:01:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janusキナーゼ]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2638 STAT3]は脳、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]、[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]、[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]、[[wikipedia:ja:脾臓|脾臓]]、[[wikipedia:ja:胸腺|胸腺]]など身体組織全体で広範囲に発現していることが、マウスを用いた研究により確認されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3はJAKチロシンキナーゼによりリン酸化されることで活性化し、標的遺伝子の転写を誘導する(後述)。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3がSTAT3の遺伝子を誘導するというポジティブフィードバックループの存在も知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15852015&lt;br /&gt;
 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9497331 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞においては、STAT3は[[アストロサイト]]内で最も強く発現しており、[[神経幹細胞]] (neural stem cell, NSC) の発現量の二倍近い。また、ニューロンとNSCにおける発現量はほぼ同じで大きな差はないことが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
===リン酸化による制御===&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===転写による制御===&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、STAT3は標的遺伝子の転写を誘導する。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3はSTAT3遺伝子プロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写が誘導されるというポジティブフィードバックループの存在が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15855</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
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		<updated>2012-12-02T07:48:58Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janusキナーゼ]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2638 STAT3]は脳、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]、[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]、[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]、[[wikipedia:ja:脾臓|脾臓]]、[[wikipedia:ja:胸腺|胸腺]]など身体組織全体で広範囲に発現していることが、マウスを用いた研究により確認されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3はJAKチロシンキナーゼによりリン酸化されることで、活性化し、標的遺伝子の転写を誘導する(後述)。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3がSTAT3の遺伝子を誘導するというポジティブフィードバックループの存在も知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15852015&lt;br /&gt;
 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞においては、STAT3は[[アストロサイト]]内で最も強く発現しており、[[神経幹細胞]] (neural stem cell, NSC) の発現量の二倍近い。また、ニューロンとNSCにおける発現量はほぼ同じで大きな差はないことが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
===リン酸化による制御===&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===転写による制御===&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、STAT3は標的遺伝子の転写を誘導する。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3はSTAT3遺伝子プロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写が誘導されるというポジティブフィードバックループの存在が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15854</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15854"/>
		<updated>2012-12-02T05:56:36Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janusキナーゼ]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2638 STAT3]は脳、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]、[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]、[[wikipedia:ja:腎臓|腎臓]]、[[wikipedia:ja:脾臓|脾臓]]、[[wikipedia:ja:胸腺|胸腺]]など身体組織全体で広範囲に発現していることが、マウスを用いた研究により確認されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述した。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3はSTAT3遺伝子プロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写が誘導されるというポジティブフィードバックループの存在が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15852015&lt;br /&gt;
 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞においては、STAT3は[[アストロサイト]]内で最も強く発現しており、[[神経幹細胞]] (neural stem cell, NSC) の発現量の二倍近い。ニューロンとNSCの発現量はほぼ同じで大きな差はないことがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
===リン酸化による制御===&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===転写による制御===&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、STAT3は標的遺伝子の転写を誘導する。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3はSTAT3遺伝子プロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写が誘導されるというポジティブフィードバックループの存在が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15797</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15797"/>
		<updated>2012-11-30T08:05:18Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現していることが、マウスを用いた研究により確認されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述した。しかし実はSTAT3遺伝子自身もその標的であり、活性化したSTAT3はSTAT3遺伝子プロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写が誘導されるというポジティブフィードバックループの存在が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞においては、STAT3はアストロサイト内で最も強く発現しており、神経幹細胞neural stem cell (NSC) の発現量の二倍近い。ニューロンとNSCの発現量はほぼ同じで大きな差はないことがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15796</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15796"/>
		<updated>2012-11-30T07:37:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、胚性幹細胞でSTAT3の発現が確認されており、STAT3の発現は発生のごく初期から観察されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23143138 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述した。転写因子となったSTAT二量体はJAK/STAT経路を構成する因子であるSTAT3やgp130のプロモーター中のSTAT認識配列に直接結合し、転写を誘導することが明らかになった。これはJAK/STATシグナル経路が活性化すると、自らの構成物の発現を誘導するメカニズムが存在することを示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞において、STAT3はアストロサイト内で最も強く発現しており、神経幹細胞neural stem cell (NSC) の発現量の二倍近い。ニューロンとNSCの発現量はほぼ同じで大きな差はない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15795</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15795"/>
		<updated>2012-11-30T07:24:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、胚性幹細胞でSTAT3の発現が確認されており、STAT3の発現は発生のごく初期から観察されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23143138 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述したが、JAK/STATシグナルはJAK/STAT経路を構成物する因子であるSTAT3やgp130のプロモーター中、STAT認識配列に直接、転写因子となったSTAT二量体が結合し、転写を誘導することが明らかになったこれはJAK/STAT経路が活性化すると、自らの構成物の発現も誘導、増加させられることを示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系細胞において、STAT3はアストロサイト内で最も強く発現しており、神経幹細胞neural stem cell (NSC) の発現量の二倍近い。ニューロンとNSCの発現量はほぼ同じで大きな差はない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22736940 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15794</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15794"/>
		<updated>2012-11-30T05:37:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、胚性幹細胞でSTAT3の発現が確認されており、STAT3の発現は発生のごく初期から観察されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23143138 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述したが、JAK/STATシグナルはJAK/STAT経路を構成物する因子であるSTAT3やgp130のプロモーター中、STAT認識配列に直接、転写因子となったSTAT二量体が結合し、転写を誘導することが明らかになったこれはJAK/STAT経路が活性化すると、自らの構成物の発現も誘導、増加させられることを示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15793</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15793"/>
		<updated>2012-11-30T05:34:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、胚性幹細胞でSTAT3の発現が確認されており、STAT3の発現は発生のごく初期から観察されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23143138 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　JAK/STAT経路が活性化することで、標的遺伝子の転写が誘導されると先述したが、JAK/STATシグナルはJAK/STAT経路を構成物する因子であるSTAT3やgp130のプロモーター中、STAT認識配列に直接、転写因子となったSTAT二量体が結合し、転写を誘導することが明らかになり、JAK/STAT経路が活性化すると、自らの構成物の発現も誘導、増加させることが示唆された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15852015 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15791</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15791"/>
		<updated>2012-11-30T02:57:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、胚性幹細胞でSTAT3の発現が確認されることから、STAT3の発現時期は発生のごく初期であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23143138 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15790</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
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		<updated>2012-11-30T00:35:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  12746441 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は脳、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺など身体組織全体で広範囲に発現が確認される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7545930 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。胎生１１日目からその発現が確認される。成体においては、[[大脳皮質]]や[[嗅球]]などを含む脳組織全体や脊髄などの、脳以外の[[中枢神経系]] (central nervous system, CNS) 組織、末梢神経系peripheral nervous sysrem (PNS) 組織で発現が観察される。神経系でSTAT3を発現する細胞はニューロン、[[アストロサイト]]、神経幹細胞 (neural stem cell, NSC) などである。また細胞内において通常は細胞質内に局在するが、サイトカインシグナルにより二量体化したSTAT3は局在が核へ移行する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10407422 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15779</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15779"/>
		<updated>2012-11-29T11:58:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスの[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は胎生１１日目からその発現が確認される。成体においては、[[大脳皮質]]や[[嗅球]]などを含む脳組織全体や脊髄などの、脳以外の[[中枢神経系]] (central nervous system, CNS) 組織、末梢神経系peripheral nervous sysrem (PNS) 組織で発現が観察される。神経系でSTAT3を発現する細胞はニューロン、[[アストロサイト]]、神経幹細胞 (neural stem cell, NSC) などである。また細胞内において通常は細胞質内に局在するが、サイトカインシグナルにより二量体化したSTAT3は局在が核へ移行する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10407422 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15770</id>
		<title>シグナル伝達兼転写活性化因子3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AB%E4%BC%9D%E9%81%94%E5%85%BC%E8%BB%A2%E5%86%99%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E5%9B%A0%E5%AD%903&amp;diff=15770"/>
		<updated>2012-11-29T11:36:56Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=6774}} 英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[シグナル伝達]]と[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化を行うことで、[[分化]]や生存、[[増殖]]などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription（STAT）ファミリー分子の一つ。STAT3は非活性化状態時では[[細胞質]]に局在するが、活性化した[[Janus kinase]]（[[JAK]]）によって[[チロシンリン酸化]]を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する[[転写因子]]として働く。この活性化経路は[[JAK/STAT経路]]と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ファミリー  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これまでSTATファミリー分子としては、[[STAT1]]、[[STAT2]]、STAT3、[[STAT4]]、[[STAT5A]]、[[STAT5B]]、[[STAT6]]の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは4つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル（NLS）は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　STAT3は[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では770アミノ酸残基から構成される。[[wikipedia:ja:SH2ドメイン|SH2ドメイン]]は信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。[[wikipedia:ja:コイルド-コイルドメイン|コイルド-コイルドメイン]]は４つの[[wikipedia:ja:α-ヘリックス|α-ヘリックス]]から成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。[[wikipedia:ja:核局在化シグナル|核局在化シグナル]]（nuclear localization signal, NLS）は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的[[wikipedia:ja:DNA|DNA]]配列に結合する役割を有する。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成する。図1には例として、マウスSTAT3の構造を示した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発現  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/2637 STAT3]は胎生１１日目からその発現が確認される。成体においては、皮質や臭球などを含む脳組織全体で発現が観察され、また脊髄などの、脳以外の中枢神経系central nervous system (CNS) 組織でも発現している。STAT3を発現する細胞種はニューロン、アストロサイト、神経幹細胞Neural stem cell (NSC) などの神経系細胞である。また細胞内において通常は細胞質内に局在するが、サイトカインシグナルにより二量体化したSTAT3は局在が核へ移行する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10407422 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体（IL-6R）、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態（sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR）でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体（CT-1R）はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3-3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 活性化機構  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:免疫|免疫]]系に作用する[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]として同定された[[インターロイキン-6]]（[[Interleukin-6]], [[IL-6]]）は、信号伝達に必須な[[受容体]]コンポーネントとして[[wikipedia:ja:膜タンパク質|膜タンパク質glycoprotein]] 130（[[Gp130]]）を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、[[インターロイキン-11]]（IL-11）、[[オンコスタチンM]] （[[Oncostatin M]], [[OSM]]）、[[白血病抑制因子]]（[[Leukemia Inhibitory Factor]], [[LIF]]）、[[カルジオトロピン-1]]（[[Cardiotrophin-1]], [[CT-1]])、[[毛様体由来神経栄養因子]]（[[Ciliary Neurotrophic Factor]], [[CNTF]]）などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、[[細胞膜]]上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身の[[Src homology 2]]（[[SH2]]）ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]残基が[[リン酸化]]を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーや[[インスリン様成長因子-1]]（[[Insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]]）など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子として[[グリア線維性酸性タンパク質]]（[[Glial fibrillary acidic protein]], [[GFAP]]）の[[プロモーター]]に結合し、転写を促進する。GFAPは[[アストロサイト]]で特異的に発現するタンパク質であり、これまで[[神経幹細胞]][[Neural stem cell]]（[[NSC]]）の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている（図3）&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインと[[Smad]]をシグナル経路下流の転写因子とする[[骨形成因子]]（[[Bone morphogenetic protein]], [[BMP]]）群（[[TGF-βスーパーファミリー]]に属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子[[P300]]が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経幹細胞増殖制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3[[遺伝子欠損]]（[[ノックアウト]]、[[KO]]）[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]は発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（[[コンディショナルノックアウト]]、cKO）させる[[トランスジェニックマウス]]を用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの[[海馬歯状回]]において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して[[栄養因子]]として作用する[[CNTF]]は、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて[[興奮性アミノ酸]]の一種、[[カイニン酸]]（[[Kainic acid]], [[KA]]）投与による[[てんかん]]誘導に際し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[Carbamazepine]]（[[CBZ]]）を投与すると、海馬の[[CA3領域]]において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られている[[B-cell lymphoma-extra large]]（[[Bcl-xl]]）もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗[[アポトーシス]]分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである[[腫瘍壊死因子]]（[[Tumor necrosis factor-α]], [[TNF-α]]）は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子-1（insulin-like growth factor-1, IGF-1）は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、[[神経保護作用]]を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3が[[サイトカインシグナル抑制因子]]（[[Suppressors of cytokine signaling 3]], [[SOCS-3]]）の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脊髄]]に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合し[[グリア瘢痕]]を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans（CSPGs）などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの[[軸索]]再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体（MR16-1）を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[Janusキナーゼ]] &lt;br /&gt;
*[[チロシンリン酸化]] &lt;br /&gt;
*[[転写因子]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（編集コメント：他にございましたらご指摘ください） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：赤土正一、中島欽一　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15768</id>
		<title>トーク:Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15768"/>
		<updated>2012-11-29T08:45:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glycoprotein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M (OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系におけるSTAT3の発現パターン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　中枢神経系central nervous system (CNS) においてニューロン、アストロサイト、神経幹細胞Neural stem cell (NSC) など神経系細胞において発現が確認される。また細胞内において通常は細胞質内に局在するが、サイトカインシグナルにより二量体化したSTAT3は局在が核へ移行する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10407422 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：アストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまでNSCの培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（コンディショナルノックアウト、cKO）させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA) 投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体 (MR16-1) を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
担当執筆者：赤土正一、中島欽一&lt;br /&gt;
担当編集委員：　大隅典子&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15750</id>
		<title>トーク:Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-29T05:33:45Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glycoprotein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M (OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系におけるSTAT3の発現パターン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　マウスでは、例えば胎生11日目の神経幹細胞Neural stem cell (NSC)においてSTAT3のプロモーター上のシトシン残基がDNAメチル化を受けており、転写因子が結合することができず、STAT3は転写されない。しかし胎生１４日頃からSTAT3プロモーターの脱メチル化が起こり、STAT3転写が可能となる。以降はSTAT3プロモーターはメチル化を受けることがなく、神経系細胞全般でSTAT3の発現が確認できると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11740937 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：アストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまでNSC の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（コンディショナルノックアウト、cKO）させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA) 投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体 (MR16-1) を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
担当執筆者：赤土正一、中島欽一&lt;br /&gt;
担当編集委員：　大隅典子&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15657</id>
		<title>トーク:Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15657"/>
		<updated>2012-11-26T03:13:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: ページの作成：「英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3   　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖など...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glycoprotein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M (OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：アストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（コンディショナルノックアウト、cKO）させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA) 投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体 (MR16-1) を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
担当執筆者：赤土正一、中島欽一&lt;br /&gt;
担当編集委員：　大隅典子&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15656</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15656"/>
		<updated>2012-11-26T02:58:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glycoprotein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M (OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化を引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：アストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は、転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして、転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に結合し、STAT3/p300/smad1複合体を形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損（コンディショナルノックアウト、cKO）させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA) 投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみを添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、これにより神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体 (MR16-1) を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスの脊髄を損傷させても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== まとめ ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備えられており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15623</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15623"/>
		<updated>2012-11-23T09:28:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:1.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:2.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:3.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M(OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化が引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3、は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して、活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に、結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト、cKO)させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これに関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:3.jpg&amp;diff=15622</id>
		<title>ファイル:3.jpg</title>
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		<updated>2012-11-23T09:27:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:2.jpg&amp;diff=15621</id>
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		<updated>2012-11-23T09:27:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:1.jpg&amp;diff=15620</id>
		<title>ファイル:1.jpg</title>
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		<updated>2012-11-23T09:26:56Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15619</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15619"/>
		<updated>2012-11-23T09:01:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M(OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化が引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3、は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して、活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に、結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト、cKO)させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これに関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12754507 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15618</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-23T08:52:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し標的遺伝子を活性化する転写因子として働く。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6 (IL-6) は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein (gp130) を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインには他にも、IL-11、oncostatin M(OSM)、Leukemia Inhibitory Factor (LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor (CNTF) などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは、細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカインに共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化が引き起こす（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKチロシンキナーゼが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSrc homology 2 (SH2) ドメインを介して会合、近接したJAKにより705番目のチロシン残基がリン酸化を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、標的遺伝子の転写を誘導する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2には例として、マウスSTAT3の構造を示した。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシン残基と727番目のセリン残基を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3、は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリーに属する）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導することが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300が、サイトカイン刺激に応答して、活性化されたSTAT3のN末端と、Smad1のC末端に、結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成することで、標的遺伝子GFAPの効率的な発現を誘導することが明らかにされている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト、 KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響を解析することは困難である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト、cKO)させるトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告もなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の抑制という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果には、何らかのメカニズムでJAK/STAT3経路がIGF-1により活性化され、活性化されたSTAT3がサイトカインシグナル抑制因子suppressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、誘導されたSOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害することで、JAK/STAT3経路を抑制することが重要であると報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのか、その詳細なメカニズムは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞で炎症性サイトカインの発現が亢進する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これに関連して、脊髄損傷を起こしたマウスへIL-6受容体の機能阻害抗体IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を投与すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察されるという報告がなされている。ところで、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕は形成されない。しかし、先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、IL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって誘導される反応性アストロサイトには、良い作用と悪い作用が存在し、そのバランスを制御することが病態改善には重要であると考えられる&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに紹介したもの以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、その過度な活性化による障害を防ぐために自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現を誘導する負のフィードバックメカニズムも備正しい生体機能が発揮されるために、JAK/STAT3経路は精妙に制御されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15615</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-22T14:46:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．IL-6ファミリーサイトカイン群と受容体&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的な受容体に結合し、共通信号伝達鎖gp130を含んだ受容体複合体を形成する。IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも受容体複合体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体形成を誘導する。CT-1受容体(CT-1R)はCT-1の結合によりgp130/LIFRとのヘテロ二量体を形成する。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。コイルド-コイルドメインは４つのα-ヘリックスから成り、STAT3がSH2ドメインを介して信号伝達鎖と結合し、活性化されるために必須な領域として知られる。核局在化シグナル(NLS)は細胞質内で二量体化したSTAT3が核内に輸送されるために必要な配列である。DNA結合ドメインは活性化STAT3が標的DNA配列に結合する役割を有する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAP遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーのシグナルによりSTAT3がリン酸化を受け、活性化される。活性化されたSTAT3はSTAT3同士でホモ二量体または他のSTATとヘテロ二量体を形成し、核内に移行後、GFAPプロモーター中のSTAT3認識配列に結合し、転写を誘導する。IL-6ファミリーに属する全てのサイトカインはSTAT3を活性化し、GFAPの転写を誘導することが明らかになっている。ここではLIFによるものを示した。]]  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2(src homology 2)ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端に、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の阻害という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果は、詳細なメカニズムはいまだ明らかでないものの、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、サイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、SOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害し、JAK/STAT3経路を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ためだと考えられる。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのかは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。脊髄損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない。先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、細胞に害を与えるタンパク質が自らのシグナル経路を介して発現するのを防ぐため、自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15614</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15614"/>
		<updated>2012-11-22T14:41:12Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的受容体と結合することで、IL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子であるgp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図1）。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2(src homology 2)ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端に、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、ニューロン保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の阻害という作用を有することが明らかになった。このニューロン保護効果は、詳細なメカニズムはいまだ明らかでないものの、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、サイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、SOCS3がIL-6ファミリーサイトカイン受容体複合体の信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基とJAKに結合し、JAKの機能を阻害し、JAK/STAT3経路を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10829066 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ためだと考えられる。しかしSOCS3がJAK/STAT3経路を負に制御することにより、TNF-αシグナルをどのように抑制するのかは明らかになっていない&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。脊髄損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない。先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、細胞に害を与えるタンパク質が自らのシグナル経路を介して発現するのを防ぐため、自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15613</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15613"/>
		<updated>2012-11-22T14:19:55Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、cardiotrophin-1 (CT-1)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、gp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図1）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図2にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2(src homology 2)ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質、においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。TNF-αによりgp130へSrc homology protein-tyrosine phosphatase 2 (SHP2)がリクルートされることで、gp130、SHP2共にリン酸化を受ける。TNF-αのシグナルは活性化したgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の阻害という作用を有することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導するためだと考えられる。発現したSOCS-3はSH2ドメインを持ち、TNF-αによって活性化したgp130内、リン酸化チロシン残基に結合、近接したJAKを抑制する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害する(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。脊髄損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない。先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、細胞に害を与えるタンパク質が自らのシグナル経路を介して発現するのを防ぐため、自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15610</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15610"/>
		<updated>2012-11-22T04:52:04Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、gp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図１にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2(src homology 2)ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質、においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。TNF-αによりgp130へSrc homology protein-tyrosine phosphatase 2 (SHP2)がリクルートされることで、gp130、SHP2共にリン酸化を受ける。TNF-αのシグナルは活性化したgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の阻害という作用を有することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導するためだと考えられる。発現したSOCS-3はSH2ドメインを持ち、TNF-αによって活性化したgp130内、リン酸化チロシン残基に結合、近接したJAKを抑制する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害する(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺ではGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。脊髄損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない。先に述べたようにグリア瘢痕は損傷部を外部環境刺激から守る役割を持つので、アストロサイト特異的STAT3遺伝子欠損マウスは脊髄損傷が起きた後、傷口と炎症部が広がっていき、部分的に運動機能がさらに低下する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは多岐にわたり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、細胞に害を与えるタンパク質が自らのシグナル経路を介して発現するのを防ぐため、自らのシグナル経路を抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15609</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15609"/>
		<updated>2012-11-22T04:39:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、gp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図１にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2(src homology 2)ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質、においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察される。TNF-αによりgp130へSrc homology protein-tyrosine phosphatase 2 (SHP2)がリクルートされることで、gp130、SHP2共にリン酸化を受ける。TNF-αのシグナルは活性化したgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護作用を発揮する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えて、TNF-αのみ添加したニューロン群より、IGF-1とTNF-αを添加したニューロン群においてニューロン死の割合が低かったことから、IGF-1はTNF-αにより誘導されるニューロン死の阻害という作用を有することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導するためだと考えられる。発現したSOCS-3はSH2ドメインを持ち、TNF-αによって活性化したgp130内、リン酸化チロシン残基に結合、近接したJAKを抑制する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害する(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは複数あり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、自らの経路のシグナルを抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15608</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-22T02:38:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、gp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図１にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2(src homology 2)ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域において、ニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質、においても上昇しており、活性化を表すチロシンリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、CT-1の刺激によってSTAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行うという報告&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10866494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの抗アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。しかし、CBZシグナルがどのようなメカニズムでJAK/STAT3経路が活性化しているかはいまだ明らかになっていない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは複数あり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、自らの経路のシグナルを抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15606</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15606"/>
		<updated>2012-11-22T01:02:41Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたinterleukin-6(IL-6)は、信号伝達に必須な受容体コンポーネントとして膜タンパク質glyco protein(gp130)を共通に利用するIL-6ファミリーサイトカインの一つである。IL-6ファミリーサイトカインは他にも、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)。IL-6ファミリーサイトカインは細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、gp130を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。図１にSTAT3の構造を示す。マウスSTAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメインやリン酸化チロシン残基に結合するSH2(src homology 2)ドメインを持つ。またリン酸化を受けることでSTAT3の活性に関わる705番目のチロシンと727番目のセリンを有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカインの刺激により活性化したSTAT3は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とする骨形成因子bone morphogenetic protein (BMP)群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、相乗的にアストロサイトの分化を誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。そのメカニズムとして転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、二量体化したSTAT3のN末端と、ヘテロオリゴマー化したsmad1のC末端と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またニューロンに対して栄養因子として作用するCNTFは、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFは受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御すると考えられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは複数あり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、自らの経路のシグナルを抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15601</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15601"/>
		<updated>2012-11-21T11:19:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 総括 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紹介した以外にも、STAT3の神経系における働きは複数あり、それらを総合すると、JAK/STAT3経路は神経系の発達、形成に重要な役割を担う情報伝達経路と言える。また、単純に神経発達や形成に重要な因子となるタンパク質の発現を誘導するのみならず、自らの経路のシグナルを抑制するタンパク質発現もまた誘導することから、STAT3は神経保護にも必須の因子と考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15599</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-21T01:45:07Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15598</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15598"/>
		<updated>2012-11-21T01:44:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。CT-1R]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15597</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-21T01:12:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．STAT3の構造&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．IL-6ファミリーサイトカイン受容体群&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図3．IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図4．SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>ファイル:STAT3kouzou.jpg</title>
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		<updated>2012-11-21T00:23:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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		<title>ファイル:Saitokain.jpg</title>
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		<updated>2012-11-21T00:23:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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		<title>ファイル:SOCS.jpg</title>
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		<updated>2012-11-21T00:22:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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		<title>ファイル:GFAP expression.jpg</title>
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		<updated>2012-11-21T00:22:07Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-20T13:40:44Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている(図3)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる(図4)&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15589</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15589"/>
		<updated>2012-11-20T13:08:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、図１にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる（図２）。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。&lt;br /&gt;
　リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。&lt;br /&gt;
　またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。TNF-αのシグナルはgp130を介し、JAK/STAT3経路で伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12817006 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の転写を誘導し、発現したSOCS-3がJAKによって活性化された信号伝達鎖のリン酸化チロシン残基を脱リン酸化する、という負のフィードバック制御によりSTAT3の活性化を阻害、TNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10070253 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。&lt;br /&gt;
 また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15583</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-20T04:44:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。&lt;br /&gt;
　リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。&lt;br /&gt;
　またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちら においても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持ち&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、高濃度添加によりニューロン死が観察された。&lt;br /&gt;
　対して、インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　そして、IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の発現を促進することで、SOCS-3のフィードバック制御によりTNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。&lt;br /&gt;
 また、アストロサイト特異的にSTAT3遺伝子を欠損させたマウスに脊髄損傷を起こしても、反応性アストロサイトが出現せず、グリア瘢痕が形成できない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614693 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
 これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15538</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
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		<updated>2012-11-18T10:23:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。&lt;br /&gt;
　リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。&lt;br /&gt;
　またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちらにおいても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き⑤：ニューロンの生存制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。TNF-αの高濃度添加によりニューロン死が観察された。インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。&lt;br /&gt;
　この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の発現を促進することで、SOCS-3のフィードバック制御によりTNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15537</id>
		<title>Signal Transducers and Activator of Transcription 3</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Signal_Transducers_and_Activator_of_Transcription_3&amp;diff=15537"/>
		<updated>2012-11-18T10:20:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：Signal Transducers and Activator of Transcription 3、英略語：STAT3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8608586 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9418183 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase（JAK）によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15225360 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　まず、にSTAT3の構造を示す。STAT3は770アミノ酸残基から構成され、DNA結合ドメイン、SH2(src homology 2)ドメイン、リン酸化を受ける705番チロシンと727番セリンを有する。&lt;br /&gt;
　免疫系に作用するサイトカインとして同定されたIL-6ファミリーサイトカイン(interleukin-6(IL-6)、interleukin-11(IL-11)、oncostatin M、白血球遊走阻止因子Leukemia Inhibitory Factor(LIF)、毛様体神経栄養因子Ciliary Neurotrophic Factor(CNTF)などが含まれる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11820727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;)は細胞膜上のサイトカイン受容体複合体中のサイトカイン特異的結合鎖と結合することで、膜たんぱく質glyco protein(gp130)を含む信号伝達鎖の二量体化がおこる。gp130はIL-6ファミリーサイトカイン共通かつ必須の信号伝達因子である。その後、信号伝達鎖の細胞内領域に会合するJAKが活性化され、信号伝達鎖の細胞内領域中のチロシン残基をリン酸化する。&lt;br /&gt;
　リン酸化されたチロシン残基に、転写因子STAT3が自身のSH2ドメインを介して会合、近接したJAKによりチロシンリン酸化（チロシン705）を受けることで活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9685167 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。チロシンリン酸化されたSTAT3分子はホモ二量体あるいは異なるSTATファミリー分子間でヘテロ二量体を形成し核へ移行した後、目的遺伝子の転写を制御する。JAK/STAT3経路はIL-6ファミリーやinsulin-like growth factor-1 (IGF-1) など複数のサイトカインや増殖因子の刺激により活性化することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10486560 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22772901 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15998644 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き①：脳内におけるアストロサイト分化誘導  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　IL-6ファミリーサイトカイン刺激によりSTAT3ホモ二量体は転写活性化因子としてグリア線維性酸性タンパク質glial fibrillary acidic protein (GFAP)のプロモーターに結合し、転写を促進する。GFAPはアストロサイトで特異的に発現するタンパク質であり、これまで神経幹細胞Neural stem cell (NSC) の培養系にIL-6ファミリーサイトカインを添加すると、JAK/STAT3経路を活性化することでアストロサイトへの分化が促進されることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　また、STAT3をシグナル経路下流の転写因子とするIL-6ファミリーサイトカインとSmadをシグナル経路下流の転写因子とするbone morphogenetic protein 2 (BMP2)などのサイトカイン群（TGF-βスーパーファミリー）の両者は別々の受容体システムを介し、互いに協調的にクロストークして相乗的アストロサイト分化誘導&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10205054 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;することが明らかにされている。転写活性化の補助的役割を果たす核内転写共役因子p300がサイトカイン刺激に応答して、自身のN末端側を二量体化したSTAT3と、自身のC末端側をヘテロオリゴマー化したsmad1と、それぞれ同時に結合しSTAT3/p300/smad1複合体が形成される。これにより二種類サイトカインシグナルが核内で統合され、目的遺伝子GFAPの相乗的発現が起こる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き②：神経幹細胞増殖制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　通常のSTAT3遺伝子欠損（ノックアウト, KO）マウスは発生の比較的初期に死に至るので、マウス脳内におけるSTAT3 KOの影響の解析は難しい&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9108058 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　そこで、神経系細胞特異的にSTAT3遺伝子を欠損(コンディショナルノックアウト, cKO)するトランスジェニックマウスを用いて解析した結果、STAT3 cKOマウスの海馬歯状回において、NSCの数が、野生型マウスに比べ減少していることが明らかになった。&lt;br /&gt;
　またニューロンに対する栄養因子活性を有するCNTFはIL-6ファミリーサイトカインの一因であり、gp130を介したシグナル伝達によりNSCの自己増殖を制御するという報告がなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17311007 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1542794 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CNTF KOマウスの歯状回で、NSCの数が野生型マウスと比較して減少しているというSTAT3 cKOマウスと類似の結果が得られたことから、CNTFはサイトカイン受容体と結合し、下流のJAK/STAT3経路を活性化することで、NSCの自己増殖を制御することが示唆された&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き③：てんかん発作誘導性神経細胞死における神経保護作用 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生体マウスにおいて興奮性アミノ酸の一種、カイニン酸kainic acid (KA)投与によるてんかん誘導に際し、抗てんかん薬として知られるcarbamazepine (CBZ)を投与すると、海馬のCA3領域においてニューロン死の割合がKA投与のみの個体に比べ、低いことが分かった。また、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロンにおいて、STAT3の発現レベルがmRNA、タンパク質どちらにおいても上昇しており、活性化を表すリン酸化STAT3の増加も見られている。加えて、神経保護タンパク質として知られているB-cell lymphoma-extra large (Bcl-xl) もまた、KA+CBZ投与マウスのCA3ニューロン内で発現レベルが高まっている上、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がBcl-xl遺伝子に直接結合し、発現制御を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8390097 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;という報告から、CBZのシグナルを受けてJAK/STAT3経路が活性化し、Bcl-xlなどの高アポトーシス分子の発現を誘導することで、てんかんによるニューロン死への保護効果が上昇することが示唆されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き④：脊髄損傷時の反応性アストロサイト分化誘導 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脊髄に損傷が起こると炎症反応が発生し、損傷部周辺の細胞は炎症性サイトカインを多量に分泌する。これらの刺激により損傷部周辺でGFAP強陽性となる反応性アストロサイトの出現が観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9989494 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。反応性アストロサイトは集合しグリア瘢痕を形成する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12578228 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。グリア瘢痕は損傷部の物理的な防壁となり、損傷部を外部環境刺激から守ることで中枢神経系を再統合する役割を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9724451 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、グリア瘢痕は、Chondroitin sulfate proteoglycans (CSPGs) などの軸索伸長阻害因子を分泌し、損傷部周辺ニューロンの軸索再伸長を阻害するため、神経軸索再生が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12626698 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　軸索損傷を起こしたマウスへ、IL-6ファミリー受容体の機能を阻害する分子IL-6 receptor monoclonal antibody (MR16-1)を添加すると、損傷部の反応性アストロサイトの数が減少し、神経機能の回復が観察された。これらのことからIL-6ファミリーサイトカイン刺激によるJAK/STAT3経路の活性化によって、反応性アストロサイトの分化が誘導されることが示唆された&amp;lt;ref name&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15048924 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系での働き⑤：ニューロンの生存制御 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子tumor necrosis factor-α (TNF-α)は神経疾患、または炎症反応中の脳で、神経細胞毒性を持つ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7507336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。TNF-αの高濃度添加によりニューロン死が観察された。インスリン様成長因子insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は頭部外傷など、脳内の炎症反応により多量に発現し、神経保護を行う&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9246719 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14568359 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。IGF-1はTNF-α添加により誘導されるニューロン死を阻害することが明らかになった。&lt;br /&gt;
　この神経保護効果は、JAK/STAT3経路がIGF-1により活性化し、STAT3とSTAT1のヘテロ二量体がサイトカイン抑制シグナル分子supressors of cytokine signaling 3 (SOCS-3)の発現を促進することで、SOCS-3のフィードバック制御によりTNF-αシグナルを抑制し神経細胞死を阻害するためだと考えられる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E5%8C%96&amp;diff=15518</id>
		<title>アセチル化</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E5%8C%96&amp;diff=15518"/>
		<updated>2012-11-15T06:20:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：acetylation　独：Acetylierung 仏：acétylation &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．代表的なアセチル化反応&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化とは、[[wikipedia:ja:有機化合物|有機化合物]]の[[wikipedia:ja:水酸基|水酸基]]（-OH）や[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;）などの[[wikipedia:ja:水素|水素]]原子を[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]（-COCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）で置換することである（図1）。[[wikipedia:ja:IUPAC命名法|IUPAC命名法]]では[[wikipedia:ja:エタノイル化|エタノイル化]]という。逆に、有機化合物からアセチル基が除かれる反応は脱アセチル化という。代表的なアセチル化剤として、[[wikipedia:ja:無水酢酸|無水酢酸]]、[[wikipedia:ja:塩化アセチル|塩化アセチル]]、[[wikipedia:ja:酢酸メチル|酢酸メチル]]、[[wikipedia:ja:N-メチルアセトアミド|N-メチルアセトアミド]]などが使われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== タンパク質のアセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．ヒストンのアセチル化、脱アセチル化による転写活性状態の変化&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
ヒストンがHATによりアセチル化された状態ではヒストン-DNA間の結合が緩むことで、TFやPolⅡの結合が可能となり、転写は活性化される。逆にHDACにより、ヒストンが脱アセチル化されるとTF、PolⅡが結合出来ないため転写は抑制される。&amp;lt;br&amp;gt;GTF：general transcription factor：基本転写因子群、Ac：acetylation：アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化は、[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]の構造制御や[[wikipedia:ja:転写活性|転写活性]]制御に重要な働きをしている。転写活性化に働く[[wikipedia:ja:補因子|補因子]]の多くが[[アセチル化酵素]]活性を持っており、逆に転写抑制に働く補因子の多くは[[脱アセチル化酵素]]活性を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストン ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化において最も多く報告されているのがヒストンのアセチル化及び脱アセチル化である。これらは[[wikipedia:ja:遺伝子の発現|遺伝子の発現]]制御に密接に関わっている。ヒストンはアセチル化されることでヒストン中の特定の[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]残基のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））を[[wikipedia:ja:アミド|アセトアミド]]（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、DNA鎖に対して転写因子や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]（[[wikipedia:PolⅡ|PolⅡ]]）がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。逆に、ヒストンが脱アセチル化されるとアセチル基が[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]により除去され、元のアミノ基に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストンアセチル基転移酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:代表的なヒストンアセチル基転移酵素（HAT、histone acetyltransferase）として、[[CBP/p300（CREB binding protein）]]や[[PCAF（p300/CBP-associated factor）]]などが存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストン脱アセチル化酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストン脱アセチル化酵素（HDAC、histone deacetylase）には5つのファミリーがあり、それぞれCLASSⅠ（HDAC1、2、3、8）、CLASSⅡa（HDAC4、5、7、9）、CLASSⅡb（HDAC6、10）、CLASSⅢ（SIRT1～7）、CLASSⅣ（HDAC11）である。これらの酵素を含む複合体は､様々なシグナル経路に応答して、[[DNA]] に結合する[[転写因子]]（Transcription factor：TF）と協調して働くことが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:HDAC阻害剤も多く存在し、代表的なものとして、[[バルプロ酸]]（Valproic acid：VPA）、[[酪酸ナトリウム]]（Sodium butyrate：SB）、[[トリコスタチンA]]（Trichostatin A：TSA）、[[スベロイルアニリドヒドロキサム酸]]（suberoylanilide hydroxamic acid：SAHA）が知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 非ヒストンタンパク質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その他にも、[[p53]] 、[[E2F]]、[[MyoD]]、[[STAT3]]など数多くの非ヒストンタンパク質もまた、部位特異的にアセチル化されることが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18804549&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（表1、2）。アセチル化により、これらタンパク質の安定性や分解をはじめ、活性や局在、特異的相互作用などが制御され、転写、[[細胞増殖|増殖]]、[[アポトーシス]]、[[細胞分化|分化]]など、細胞の様々な過程がコントロールされている。現在では、ヒストンおよび非ヒストンタンパク質のアセチル化が、[[メチル化]]や[[リン酸化]]など他の修飾とクロストークし、最終的なシグナル発現に重要な働きをしていることが明らかとなっている。いくつかの修飾がある決まった順序で組み合わさることが、ある機能発現には必要であり､一方では、互いに阻害し合うこともある。このように組み合わせを変えることで、細胞内情報伝達のネットワークの多様性を生み出している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18722172&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1: 代表的なアセチル化酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| [[ACTR]]、[[ATF-2]]、[[CBP]]、[[CDY]]、[[CLOCK]]、[[EWI]]、[[Elp3]]、[[GCN5L]]、[[GRIP]]、[[HAT1]]、[[HBO1]]、[[MCM3AP]]、[[MORF]]、[[MOZ]]、[[p300]]、[[PCAF]]、[[p/CIP]]、[[SRC-1]]、[[HTAFII250]]、[[TFIIB]]、[[Tip60]]　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2: 代表的なアセチル化される非ヒストンタンパク質&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| ACS、ACTR、[[AP endonuclease]]、[[AR]]、[[ATM]]、[[Brm]]、[[E2F1]], [[E2F2|2]], [[E2F3|3]]、[[EKLF]]、[[ERα]]、[[FoxO1]], [[FoxO2|2]], [[FoxO3|3]]、[[GATA1]]、[[HIF-1α]]、[[HMG A1]]、[[熱ショックタンパク質|HSP90]]、[[Importin-α]]、[[Ku70]]、[[MEF2A]]、[[ミトコンドリア]]タンパク質、MyoD、[[C-Myb]]、[[C-Myc]]、[[NF-κB]]、[[p21]]、p53、[[p73]]、P300、[[PCNA]]、[[PGC-1α]]、[[PR]]、STAT3 　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3：非ヒストンタンパク質のアセチル化と種々の生物学的変化&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質の安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, p73, [[Smad7]], c-Myc, [[Runx3]], AR, [[H2A.z]], E2F1, [[NF-E4]], [[ER81]], [[SREBP1a]], [[HNF6]], [[BACE1]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[GATA1]], HIF-1α, [[PRb]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;DNAへの結合&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[SRY]], STAT3, GATA, E2F1, [[P50]] (NF-κB), [[ERα]], [[P65]] (NF-κB), c-Myb, MyoD, [[HNF-4]], [[AML1]], [[BETA2]], [[NF-E2]], [[KLF13]], [[TAL1]]/[[SCL]], [[TAF(I)68]], [[AP endonuclease]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[YY1]], HMG-A1, [[HMG-N2]], [[P65]] (NF-κB), [[DEK]], [[KLF13]], [[Fen-1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 転写活性化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[HMG-A1]], STAT3, AR, ERα (basal), GATA, [[EKLF]], MyoD, E2F1, p65 (NF-κB), [[GR]], p73, PGC1α, [[MEF2D]], [[GCMa]], [[PLAG1]], [[PLAG2]], [[Bcl-6]], [[Β-カテニン]], [[KLF5]], [[Sp1]], [[BETA2]], [[Cart1]], [[RIP140]], [[TAF(I)68]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ERα (ligand-bound), HIF-1α, [[STAT1]], [[FOXO1]], [[FOXO4]], [[RIP140]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質との相互作用&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 亢進 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | STAT3, AR, [[EKLF]], Importin A, STAT1, TFIIB, α-[[チュブリン]], [[アクチン]], [[コータクチン]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P65]] ([[RelA]]), [[Ku70]], [[HSP90]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;局在化&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | アセチル化→核 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化→細胞質ゾル&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | PCAF, SRY, [[CtBP2]], [[POP-1]], [[HNF-4]], [[PCNA]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[C-Abl]], p300, PAP&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;mRNAの安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P21]], [[Brm]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; |[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.9|TH]], [[eNOS]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;酵素活性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p300, [[ATM]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[PTEN]], [[HDAC1]], [[Mdm2]], ACS, [[Neil2]], [[Polβ]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
略称一覧（ABC順） ACS: [[アセチルコエンチームＡ合成酵素]]、 ACTR: [[Histone acetyltransferase and nuclear receptor coactivator]]、 AML: [[急性骨髄性白血病タンパク質]]、 AP endonuclease: [[Apurinic/apyrimidinic endonuclease 1]]、 AR: [[アンドロゲン受容体]]、 ATF: [[Activating transcription factor]]、 ATM: [[Ataxia telangiectasia mutated]]、 BACE: [[細胞外プロテアーゼ#BACE1|&amp;amp;beta;セクレターゼ]]、 Bcl: [[B-cell CLL/lymphoma]]、 BETA2: [[BETA2転写因子]]、 Brm: [[The catalytic subunit of SWI/SNF chromatin remodeling complex]]、 c-Abl: [[C-abl癌遺伝子]]、 c-Myb: [[V-myb myeloblastosis viral oncogene homolog]]、 c-Myc: [[V-myc myelocytomatosis viral oncogene homolog]]、 Cart: [[Cartilage homeoprotein]]、 CBP（CREBBP）: [[CREB結合タンパク質]]、 CDY: [[Chromodomain protein, Y-linked]]、 CLOCK: [[Circadian locomotor output cycles kaput]]、 CtBP（CTBP）: [[C-terminal-binding protein]]、 DEK: [[DEK癌遺伝子]]、 E2F: [[E2F転写因子]]、 EKLF: [[Erythroid Krüppel様因子]]、 Elp3: [[Elongator complex protein]]、 eNOS: 内皮型一酸化窒素合成酵素、 ER: [[エストロゲン受容体]]、 ER81: [[Ets-related protein 81]]、 EWI: [[Egg-white inhibitor of cysteine proteinase]]、 Fen-1: [[Flap endonuclease-1]]、 Fox: [[Forkhead box]]、 GATA: [[GATA-binding protein]]、 GCM: [[Glial cells missing homolog]]、 GCN(KAT2): [[General control non-derepressible]] ([[K(lysine) acetyltransferase]])、 GR: [[グルココルチコイド受容体]]、 GRIP（NCOA2）: [[グルココルチコイド受容体結合蛋白質]]（[[Nuclear receptor coactivator 2]]）、 H2A: [[ヒストン2Aサブユニット]]、 HAT: ヒストンアセチル基転移酵素、 HBO: [[Histone acetyltransferase binding to ORC]]、 HDAC: ヒストン脱アセチル酵素、 HIF: [[低酸素誘導因子]]、 HMG: [[High mobility group]]、 HNF: [[Hepatocyte nuclear factor]]、 HSP: [[熱ショックタンパク質]]、 hTAFII: [[Human TATA-binding protein-associated factor]]、 KLF: [[Krüppel様因子]]、 Ku70（XRCC6）: [[Lupus Ku autoantigen protein p70]] ([[X-ray repair complementing defective repair in Chinese hamster cells 6]])、 MCM3AP: [[Minichromosome maintenance complex component 3 associated protein]]、 Mdm（MDM2）: [[Murine double minute]] ([[P53 E3 ubiquitin protein ligase homolog]])、 MEF: [[Myocyte-specific enhancer factor]]、 MORF（KAT6B）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein related factor]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6B]] )、 MOZ（KAT6A）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6A]] )、 MyoD: [[Myogenic differentiation]]、 Neil: [[DNA Glycosylase Nei-like]]、 NF-E: [[Nuclear factor, erythroid-derived]]、 NF-κB: [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells]]、 p/CIP: [[P300/CBP interacting protein]]、 p21: [[Cyclin-dependent kinase inhibitor]]、 p300: [[E1A binding protein p300]]、 p50 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells 1]]、 p53: [[Tumor protein p53]]、 p65 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells subunit protein 65]]、 p65 (RelA): [[V-rel reticuloendotheliosis viral oncogene homolog A]]、 p73: [[Tumor protein p73]]、 PAP: [[Poly(A) polymerase]]、 PCAF(KAT2B): p300/CBP-associated factor([[K(lysine) acetyltransferase 2B]])、 PCNA: [[Proliferating cell nuclear antigen]]、 PGC: [[PPAR-γ coactivator]]、 PLAG: [[Pleiomorphic adenoma gene]]、 Pol: [[Polymerase (DNA directed)]]、 POP-1: [[Wnt signaling nuclear effector]]、 PR: [[プロゲステロン受容体]]、 pRb（RB）: [[Retinoblastoma]]、 PTEN: [[Phosphatase and tensin homolog deleted from chromosome 10]]、 RIP140: [[Receptor interacting protein 140]]、 Runx: [[Runt-related transcription factor]]、 Smad: [[Sma and Mad Related Family]]、 Sp1: [[Specificity protein 1]]、 SRC-1: [[ステロイド受容体コアクチベーター1]]、 SREBP1a: [[Sterol regulatory element binding transcription factor 1]]、 SRY: [[Sex-determining region Y]]、 STAT: [[シグナル伝達兼転写活性化因子]]、 TAF(I)68: [[TATA box binding protein (TBP)-associated factor (I)68]]、 TAL1/SCL: [[T-cell acute lymphoblastic leukemia 1/Stem cell leukemia]]、 TFIIB（GTF2B）: [[General transcription factor IIB]]、  TH:[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.90|チロシン水酸化酵素]] 、Tip60（KAT5）: [[Tat interactive protein, 60kDa]]（[[K(lysine) acetyltransferase 5]]）、 YY1: [[転写抑制因子yin-yang 1]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系でのタンパク質アセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化は神経機能にも関与している。特にヒストンのアセチル化、脱アセチル化は[[神経幹細胞]]の分化や神経機能、神経系疾患に密接に関わっていることが報告されている。神経幹細胞の分化は「[[ヒストン]]」の項を参考にして頂き、ここではヒストンアセチル化と神経機能、及び神経系疾患に着目する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経機能 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類においてヒストンのアセチル化、脱アセチル化、及びHAT、HDACの活性は[[シナプス]]の[[可塑性]]や記憶の形成に関与する。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]の活性化及びそれに伴う[[protein kinase A]]（[[PKA]]）、[[protein kinase C]]（[[PKC]]）経路の活性化はヒストンH3のアセチル化を誘導し&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18003853&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬神経のKClによる[[脱分極]]はヒストンH2Bのアセチル化を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20167251&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、マウスでの記憶学習訓練もヒストンＨ3のアセチル化を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18638560&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[恐怖条件付け]]が[[脳由来神経栄養因子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）[[プロモーター]]領域のヒストンＨ3のアセチル化と[[ホスホアセチル化]]を亢進することが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17522015&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18923034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒストンH3のアセチル化亢進は[[記憶]]の[[再固定]]や[[想起]]の際に誘導されることも明らかになっており、ヒストンのアセチル化が記憶に密接に関わっていることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17880897&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。同様にHDACやHATの活性も神経機能に重要である。HDACの阻害は、シナプス間での神経伝達物質の伝達効率の指標であり、学習・記憶に重要とされる[[長期増強]]（long-term potentiation：LTP）や記憶形成を増強させ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19424149&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19470462&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、恐怖条件付けによる恐怖の消去を促進させる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17907845&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。代表的なHATであるCBPの変異マウスはLTP及び記憶形成が障害を受け&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、抑制性の切断型p300の[[トランスジェニックマウス]]やPCAF欠損マウスでは記憶障害が起こることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17761541&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、重度の脳萎縮、及び神経脱落を起こしたマウスにHDAC阻害剤を投与すると、[[樹状突起]]の再形成と[[シナプス]]の増加が観察され、学習能力や長期記憶が回復することが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17468743&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのように、シナプス可塑性（LTP）や記憶形成においてヒストンのアセチル化とそれを制御する酵素は非常に重要な役割を果たしている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経疾患 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 3.png|thumb|300px|&#039;&#039;&#039;図3．神経変性状態でのHDAC阻害剤の働き&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;HDAC阻害剤は神経変性状態におけるヒストンの低アセチル化状態を改善し、結果的に種々のタンパク質の発現を上昇させる。また、微小管タンパク質を高アセチル化状態にすることで微小管輸送を上昇させ、BDNFの細胞外放出を促進させる。これらによりHDAC阻害剤は神経保護、神経栄養、抗炎症、学習記憶の上昇等を示し、神経変性状態を改善する。&amp;lt;br&amp;gt;Bcl-2：B-cell lymphoma 2：B細胞リンパ腫2、BDNF：brain-derived neurotrophic factor：脳由来神経栄養因子、GAPDH：glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenase：グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、GDNF：glial cell line-derived neurotrophic factor：グリア細胞由来神経栄養因子、HSP70：heat shock protein 70：熱ショックタンパク質70]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　HDACはヒストンタンパク質のアセチル化状態の恒常性を維持することで転写等の細胞の基本的な活性を制御するのに重要な役割を果たしており、多くの脳疾患でタンパク質のアセチル化レベルが不均衡となっていることが知られている。このような点からも種々のHDAC阻害剤が新たな脳疾患治療薬として有用である可能性が示唆されている。HDAC阻害剤は神経保護、神経栄養性、及び抗炎症の特徴を有し、学習記憶や脳疾患にみられる他の表現型などを改善できることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19775759&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図3）。具体的には、[[脳血管障害]]、[[ハンチントン病]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、[[脊髄性筋委縮症]]、[[パーキンソン病]]、[[アルツハイマー病]]、[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[多発性硬化症]]などが挙げられ、多くの脳疾患でヒストンの低アセチル化及び転写の機能障害が起こっている。ヒストンのアセチル化が関与する脳疾患の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ルビンシュタイン・テイビ症候群 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ルビンシュタイン・テイビ症候群はHATとしての機能をもつCBPやp300の変異により引き起こされ、[[精神遅滞]]や記憶障害を示す脳疾患である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7630403&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CBPのヘテロ欠損マウスは[[発達遅滞]]や骨格異常がみられ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15207239&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、クロマチンのアセチル化の欠損、及びLTPの障害などを示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17543037&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年の研究により、HDAC阻害剤であるトリコスタチンAを投与することでLTPの障害による長期記憶能低下の改善、及びシナプス可塑性の回復がみられることが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17553985&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような研究結果から、HDAC阻害剤がルビンシュタイン・テイビ症候群治療の選択肢のひとつとして考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== パーキンソン病 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　パーキンソン病は[[神経変性疾患]]で、[[黒質]]での[[ドーパミン神経]]の選択的欠損に伴う運動機能障害を特徴としている。パーキンソン病の大部分は孤発性である。ドーパミン毒素によりパーキンソン病様症状を呈したモデル動物に、HDAC阻害剤の[[フェニルブチレート]]を投与すると、黒質でのドーパミンの欠乏とドーパミンの生合成酵素であるチロシン水酸化酵素を発現する神経の減少が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15626823&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC阻害剤の投与により[[中脳]]の[[アストロサイト]]で誘導される[[グリア細胞株由来神経栄養因子]]（[[glial cell line-derived neurotrophic factor]]：[[GDNF]]）は、ドーパミン神経特異的に生存と[[軸索伸長]]に作用する因子である（図3）。そのため、HDAC阻害剤投与はパーキンソン病を含む神経変性疾患の治療において有望な治療法となると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11988777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　家族性のパーキンソン病では[[シナプス前]]タンパク質である[[Α-シヌクレイン]]の遺伝子変異が原因のひとつとされている。ヒト[[神経芽腫細胞]]において、α-シヌクレインはヒストンに結合し、HATであるCBPやp300、PCAFを不活性化することでヒストンの低アセチル化、及び[[アポトーシス]]を引き起こすことが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16959795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在までの研究により、HDAC阻害剤のSBやSAHAの投与が、in vitro、in vivo両方においてα-シヌクレインの過剰発現による神経細胞死を減弱させることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot; /&amp;gt;。これらのことも、パーキンソン病においてHDAC阻害剤が治療に有効であると考えられる根拠となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳血管障害 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血管障害]]は急性の神経変性疾患であり日本では死因の第三位を占めている。脳血管障害の一つの大きな原因として[[脳虚血]]が挙げられる。脳虚血のモデル動物は[[中大脳動脈閉塞術]]（[[midle cerebral artery occlusion]]：[[MCAO]]）により作成することができる。[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]及び[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]のMCAOモデルでは、虚血脳全体のヒストンのリジン残基でアセチル化が抑制されるが、この変化はHDAC阻害剤の投与により梗塞体積の減少と共に回復される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15189338&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17371805&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16946032&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ラットのMCAOモデルでは傷害後のVPA、SB、TSAの投与により、状態の改善がみられることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;。SBを投与したMCAOラットでは虚血脳で、[[神経新生]]の増加が確認されるが、これは[[BDNF]]-[[TrkB]]の経路を遮断すると消失してしまう&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19549282&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに、マウスへの[[フェニルブチレート]]の投与は[[eukaryotic translation initiation factor2α]]（[[EIF2α]]）のリン酸化減少とeIF2αに制御される[[C/EBP homologous protein]]（[[CHOP]]）の発現によって[[ERストレス]]（[[endoplasmic reticulum stress]]）から虚血脳を保護できることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15226415&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC阻害剤の投与は虚血によって引き起こされるp53の発現上昇を抑制し、[[heat-shock protein 70]]（[[HSP70]]）の発現を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot; /&amp;gt;（図3）。HSP70はマウスMCAOモデルでHSP70- I-κBα- NF-κB（nuclear factor-kappa B）の安定な複合体を形成することにより、 NF-κBを不活性化することで抗炎症作用を示すことが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17473852&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[細胞骨格]]タンパク質の発現は虚血条件においてHDAC阻害による神経保護効果と関連している。例としてHDACの阻害は[[アクチン]]フィラメントの構成に重要な[[ゲルソリン]]タンパク質を増加させ、虚血傷害から神経を保護する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18234195&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えてVPAはHDAC阻害と転写活性化、及び[[fas ligand protein]]（[[Fas-L]]）、[[interleukin-6]]（[[IL-6]]）、[[matrix metalloproteinase-9]]（[[MMP-9]]）を含む炎症誘発性因子発現を抑制して抗炎症効果を示すことにより、脳血管障害の脳内出血モデルにおいて神経保護を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17398106&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以上の報告より、急性の神経疾患においてもHDACの阻害が効果的であることが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　本文では以上3つの例を紹介したが、これらの例からも、脳機能においてヒストンのアセチル化は重要な役割を担い、HDAC阻害剤は脳疾患治療薬として有用であると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 非ヒストンタンパク質のアセチル化と神経機能・神経疾患  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上述してきたように、一般にHDACの阻害は脳疾患治療に有用であると思われる。しかし、HDAC6のようにHDACの働きが脳機能に重要であることも知られており、HDACの阻害が常によい方向に働くとは限らない。HDAC6は脳で高く発現しており、ヒストンのみならずα-チュブリン、HSP90、コルタクチンを脱アセチル化する。なかでもHDAC6の主要な基質はα-チュブリンであり、α-チュブリンのアセチル化レベルを制御することで[[微小管]]の安定性をコントロールし、その輸送等に重要な役割を果たすことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12486003&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20520769&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。微小管のアセチル化が促進されると、神経細胞において微小管と[[キネシン]]-1との結合が促進され、[[JNK-interacting Protein 1]]やBDNFなどのキネシン-1の[[カーゴタンパク質]]の[[極性輸送]]が促進される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17084703&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC6による微小管の安定性制御は神経細胞におけるキネシン-1によるミトコンドリアの輸送にも重要であり&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16306220&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、異常なミトコンドリア輸送は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、[[筋委縮性側索硬化症]]などの脳疾患に関係することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22750523&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC6は[[軸索]]の末端領域に局在することで軸索の伸長にも重要な役割を果たしており、TSAなどのHDAC阻害剤によるtubulinの脱アセチル化阻害は軸索の伸長を阻害することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20886111&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし逆に、HDAC6はマウスの[[情動]]行動に関与し、HDAC6の欠損やHDAC6阻害剤が運動亢進、[[不安]]の軽減などの抗うつ様の行動を誘導することで、[[うつ病]]等の治療によい影響を与えることも明らかになっている。HDAC6は、[[気分障害]]等の精神疾患に深く関与する[[セロトニン神経細胞]]の豊富な中脳の[[縫線核]]、[[青斑核]]、黒質の神経細胞に多く存在している。しかし、HDAC6の欠損マウスにおいて、セロトニンの量、及び既存の[[抗うつ薬]]である[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]/[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（Selective Serotonin Reuptake Inhibitors/ Serotonin &amp;amp;amp; Norepinephrine Reuptake Inhibitors：SSRI/SNRI）に対する応答性には変化がなく、SSRI/SNRIの急性投与による大幅なうつ様行動の改善はHDAC6の欠損マウスと野生型マウスで同程度である。このことからHDAC6阻害剤による抗うつ作用メカニズムは既存の抗うつ薬とは異なると考えられており、HDAC6の阻害はうつ病の病態解明や新規抗うつ薬の開発につながる可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22328923&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 終わりに  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　今回紹介した例以外にも、タンパク質のアセチル化と脳機能に関しては多くの報告がなされており、ヒストンのアセチル化や非ヒストンタンパク質のアセチル化は脳の発達や機能に重要な機構であるといえる。一般にHDAC阻害剤は脳疾患の治療に有用であり、記憶形成を増強させることなどが知られている。しかし、上述したように、軸索輸送や軸索伸長に対してHDAC6が重要な役割を果たすこと、また、HDACがオリゴデンドロサイトの分化に必須であること（[[ヒストン]]の項参照）、さらにはHDAC1、2を同時に欠損させたマウスでは海馬や小脳、大脳皮質の形成に異常が生じ、胎生致死となることなども知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19380719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、HDACは脳の発生や機能に正および負の働きを示すものであり、HDACによる脳でのアセチル化レベルのバランスの維持が重要であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[ヒストン]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E5%8C%96&amp;diff=15515</id>
		<title>アセチル化</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E5%8C%96&amp;diff=15515"/>
		<updated>2012-11-15T05:43:11Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：acetylation　独：Acetylierung 仏：acétylation &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．代表的なアセチル化反応&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化とは、[[wikipedia:ja:有機化合物|有機化合物]]の[[wikipedia:ja:水酸基|水酸基]]（-OH）や[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;）などの[[wikipedia:ja:水素|水素]]原子を[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]（-COCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）で置換することである（図1）。[[wikipedia:ja:IUPAC命名法|IUPAC命名法]]では[[wikipedia:ja:エタノイル化|エタノイル化]]という。逆に、有機化合物からアセチル基が除かれる反応は脱アセチル化という。代表的なアセチル化剤として、[[wikipedia:ja:無水酢酸|無水酢酸]]、[[wikipedia:ja:塩化アセチル|塩化アセチル]]、[[wikipedia:ja:酢酸メチル|酢酸メチル]]、[[wikipedia:ja:N-メチルアセトアミド|N-メチルアセトアミド]]などが使われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== タンパク質のアセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．ヒストンのアセチル化、脱アセチル化による転写活性状態の変化&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
ヒストンがHATによりアセチル化された状態ではヒストン-DNA間の結合が緩むことで、TFやPolⅡの結合が可能となり、転写は活性化される。逆にHDACにより、ヒストンが脱アセチル化されるとTF、PolⅡが結合出来ないため転写は抑制される。&amp;lt;br&amp;gt;GTF：general transcription factor：基本転写因子群、Ac：acetylation：アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化は、[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]の構造制御や[[wikipedia:ja:転写活性|転写活性]]制御に重要な働きをしている。転写活性化に働く[[wikipedia:ja:補因子|補因子]]の多くが[[アセチル化酵素]]活性を持っており、逆に転写抑制に働く補因子の多くは[[脱アセチル化酵素]]活性を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストン ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化において最も多く報告されているのがヒストンのアセチル化及び脱アセチル化である。これらは[[wikipedia:ja:遺伝子の発現|遺伝子の発現]]制御に密接に関わっている。ヒストンはアセチル化されることでヒストン中の特定の[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]残基のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））を[[wikipedia:ja:アミド|アセトアミド]]（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、DNA鎖に対して転写因子や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]（[[wikipedia:PolⅡ|PolⅡ]]）がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。逆に、ヒストンが脱アセチル化されるとアセチル基が[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]により除去され、元のアミノ基に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストンアセチル基転移酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:代表的なヒストンアセチル基転移酵素（HAT、histone acetyltransferase）として、[[CBP/p300（CREB binding protein）]]や[[PCAF（p300/CBP-associated factor）]]などが存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストン脱アセチル化酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストン脱アセチル化酵素（HDAC、histone deacetylase）には5つのファミリーがあり、それぞれCLASSⅠ（HDAC1、2、3、8）、CLASSⅡa（HDAC4、5、7、9）、CLASSⅡb（HDAC6、10）、CLASSⅢ（SIRT1～7）、CLASSⅣ（HDAC11）である。これらの酵素を含む複合体は､様々なシグナル経路に応答して、[[DNA]] に結合する[[転写因子]]（Transcription factor：TF）と協調して働くことが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:HDAC阻害剤も多く存在し、代表的なものとして、[[バルプロ酸]]（Valproic acid：VPA）、[[酪酸ナトリウム]]（Sodium butyrate：SB）、[[トリコスタチンA]]（Trichostatin A：TSA）、[[スベロイルアニリドヒドロキサム酸]]（suberoylanilide hydroxamic acid：SAHA）が知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 非ヒストンタンパク質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その他にも、[[p53]] 、[[E2F]]、[[MyoD]]、[[STAT3]]など数多くの非ヒストンタンパク質もまた、部位特異的にアセチル化されることが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18804549&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（表1、2）。アセチル化により、これらタンパク質の安定性や分解をはじめ、活性や局在、特異的相互作用などが制御され、転写、[[細胞増殖|増殖]]、[[アポトーシス]]、[[細胞分化|分化]]など、細胞の様々な過程がコントロールされている。現在では、ヒストンおよび非ヒストンタンパク質のアセチル化が、[[メチル化]]や[[リン酸化]]など他の修飾とクロストークし、最終的なシグナル発現に重要な働きをしていることが明らかとなっている。いくつかの修飾がある決まった順序で組み合わさることが、ある機能発現には必要であり､一方では、互いに阻害し合うこともある。このように組み合わせを変えることで、細胞内情報伝達のネットワークの多様性を生み出している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18722172&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1: 代表的なアセチル化酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| [[ACTR]]、[[ATF-2]]、[[CBP]]、[[CDY]]、[[CLOCK]]、[[EWI]]、[[Elp3]]、[[GCN5L]]、[[GRIP]]、[[HAT1]]、[[HBO1]]、[[MCM3AP]]、[[MORF]]、[[MOZ]]、[[p300]]、[[PCAF]]、[[p/CIP]]、[[SRC-1]]、[[HTAFII250]]、[[TFIIB]]、[[Tip60]]　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2: 代表的なアセチル化される非ヒストンタンパク質&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| ACS、ACTR、[[AP endonuclease]]、[[AR]]、[[ATM]]、[[Brm]]、[[E2F1]], [[E2F2|2]], [[E2F3|3]]、[[EKLF]]、[[ERα]]、[[FoxO1]], [[FoxO2|2]], [[FoxO3|3]]、[[GATA1]]、[[HIF-1α]]、[[HMG A1]]、[[熱ショックタンパク質|HSP90]]、[[Importin-α]]、[[Ku70]]、[[MEF2A]]、[[ミトコンドリア]]タンパク質、MyoD、[[C-Myb]]、[[C-Myc]]、[[NF-κB]]、[[p21]]、p53、[[p73]]、P300、[[PCNA]]、[[PGC-1α]]、[[PR]]、STAT3 　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3：非ヒストンタンパク質のアセチル化と種々の生物学的変化&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質の安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, p73, [[Smad7]], c-Myc, [[Runx3]], AR, [[H2A.z]], E2F1, [[NF-E4]], [[ER81]], [[SREBP1a]], [[HNF6]], [[BACE1]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[GATA1]], HIF-1α, [[PRb]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;DNAへの結合&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[SRY]], STAT3, GATA, E2F1, [[P50]] (NF-κB), [[ERα]], [[P65]] (NF-κB), c-Myb, MyoD, [[HNF-4]], [[AML1]], [[BETA2]], [[NF-E2]], [[KLF13]], [[TAL1]]/[[SCL]], [[TAF(I)68]], [[AP endonuclease]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[YY1]], HMG-A1, [[HMG-N2]], [[P65]] (NF-κB), [[DEK]], [[KLF13]], [[Fen-1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 転写活性化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[HMG-A1]], STAT3, AR, ERα (basal), GATA, [[EKLF]], MyoD, E2F1, p65 (NF-κB), [[GR]], p73, PGC1α, [[MEF2D]], [[GCMa]], [[PLAG1]], [[PLAG2]], [[Bcl-6]], [[Β-カテニン]], [[KLF5]], [[Sp1]], [[BETA2]], [[Cart1]], [[RIP140]], [[TAF(I)68]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ERα (ligand-bound), HIF-1α, [[STAT1]], [[FOXO1]], [[FOXO4]], [[RIP140]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質との相互作用&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 亢進 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | STAT3, AR, [[EKLF]], Importin A, STAT1, TFIIB, α-[[チュブリン]], [[アクチン]], [[コータクチン]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P65]] ([[RelA]]), [[Ku70]], [[HSP90]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;局在化&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | アセチル化→核 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化→細胞質ゾル&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | PCAF, SRY, [[CtBP2]], [[POP-1]], [[HNF-4]], [[PCNA]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[C-Abl]], p300, PAP&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;mRNAの安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P21]], [[Brm]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; |[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.9|TH]], [[eNOS]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;酵素活性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p300, [[ATM]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[PTEN]], [[HDAC1]], [[Mdm2]], ACS, [[Neil2]], [[Polβ]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
略称一覧（ABC順） ACS: [[アセチルコエンチームＡ合成酵素]]、 ACTR: [[Histone acetyltransferase and nuclear receptor coactivator]]、 AML: [[急性骨髄性白血病タンパク質]]、 AP endonuclease: [[Apurinic/apyrimidinic endonuclease 1]]、 AR: [[アンドロゲン受容体]]、 ATF: [[Activating transcription factor]]、 ATM: [[Ataxia telangiectasia mutated]]、 BACE: [[細胞外プロテアーゼ#BACE1|&amp;amp;beta;セクレターゼ]]、 Bcl: [[B-cell CLL/lymphoma]]、 BETA2: [[BETA2転写因子]]、 Brm: [[The catalytic subunit of SWI/SNF chromatin remodeling complex]]、 c-Abl: [[C-abl癌遺伝子]]、 c-Myb: [[V-myb myeloblastosis viral oncogene homolog]]、 c-Myc: [[V-myc myelocytomatosis viral oncogene homolog]]、 Cart: [[Cartilage homeoprotein]]、 CBP（CREBBP）: [[CREB結合タンパク質]]、 CDY: [[Chromodomain protein, Y-linked]]、 CLOCK: [[Circadian locomotor output cycles kaput]]、 CtBP（CTBP）: [[C-terminal-binding protein]]、 DEK: [[DEK癌遺伝子]]、 E2F: [[E2F転写因子]]、 EKLF: [[Erythroid Krüppel様因子]]、 Elp3: [[Elongator complex protein]]、 eNOS: 内皮型一酸化窒素合成酵素、 ER: [[エストロゲン受容体]]、 ER81: [[Ets-related protein 81]]、 EWI: [[Egg-white inhibitor of cysteine proteinase]]、 Fen-1: [[Flap endonuclease-1]]、 Fox: [[Forkhead box]]、 GATA: [[GATA-binding protein]]、 GCM: [[Glial cells missing homolog]]、 GCN(KAT2): [[General control non-derepressible]] ([[K(lysine) acetyltransferase]])、 GR: [[グルココルチコイド受容体]]、 GRIP（NCOA2）: [[グルココルチコイド受容体結合蛋白質]]（[[Nuclear receptor coactivator 2]]）、 H2A: [[ヒストン2Aサブユニット]]、 HAT: ヒストンアセチル基転移酵素、 HBO: [[Histone acetyltransferase binding to ORC]]、 HDAC: ヒストン脱アセチル酵素、 HIF: [[低酸素誘導因子]]、 HMG: [[High mobility group]]、 HNF: [[Hepatocyte nuclear factor]]、 HSP: [[熱ショックタンパク質]]、 hTAFII: [[Human TATA-binding protein-associated factor]]、 KLF: [[Krüppel様因子]]、 Ku70（XRCC6）: [[Lupus Ku autoantigen protein p70]] ([[X-ray repair complementing defective repair in Chinese hamster cells 6]])、 MCM3AP: [[Minichromosome maintenance complex component 3 associated protein]]、 Mdm（MDM2）: [[Murine double minute]] ([[P53 E3 ubiquitin protein ligase homolog]])、 MEF: [[Myocyte-specific enhancer factor]]、 MORF（KAT6B）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein related factor]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6B]] )、 MOZ（KAT6A）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6A]] )、 MyoD: [[Myogenic differentiation]]、 Neil: [[DNA Glycosylase Nei-like]]、 NF-E: [[Nuclear factor, erythroid-derived]]、 NF-κB: [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells]]、 p/CIP: [[P300/CBP interacting protein]]、 p21: [[Cyclin-dependent kinase inhibitor]]、 p300: [[E1A binding protein p300]]、 p50 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells 1]]、 p53: [[Tumor protein p53]]、 p65 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells subunit protein 65]]、 p65 (RelA): [[V-rel reticuloendotheliosis viral oncogene homolog A]]、 p73: [[Tumor protein p73]]、 PAP: [[Poly(A) polymerase]]、 PCAF(KAT2B): p300/CBP-associated factor([[K(lysine) acetyltransferase 2B]])、 PCNA: [[Proliferating cell nuclear antigen]]、 PGC: [[PPAR-γ coactivator]]、 PLAG: [[Pleiomorphic adenoma gene]]、 Pol: [[Polymerase (DNA directed)]]、 POP-1: [[Wnt signaling nuclear effector]]、 PR: [[プロゲステロン受容体]]、 pRb（RB）: [[Retinoblastoma]]、 PTEN: [[Phosphatase and tensin homolog deleted from chromosome 10]]、 RIP140: [[Receptor interacting protein 140]]、 Runx: [[Runt-related transcription factor]]、 Smad: [[Sma and Mad Related Family]]、 Sp1: [[Specificity protein 1]]、 SRC-1: [[ステロイド受容体コアクチベーター1]]、 SREBP1a: [[Sterol regulatory element binding transcription factor 1]]、 SRY: [[Sex-determining region Y]]、 STAT: [[シグナル伝達兼転写活性化因子]]、 TAF(I)68: [[TATA box binding protein (TBP)-associated factor (I)68]]、 TAL1/SCL: [[T-cell acute lymphoblastic leukemia 1/Stem cell leukemia]]、 TFIIB（GTF2B）: [[General transcription factor IIB]]、  TH:[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.90|チロシン水酸化酵素]] 、Tip60（KAT5）: [[Tat interactive protein, 60kDa]]（[[K(lysine) acetyltransferase 5]]）、 YY1: [[転写抑制因子yin-yang 1]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系でのタンパク質アセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化は神経機能にも関与している。特にヒストンのアセチル化、脱アセチル化は[[神経幹細胞]]の分化や神経機能、神経系疾患に密接に関わっていることが報告されている。神経幹細胞の分化は「[[ヒストン]]」の項を参考にして頂き、ここではヒストンアセチル化と神経機能、及び神経系疾患に着目する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経機能 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類においてヒストンのアセチル化、脱アセチル化、及びHAT、HDACの活性は[[シナプス]]の[[可塑性]]や記憶の形成に関与する。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]の活性化及びそれに伴う[[protein kinase A]]（[[PKA]]）、[[protein kinase C]]（[[PKC]]）経路の活性化はヒストンH3のアセチル化を誘導し&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18003853&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬神経のKClによる[[脱分極]]はヒストンH2Bのアセチル化を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20167251&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、マウスでの記憶学習訓練もヒストンＨ3のアセチル化を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18638560&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[恐怖条件付け]]が[[脳由来神経栄養因子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）[[プロモーター]]領域のヒストンＨ3のアセチル化と[[ホスホアセチル化]]を亢進することが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17522015&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18923034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒストンH3のアセチル化亢進は[[記憶]]の[[再固定]]や[[想起]]の際に誘導されることも明らかになっており、ヒストンのアセチル化が記憶に密接に関わっていることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17880897&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。同様にHDACやHATの活性も神経機能に重要である。HDACの阻害は、シナプス間での神経伝達物質の伝達効率の指標であり、学習・記憶に重要とされる[[長期増強]]（long-term potentiation：LTP）や記憶形成を増強させ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19424149&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19470462&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、恐怖条件付けによる恐怖の消去を促進させる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17907845&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。代表的なHATであるCBPの変異マウスはLTP及び記憶形成が障害を受け&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、抑制性の切断型p300の[[トランスジェニックマウス]]やPCAF欠損マウスでは記憶障害が起こることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17761541&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、重度の脳萎縮、及び神経脱落を起こしたマウスにHDAC阻害剤を投与すると、[[樹状突起]]の再形成と[[シナプス]]の増加が観察され、学習能力や長期記憶が回復することが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17468743&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのように、シナプス可塑性（LTP）や記憶形成においてヒストンのアセチル化とそれを制御する酵素は非常に重要な役割を果たしている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経疾患 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 3.png|thumb|300px|&#039;&#039;&#039;図3．神経変性状態でのHDAC阻害剤の働き&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;HDAC阻害剤は神経変性状態におけるヒストンの低アセチル化状態を改善し、結果的に種々のタンパク質の発現を上昇させる。また、微小管タンパク質を高アセチル化状態にすることで微小管輸送を上昇させ、BDNFの細胞外放出を促進させる。これらによりHDAC阻害剤は神経保護、神経栄養、抗炎症、学習記憶の上昇等を示し、神経変性状態を改善する。&amp;lt;br&amp;gt;Bcl-2：B-cell lymphoma 2：B細胞リンパ腫2、BDNF：brain-derived neurotrophic factor：脳由来神経栄養因子、GAPDH：glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenase：グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、GDNF：glial cell line-derived neurotrophic factor：グリア細胞由来神経栄養因子、HSP70：heat shock protein 70：熱ショックタンパク質70]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　HDACはヒストンタンパク質のアセチル化状態の恒常性を維持することで転写等の細胞の基本的な活性を制御するのに重要な役割を果たしており、多くの脳疾患でタンパク質のアセチル化レベルが不均衡となっていることが知られている。このような点からも種々のHDAC阻害剤が新たな脳疾患治療薬として有用である可能性が示唆されている。HDAC阻害剤は神経保護、神経栄養性、及び抗炎症の特徴を有し、学習記憶や脳疾患にみられる他の表現型などを改善できることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19775759&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図3）。具体的には、[[脳血管障害]]、[[ハンチントン病]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、[[脊髄性筋委縮症]]、[[パーキンソン病]]、[[アルツハイマー病]]、[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[多発性硬化症]]などが挙げられ、多くの脳疾患でヒストンの低アセチル化及び転写の機能障害が起こっている。ヒストンのアセチル化が関与する脳疾患の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ルビンシュタイン・テイビ症候群 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ルビンシュタイン・テイビ症候群はHATとしての機能をもつCBPやp300の変異により引き起こされ、[[精神遅滞]]や記憶障害を示す脳疾患である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7630403&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CBPのヘテロ欠損マウスは[[発達遅滞]]や骨格異常がみられ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15207239&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、クロマチンのアセチル化の欠損、及びLTPの障害などを示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17543037&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年の研究により、HDAC阻害剤であるトリコスタチンAを投与することでLTPの障害による長期記憶能低下の改善、及びシナプス可塑性の回復がみられることが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17553985&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような研究結果から、HDAC阻害剤がルビンシュタイン・テイビ症候群治療の選択肢のひとつとして考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== パーキンソン病 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　パーキンソン病は[[神経変性疾患]]で、[[黒質]]での[[ドーパミン神経]]の選択的欠損に伴う運動機能障害を特徴としている。パーキンソン病の大部分は孤発性である。ドーパミン毒素によりパーキンソン病様症状を呈したモデル動物に、HDAC阻害剤の[[フェニルブチレート]]を投与すると、黒質でのドーパミンの欠乏とドーパミンの生合成酵素であるチロシン水酸化酵素を発現する神経の減少が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15626823&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC阻害剤の投与により[[中脳]]の[[アストロサイト]]で誘導される[[グリア細胞株由来神経栄養因子]]（[[glial cell line-derived neurotrophic factor]]：[[GDNF]]）は、ドーパミン神経特異的に生存と[[軸索伸長]]に作用する因子である（図3）。そのため、HDAC阻害剤投与はパーキンソン病を含む神経変性疾患の治療において有望な治療法となると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11988777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　家族性のパーキンソン病では[[シナプス前]]タンパク質である[[Α-シヌクレイン]]の遺伝子変異が原因のひとつとされている。ヒト[[神経芽腫細胞]]において、α-シヌクレインはヒストンに結合し、HATであるCBPやp300、PCAFを不活性化することでヒストンの低アセチル化、及び[[アポトーシス]]を引き起こすことが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16959795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在までの研究により、HDAC阻害剤のSBやSAHAの投与が、in vitro、in vivo両方においてα-シヌクレインの過剰発現による神経細胞死を減弱させることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot; /&amp;gt;。これらのことも、パーキンソン病においてHDAC阻害剤が治療に有効であると考えられる根拠となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳血管障害 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血管障害]]は急性の神経変性疾患であり日本では死因の第三位を占めている。脳血管障害の一つの大きな原因として[[脳虚血]]が挙げられる。脳虚血のモデル動物は[[中大脳動脈閉塞術]]（[[midle cerebral artery occlusion]]：[[MCAO]]）により作成することができる。[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]及び[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]のMCAOモデルでは、虚血脳全体のヒストンのリジン残基でアセチル化が抑制されるが、この変化はHDAC阻害剤の投与により梗塞体積の減少と共に回復される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15189338&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17371805&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16946032&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ラットのMCAOモデルでは傷害後のVPA、SB、TSAの投与により、状態の改善がみられることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;。SBを投与したMCAOラットでは虚血脳で、[[神経新生]]の増加が確認されるが、これは[[BDNF]]-[[TrkB]]の経路を遮断すると消失してしまう&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19549282&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに、マウスへの[[フェニルブチレート]]の投与は[[eukaryotic translation initiation factor2α]]（[[EIF2α]]）のリン酸化減少とeIF2αに制御される[[C/EBP homologous protein]]（[[CHOP]]）の発現によって[[ERストレス]]（[[endoplasmic reticulum stress]]）から虚血脳を保護できることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15226415&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC阻害剤の投与は虚血によって引き起こされるp53の発現上昇を抑制し、[[heat-shock protein 70]]（[[HSP70]]）の発現を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot; /&amp;gt;（図3）。HSP70はマウスMCAOモデルでHSP70- I-κBα- NF-κB（nuclear factor-kappa B）の安定な複合体を形成することにより、 NF-κBを不活性化することで抗炎症作用を示すことが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17473852&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[細胞骨格]]タンパク質の発現は虚血条件においてHDAC阻害による神経保護効果と関連している。例としてHDACの阻害は[[アクチン]]フィラメントの構成に重要な[[ゲルソリン]]タンパク質を増加させ、虚血傷害から神経を保護する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18234195&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えてVPAはHDAC阻害と転写活性化、及び[[fas ligand protein]]（[[Fas-L]]）、[[interleukin-6]]（[[IL-6]]）、[[matrix metalloproteinase-9]]（[[MMP-9]]）を含む炎症誘発性因子発現を抑制して抗炎症効果を示すことにより、脳血管障害の脳内出血モデルにおいて神経保護を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17398106&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以上の報告より、急性の神経疾患においてもHDACの阻害が効果的であることが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　本文では以上3つの例を紹介したが、これらの例からも、脳機能においてヒストンのアセチル化は重要な役割を担い、HDAC阻害剤は脳疾患治療薬として有用であると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 非ヒストンタンパク質のアセチル化と神経機能・神経疾患  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上述してきたように、一般にHDACの阻害は脳疾患治療に有用であると思われる。しかし、HDAC6のようにHDACの働きが脳機能に重要であることも知られており、HDACの阻害が常によい方向に働くとは限らない。HDAC6は脳で高く発現しており、ヒストンのみならずα-チュブリン、HSP90、コルタクチンを脱アセチル化する。なかでもHDAC6の主要な基質はα-チュブリンであり、α-チュブリンのアセチル化レベルを制御することで[[微小管]]の安定性をコントロールし、その輸送等に重要な役割を果たすことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12486003&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20520769&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。微小管のアセチル化が促進されると、神経細胞において微小管と[[キネシン]]-1との結合が促進され、[[JNK-interacting Protein 1]]やBDNFなどのキネシン-1の[[カーゴタンパク質]]の[[極性輸送]]が促進される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17084703&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC6による微小管の安定性制御は神経細胞におけるキネシン-1によるミトコンドリアの輸送にも重要であり&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16306220&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、異常なミトコンドリア輸送は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、[[筋委縮性側索硬化症]]などの脳疾患に関係することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22750523&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC6は[[軸索]]の末端領域に局在することで軸索の伸長にも重要な役割を果たしており、TSAなどのHDAC阻害剤によるtubulinの脱アセチル化阻害は軸索の伸長を阻害することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20886111&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし逆に、HDAC6はマウスの[[情動]]行動に関与し、HDAC6の欠損やHDAC6阻害剤が運動亢進、[[不安]]の軽減などの抗うつ様の行動を誘導することで、[[うつ病]]等の治療によい影響を与えることも明らかになっている。HDAC6は、[[気分障害]]等の精神疾患に深く関与する[[セロトニン神経細胞]]の豊富な中脳の[[縫線核]]、[[青斑核]]、黒質の神経細胞に多く存在している。しかし、HDAC6の欠損マウスにおいて、セロトニンの量、及び既存の[[抗うつ薬]]である[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]/[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（Selective Serotonin Reuptake Inhibitors/ Serotonin &amp;amp;amp; Norepinephrine Reuptake Inhibitors：SSRI/SNRI）に対する応答性には変化がなく、SSRI/SNRIの急性投与による大幅なうつ様行動の改善はHDAC6の欠損マウスと野生型マウスで同程度である。このことからHDAC6阻害剤による抗うつ作用メカニズムは既存の抗うつ薬とは異なると考えられており、HDAC6の阻害はうつ病の病態解明や新規抗うつ薬の開発につながる可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22328923&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 終わりに  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　今回紹介した例以外にも、タンパク質のアセチル化と脳機能に関しては多くの報告がなされており、ヒストンのアセチル化や非ヒストンタンパク質のアセチル化は脳の発達や機能に重要な機構であるといえる。一般にHDAC阻害剤は脳疾患の治療に有用であり、記憶形成を増強させることなどが知られている。しかし、上に示したように、軸索輸送や軸索伸長に対してHDAC6が重要な役割を果たすこと、また、HDACがオリゴデンドロサイトの分化に必須であること（[[ヒストン]]の項参照）、さらにはHDAC1、2を同時に欠損させたマウスでは海馬や小脳、大脳皮質の形成に異常が生じ、胎生致死となることなども知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19380719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、HDACは脳の発生や機能に正および負の働きを示すものであり、HDACによる脳でのアセチル化レベルのバランスの維持が、正常な脳機能を果たす上では重要であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[ヒストン]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E5%8C%96&amp;diff=15512</id>
		<title>アセチル化</title>
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		<updated>2012-11-15T04:23:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：acetylation　独：Acetylierung 仏：acétylation &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．代表的なアセチル化反応&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化とは、[[wikipedia:ja:有機化合物|有機化合物]]の[[wikipedia:ja:水酸基|水酸基]]（-OH）や[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;）などの[[wikipedia:ja:水素|水素]]原子を[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]（-COCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）で置換することである（図1）。[[wikipedia:ja:IUPAC命名法|IUPAC命名法]]では[[wikipedia:ja:エタノイル化|エタノイル化]]という。逆に、有機化合物からアセチル基が除かれる反応は脱アセチル化という。代表的なアセチル化剤として、[[wikipedia:ja:無水酢酸|無水酢酸]]、[[wikipedia:ja:塩化アセチル|塩化アセチル]]、[[wikipedia:ja:酢酸メチル|酢酸メチル]]、[[wikipedia:ja:N-メチルアセトアミド|N-メチルアセトアミド]]などが使われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== タンパク質のアセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．ヒストンのアセチル化、脱アセチル化による転写活性状態の変化&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
ヒストンがHATによりアセチル化された状態ではヒストン-DNA間の結合が緩むことで、TFやPolⅡの結合が可能となり、転写は活性化される。逆にHDACにより、ヒストンが脱アセチル化されるとTF、PolⅡが結合出来ないため転写は抑制される。&amp;lt;br&amp;gt;GTF：general transcription factor：基本転写因子群、Ac：acetylation：アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化は、[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]の構造制御や[[wikipedia:ja:転写活性|転写活性]]制御に重要な働きをしている。転写活性化に働く[[wikipedia:ja:補因子|補因子]]の多くが[[アセチル化酵素]]活性を持っており、逆に転写抑制に働く補因子の多くは[[脱アセチル化酵素]]活性を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストン ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　タンパク質のアセチル化において最も多く報告されているのがヒストンのアセチル化及び脱アセチル化である。これらは[[wikipedia:ja:遺伝子の発現|遺伝子の発現]]制御に密接に関わっている。ヒストンはアセチル化されることでヒストン中の特定の[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]残基のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））を[[wikipedia:ja:アミド|アセトアミド]]（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、DNA鎖に対して転写因子や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]（[[wikipedia:PolⅡ|PolⅡ]]）がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。逆に、ヒストンが脱アセチル化されるとアセチル基が[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]により除去され、元のアミノ基に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される（図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストンアセチル基転移酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:代表的なヒストンアセチル基転移酵素（HAT、histone acetyltransferase）として、[[CBP/p300（CREB binding protein）]]や[[PCAF（p300/CBP-associated factor）]]などが存在する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ヒストン脱アセチル化酵素 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストン脱アセチル化酵素（HDAC、histone deacetylase）には5つのファミリーがあり、それぞれCLASSⅠ（HDAC1、2、3、8）、CLASSⅡa（HDAC4、5、7、9）、CLASSⅡb（HDAC6、10）、CLASSⅢ（SIRT1～7）、CLASSⅣ（HDAC11）である。これらの酵素を含む複合体は､様々なシグナル経路に応答して、[[DNA]] に結合する[[転写因子]]（Transcription factor：TF）と協調して働くことが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:HDAC阻害剤も多く存在し、代表的なものとして、[[バルプロ酸]]（Valproic acid：VPA）、[[酪酸ナトリウム]]（Sodium butyrate：SB）、[[トリコスタチンA]]（Trichostatin A：TSA）、[[スベロイルアニリドヒドロキサム酸]]（suberoylanilide hydroxamic acid：SAHA）が知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 非ヒストンタンパク質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その他にも、[[p53]] 、[[E2F]]、[[MyoD]]、[[STAT3]]など数多くの非ヒストンタンパク質もまた、部位特異的にアセチル化されることが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18804549&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（表1、2）。アセチル化により、これらタンパク質の安定性や分解をはじめ、活性や局在、特異的相互作用などが制御され、転写、[[細胞増殖|増殖]]、[[アポトーシス]]、[[細胞分化|分化]]など、細胞の様々な過程がコントロールされている。現在では、ヒストンおよび非ヒストンタンパク質のアセチル化が、[[メチル化]]や[[リン酸化]]など他の修飾とクロストークし、最終的なシグナル発現に重要な働きをしていることが明らかとなっている。いくつかの修飾がある決まった順序で組み合わさることが、ある機能発現には必要であり､一方では、互いに阻害し合うこともある。このように組み合わせを変えることで、細胞内情報伝達のネットワークの多様性を生み出している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18722172&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1: 代表的なアセチル化酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| [[ACTR]]、[[ATF-2]]、[[CBP]]、[[CDY]]、[[CLOCK]]、[[EWI]]、[[Elp3]]、[[GCN5L]]、[[GRIP]]、[[HAT1]]、[[HBO1]]、[[MCM3AP]]、[[MORF]]、[[MOZ]]、[[p300]]、[[PCAF]]、[[p/CIP]]、[[SRC-1]]、[[HTAFII250]]、[[TFIIB]]、[[Tip60]]　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2: 代表的なアセチル化される非ヒストンタンパク質&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| ACS、ACTR、[[AP endonuclease]]、[[AR]]、[[ATM]]、[[Brm]]、[[E2F1]], [[E2F2|2]], [[E2F3|3]]、[[EKLF]]、[[ERα]]、[[FoxO1]], [[FoxO2|2]], [[FoxO3|3]]、[[GATA1]]、[[HIF-1α]]、[[HMG A1]]、[[熱ショックタンパク質|HSP90]]、[[Importin-α]]、[[Ku70]]、[[MEF2A]]、[[ミトコンドリア]]タンパク質、MyoD、[[C-Myb]]、[[C-Myc]]、[[NF-κB]]、[[p21]]、p53、[[p73]]、P300、[[PCNA]]、[[PGC-1α]]、[[PR]]、STAT3 　&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;width:100%&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表3：非ヒストンタンパク質のアセチル化と種々の生物学的変化&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質の安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, p73, [[Smad7]], c-Myc, [[Runx3]], AR, [[H2A.z]], E2F1, [[NF-E4]], [[ER81]], [[SREBP1a]], [[HNF6]], [[BACE1]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[GATA1]], HIF-1α, [[PRb]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;DNAへの結合&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[SRY]], STAT3, GATA, E2F1, [[P50]] (NF-κB), [[ERα]], [[P65]] (NF-κB), c-Myb, MyoD, [[HNF-4]], [[AML1]], [[BETA2]], [[NF-E2]], [[KLF13]], [[TAL1]]/[[SCL]], [[TAF(I)68]], [[AP endonuclease]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[YY1]], HMG-A1, [[HMG-N2]], [[P65]] (NF-κB), [[DEK]], [[KLF13]], [[Fen-1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;遺伝子の発現&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 転写活性化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p53, [[HMG-A1]], STAT3, AR, ERα (basal), GATA, [[EKLF]], MyoD, E2F1, p65 (NF-κB), [[GR]], p73, PGC1α, [[MEF2D]], [[GCMa]], [[PLAG1]], [[PLAG2]], [[Bcl-6]], [[Β-カテニン]], [[KLF5]], [[Sp1]], [[BETA2]], [[Cart1]], [[RIP140]], [[TAF(I)68]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ERα (ligand-bound), HIF-1α, [[STAT1]], [[FOXO1]], [[FOXO4]], [[RIP140]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;タンパク質との相互作用&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 亢進 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | STAT3, AR, [[EKLF]], Importin A, STAT1, TFIIB, α-[[チュブリン]], [[アクチン]], [[コータクチン]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P65]] ([[RelA]]), [[Ku70]], [[HSP90]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;局在化&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | アセチル化→核 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化→細胞質ゾル&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | PCAF, SRY, [[CtBP2]], [[POP-1]], [[HNF-4]], [[PCNA]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[C-Abl]], p300, PAP&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;mRNAの安定性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[P21]], [[Brm]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; |[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.9|TH]], [[eNOS]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| colspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;酵素活性&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center; width:50%&amp;quot; | 増加 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 減少&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | p300, [[ATM]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[PTEN]], [[HDAC1]], [[Mdm2]], ACS, [[Neil2]], [[Polβ]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
略称一覧（ABC順） ACS: [[アセチルコエンチームＡ合成酵素]]、 ACTR: [[Histone acetyltransferase and nuclear receptor coactivator]]、 AML: [[急性骨髄性白血病タンパク質]]、 AP endonuclease: [[Apurinic/apyrimidinic endonuclease 1]]、 AR: [[アンドロゲン受容体]]、 ATF: [[Activating transcription factor]]、 ATM: [[Ataxia telangiectasia mutated]]、 BACE: [[細胞外プロテアーゼ#BACE1|&amp;amp;beta;セクレターゼ]]、 Bcl: [[B-cell CLL/lymphoma]]、 BETA2: [[BETA2転写因子]]、 Brm: [[The catalytic subunit of SWI/SNF chromatin remodeling complex]]、 c-Abl: [[C-abl癌遺伝子]]、 c-Myb: [[V-myb myeloblastosis viral oncogene homolog]]、 c-Myc: [[V-myc myelocytomatosis viral oncogene homolog]]、 Cart: [[Cartilage homeoprotein]]、 CBP（CREBBP）: [[CREB結合タンパク質]]、 CDY: [[Chromodomain protein, Y-linked]]、 CLOCK: [[Circadian locomotor output cycles kaput]]、 CtBP（CTBP）: [[C-terminal-binding protein]]、 DEK: [[DEK癌遺伝子]]、 E2F: [[E2F転写因子]]、 EKLF: [[Erythroid Krüppel様因子]]、 Elp3: [[Elongator complex protein]]、 eNOS: 内皮型一酸化窒素合成酵素、 ER: [[エストロゲン受容体]]、 ER81: [[Ets-related protein 81]]、 EWI: [[Egg-white inhibitor of cysteine proteinase]]、 Fen-1: [[Flap endonuclease-1]]、 Fox: [[Forkhead box]]、 GATA: [[GATA-binding protein]]、 GCM: [[Glial cells missing homolog]]、 GCN(KAT2): [[General control non-derepressible]] ([[K(lysine) acetyltransferase]])、 GR: [[グルココルチコイド受容体]]、 GRIP（NCOA2）: [[グルココルチコイド受容体結合蛋白質]]（[[Nuclear receptor coactivator 2]]）、 H2A: [[ヒストン2Aサブユニット]]、 HAT: ヒストンアセチル基転移酵素、 HBO: [[Histone acetyltransferase binding to ORC]]、 HDAC: ヒストン脱アセチル酵素、 HIF: [[低酸素誘導因子]]、 HMG: [[High mobility group]]、 HNF: [[Hepatocyte nuclear factor]]、 HSP: [[熱ショックタンパク質]]、 hTAFII: [[Human TATA-binding protein-associated factor]]、 KLF: [[Krüppel様因子]]、 Ku70（XRCC6）: [[Lupus Ku autoantigen protein p70]] ([[X-ray repair complementing defective repair in Chinese hamster cells 6]])、 MCM3AP: [[Minichromosome maintenance complex component 3 associated protein]]、 Mdm（MDM2）: [[Murine double minute]] ([[P53 E3 ubiquitin protein ligase homolog]])、 MEF: [[Myocyte-specific enhancer factor]]、 MORF（KAT6B）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein related factor]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6B]] )、 MOZ（KAT6A）: [[Monocytic leukemia zinc-finger protein]] ([[K(lysine) acetyltransferase 6A]] )、 MyoD: [[Myogenic differentiation]]、 Neil: [[DNA Glycosylase Nei-like]]、 NF-E: [[Nuclear factor, erythroid-derived]]、 NF-κB: [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells]]、 p/CIP: [[P300/CBP interacting protein]]、 p21: [[Cyclin-dependent kinase inhibitor]]、 p300: [[E1A binding protein p300]]、 p50 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells 1]]、 p53: [[Tumor protein p53]]、 p65 (NF-κB): [[Nuclear factor of kappa light polypeptide gene enhancer in B-cells subunit protein 65]]、 p65 (RelA): [[V-rel reticuloendotheliosis viral oncogene homolog A]]、 p73: [[Tumor protein p73]]、 PAP: [[Poly(A) polymerase]]、 PCAF(KAT2B): p300/CBP-associated factor([[K(lysine) acetyltransferase 2B]])、 PCNA: [[Proliferating cell nuclear antigen]]、 PGC: [[PPAR-γ coactivator]]、 PLAG: [[Pleiomorphic adenoma gene]]、 Pol: [[Polymerase (DNA directed)]]、 POP-1: [[Wnt signaling nuclear effector]]、 PR: [[プロゲステロン受容体]]、 pRb（RB）: [[Retinoblastoma]]、 PTEN: [[Phosphatase and tensin homolog deleted from chromosome 10]]、 RIP140: [[Receptor interacting protein 140]]、 Runx: [[Runt-related transcription factor]]、 Smad: [[Sma and Mad Related Family]]、 Sp1: [[Specificity protein 1]]、 SRC-1: [[ステロイド受容体コアクチベーター1]]、 SREBP1a: [[Sterol regulatory element binding transcription factor 1]]、 SRY: [[Sex-determining region Y]]、 STAT: [[シグナル伝達兼転写活性化因子]]、 TAF(I)68: [[TATA box binding protein (TBP)-associated factor (I)68]]、 TAL1/SCL: [[T-cell acute lymphoblastic leukemia 1/Stem cell leukemia]]、 TFIIB（GTF2B）: [[General transcription factor IIB]]、  TH:[[ノルアドレナリン#.E5.90.88.E6.88.90|チロシン水酸化酵素]] 、Tip60（KAT5）: [[Tat interactive protein, 60kDa]]（[[K(lysine) acetyltransferase 5]]）、 YY1: [[転写抑制因子yin-yang 1]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系でのタンパク質アセチル化 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アセチル化は神経機能にも関与している。特にヒストンのアセチル化、脱アセチル化は[[神経幹細胞]]の分化や神経機能、神経系疾患に密接に関わっていることが報告されている。神経幹細胞の分化は「[[ヒストン]]」の項を参考にして頂き、ここではヒストンアセチル化と神経機能、及び神経系疾患に着目する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経機能 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類においてヒストンのアセチル化、脱アセチル化、及びHAT、HDACの活性は[[シナプス]]の[[可塑性]]や記憶の形成に関与する。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]の活性化及びそれに伴う[[protein kinase A]]（[[PKA]]）、[[protein kinase C]]（[[PKC]]）経路の活性化はヒストンH3のアセチル化を誘導し&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18003853&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬神経のKClによる[[脱分極]]はヒストンH2Bのアセチル化を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20167251&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、マウスでの記憶学習訓練もヒストンＨ3のアセチル化を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18638560&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[恐怖条件付け]]が[[脳由来神経栄養因子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）[[プロモーター]]領域のヒストンＨ3のアセチル化と[[ホスホアセチル化]]を亢進することが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17522015&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18923034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒストンH3のアセチル化亢進は[[記憶]]の[[再固定]]や[[想起]]の際に誘導されることも明らかになっており、ヒストンのアセチル化が記憶に密接に関わっていることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17880897&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。同様にHDACやHATの活性も神経機能に重要である。HDACの阻害は、シナプス間での神経伝達物質の伝達効率の指標であり、学習・記憶に重要とされる[[長期増強]]（long-term potentiation：LTP）や記憶形成を増強させ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19424149&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19470462&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、恐怖条件付けによる恐怖の消去を促進させる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17907845&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。代表的なHATであるCBPの変異マウスはLTP及び記憶形成が障害を受け&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、抑制性の切断型p300の[[トランスジェニックマウス]]やPCAF欠損マウスでは記憶障害が起こることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17761541&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17805310&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、重度の脳萎縮、及び神経脱落を起こしたマウスにHDAC阻害剤を投与すると、[[樹状突起]]の再形成と[[シナプス]]の増加が観察され、学習能力や長期記憶が回復することが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17468743&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのように、シナプス可塑性（LTP）や記憶形成においてヒストンのアセチル化とそれを制御する酵素は非常に重要な役割を果たしている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンアセチル化と神経疾患 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[Image:Nm-Kinichinakashima fig 3.png|thumb|300px|&#039;&#039;&#039;図3．神経変性状態でのHDAC阻害剤の働き&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;HDAC阻害剤は神経変性状態におけるヒストンの低アセチル化状態を改善し、結果的に種々のタンパク質の発現を上昇させる。また、微小管タンパク質を高アセチル化状態にすることで微小管輸送を上昇させ、BDNFの細胞外放出を促進させる。これらによりHDAC阻害剤は神経保護、神経栄養、抗炎症、学習記憶の上昇等を示し、神経変性状態を改善する。&amp;lt;br&amp;gt;Bcl-2：B-cell lymphoma 2：B細胞リンパ腫2、BDNF：brain-derived neurotrophic factor：脳由来神経栄養因子、GAPDH：glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenase：グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、GDNF：glial cell line-derived neurotrophic factor：グリア細胞由来神経栄養因子、HSP70：heat shock protein 70：熱ショックタンパク質70]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　HDACはヒストンタンパク質のアセチル化状態の恒常性を維持することで転写等の細胞の基本的な活性を制御するのに重要な役割を果たしており、多くの脳疾患でタンパク質のアセチル化レベルが不均衡となっていることが知られている。このような点からも種々のHDAC阻害剤が新たな脳疾患治療薬として有用である可能性が示唆されている。HDAC阻害剤は神経保護、神経栄養性、及び抗炎症の特徴を有し、学習記憶や脳疾患にみられる他の表現型などを改善できることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19775759&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図3）。具体的には、[[脳血管障害]]、[[ハンチントン病]]、[[筋萎縮性側索硬化症]]、[[脊髄性筋委縮症]]、[[パーキンソン病]]、[[アルツハイマー病]]、[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[多発性硬化症]]などが挙げられ、多くの脳疾患でヒストンの低アセチル化及び転写の機能障害が起こっている。ヒストンのアセチル化が関与する脳疾患の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ルビンシュタイン・テイビ症候群 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ルビンシュタイン・テイビ症候群はHATとしての機能をもつCBPやp300の変異により引き起こされ、[[精神遅滞]]や記憶障害を示す脳疾患である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7630403&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CBPのヘテロ欠損マウスは[[発達遅滞]]や骨格異常がみられ&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15207239&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、クロマチンのアセチル化の欠損、及びLTPの障害などを示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17543037&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年の研究により、HDAC阻害剤であるトリコスタチンAを投与することでLTPの障害による長期記憶能低下の改善、及びシナプス可塑性の回復がみられることが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17553985&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような研究結果から、HDAC阻害剤がルビンシュタイン・テイビ症候群治療の選択肢のひとつとして考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== パーキンソン病 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　パーキンソン病は[[神経変性疾患]]で、[[黒質]]での[[ドーパミン神経]]の選択的欠損に伴う運動機能障害を特徴としている。パーキンソン病の大部分は孤発性である。ドーパミン毒素によりパーキンソン病様症状を呈したモデル動物に、HDAC阻害剤の[[フェニルブチレート]]を投与すると、黒質でのドーパミンの欠乏とドーパミンの生合成酵素であるチロシン水酸化酵素を発現する神経の減少が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15626823&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC阻害剤の投与により[[中脳]]の[[アストロサイト]]で誘導される[[グリア細胞株由来神経栄養因子]]（[[glial cell line-derived neurotrophic factor]]：[[GDNF]]）は、ドーパミン神経特異的に生存と[[軸索伸長]]に作用する因子である（図3）。そのため、HDAC阻害剤投与はパーキンソン病を含む神経変性疾患の治療において有望な治療法となると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11988777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　家族性のパーキンソン病では[[シナプス前]]タンパク質である[[Α-シヌクレイン]]の遺伝子変異が原因のひとつとされている。ヒト[[神経芽腫細胞]]において、α-シヌクレインはヒストンに結合し、HATであるCBPやp300、PCAFを不活性化することでヒストンの低アセチル化、及び[[アポトーシス]]を引き起こすことが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16959795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在までの研究により、HDAC阻害剤のSBやSAHAの投与が、in vitro、in vivo両方においてα-シヌクレインの過剰発現による神経細胞死を減弱させることが明らかとなっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref24&amp;quot; /&amp;gt;。これらのことも、パーキンソン病においてHDAC阻害剤が治療に有効であると考えられる根拠となっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== 脳血管障害 ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[脳血管障害]]は急性の神経変性疾患であり日本では死因の第三位を占めている。脳血管障害の一つの大きな原因として[[脳虚血]]が挙げられる。脳虚血のモデル動物は[[中大脳動脈閉塞術]]（[[midle cerebral artery occlusion]]：[[MCAO]]）により作成することができる。[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]及び[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]のMCAOモデルでは、虚血脳全体のヒストンのリジン残基でアセチル化が抑制されるが、この変化はHDAC阻害剤の投与により梗塞体積の減少と共に回復される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15189338&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17371805&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16946032&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ラットのMCAOモデルでは傷害後のVPA、SB、TSAの投与により、状態の改善がみられることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;。SBを投与したMCAOラットでは虚血脳で、[[神経新生]]の増加が確認されるが、これは[[BDNF]]-[[TrkB]]の経路を遮断すると消失してしまう&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19549282&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに、マウスへの[[フェニルブチレート]]の投与は[[eukaryotic translation initiation factor2α]]（[[EIF2α]]）のリン酸化減少とeIF2αに制御される[[C/EBP homologous protein]]（[[CHOP]]）の発現によって[[ERストレス]]（[[endoplasmic reticulum stress]]）から虚血脳を保護できることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15226415&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC阻害剤の投与は虚血によって引き起こされるp53の発現上昇を抑制し、[[heat-shock protein 70]]（[[HSP70]]）の発現を誘導することが知られている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref25&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref26&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref27&amp;quot; /&amp;gt;（図3）。HSP70はマウスMCAOモデルでHSP70- I-κBα- NF-κB（nuclear factor-kappa B）の安定な複合体を形成することにより、 NF-κBを不活性化することで抗炎症作用を示すことが明らかにされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17473852&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[細胞骨格]]タンパク質の発現は虚血条件においてHDAC阻害による神経保護効果と関連している。例としてHDACの阻害は[[アクチン]]フィラメントの構成に重要な[[ゲルソリン]]タンパク質を増加させ、虚血傷害から神経を保護する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18234195&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。加えてVPAはHDAC阻害と転写活性化、及び[[fas ligand protein]]（[[Fas-L]]）、[[interleukin-6]]（[[IL-6]]）、[[matrix metalloproteinase-9]]（[[MMP-9]]）を含む炎症誘発性因子発現を抑制して抗炎症効果を示すことにより、脳血管障害の脳内出血モデルにおいて神経保護を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17398106&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以上の報告より、急性の神経疾患においてもHDACの阻害が効果的であることが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　本文では以上3つの例を紹介したが、これらの例からも、脳機能においてヒストンのアセチル化は重要な役割を担い、HDAC阻害剤は脳疾患治療薬として有用であると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 非ヒストンタンパク質のアセチル化と神経機能・神経疾患  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上述してきたように、一般にHDACの阻害は脳疾患治療に有用であると思われる。しかし、HDAC6のようにHDACの働きが脳機能に重要であることも知られており、HDACの阻害が常によい方向に働くとは限らない。HDAC6は脳で高く発現しており、ヒストンのみならずα-チュブリン、HSP90、コルタクチンを脱アセチル化する。なかでもHDAC6の主要な基質はα-チュブリンであり、α-チュブリンのアセチル化レベルを制御することで[[微小管]]の安定性をコントロールし、その輸送等に重要な役割を果たすことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12486003&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20520769&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。微小管のアセチル化が促進されると、神経細胞において微小管と[[キネシン]]-1との結合が促進され、[[JNK-interacting Protein 1]]やBDNFなどのキネシン-1の[[カーゴタンパク質]]の[[極性輸送]]が促進される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17084703&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。HDAC6による微小管の安定性制御は神経細胞におけるキネシン-1によるミトコンドリアの輸送にも重要であり&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref34&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16306220&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、異常なミトコンドリア輸送は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、[[筋委縮性側索硬化症]]などの脳疾患に関係することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22750523&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、HDAC6は[[軸索]]の末端領域に局在することで軸索の伸長にも重要な役割を果たしており、TSAなどのHDAC阻害剤によるtubulinの脱アセチル化阻害は軸索の伸長を阻害することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20886111&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし逆に、HDAC6はマウスの[[情動]]行動に関与し、HDAC6の欠損やHDAC6阻害剤が運動亢進、[[不安]]の軽減などの抗うつ様の行動を誘導することで、[[うつ病]]等の治療によい影響を与えることも明らかになっている。HDAC6は、[[気分障害]]等の精神疾患に深く関与する[[セロトニン神経細胞]]の豊富な中脳の[[縫線核]]、[[青斑核]]、黒質の神経細胞に多く存在している。しかし、HDAC6の欠損マウスにおいて、セロトニンの量、及び既存の[[抗うつ薬]]である[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]/[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（Selective Serotonin Reuptake Inhibitors/ Serotonin &amp;amp;amp; Norepinephrine Reuptake Inhibitors：SSRI/SNRI）に対する応答性には変化がなく、SSRI/SNRIの急性投与による大幅なうつ様行動の改善はHDAC6の欠損マウスと野生型マウスで同程度である。このことからHDAC6阻害剤による抗うつ作用メカニズムは既存の抗うつ薬とは異なると考えられており、HDAC6の阻害はうつ病の病態解明や新規抗うつ薬の開発につながる可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22328923&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 終わりに  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　今回紹介した例以外にも、タンパク質のアセチル化と脳機能に関しては多くの報告がなされており、ヒストンのアセチル化や非ヒストンタンパク質のアセチル化は脳の発達や機能に重要な機構であるといえる。一般にHDAC阻害剤は脳疾患の治療に有用であり、記憶形成を増強させることなどが知られている。しかし、上に示したように、軸索輸送や軸索伸長に対してHDAC6が重要な役割を果たすこと、また、HDACがオリゴデンドロサイトの分化を促進させること（[[ヒストン]]の項参照）、さらにはHDAC1、2を同時に欠損させたマウスでは海馬や小脳、大脳皮質の形成に異常が生じ、胎生致死となることなども知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19380719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのことから、HDACは脳の発生や機能に重要な役割を果たすものでもあり、HDACによる脳でのアセチル化レベルのバランスの維持が、正常な脳機能を果たす上では重要であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[ヒストン]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15506</id>
		<title>ヒストン</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15506"/>
		<updated>2012-11-14T13:40:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = Histone&lt;br /&gt;
| Name = Core histone H2A/H2B/H3/H4&lt;br /&gt;
| image = Protein_H2AFJ_PDB_1aoi.png&lt;br /&gt;
| width = &lt;br /&gt;
| caption = [[Protein Data Bank|PDB]] rendering of [[H2AFJ]] based on 1aoi.&lt;br /&gt;
| Pfam = PF00125&lt;br /&gt;
| Pfam_clan = CL0012&lt;br /&gt;
| InterPro = IPR007125&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE=&lt;br /&gt;
| SCOP = 1hio&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family =&lt;br /&gt;
| OPM protein =&lt;br /&gt;
| PDB = {{PDB2|1eqz}}, {{PDB2|1f66}}, {{PDB2|1hq3}}, {{PDB2|1id3}}, {{PDB2|1kx3}}, {{PDB2|1kx4}}, {{PDB2|1kx5}}, {{PDB2|1m18}}, {{PDB2|1m19}}, {{PDB2|1m1a}}, {{PDB2|1p34}}, {{PDB2|1p3a}}, {{PDB2|1p3b}}, {{PDB2|1p3f}}, {{PDB2|1p3g}}, {{PDB2|1p3i}}, {{PDB2|1p3k}}, {{PDB2|1p3l}}, {{PDB2|1p3m}}, {{PDB2|1p3o}}, {{PDB2|1p3p}}, {{PDB2|1q9c}}, {{PDB2|1s32}}, {{PDB2|1tyz}}, {{PDB2|1u35}}, {{PDB2|2aro}}, {{PDB2|2cv5}}, {{PDB2|2hio}}&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
英語名：histone　独：Histon　仏：histone&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]の[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]（染色質）の基本単位である[[wikipedia:ja:ヌクレオソーム|ヌクレオソーム]]（nucleosome）を構成する塩基性タンパク質。[[wikipedia:ja:DNA|DNA]] を核内に収納する役割を担う。通常の細胞を構成しているタンパク質中でヒストンは最も多量に存在しているタンパク質であり、ヌクレオソームはほぼ等量のDNA（200bp（130kDa））とヒストンタンパク質（132kDa）により構成されている。ヒストンとDNAの相互作用は[[wikipedia:ja:遺伝子発現|遺伝子発現]]の最初の段階である[[wikipedia:ja:転写|転写]]に大きな影響を及ぼす&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;岩波生物学辞典 第4版&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;岩波書店&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 分類  ==&lt;br /&gt;
　ヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類に分類される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H1 はリンカーヒストンと呼ばれる。一方、H2A、H2B、H3、H4の4種は、コアヒストンと呼ばれ、それぞれ二分子ずつが集合し、ヒストン八量体を形成する。コアヒストンは比較的小さく11～15kDa、H1ヒストンはやや大きく約21kDaである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは正の電荷をもつ[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]の含有量が高く、各ヒストンのアミノ酸残基の少なくとも20%が[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]または[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]であるため、負の電荷をもったDNA分子に強く結合する。ヒストンの塩基性アミノ酸含量またはリジン/アルギニン比に従い、H1は高リジン型ヒストン、H2A、H2Bはリジン型ヒストン、H3、H4はアルギニン型ヒストンと呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell、中村桂子　監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京電機大学出版局&#039;&#039;:2006&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造==&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．コアヒストンとヌクレオソームの分子構成&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ヌクレオソームはヒストン八量体に146 bp の DNA が左巻きに約1.65回巻き付いた構造である。ヒストン八量体はコアヒストンであるH2A、H2B、H3、H4から形成され、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストン八量体は円柱形で、それぞれのヒストン八量体には146bpのDNAがその表面に1.65回巻き付けられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9305837&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この構造がクロマチン構造の最小単位であるヌクレオソームである。H1 はヌクレオソーム間の DNA に結合する。ヌクレオソーム内ではそれぞれのコアヒストンが二分子ずつ存在するのに対して、H1ヒストンは一分子含まれる &amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;大場義樹&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;クロマチン&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京大学出版会&#039;&#039;:1986&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームを構成するヒストンにはどのコアヒストンにも保存されている領域が存在し、ヒストン型折りたたみドメイン（histone-fold domain）と呼ばれる。この領域はヒストンの中間体の集合に関与し、間に短いループを2つ（L1、L2）もつ3つの[[wikipedia:ja:αヘリックス|αヘリックス]](α1、α2、α3)で構成されている。この領域を介して特定の組み合わせのヒストンが結合する。H3とH4はまずヘテロ二量体を形成し、この二量体同士が結合し、H3、H4各2分子からなる四量体（H3・H4）を形成する。H2A、H2Bは溶液中でヘテロ二量体は形成するが、四量体は形成しない。その後、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する（図1）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームヒストンの構造は球形のカルボキシル末端部分と、直鎖状のアミノ末端部分（ヒストンテール）からなる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7479959&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19217387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 ヒストンは多くの[[wikipedia:ja:翻訳後修飾|翻訳後修飾]]可能な残基を持っており、特にヒストンテールの[[セリン]]、リジン、アルギニン残基などは[[リン酸化]]、[[アセチル化]]、[[wikipedia:ja:メチル化|メチル化]]、[[ユビキチン化]]といった化学修飾を受けることが知られている。これらの化学修飾は、遺伝子発現等、数々のクロマチン機能の制御に関わっている（機能の項参照）。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10638745&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11498575&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== DNA鎖の核内への収納  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは真核生物の大きな[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]を細胞[[核]]にはめ込むのに必要な圧縮を可能にし、DNA鎖の核内への収納に関与している。最終的に約2mのDNAは10μm程度の核内に収納される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンの修飾によるクロマチンの制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアミノ末端部分（ヒストンテール）は、さまざまな修飾を受けることによりクロマチンの機能を制御しており、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1、図2）。代表的なヒストン修飾として、アセチル化、脱アセチル化、メチル化、脱メチル化、リン酸化、ユビキチン化、SUMO化などが知られている。これらの修飾は、それぞれの修飾を行う酵素（修飾酵素）によって行われている（表2）。遺伝子の発現もヒストンの修飾によるクロマチン制御の影響を受けることが知られているが、このようにゲノムの塩基配列の変化を起こさずに遺伝子の機能を調節する仕組みを[[エピジェネティクス]]という。ヒストン修飾は遺伝子発現制御にとどまらずDNA修復や染色体凝縮（[[有糸分裂]]）、[[wikipedia:ja:精子|精子]]形成（[[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]）などの多様な生物学的プロセスに関与していることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21927517&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、ここでは転写を調節するヒストン修飾の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．代表的なヒストンテール上アミノ酸の修飾&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;それぞれのヒストンコアタンパク質におけるヒストンテールの修飾のうち代表的なものを示した。左端がN末端を示す。ヒストンテールは多様な修飾を受け、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1）。ヒストン修飾は遺伝子の発現制御などに重要な役割を果たしている。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アセチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのアセチル化は細胞内の[[ヒストンアセチル基転移酵素]]（Histone Acetyl Transferase：HAT）により行われる。HATはヒストン中の特定のリジン残基(K)のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））をアミド（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、ヌクレオソーム同士をつないでいるDNA鎖（リンカーDNA）に対して[[転写因子]]や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。ヒストンの脱アセチル化では、この[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]が[[加水分解]]により除去され、元の[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される。ヒストンの脱アセチル化は[[ヒストン脱アセチル化酵素]]（Histone Deacetylase：HDAC）によって行われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのメチル化は主にリジン残基に見られ、ヒストンH3ではK4、K9、K27、K36、K79が、ヒストンH4ではK20がメチル化されることが知られている。これらのメチル化の数は1～3つ（mono～tri）存在し、またそれぞれリン酸化される残基の位置によって転写の活性化に関与するものと抑制に関与するものが存在する。一般的にH3K4、K36、K79は転写活性化に関与し、H3K9、K27、H4K20は転写抑制に関与している。またリジン残基だけでなくアルギニン残基もメチル化され、転写制御に関わることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12101096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11751582&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1：ヒストン修飾とその働き&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;サイト&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;機能&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2A&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[細胞分裂|有糸分裂]]、転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K13 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2B&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アポトーシス]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K15 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;17&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H3&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K4 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ユークロマチン]]形成&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S10 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T11 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化（伸長）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R17 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K18 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、[[wikipedia:ja:DNA修復|DNA修復]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K23 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K27 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[転写サイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S28 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K36 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K56 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K79 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;7&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H4&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K8 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合、[[テロメアサイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K16 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K20 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2：代表的なヒストン修飾酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16533707&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾酵素&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | CBP /p300、[[PCAF]]、[[GCN5]]、[[TIP60]]、[[SAGA]]、[[NuA3]]、[[NuA4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | HDAC、[[SIRT]]、[[NuRD]]、[[SIR2]]複合体、[[Rpd3]]大、Rpd3小&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUV39H1]]、[[G9a]]、[[Ezh2]]、[[SET1]]、[[SET2]]、[[SET7/9]]、[[MLL]]、[[DOT1]]、[[CARM1]]、[[PRMT]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[LSD1]]、[[KDM2]]、[[KDM4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[Aurora Kinase]]、[[MSK1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ユビキチン化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[RING2]]、[[RING1B]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUMO化]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[UBC9]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CARM1: [[coactivator-associated arginine methyltransferase]]; DOT1: [[DOT1-like,histone H3 methyltransferase]]; Ezh: [[enhancer of zeste homolog]]; G9a: [[euchromatic histone-lysine N-methyltransferase 2]]; GCN: [[K(lysine) acetyltransferase]]; KDM: [[lysine(K)-specific demethylase]]; LSD: [[lysine(K)-specific demethylase]]; MLL: [[myeloid/lymphoidor mixed-lineage leukemia]]; MSK1: [[ribosomal protein S6 kinase, 90kDa, polypeptide 5]]; NuA3: [[nucleosomal acetyltransferase of histone H3]]; NuRD: [[nucleosome remodeling and deacetylase]]; PCAF: [[K(lysine)acetyl transferase 2B]]([[KAT2B]]); PRMT: [[protein arginine methyltransferase]]; RING: [[ring finger protein]]; Rpd3: [[reduced potassium dependency 3]]; SAGA: [[Spt-Ada-Gcn5-acetyltransferase]]; SET1: [[SET domain containing]]; SIRT: [[sirtuin]]; SUV39H1: [[suppressor of variegation 3-9 homolog]]; TIP60: [[K(lysine) acetyltransferase5]]; UBC9: [[ubiquitin-conjugating enzyme E2I]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系細胞分化におけるヒストンの修飾の役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類の中枢神経系は、発生段階において共通の[[神経幹細胞]]から[[分化]]・産生される[[ニューロン]]、[[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]]によって構成され、互いに精妙に相互作用することで高度な神経活動が維持されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10688783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アセチル化  ===&lt;br /&gt;
　前述のように、ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、それぞれHAT及びHDACにより行われている。代表的なHATとして[[CBP]]（[[CREB binding protein]]）や[[p300]]が知られている（表2）。p300の欠損マウスやヘテロ欠損マウス、p300とCBP両方のヘテロ欠損マウスでは細胞の増殖や[[神経管]]形成、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]の発達が起こらずに胎生致死となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9590171&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CBPは神経系遺伝子の[[プローター]]領域のヒストンのアセチル化増進を介して[[神経発生]]を制御していることが報告されており、CBPのヘテロ欠損マウスでは胎生期の神経発生異常に起因すると考えられる[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]を引き起こすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20152182&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ニューロン分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からニューロンへの分化においては[[neuron restrictive silencing factor]]（[[NRSF]], 別名 [[repressor for element-1 silencing transcription factor]]([[REST]]）と呼ばれる[[転写因子]]がニューロン特異的遺伝子の発現を制御していることが知られている。NRSFはニューロン特異的遺伝子のプロモーター上の[[neuron restrictive silencing element]]（[[NRSE]]）と呼ばれる配列に特異的に結合し、そこでHDACやメチル化DNA結合タンパク質である[[methyl CpG binding protein 2]]（[[MeCP2]]）、&lt;br /&gt;
[[co-repressor for REST]]（[[CoREST]]）とよばれる[[コリプレッサー]]の複合体を形成することにより、ニューロン特異的遺伝子の発現を負に制御している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15907476&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== オリゴデンドロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　ヒストンのアセチル化は神経幹細胞からオリゴデンドロサイトの分化にも関与し、その分化はHDACにより大きく影響を受ける。HDACは転写因子[[Yin Yang1]]（[[YY1]]）と強調してオリゴデンドロサイトの発現を抑制する転写調節因子[[inhibition of differentiation 4]]（[[Id4]]）および[[T-cell factor]]（[[TCF]]）を抑制することでオリゴデンドロサイトへの分化を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17640524&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらにHDACは[[Wnt]]の下流の[[β-カテニン]]と拮抗的にTCFと結合し、オリゴデンドロサイト分化を抑制する[[inhibition of differentiation 2]]（[[Id2]]）やId4の発現を阻害することによってもオリゴデンドロサイトの分化を促進させている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19503085&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== HDAC阻害剤によるニューロン分化促進  ====&lt;br /&gt;
　その他にも、成体ラット海馬由来の神経幹細胞に、HDAC阻害剤としての活性を有し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[バルプロ酸]]を作用させると、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進することが報告されている。このニューロン分化促進は、HDACによりその発現が抑制されているニューロン分化を促進する転写因子[[neurogenic differentiation]]（[[NeuroD]]）の発現抑制がHDAC阻害剤であるバルプロ酸により解除されることに起因すると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15537713&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では、このようなHDAC阻害剤によるニューロン分化促進作用を利用した[[脊髄損傷]]の治療への応用的研究や、HDAC阻害剤を中枢神経系の疾患（ルビンシュタイン・テイビ症候群、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[ハンチントン病]]、[[多発性硬化症]]　など）の治療に利用しようとした試みもなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20714104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== メチル化  ===&lt;br /&gt;
　中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は胎生中期にはニューロンへのみ分化し、胎生後期以降にはアストロサイトへの分化能を獲得し、優位にアストロサイトへと分化することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11740937&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この神経幹細胞の発生段階依存的なアストロサイトへの分化能獲得には、DNAのメチル化やヒストンのメチル化などのエピジェネティックなクロマチン修飾が関与することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14770186&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref24&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17603471&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アストロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からアストロサイト特異的タンパク質[[glial fibrillary acidic protein]]（[[GFAP]]）を発現するアストロサイトへの分化は、アストロサイト分化誘導性サイトカインである[[毛様体神経栄養因子]]（[[ciliary neurotrophic factor]]：[[CNTF]]）や[[白血病抑制因子]]（[[leukemia inhibitory factor]]：[[LIF]]）などの[[IL-6 ファミリーサイトカイン]]が重要な役割を果たしており、これらの下流の転写因子である[[single transducer and activator of transcription 3]]（[[STAT3]]）がGFAPのプロモーターに結合することにより誘導される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10205054&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらCNTFやLIFによるアストロサイト分化誘導は[[線維芽細胞増殖因子2]]（[[fibroblast growth factor 2]]：[[FGF2]]）により促進されることが知られている。このFGF2によるアストロサイト分化促進はヒストンのメチル化に起因し、GFAPのプロモーター領域のSTAT3結合領域の近傍でH3K9の脱メチル化かつH3K4のメチル化が誘導されることでクロマチン構造が緩み、CNTFにより活性化されたSTAT3がGFAPのプロモーター領域に結合しやすくなるためであると考えられている&amp;lt;ref name=ref24 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== ニューロン分化の抑制とアストロサイト分化能の獲得  =====&lt;br /&gt;
　上述したように、神経幹細胞は胎生中期でニューロンに分化する性質を獲得し、発生段階が進むにつれ、アストロサイトに分化するように性質が変化する。この神経幹細胞の発生段階依存的であるニューロン分化期からアストロサイトへの分化期の転換にヒストンのメチル化が関与することが報告されており、これは[[ポリコーム群]]（[[PcG]]）や[[トリソラックス群]]（[[TrxG]]）と呼ばれるヒストンのメチル化酵素を含んだタンパク質複合体を介して行われている。PcGは主に遺伝子の抑制に関わるヒストン修飾、TrxGは遺伝子の活性化に関わるヒストンの修飾に関わっており、互いに拮抗することで遺伝子の発現を制御している。これらPcG、TrxGによる遺伝子の発現制御は神経幹細胞を含む多種の幹細胞の維持と分化調節の共通メカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref name=ref26&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19755104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生中期の神経幹細胞では、[[Wnt#β-カテニン経路|Wnt-β-カテニン経路]]の活性化によりニューロン分化を促進する[[Neurogenin1]]（[[Neurog1]]）の発現が誘導されることによりニューロン分化が促進されることが報告されている。アストロサイト分化が優位に起こる胎生後期神経幹細胞においてもWntの作用は受けているが、この時にはNeurog1の発現は誘導されず、ニューロン分化も起こらない。この胎生中期と胎生後期でのWntに対する応答性の違いは、PcGの異なる二つの複合体である[[PRC1]]（[[polycomb repressor complex1]]）、[[PRC2]]により行われるヒストンのメチル化修飾に起因している&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。具体的には、発生段階依存的にNeurog1のプロモーター領域でPRC2の必須構成因子でありH3K27 のメチル化酵素である[[enhancer of homolog 2]]（[[Ezh2]]）によるH3K27のトリメチル化修飾が亢進され、さらにPRC1の構成因子である[[Ring1B]]がH3K27me3を認識して結合することによってNeurog1の発現が抑制されることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。Neurog1はアストロサイトの分化を抑制していることが知られているため、Neurog1の抑制によってアストロサイトの分化は誘導される。このように、ヒストンのメチル化修飾は神経幹細胞のニューロンへの分化の抑制、アストロサイトへの分化能の獲得に重要な役割を果たしている。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==疾患との関わり==&lt;br /&gt;
　ヒストンのメチル化やメチル化酵素、脱メチル化酵素の働きが脳機能や多くの精神疾患に関与していることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20816965&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21429800&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== H3K4 ===&lt;br /&gt;
　H3K4のメチル化酵素である[[mixed-lineage leukemia 1]]（[[MLL1]]）の変異[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では[[海馬]]の[[可塑性]]やシグナルの異常に伴い、[[学習]]能力と[[記憶]]形成能の低下がみられることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17259173&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20219993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。MLLによるH3K4のメチル化の調節は精神疾患の治療に潜在的な役割を果たすことが示唆されている。[[非定型抗精神病薬]][[クロザピン]]は[[統合失調症]]の治療に使われ、ヒトの[[前頭前野]]において[[GABA]]合成酵素遺伝子の[[Gad1]]/GAD1プロモーター領域でH3K4のトリメチル化を増加させる。MLL1のヘテロマウスでは脳のGad1でのH3K4のメチル化は減少し&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17942719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、統合失調症患者の脳においてもMLL1の発現量が減少していることが知られている。これらのことから、統合失調症などの精神疾患において、MLL1は新たな治療のターゲットとなりうると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== H3K9 ===&lt;br /&gt;
　H3K9のメチル化酵素である[[G9a]] も神経系において重要な役割を果たしていることが報告されている。[[G9a-like protein]]（[[GLP]]）/G9aの複合体は成熟ニューロンにおいて非神経性遺伝子やニューロン前駆遺伝子の働きを抑制しており、この複合体の欠損は、学習や意欲、環境への適応などの脳の高次機能に影響を与えることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20005824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その他にも、[[コカイン]]は[[中毒]]性の薬物であり脳内の遺伝子の発現を変化させ、マウスの行動やニューロンの形態に影響を与えることが知られている。このコカインに対する中毒状態のマウスにおいてG9aが抑制されることにより、グローバルなH3K9のメチル化が抑制されることが報告されている。G9aの発現低下は脳の[[側坐核]]ニューロンの[[樹状突起]][[スパイン]]密度を増加させており、これがコカインの嗜好性を増強させている。G9aはコカインに対する嗜好性を低下させ、コカイン中毒を抑制するという点で重要な役割を果たすことが明らかとなっているため、G9aの抑制の解除はコカインへの渇望を抑制するための効果的治療法となりうると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20056891&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== H3K27 ===&lt;br /&gt;
　H3K27のメチル化は、[[うつ]]様行動の発生に関与することが知られている。マウスに社会的[[ストレス]]を繰り返し与えることによりヒトのうつ患者と同様な行動や神経化学的変化を引き起こす。うつモデルマウスでは海馬の[[脳由来神経栄養因子遺伝子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）プロモーターでのH3K27のメチル化が増加しており、これはうつモデルマウスがストレスのない環境へ移されたとしても持続することが知られている。抗うつ薬である[[イミプラミン]]を投与すると、うつ様行動の解消に加え、BDNFプロモーターのH3K27のメチル化状態がH3K4のメチル化状態やH3のアセチル化に置換される。このクロマチン状態の変化はイミプラミン投与の副産物やうつ様行動が解消された結果生じるものではなく、イミプラミンによるうつ症状改善のメカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16501568&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのため、うつ病治療においてもヒストンのメチル化制御は重要な要因のひとつであるといえる。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに示した例以外にも多くのヒストンメチル化状態やメチル化酵素、脱メチル化酵素が脳機能や精神疾患に関わることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、メチル化やアセチル化などのヒストン修飾は脳の発達や機能にさまざまな役割を果たしており、脳において重要な機構であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エピジェネティクス]]&lt;br /&gt;
*[[メチル化]]&lt;br /&gt;
*[[アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15371</id>
		<title>ヒストン</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15371"/>
		<updated>2012-11-05T07:22:33Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = Histone&lt;br /&gt;
| Name = Core histone H2A/H2B/H3/H4&lt;br /&gt;
| image = Protein_H2AFJ_PDB_1aoi.png&lt;br /&gt;
| width = &lt;br /&gt;
| caption = [[Protein Data Bank|PDB]] rendering of [[H2AFJ]] based on 1aoi.&lt;br /&gt;
| Pfam = PF00125&lt;br /&gt;
| Pfam_clan = CL0012&lt;br /&gt;
| InterPro = IPR007125&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE=&lt;br /&gt;
| SCOP = 1hio&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family =&lt;br /&gt;
| OPM protein =&lt;br /&gt;
| PDB = {{PDB2|1eqz}}, {{PDB2|1f66}}, {{PDB2|1hq3}}, {{PDB2|1id3}}, {{PDB2|1kx3}}, {{PDB2|1kx4}}, {{PDB2|1kx5}}, {{PDB2|1m18}}, {{PDB2|1m19}}, {{PDB2|1m1a}}, {{PDB2|1p34}}, {{PDB2|1p3a}}, {{PDB2|1p3b}}, {{PDB2|1p3f}}, {{PDB2|1p3g}}, {{PDB2|1p3i}}, {{PDB2|1p3k}}, {{PDB2|1p3l}}, {{PDB2|1p3m}}, {{PDB2|1p3o}}, {{PDB2|1p3p}}, {{PDB2|1q9c}}, {{PDB2|1s32}}, {{PDB2|1tyz}}, {{PDB2|1u35}}, {{PDB2|2aro}}, {{PDB2|2cv5}}, {{PDB2|2hio}}&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
英語名：histone　独：Histon　仏：histone&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]の[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]（染色質）の基本単位である[[wikipedia:ja:ヌクレオソーム|ヌクレオソーム]]（nucleosome）を構成する塩基性タンパク質。[[wikipedia:ja:DNA|DNA]] を核内に収納する役割を担う。通常の細胞を構成しているタンパク質中でヒストンは最も多量に存在しているタンパク質であり、ヌクレオソームはほぼ等量のDNA（200bp（130kDa））とヒストンタンパク質（132kDa）により構成されている。ヒストンとDNAの相互作用は[[wikipedia:ja:遺伝子発現|遺伝子発現]]の最初の段階である[[wikipedia:ja:転写|転写]]に大きな影響を及ぼす&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;岩波生物学辞典 第4版&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;岩波書店&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 分類  ==&lt;br /&gt;
　ヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類に分類される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H1 はリンカーヒストンと呼ばれる。一方、H2A、H2B、H3、H4の4種は、コアヒストンと呼ばれ、それぞれ二分子ずつが集合し、ヒストン八量体を形成する。コアヒストンは比較的小さく11～15kDa、H1ヒストンはやや大きく約21kDaである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは正の電荷をもつ[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]の含有量が高く、各ヒストンのアミノ酸残基の少なくとも20%が[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]または[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]であるため、負の電荷をもったDNA分子に強く結合する。ヒストンの塩基性アミノ酸含量またはリジン/アルギニン比に従い、H1は高リジン型ヒストン、H2A、H2Bはリジン型ヒストン、H3、H4はアルギニン型ヒストンと呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell、中村桂子　監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京電機大学出版局&#039;&#039;:2006&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造==&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．コアヒストンとヌクレオソームの分子構成&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ヌクレオソームはヒストン八量体に146 bp の DNA が左巻きに約1.65回巻き付いた構造である。ヒストン八量体はコアヒストンであるH2A、H2B、H3、H4から形成され、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストン八量体は円柱形で、それぞれのヒストン八量体には146bpのDNAがその表面に1.65回巻き付けられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9305837&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この構造がクロマチン構造の最小単位であるヌクレオソームである。H1 はヌクレオソーム間の DNA に結合する。ヌクレオソーム内ではそれぞれのコアヒストンが二分子ずつ存在するのに対して、H1ヒストンは一分子含まれる &amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;大場義樹&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;クロマチン&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京大学出版会&#039;&#039;:1986&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームを構成するヒストンにはどのコアヒストンにも保存されている領域が存在し、ヒストン型折りたたみドメイン（histone-fold domain）と呼ばれる。この領域はヒストンの中間体の集合に関与し、間に短いループを2つ（L1、L2）もつ3つの[[wikipedia:ja:αヘリックス|αヘリックス]](α1、α2、α3)で構成されている。この領域を介して特定の組み合わせのヒストンが結合する。H3とH4はまずヘテロ二量体を形成し、この二量体同士が結合し、H3、H4各2分子からなる四量体（H3・H4）を形成する。H2A、H2Bは溶液中でヘテロ二量体は形成するが、四量体は形成しない。その後、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する（図1）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームヒストンの構造は球形のカルボキシル末端部分と、直鎖状のアミノ末端部分（ヒストンテール）からなる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7479959&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19217387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（編集コメント：これも図示出来ればと思います）。 ヒストンは多くの[[wikipedia:ja:翻訳後修飾|翻訳後修飾]]可能な残基を持っており、特にヒストンテールの[[セリン]]、リジン、アルギニン残基などは[[リン酸化]]、[[アセチル化]]、[[wikipedia:ja:メチル化|メチル化]]、[[ユビキチン化]]といった化学修飾を受けることが知られている。これらの化学修飾は、遺伝子発現等、数々のクロマチン機能の制御に関わっている（機能の項参照）。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10638745&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11498575&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== DNA鎖の核内への収納  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは真核生物の大きな[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]を細胞[[核]]にはめ込むのに必要な圧縮を可能にし、DNA鎖の核内への収納に関与している。最終的に約2mのDNAは10μm程度の核内に収納される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンの修飾によるクロマチンの制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアミノ末端部分（ヒストンテール）は、さまざまな修飾を受けることによりクロマチンの機能を制御している。その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1、表2、図2）。遺伝子の発現もそのうちのひとつで、このようにゲノムの塩基配列の変化を起こさずに遺伝子の機能を調節する仕組みを[[エピジェネティクス]]という。ヒストン修飾は遺伝子発現制御にとどまらずDNA修復や染色体凝縮（[[有糸分裂]]）、[[wikipedia:ja:精子|精子]]形成（[[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]）などの多様な生物学的プロセスに関与していることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21927517&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、ここでは転写を調節するヒストン修飾の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．代表的なヒストンテール上アミノ酸の修飾&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;それぞれのヒストンコアタンパク質におけるヒストンテールの修飾のうち代表的なものを示した。左端がN末端を示す。ヒストンテールは多様な修飾を受け、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1）。ヒストン修飾は遺伝子の発現制御などに重要な役割を果たしている。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アセチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのアセチル化は細胞内の[[ヒストンアセチル基転移酵素]]（Histone Acetyl Transferase：HAT）により行われる。HATはヒストン中の特定のリジン残基(K)のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））をアミド（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、ヌクレオソーム同士をつないでいるDNA鎖（リンカーDNA）に対して[[転写因子]]や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。ヒストンの脱アセチル化では、この[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]が[[加水分解]]により除去され、元の[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される。ヒストンの脱アセチル化は[[ヒストン脱アセチル化酵素]]（Histone Deacetylase：HDAC）によって行われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのメチル化は主にリジン残基に見られ、ヒストンH3ではK4、K9、K27、K36、K79が、ヒストンH4ではK20がメチル化されることが知られている。これらのメチル化の数は1～3つ（mono～tri）存在し、またそれぞれリン酸化される残基の位置によって転写の活性化に関与するものと抑制に関与するものが存在する。一般的にH3K4、K36、K79は転写活性化に関与し、H3K9、K27、H4K20は転写抑制に関与している。またリジン残基だけでなくアルギニン残基もメチル化され、転写制御に関わることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12101096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11751582&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1：ヒストン修飾とその働き&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;サイト&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;機能&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2A&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[細胞分裂|有糸分裂]]、転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K13 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2B&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アポトーシス]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K15 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;17&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H3&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K4 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ユークロマチン]]形成&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S10 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T11 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化（伸長）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R17 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K18 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、[[wikipedia:ja:DNA修復|DNA修復]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K23 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K27 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[転写サイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S28 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K36 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K56 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K79 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;7&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H4&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K8 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合、[[テロメアサイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K16 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K20 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2：代表的なヒストン修飾酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16533707&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾酵素&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | CBP /p300、[[PCAF]]、[[GCN5]]、[[TIP60]]、[[SAGA]]、[[NuA3]]、[[NuA4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | HDAC、[[SIRT]]、[[NuRD]]、[[SIR2]]複合体、[[Rpd3]]大、Rpd3小&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUV39H1]]、[[G9a]]、[[Ezh2]]、[[SET1]]、[[SET2]]、[[SET7/9]]、[[MLL]]、[[DOT1]]、[[CARM1]]、[[PRMT]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[LSD1]]、[[KDM2]]、[[KDM4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[Aurora Kinase]]、[[MSK1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ユビキチン化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[RING2]]、[[RING1B]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUMO化]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[UBC9]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CARM1: [[coactivator-associatedargininemethyltransferase]]; DOT1: [[DOT1-like,histoneH3methyltransferase]]; Ezh: [[enhancerofzestehomolog]]; G9a: [[euchromatichistone-lysineN-methyltransferase2]]; GCN: [[K(lysine)acetyltransferase]]; KDM: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; LSD: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; MLL: [[myeloid/lymphoidormixed-lineageleukemia]]; MSK1: [[ribosomalproteinS6kinase,90kDa,polypeptide5]]; NuA3: [[nucleosomal acetyltransferase of histone H3]]; NuRD: [[nucleosome remodeling and deacetylase]]; PCAF: [[K(lysine)acetyltransferase2B]]([[KAT2B]]); PRMT: [[proteinargininemethyltransferase]]; RING: [[ringfingerprotein]]; Rpd3: [[reduced potassium dependency 3]]; SAGA: [[Spt-Ada-Gcn5-acetyltransferase]]; SET1: [[SETdomaincontaining]]; SIRT: [[sirtuin]]; SUV39H1: [[suppressorofvariegation3-9homolog]]; TIP60: [[K(lysine)acetyltransferase5]]; UBC9: [[ubiquitin-conjugatingenzymeE2I]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系細胞分化におけるヒストンの修飾の役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類の中枢神経系は、発生段階において共通の[[神経幹細胞]]から[[分化]]・産生される[[ニューロン]]、[[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]]によって構成され、互いに精妙に相互作用することで高度な神経活動が維持されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10688783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アセチル化  ===&lt;br /&gt;
　前述のように、ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、それぞれHAT及びHDACにより行われている。代表的なHATとして[[CBP]]（[[CREB binding protein]]）や[[p300]]が知られている（表2）。p300の欠損マウスやヘテロ欠損マウス、p300とCBP両方のヘテロ欠損マウスでは細胞の増殖や[[神経管]]形成、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]の発達が起こらずに胎生致死となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9590171&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CBPは神経系遺伝子の[[プローター]]領域のヒストンのアセチル化増進を介して[[神経発生]]を制御していることが報告されており、CBPのヘテロ欠損マウスでは胎生期の神経発生異常に起因すると考えられる[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]を引き起こすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20152182&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ニューロン分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からニューロンへの分化においては[[neuron restrictive silencing factor]]（[[NRSF]], 別名 [[repressor for element-1 silencing transcription factor]]([[REST]]）と呼ばれる[[転写因子]]がニューロン特異的遺伝子の発現を制御していることが知られている。NRSFはニューロン特異的遺伝子のプロモーター上の[[neuron restrictive silencing element]]（[[NRSE]]）と呼ばれる配列に特異的に結合し、そこでHDACやメチル化DNA結合タンパク質である[[methyl CpG binding protein 2]]（[[MeCP2]]）、&lt;br /&gt;
[[co-repressor for REST]]（[[CoREST]]）とよばれる[[コリプレッサー]]の複合体を形成することにより、ニューロン特異的遺伝子の発現を負に制御している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15907476&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== オリゴデンドロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　ヒストンのアセチル化は神経幹細胞からオリゴデンドロサイトの分化にも関与し、その分化はHDACにより大きく影響を受ける。HDACは転写因子[[Yin Yang1]]（[[YY1]]）と強調してオリゴデンドロサイトの発現を抑制する転写調節因子[[inhibition of differentiation 4]]（[[Id4]]）および[[T-cell factor]]（[[TCF]]）を抑制することでオリゴデンドロサイトへの分化を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17640524&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらにHDACは[[Wnt]]の下流の[[β-カテニン]]と拮抗的にTCFと結合し、オリゴデンドロサイト分化を抑制する[[inhibition of differentiation 2]]（[[Id2]]）やId4の発現を阻害することによってもオリゴデンドロサイトの分化を促進させている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19503085&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== HDAC阻害剤によるニューロン分化促進  ====&lt;br /&gt;
　その他にも、成体ラット海馬由来の神経幹細胞に、HDAC阻害剤としての活性を有し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[バルプロ酸]]を作用させると、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進することが報告されている。このニューロン分化促進は、HDACによりその発現が抑制されているニューロン分化を促進する転写因子[[neurogenic differentiation]]（[[NeuroD]]）の発現抑制がHDAC阻害剤であるバルプロ酸により解除されることに起因すると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15537713&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では、このようなHDAC阻害剤によるニューロン分化促進作用を利用した[[脊髄損傷]]の治療への応用的研究や、HDAC阻害剤を中枢神経系の疾患（ルビンシュタイン・テイビ症候群、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[ハンチントン病]]、[[多発性硬化症]]　など）の治療に利用しようとした試みもなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20714104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== メチル化  ===&lt;br /&gt;
　中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は胎生中期にはニューロンへのみ分化し、胎生後期以降にはアストロサイトへの分化能を獲得し、優位にアストロサイトへと分化することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11740937&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この神経幹細胞の発生段階依存的なアストロサイトへの分化能獲得には、DNAのメチル化やヒストンのメチル化などのエピジェネティックなクロマチン修飾が関与することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14770186&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref24&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17603471&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アストロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からアストロサイト特異的タンパク質[[glial fibrillary acidic protein]]（[[GFAP]]）を発現するアストロサイトへの分化は、アストロサイト分化誘導性サイトカインである[[毛様体神経栄養因子]]（[[ciliary neurotrophic factor]]：[[CNTF]]）や[[白血病抑制因子]]（[[leukemia inhibitory factor]]：[[LIF]]）などの[[IL-6 ファミリーサイトカイン]]が重要な役割を果たしており、これらの下流の転写因子である[[single transducer and activator of transcription 3]]（[[STAT3]]）がGFAPのプロモーターに結合することにより誘導される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10205054&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらCNTFやLIFによるアストロサイト分化誘導は[[線維芽細胞増殖因子2]]（[[fibroblast growth factor 2]]：[[FGF2]]）により促進されることが知られている。このFGF2によるアストロサイト分化促進はヒストンのメチル化に起因し、GFAPのプロモーター領域のSTAT3結合領域の近傍でH3K9の脱メチル化かつH3K4のメチル化が誘導されることでクロマチン構造が緩み、CNTFにより活性化されたSTAT3がGFAPのプロモーター領域に結合しやすくなるためであると考えられている&amp;lt;ref name=ref24 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== ニューロン分化の抑制とアストロサイト分化能の獲得  =====&lt;br /&gt;
　上述したように、神経幹細胞は胎生中期でニューロンに分化する性質を獲得し、発生段階が進むにつれ、アストロサイトに分化するように性質が変化する。この神経幹細胞の発生段階依存的であるニューロン分化期からアストロサイトへの分化期の転換にヒストンのメチル化が関与することが報告されており、これは[[ポリコーム群]]（[[PcG]]）や[[トリソラックス群]]（[[TrxG]]）と呼ばれるヒストンのメチル化酵素を含んだタンパク質複合体を介して行われている。PcGは主に遺伝子の抑制に関わるヒストン修飾、TrxGは遺伝子の活性化に関わるヒストンの修飾に関わっており、互いに拮抗することで遺伝子の発現を制御している。これらPcG、TrxGによる遺伝子の発現制御は神経幹細胞を含む多種の幹細胞の維持と分化調節の共通メカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref name=ref26&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19755104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生中期の神経幹細胞では、[[Wnt#β-カテニン経路|Wnt-β-カテニン経路]]の活性化によりニューロン分化を促進する[[Neurogenin1]]（[[Neurog1]]）の発現が誘導されることによりニューロン分化が促進されることが報告されている。アストロサイト分化が優位に起こる胎生後期神経幹細胞においてもWntの作用は受けているが、この時にはNeurog1の発現は誘導されず、ニューロン分化も起こらない。この胎生中期と胎生後期でのWntに対する応答性の違いは、PcGの異なる二つの複合体である[[PRC1]]（[[polycomb repressor complex1]]）、[[PRC2]]により行われるヒストンのメチル化修飾に起因している&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。具体的には、発生段階依存的にNeurog1のプロモーター領域でPRC2の必須構成因子でありH3K27 のメチル化酵素である[[enhancer of homolog 2]]（[[Ezh2]]）によるH3K27のトリメチル化修飾が亢進され、さらにPRC1の構成因子である[[Ring1B]]がH3K27me3を認識して結合することによってNeurog1の発現が抑制されることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。Neurog1はアストロサイトの分化を抑制していることが知られているため、Neurog1の抑制によってアストロサイトの分化は誘導される。このように、ヒストンのメチル化修飾は神経幹細胞のニューロンへの分化の抑制、アストロサイトへの分化能の獲得に重要な役割を果たしている。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化と精神疾患  ====&lt;br /&gt;
　ヒストンのメチル化やメチル化酵素、脱メチル化酵素の働きが脳機能や多くの精神疾患に関与していることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20816965&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21429800&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K4 =====&lt;br /&gt;
　H3K4のメチル化酵素である[[mixed-lineage leukemia 1]]（[[MLL1]]）の変異[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では[[海馬]]の[[可塑性]]やシグナルの異常に伴い、[[学習]]能力と[[記憶]]形成能の低下がみられることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17259173&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20219993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。MLLによるH3K4のメチル化の調節は精神疾患の治療に潜在的な役割を果たすことが示唆されている。[[非定型抗精神病薬]][[クロザピン]]は[[統合失調症]]の治療に使われ、ヒトの[[前頭前野]]において[[GABA]]合成酵素遺伝子の[[Gad1]]/GAD1プロモーター領域でH3K4のトリメチル化を増加させる。MLL1のヘテロマウスでは脳のGad1でのH3K4のメチル化は減少し&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17942719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、統合失調症患者の脳においてもMLL1の発現量が減少していることが知られている。これらのことから、統合失調症などの精神疾患において、MLL1は新たな治療のターゲットとなりうると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K9 =====&lt;br /&gt;
　H3K9のメチル化酵素である[[G9a]] も神経系において重要な役割を果たしていることが報告されている。[[G9a-like protein]]（[[GLP]]）/G9aの複合体は成熟ニューロンにおいて非神経性遺伝子やニューロン前駆遺伝子の働きを抑制しており、この複合体の欠損は、学習や意欲、環境への適応などの脳の高次機能に影響を与えることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20005824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その他にも、[[コカイン]]は[[中毒]]性の薬物であり脳内の遺伝子の発現を変化させ、マウスの行動やニューロンの形態に影響を与えることが知られている。このコカインに対する中毒状態のマウスにおいてG9aが抑制されることにより、グローバルなH3K9のメチル化が抑制されることが報告されている。G9aの発現低下は脳の[[側坐核]]ニューロンの[[樹状突起]][[スパイン]]密度を増加させており、これがコカインの嗜好性を増強させている。G9aはコカインに対する嗜好性を低下させ、コカイン中毒を抑制するという点で重要な役割を果たすことが明らかとなっているため、G9aの抑制の解除はコカインへの渇望を抑制するための効果的治療法となりうると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20056891&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K27 =====&lt;br /&gt;
　H3K27のメチル化は、[[うつ]]様行動の発生に関与することが知られている。マウスに社会的[[ストレス]]を繰り返し与えることによりヒトのうつ患者と同様な行動や神経化学的変化を引き起こす。うつモデルマウスでは海馬の[[脳由来神経栄養因子遺伝子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）プロモーターでのH3K27のメチル化が増加しており、これはうつモデルマウスがストレスのない環境へ移されたとしても持続することが知られている。抗うつ薬である[[イミプラミン]]を投与すると、うつ様行動の解消に加え、BDNFプロモーターのH3K27のメチル化状態がH3K4のメチル化状態やH3のアセチル化に置換される。このクロマチン状態の変化はイミプラミン投与の副産物やうつ様行動が解消された結果生じるものではなく、イミプラミンによるうつ症状改善のメカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16501568&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのため、うつ病治療においてもヒストンのメチル化制御は重要な要因のひとつであるといえる。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに示した例以外にも多くのヒストンメチル化状態やメチル化酵素、脱メチル化酵素が脳機能や精神疾患に関わることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、メチル化やアセチル化などのヒストン修飾は脳の発達や機能にさまざまな役割を果たしており、脳において重要な機構であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エピジェネティクス]]&lt;br /&gt;
*[[メチル化]]&lt;br /&gt;
*[[アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15369</id>
		<title>ヒストン</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15369"/>
		<updated>2012-11-05T06:27:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = Histone&lt;br /&gt;
| Name = Core histone H2A/H2B/H3/H4&lt;br /&gt;
| image = Protein_H2AFJ_PDB_1aoi.png&lt;br /&gt;
| width = &lt;br /&gt;
| caption = [[Protein Data Bank|PDB]] rendering of [[H2AFJ]] based on 1aoi.&lt;br /&gt;
| Pfam = PF00125&lt;br /&gt;
| Pfam_clan = CL0012&lt;br /&gt;
| InterPro = IPR007125&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE=&lt;br /&gt;
| SCOP = 1hio&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family =&lt;br /&gt;
| OPM protein =&lt;br /&gt;
| PDB = {{PDB2|1eqz}}, {{PDB2|1f66}}, {{PDB2|1hq3}}, {{PDB2|1id3}}, {{PDB2|1kx3}}, {{PDB2|1kx4}}, {{PDB2|1kx5}}, {{PDB2|1m18}}, {{PDB2|1m19}}, {{PDB2|1m1a}}, {{PDB2|1p34}}, {{PDB2|1p3a}}, {{PDB2|1p3b}}, {{PDB2|1p3f}}, {{PDB2|1p3g}}, {{PDB2|1p3i}}, {{PDB2|1p3k}}, {{PDB2|1p3l}}, {{PDB2|1p3m}}, {{PDB2|1p3o}}, {{PDB2|1p3p}}, {{PDB2|1q9c}}, {{PDB2|1s32}}, {{PDB2|1tyz}}, {{PDB2|1u35}}, {{PDB2|2aro}}, {{PDB2|2cv5}}, {{PDB2|2hio}}&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
英語名：histone　独：Histon　仏：histone&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]の[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]（染色質）の基本単位である[[wikipedia:ja:ヌクレオソーム|ヌクレオソーム]]（nucleosome）を構成する塩基性タンパク質。[[wikipedia:ja:DNA|DNA]] を核内に収納する役割を担う。通常の細胞を構成しているタンパク質中でヒストンは最も多量に存在しているタンパク質であり、ヌクレオソームはほぼ等量のDNA（200bp（130kDa））とヒストンタンパク質（132kDa）により構成されている。ヒストンとDNAの相互作用は[[wikipedia:ja:遺伝子発現|遺伝子発現]]の最初の段階である[[wikipedia:ja:転写|転写]]に大きな影響を及ぼす&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;岩波生物学辞典 第4版&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;岩波書店&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 分類  ==&lt;br /&gt;
　ヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類に分類される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H1 はリンカーヒストンと呼ばれる。一方、H2A、H2B、H3、H4の4種は、コアヒストンと呼ばれ、それぞれ二分子ずつが集合し、ヒストン八量体を形成する。コアヒストンは比較的小さく11～15kDa、H1ヒストンはやや大きく約21kDaである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは正の電荷をもつ[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]の含有量が高く、各ヒストンのアミノ酸残基の少なくとも20%が[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]または[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]であるため、負の電荷をもったDNA分子に強く結合する。ヒストンの塩基性アミノ酸含量またはリジン/アルギニン比に従い、H1は高リジン型ヒストン、H2A、H2Bはリジン型ヒストン、H3、H4はアルギニン型ヒストンと呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell、中村桂子　監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京電機大学出版局&#039;&#039;:2006&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造==&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．コアヒストンとヌクレオソームの分子構成&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ヌクレオソームはヒストン八量体に146 bp の DNA が左巻きに約1.65回巻き付いた構造である。ヒストン八量体はコアヒストンであるH2A、H2B、H3、H4から形成され、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストン八量体は円柱形で、それぞれのヒストン八量体には146bpのDNAがその表面に1.65回巻き付けられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9305837&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この構造がクロマチン構造の最小単位であるヌクレオソームである。H1 はヌクレオソーム間の DNA に結合する。ヌクレオソーム内ではそれぞれのコアヒストンが二分子ずつ存在するのに対して、H1ヒストンは一分子含まれる &amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;大場義樹&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;クロマチン&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京大学出版会&#039;&#039;:1986&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームを構成するヒストンにはどのコアヒストンにも保存されている領域が存在し、ヒストン型折りたたみドメイン（histone-fold domain）と呼ばれる。この領域はヒストンの中間体の集合に関与し、間に短いループを2つ（L1、L2）もつ3つの[[wikipedia:ja:αヘリックス|αヘリックス]](α1、α2、α3)で構成されている。この領域を介して特定の組み合わせのヒストンが結合する。H3とH4はまずヘテロ二量体を形成し、この二量体同士が結合し、H3、H4各2分子からなる四量体（H3・H4）を形成する。H2A、H2Bは溶液中でヘテロ二量体は形成するが、四量体は形成しない。その後、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する（図1）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームヒストンの構造は球形のカルボキシル末端部分と、直鎖状のアミノ末端部分（ヒストンテール）からなる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7479959&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19217387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（編集コメント：これも図示出来ればと思います）。 ヒストンは多くの[[wikipedia:ja:翻訳後修飾|翻訳後修飾]]可能な残基を持っており、特にヒストンテールの[[セリン]]、リジン、アルギニン残基などは[[リン酸化]]、[[アセチル化]]、[[wikipedia:ja:メチル化|メチル化]]、[[ユビキチン化]]といった化学修飾を受けることが知られている。これらの化学修飾は、遺伝子発現等、数々のクロマチン機能の制御に関わっている（機能の項参照）。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10638745&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11498575&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== DNA鎖の核内への収納  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは真核生物の大きな[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]を細胞[[核]]にはめ込むのに必要な圧縮を可能にし、DNA鎖の核内への収納に関与している。最終的に約2mのDNAは10μm程度の核内に収納される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンの修飾によるクロマチンの制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアミノ末端部分（ヒストンテール）は、さまざまな修飾を受けることによりクロマチンの機能を制御している。その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1、表2、図2）。遺伝子の発現もそのうちのひとつで、このようにゲノムの塩基配列の変化を起こさずに遺伝子の機能を調節する仕組みを[[エピジェネティクス]]という。ヒストン修飾は遺伝子発現制御にとどまらずDNA修復や染色体凝縮（[[有糸分裂]]）、[[wikipedia:ja:精子|精子]]形成（[[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]）などの多様な生物学的プロセスに関与していることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21927517&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、ここでは転写を調節するヒストン修飾の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．代表的なヒストンテール上アミノ酸の修飾&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;それぞれのヒストンコアタンパク質におけるヒストンテールの修飾のうち代表的なものを示した。左端がN末端を示す。ヒストンテールは多様な修飾を受け、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1）。ヒストン修飾は遺伝子の発現制御などに重要な役割を果たしている。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アセチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのアセチル化は細胞内の[[ヒストンアセチル基転移酵素]]（Histone Acetyl Transferase：HAT）により行われる。HATはヒストン中の特定のリジン残基(K)のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））をアミド（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、ヌクレオソーム同士をつないでいるDNA鎖（リンカーDNA）に対して[[転写因子]]や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。ヒストンの脱アセチル化では、この[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]が[[加水分解]]により除去され、元の[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される。ヒストンの脱アセチル化は[[ヒストン脱アセチル化酵素]]（Histone Deacetylase：HDAC）によって行われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのメチル化は主にリジン残基に見られ、ヒストンH3ではK4、K9、K27、K36、K79が、ヒストンH4ではK20がメチル化されることが知られている。これらのメチル化の数は1～3つ（mono～tri）存在し、またそれぞれリン酸化される残基の位置によって転写の活性化に関与するものと抑制に関与するものが存在する。一般的にH3K4、K36、K79は転写活性化に関与し、H3K9、K27、H4K20は転写抑制に関与している。またリジン残基だけでなくアルギニン残基もメチル化され、転写制御に関わることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12101096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11751582&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1：ヒストン修飾とその働き&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;サイト&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;機能&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2A&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[細胞分裂|有糸分裂]]、転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K13 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2B&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アポトーシス]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K15 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;17&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H3&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K4 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ユークロマチン]]形成&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S10 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T11 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化（伸長）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R17 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K18 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、[[wikipedia:ja:DNA修復|DNA修復]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K23 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K27 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[転写サイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S28 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K36 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K56 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K79 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;7&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H4&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K8 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合、[[テロメアサイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K16 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K20 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2：代表的なヒストン修飾酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16533707&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾酵素&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | CBP /p300、[[PCAF]]、[[GCN5]]、[[TIP60]]、[[SAGA]]、[[NuA3]]、[[NuA4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | HDAC、[[SIRT]]、[[NuRD]]、[[SIR2]]複合体、[[Rpd3]]大、Rpd3小&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUV39H1]]、[[G9a]]、[[Ezh2]]、[[SET1]]、[[SET2]]、[[SET7/9]]、[[MLL]]、[[DOT1]]、[[CARM1]]、[[PRMT]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[LSD1]]、[[KDM2]]、[[KDM4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[Aurora Kinase]]、[[MSK1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ユビキチン化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[RING2]]、[[RING1B]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUMO化]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[UBC9]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CARM1: [[coactivator-associatedargininemethyltransferase]]; DOT1: [[DOT1-like,histoneH3methyltransferase]]; Ezh: [[enhancerofzestehomolog]]; G9a: [[euchromatichistone-lysineN-methyltransferase2]]; GCN: [[K(lysine)acetyltransferase]]; KDM: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; LSD: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; MLL: [[myeloid/lymphoidormixed-lineageleukemia]]; MSK1: [[ribosomalproteinS6kinase,90kDa,polypeptide5]]; NuA3: [[nucleosomal acetyltransferase of histone H3]]; NuRD: [[nucleosome remodeling and deacetylase]]; PCAF: [[K(lysine)acetyltransferase2B]]([[KAT2B]]); PRMT: [[proteinargininemethyltransferase]]; RING: [[ringfingerprotein]]; Rpd3: [[reduced potassium dependency 3]]; SAGA: [[Spt-Ada-Gcn5-acetyltransferase]]; SET1: [[SETdomaincontaining]]; SIRT: [[sirtuin]]; SUV39H1: [[suppressorofvariegation3-9homolog]]; TIP60: [[K(lysine)acetyltransferase5]]; UBC9: [[ubiquitin-conjugatingenzymeE2I]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系細胞分化におけるヒストンの修飾の役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類の中枢神経系は、発生段階において共通の[[神経幹細胞]]から[[分化]]・産生される[[ニューロン]]、[[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]]によって構成され、互いに精妙に相互作用することで高度な神経活動が維持されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10688783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アセチル化  ===&lt;br /&gt;
　前述のように、ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、それぞれHAT及びHDACにより行われている。代表的なHATとして[[CBP]]（[[CREB binding protein]]）や[[p300]]が知られている（表2）。p300の欠損マウスやヘテロ欠損マウス、p300とCBP両方のヘテロ欠損マウスでは細胞の増殖や[[神経管]]形成、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]の発達が起こらずに胎生致死となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9590171&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CBPは神経系遺伝子の[[プローター]]領域のヒストンのアセチル化増進を介して[[神経発生]]を制御していることが報告されており、CBPのヘテロ欠損マウスでは胎生期の神経発生異常に起因すると考えられる[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]を引き起こすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20152182&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== ニューロン分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からニューロンへの分化においては[[neuron restrictive silencing factor]]（[[NRSF]], 別名 [[repressor for element-1 silencing transcription factor]]([[REST]]）と呼ばれる[[転写因子]]がニューロン特異的遺伝子の発現を制御していることが知られている。NRSFはニューロン特異的遺伝子のプロモーター上の[[neuron restrictive silencing element]]（[[NRSE]]）と呼ばれる配列に特異的に結合し、そこでHDACやメチル化DNA結合タンパク質である[[methyl CpG binding protein 2]]（[[MeCP2]]）、&lt;br /&gt;
[[co-repressor for REST]]（[[CoREST]]）とよばれる[[コリプレッサー]]の複合体を形成することにより、ニューロン特異的遺伝子の発現を負に制御している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15907476&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== オリゴデンドロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　ヒストンのアセチル化は神経幹細胞からオリゴデンドロサイトの分化にも関与し、その分化はHDACにより大きく影響を受ける。HDACは転写因子[[Yin Yang1]]（[[YY1]]）と強調してオリゴデンドロサイトの発現を抑制する転写調節因子[[inhibition of differentiation 4]]（[[Id4]]）および[[T-cell factor]]（[[TCF]]）を抑制することでオリゴデンドロサイトへの分化を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17640524&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらにHDACは[[Wnt]]の下流の[[β-カテニン]]と拮抗的にTCFと結合し、オリゴデンドロサイト分化を抑制する[[inhibition of differentiation 2]]（[[Id2]]）やId4の発現を阻害することによってもオリゴデンドロサイトの分化を促進させている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19503085&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== HDAC阻害剤によるニューロン分化促進  ====&lt;br /&gt;
　その他にも、成体ラット海馬由来の神経幹細胞に、HDAC阻害剤としての活性を有し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[バルプロ酸]]を作用させると、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進することが報告されている。このニューロン分化促進は、HDACによりその発現が抑制されているニューロン分化を促進する転写因子[[neurogenic differentiation]]（[[NeuroD]]）の発現抑制がHDAC阻害剤であるバルプロ酸により解除されることに起因すると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15537713&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では、このようなHDAC阻害剤によるニューロン分化促進作用を利用した[[脊髄損傷]]の治療への応用的研究や、HDAC阻害剤を中枢神経系の疾患（ルビンシュタイン・テイビ症候群、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[ハンチントン病]]、[[多発性硬化症]]　など）の治療に利用しようとした試みもなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20714104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== メチル化  ===&lt;br /&gt;
　中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は胎生中期にはニューロンへのみ分化し、胎生後期以降にはアストロサイトへの分化能を獲得し、優位にアストロサイトへと分化することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11740937&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この神経幹細胞の発生段階依存的なアストロサイトへの分化能獲得には、DNAのメチル化やヒストンのメチル化などのエピジェネティックなクロマチン修飾が関与することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14770186&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref24&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17603471&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アストロサイト分化  ====&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からアストロサイト特異的タンパク質[[glial fibrillary acidic protein]]（[[GFAP]]）を発現するアストロサイトへの分化は、アストロサイト分化誘導性サイトカインである[[毛様体神経栄養因子]]（[[ciliary neurotrophic factor]]：[[CNTF]]）や[[白血病抑制因子]]（[[leukemia inhibitory factor]]：[[LIF]]）などの[[IL-6 ファミリーサイトカイン]]が重要な役割を果たしており、これらの下流の転写因子である[[single transducer and activator of transcription 3]]（[[STAT3]]）がGFAPのプロモーターに結合することにより誘導される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10205054&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらCNTFやLIFによるアストロサイト分化誘導は[[線維芽細胞増殖因子2]]（[[fibroblast growth factor 2]]：[[FGF2]]）により促進されることが知られている。このFGF2によるアストロサイト分化促進はヒストンのメチル化に起因し、GFAPのプロモーター領域のSTAT3結合領域の近傍でH3K9の脱メチル化かつH3K4のメチル化が誘導されることでクロマチン構造が緩み、CNTFにより活性化されたSTAT3がGFAPのプロモーター領域に結合しやすくなるためであると考えられている&amp;lt;ref name=ref24 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== ニューロン分化の抑制とアストロサイト分化能の獲得  =====&lt;br /&gt;
　上述したように、神経幹細胞は胎生中期でニューロンに分化する性質を獲得し、発生段階が進むにつれ、アストロサイトに分化するように性質が変化する。この神経幹細胞の発生段階依存的であるニューロン分化期からアストロサイトへの分化期の転換にヒストンのメチル化が関与することが報告されており、これは[[ポリコーム群]]（[[PcG]]）や[[トリソラックス群]]（[[TrxG]]）と呼ばれるヒストンのメチル化酵素を含んだタンパク質複合体を介して行われている。PcGは主に遺伝子の抑制に関わるヒストン修飾、TrxGは遺伝子の活性化に関わるヒストンの修飾に関わっており、互いに拮抗することで遺伝子の発現を制御している。これらPcG、TrxGによる遺伝子の発現制御は神経幹細胞を含む多種の幹細胞の維持と分化調節の共通メカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref name=ref26&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19755104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生中期の神経幹細胞では、[[Wnt#β-カテニン経路|Wnt-β-カテニン経路]]の活性化によりニューロン分化を促進する[[Neurogenin1]]（[[Neurog1]]）の発現が誘導されることによりニューロン分化が促進されることが報告されている。アストロサイト分化が優位に起こる胎生後期神経幹細胞においてもWntの作用は受けているが、この時にはNeurog1の発現は誘導されず、ニューロン分化も起こらない。この胎生中期と胎生後期でのWntに対する応答性の違いは、PcGの異なる二つの複合体である[[PRC1]]（[[polycomb repressor complex1]]）、[[PRC2]]により行われるヒストンのメチル化修飾に起因している&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。具体的には、発生段階依存的にNeurog1のプロモーター領域でPRC2の必須構成因子でありH3K27 のメチル化酵素である[[enhancer of homolog 2]]（[[Ezh2]]）によるH3K27のトリメチル化修飾が亢進され、さらにPRC1の構成因子である[[Ring1B]]がH3K27me3を認識して結合することによってNeurog1の発現が抑制されることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。Neurog1はアストロサイトの分化を抑制していることが知られているため、Neurog1の抑制によってアストロサイトの分化は誘導される。このように、ヒストンのメチル化修飾は神経幹細胞のニューロンへの分化の抑制、アストロサイトへの分化能の獲得に重要な役割を果たしている。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化と精神疾患  ====&lt;br /&gt;
　ヒストンのメチル化やメチル化酵素、脱メチル化酵素の働きが脳機能や多くの精神疾患に関与していることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20816965&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21429800&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K4 =====&lt;br /&gt;
　H3K4のメチル化酵素である[[mixed-lineage leukemia 1]]（[[MLL1]]）の変異[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では[[海馬]]の[[可塑性]]やシグナルの異常に伴い、[[学習]]能力と[[記憶]]形成能の低下がみられることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17259173&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20219993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。MLLによるH3K4のメチル化の調節は精神疾患の治療に潜在的な役割を果たすことが示唆されている。[[非定型抗精神病薬]][[クロザピン]]は[[統合失調症]]の治療に使われ、ヒトの[[前頭前野]]において[[GABA]]合成酵素遺伝子の[[Gad1]]/GAD1プロモーター領域でH3K4のトリメチル化を増加させる。MLL1のヘテロマウスでは脳のGad1でのH3K4のメチル化は減少し&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17942719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、統合失調症患者の脳においてもMLL1の発現量が減少していることが知られている。これらのことから、統合失調症などの精神疾患において、MLL1は新たな治療のターゲットとなりうると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K9 =====&lt;br /&gt;
　H3K9のメチル化酵素である[[G9a]] も神経系において重要な役割を果たしていることが報告されている。[[G9a-like protein]]（[[GLP]]/G9aの複合体は成熟ニューロンにおいて非神経性遺伝子やニューロン前駆遺伝子の働きを抑制しており、この複合体の欠損は、学習や意欲、環境への適応などの脳の高次機能に影響を与えることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20005824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その他にも、[[コカイン]]は[[中毒]]性の薬物であり脳内の遺伝子の発現を変化させ、マウスの行動やニューロンの形態に影響を与えることが知られている。このコカインに対する中毒状態のマウスにおいてG9aが抑制されることにより、グローバルなH3K9のメチル化が抑制されることが報告されている。G9aの発現低下は脳の[[側坐核]]ニューロンの[[樹状突起]][[スパイン]]密度を増加させており、これがコカインの嗜好性を増強させている。G9aはコカインに対する嗜好性を低下させ、コカイン中毒を抑制するという点で重要な役割を果たすことが明らかとなっているため、G9aの抑制の解除はコカインへの渇望を抑制するための効果的治療法となりうると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20056891&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===== H3K27 =====&lt;br /&gt;
　H3K27のメチル化は、[[うつ]]様行動の発生に関与することが知られている。マウスに社会的[[ストレス]]を繰り返し与えることによりヒトのうつ患者と同様な行動や神経化学的変化を引き起こす。うつモデルマウスでは海馬の[[脳由来神経栄養因子遺伝子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）プロモーターでのH3K27のメチル化が増加しており、これはうつモデルマウスがストレスのない環境へ移されたとしても持続することが知られている。抗うつ薬である[[イミプラミン]]を投与すると、うつ様行動の解消に加え、BDNFプロモーターのH3K27のメチル化状態がH3K4のメチル化状態やH3のアセチル化に置換される。このクロマチン状態の変化はイミプラミン投与の副産物やうつ様行動が解消された結果生じるものではなく、イミプラミンによるうつ症状改善のメカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16501568&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのため、うつ病治療においてもヒストンのメチル化制御は重要な要因のひとつであるといえる。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに示した例以外にも多くのヒストンメチル化状態やメチル化酵素、脱メチル化酵素が脳機能や精神疾患に関わることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、メチル化やアセチル化などのヒストン修飾は脳の発達や機能にさまざまな役割を果たしており、脳において重要な機構であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エピジェネティクス]]&lt;br /&gt;
*[[メチル化]]&lt;br /&gt;
*[[アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15367</id>
		<title>ヒストン</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15367"/>
		<updated>2012-11-05T05:26:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = Histone&lt;br /&gt;
| Name = Core histone H2A/H2B/H3/H4&lt;br /&gt;
| image = Protein_H2AFJ_PDB_1aoi.png&lt;br /&gt;
| width = &lt;br /&gt;
| caption = [[Protein Data Bank|PDB]] rendering of [[H2AFJ]] based on 1aoi.&lt;br /&gt;
| Pfam = PF00125&lt;br /&gt;
| Pfam_clan = CL0012&lt;br /&gt;
| InterPro = IPR007125&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE=&lt;br /&gt;
| SCOP = 1hio&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family =&lt;br /&gt;
| OPM protein =&lt;br /&gt;
| PDB = {{PDB2|1eqz}}, {{PDB2|1f66}}, {{PDB2|1hq3}}, {{PDB2|1id3}}, {{PDB2|1kx3}}, {{PDB2|1kx4}}, {{PDB2|1kx5}}, {{PDB2|1m18}}, {{PDB2|1m19}}, {{PDB2|1m1a}}, {{PDB2|1p34}}, {{PDB2|1p3a}}, {{PDB2|1p3b}}, {{PDB2|1p3f}}, {{PDB2|1p3g}}, {{PDB2|1p3i}}, {{PDB2|1p3k}}, {{PDB2|1p3l}}, {{PDB2|1p3m}}, {{PDB2|1p3o}}, {{PDB2|1p3p}}, {{PDB2|1q9c}}, {{PDB2|1s32}}, {{PDB2|1tyz}}, {{PDB2|1u35}}, {{PDB2|2aro}}, {{PDB2|2cv5}}, {{PDB2|2hio}}&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
英語名：histone　独：Histon　仏：histone&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]の[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]（染色質）の基本単位である[[wikipedia:ja:ヌクレオソーム|ヌクレオソーム]]（nucleosome）を構成する塩基性タンパク質。[[wikipedia:ja:DNA|DNA]] を核内に収納する役割を担う。通常の細胞を構成しているタンパク質中でヒストンは最も多量に存在しているタンパク質であり、ヌクレオソームはほぼ等量のDNA（200bp（130kDa））とヒストンタンパク質（132kDa）により構成されている。ヒストンとDNAの相互作用は[[wikipedia:ja:遺伝子発現|遺伝子発現]]の最初の段階である[[wikipedia:ja:転写|転写]]に大きな影響を及ぼす&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;岩波生物学辞典 第4版&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;岩波書店&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 分類  ==&lt;br /&gt;
　ヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類に分類される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H1 はリンカーヒストンと呼ばれる。一方、H2A、H2B、H3、H4の4種は、コアヒストンと呼ばれ、それぞれ二分子ずつが集合し、ヒストン八量体を形成する。コアヒストンは比較的小さく11～15kDa、H1ヒストンはやや大きく約21kDaである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは正の電荷をもつ[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]の含有量が高く、各ヒストンのアミノ酸残基の少なくとも20%が[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]または[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]であるため、負の電荷をもったDNA分子に強く結合する。ヒストンの塩基性アミノ酸含量またはリジン/アルギニン比に従い、H1は高リジン型ヒストン、H2A、H2Bはリジン型ヒストン、H3、H4はアルギニン型ヒストンと呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell、中村桂子　監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京電機大学出版局&#039;&#039;:2006&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造==&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．コアヒストンとヌクレオソームの分子構成&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ヌクレオソームはヒストン八量体に146 bp の DNA が左巻きに約1.65回巻き付いた構造である。ヒストン八量体はコアヒストンであるH2A、H2B、H3、H4から形成され、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストン八量体は円柱形で、それぞれのヒストン八量体には146bpのDNAがその表面に1.65回巻き付けられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9305837&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この構造がクロマチン構造の最小単位であるヌクレオソームである。H1 はヌクレオソーム間の DNA に結合する。ヌクレオソーム内ではそれぞれのコアヒストンが二分子ずつ存在するのに対して、H1ヒストンは一分子含まれる &amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;大場義樹&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;クロマチン&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京大学出版会&#039;&#039;:1986&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームを構成するヒストンにはどのコアヒストンにも保存されている領域が存在し、ヒストン型折りたたみドメイン（histone-fold domain）と呼ばれる。この領域はヒストンの中間体の集合に関与し、間に短いループを2つ（L1、L2）もつ3つの[[wikipedia:ja:αヘリックス|αヘリックス]](α1、α2、α3)で構成されている。この領域を介して特定の組み合わせのヒストンが結合する。H3とH4はまずヘテロ二量体を形成し、この二量体同士が結合し、H3、H4各2分子からなる四量体（H3・H4）を形成する。H2A、H2Bは溶液中でヘテロ二量体は形成するが、四量体は形成しない。その後、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する（図1）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームヒストンの構造は球形のカルボキシル末端部分と、直鎖状のアミノ末端部分（ヒストンテール）からなる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7479959&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19217387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（編集コメント：これも図示出来ればと思います）。 ヒストンは多くの[[wikipedia:ja:翻訳後修飾|翻訳後修飾]]可能な残基を持っており、特にヒストンテールの[[セリン]]、リジン、アルギニン残基などは[[リン酸化]]、[[アセチル化]]、[[wikipedia:ja:メチル化|メチル化]]、[[ユビキチン化]]といった化学修飾を受けることが知られている。これらの化学修飾は、遺伝子発現等、数々のクロマチン機能の制御に関わっている（機能の項参照）。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10638745&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11498575&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== DNA鎖の核内への収納  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは真核生物の大きな[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]を細胞[[核]]にはめ込むのに必要な圧縮を可能にし、DNA鎖の核内への収納に関与している。最終的に約2mのDNAは10μm程度の核内に収納される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンの修飾によるクロマチンの制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアミノ末端部分（ヒストンテール）は、さまざまな修飾を受けることによりクロマチンの機能を制御している。その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1、表2、図2）。遺伝子の発現もそのうちのひとつで、このようにゲノムの塩基配列の変化を起こさずに遺伝子の機能を調節する仕組みを[[エピジェネティクス]]という。ヒストン修飾は遺伝子発現制御にとどまらずDNA修復や染色体凝縮（[[有糸分裂]]）、[[wikipedia:ja:精子|精子]]形成（[[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]）などの多様な生物学的プロセスに関与していることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21927517&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、ここでは転写を調節するヒストン修飾の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．代表的なヒストンテール上アミノ酸の修飾&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;それぞれのヒストンコアタンパク質におけるヒストンテールの修飾のうち代表的なものを示した。左端がN末端を示す。ヒストンテールは多様な修飾を受け、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1）。ヒストン修飾は遺伝子の発現制御などに重要な役割を果たしている。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アセチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのアセチル化は細胞内の[[ヒストンアセチル基転移酵素]]（Histone Acetyl Transferase：HAT）により行われる。HATはヒストン中の特定のリジン残基(K)のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））をアミド（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、ヌクレオソーム同士をつないでいるDNA鎖（リンカーDNA）に対して[[転写因子]]や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。ヒストンの脱アセチル化では、この[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]が[[加水分解]]により除去され、元の[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される。ヒストンの脱アセチル化は[[ヒストン脱アセチル化酵素]]（Histone Deacetylase：HDAC）によって行われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのメチル化は主にリジン残基に見られ、ヒストンH3ではK4、K9、K27、K36、K79が、ヒストンH4ではK20がメチル化されることが知られている。これらのメチル化の数は1～3つ（mono～tri）存在し、またそれぞれリン酸化される残基の位置によって転写の活性化に関与するものと抑制に関与するものが存在する。一般的にH3K4、K36、K79は転写活性化に関与し、H3K9、K27、H4K20は転写抑制に関与している。またリジン残基だけでなくアルギニン残基もメチル化され、転写制御に関わることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12101096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11751582&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1：ヒストン修飾とその働き&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;サイト&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;機能&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2A&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[細胞分裂|有糸分裂]]、転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K13 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2B&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アポトーシス]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K15 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;17&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H3&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K4 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ユークロマチン]]形成&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S10 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T11 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化（伸長）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R17 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K18 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、[[wikipedia:ja:DNA修復|DNA修復]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K23 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K27 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[転写サイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S28 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K36 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K56 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K79 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;7&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H4&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K8 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合、[[テロメアサイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K16 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K20 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2：代表的なヒストン修飾酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16533707&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾酵素&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | CBP /p300、[[PCAF]]、[[GCN5]]、[[TIP60]]、[[SAGA]]、[[NuA3]]、[[NuA4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | HDAC、[[SIRT]]、[[NuRD]]、[[SIR2]]複合体、[[Rpd3]]大、Rpd3小&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUV39H1]]、[[G9a]]、[[Ezh2]]、[[SET1]]、[[SET2]]、[[SET7/9]]、[[MLL]]、[[DOT1]]、[[CARM1]]、[[PRMT]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[LSD1]]、[[KDM2]]、[[KDM4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[Aurora Kinase]]、[[MSK1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ユビキチン化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[RING2]]、[[RING1B]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUMO化]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[UBC9]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CARM1: [[coactivator-associatedargininemethyltransferase]]; DOT1: [[DOT1-like,histoneH3methyltransferase]]; Ezh: [[enhancerofzestehomolog]]; G9a: [[euchromatichistone-lysineN-methyltransferase2]]; GCN: [[K(lysine)acetyltransferase]]; KDM: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; LSD: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; MLL: [[myeloid/lymphoidormixed-lineageleukemia]]; MSK1: [[ribosomalproteinS6kinase,90kDa,polypeptide5]]; NuA3: [[nucleosomal acetyltransferase of histone H3]]; NuRD: [[nucleosome remodeling and deacetylase]]; PCAF: [[K(lysine)acetyltransferase2B]]([[KAT2B]]); PRMT: [[proteinargininemethyltransferase]]; RING: [[ringfingerprotein]]; Rpd3: [[reduced potassium dependency 3]]; SAGA: [[Spt-Ada-Gcn5-acetyltransferase]]; SET1: [[SETdomaincontaining]]; SIRT: [[sirtuin]]; SUV39H1: [[suppressorofvariegation3-9homolog]]; TIP60: [[K(lysine)acetyltransferase5]]; UBC9: [[ubiquitin-conjugatingenzymeE2I]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系細胞分化におけるヒストンの修飾の役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類の中枢神経系は、発生段階において共通の[[神経幹細胞]]から[[分化]]・産生される[[ニューロン]]、[[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]]によって構成され、互いに精妙に相互作用することで高度な神経活動が維持されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10688783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アセチル化  ===&lt;br /&gt;
（編集　林　コメント：トピックごとに見出しを付けられないでしょうか？）&lt;br /&gt;
　前述のように、ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、それぞれHAT及びHDACにより行われている。代表的なHATとして[[CBP]]（[[CREB binding protein]]）や[[p300]]が知られている（表2）。p300の欠損マウスやヘテロ欠損マウス、p300とCBP両方のヘテロ欠損マウスでは細胞の増殖や[[神経管]]形成、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]の発達が起こらずに胎生致死となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9590171&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CBPは神経系遺伝子の[[プローター]]領域のヒストンのアセチル化増進を介して[[神経発生]]を制御していることが報告されており、CBPのヘテロ欠損マウスでは胎生期の神経発生異常に起因すると考えられる[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]を引き起こすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20152182&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。神経幹細胞からニューロンへの分化においては[[neuron restrictive silencing factor]]（[[NRSF]], 別名 [[repressor for element-1 silencing transcription factor]]([[REST]]）と呼ばれる[[転写因子]]がニューロン特異的遺伝子の発現を制御していることが知られている。NRSFはニューロン特異的遺伝子のプロモーター上の[[neuron restrictive silencing element]]（[[NRSE]]）と呼ばれる配列に特異的に結合し、そこでHDACやメチル化DNA結合タンパク質である[[methyl CpG binding protein 2]]（[[MeCP2]]）、&lt;br /&gt;
[[co-repressor for REST]]（[[CoREST]]）とよばれる[[コリプレッサー]]の複合体を形成することにより、ニューロン特異的遺伝子の発現を負に制御している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15907476&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアセチル化は神経幹細胞からオリゴデンドロサイトの分化にも関与し、その分化はHDACにより大きく影響を受ける。HDACは転写因子[[Yin Yang1]]（[[YY1]]）と強調してオリゴデンドロサイトの発現を抑制する転写調節因子[[inhibition of differentiation 4]]（[[Id4]]）および[[T-cell factor]]（[[TCF]]）を抑制することでオリゴデンドロサイトへの分化を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17640524&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらにHDACは[[Wnt]]の下流の[[β-カテニン]]と拮抗的にTCFと結合し、オリゴデンドロサイト分化を抑制する[[inhibition of differentiation 2]]（[[Id2]]）やId4の発現を阻害することによってもオリゴデンドロサイトの分化を促進させている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19503085&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その他にも、成体ラット海馬由来の神経幹細胞に、HDAC阻害剤としての活性を有し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[バルプロ酸]]を作用させると、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進することが報告されている。このニューロン分化促進は、HDACによりその発現が抑制されているニューロン分化を促進する転写因子[[neurogenic differentiation]]（[[NeuroD]]）の発現抑制がHDAC阻害剤であるバルプロ酸により解除されることに起因すると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15537713&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では、このようなHDAC阻害剤によるニューロン分化促進作用を利用した[[脊髄損傷]]の治療への応用的研究や、HDAC阻害剤を中枢神経系の疾患（ルビンシュタイン・テイビ症候群、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[ハンチントン病]]、[[多発性硬化症]]　など）の治療に利用しようとした試みもなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20714104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== メチル化  ===&lt;br /&gt;
（編集　林　コメント：トピックごとに見出しを付けられないでしょうか？）&lt;br /&gt;
　中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は胎生中期にはニューロンへのみ分化し、胎生後期以降にはアストロサイトへの分化能を獲得し、優位にアストロサイトへと分化することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11740937&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この神経幹細胞の発生段階依存的なアストロサイトへの分化能獲得には、DNAのメチル化やヒストンのメチル化などのエピジェネティックなクロマチン修飾が関与することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14770186&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref24&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17603471&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からアストロサイト特異的タンパク質[[glial fibrillary acidic protein]]（[[GFAP]]）を発現するアストロサイトへの分化は、アストロサイト分化誘導性サイトカインである[[毛様体神経栄養因子]]（[[ciliary neurotrophic factor]]：[[CNTF]]）や[[白血病抑制因子]]（[[leukemia inhibitory factor]]：[[LIF]]）などの[[IL-6 ファミリーサイトカイン]]が重要な役割を果たしており、これらの下流の転写因子である[[single transducer and activator of transcription 3]]（[[STAT3]]）がGFAPのプロモーターに結合することにより誘導される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10205054&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらCNTFやLIFによるアストロサイト分化誘導は[[線維芽細胞増殖因子2]]（[[fibroblast growth factor 2]]：[[FGF2]]）により促進されることが知られている。このFGF2によるアストロサイト分化促進はヒストンのメチル化に起因し、GFAPのプロモーター領域のSTAT3結合領域の近傍でH3K9の脱メチル化かつH3K4のメチル化が誘導されることでクロマチン構造が緩み、CNTFにより活性化されたSTAT3がGFAPのプロモーター領域に結合しやすくなるためであると考えられている&amp;lt;ref name=ref24 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上述したように、神経幹細胞は胎生中期でニューロンに分化する性質を獲得し、発生段階が進むにつれ、アストロサイトに分化するように性質が変化する。この神経幹細胞の発生段階依存的であるニューロン分化期からアストロサイトへの分化期の転換にヒストンのメチル化が関与することが報告されており、これは[[ポリコーム群]]（[[PcG]]）や[[トリソラックス群]]（[[TrxG]]）と呼ばれるヒストンのメチル化酵素を含んだタンパク質複合体を介して行われている。PcGは主に遺伝子の抑制に関わるヒストン修飾、TrxGは遺伝子の活性化に関わるヒストンの修飾に関わっており、互いに拮抗することで遺伝子の発現を制御している。これらPcG、TrxGによる遺伝子の発現制御は神経幹細胞を含む多種の幹細胞の維持と分化調節の共通メカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref name=ref26&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19755104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生中期の神経幹細胞では、[[Wnt#β-カテニン経路|Wnt-β-カテニン経路]]の活性化によりニューロン分化を促進する[[Neurogenin1]]（[[Neurog1]]）の発現が誘導されることによりニューロン分化が促進されることが報告されている。アストロサイト分化が優位に起こる胎生後期神経幹細胞においてもWntの作用は受けているが、この時にはNeurog1の発現は誘導されず、ニューロン分化も起こらない。この胎生中期と胎生後期でのWntに対する応答性の違いは、PcGの異なる二つの複合体である[[PRC1]]（[[polycomb repressor complex1]]）、[[PRC2]]により行われるヒストンのメチル化修飾に起因している&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。具体的には、発生段階依存的にNeurog1のプロモーター領域でPRC2の必須構成因子でありH3K27 のメチル化酵素である[[enhancer of homolog 2]]（[[Ezh2]]）によるH3K27のトリメチル化修飾が亢進され、さらにPRC1の構成因子である[[Ring1B]]がH3K27me3を認識して結合することによってNeurog1の発現が抑制されることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。Neurog1はアストロサイトの分化を抑制していることが知られているため、Neurog1の抑制によってアストロサイトの分化は誘導される。このように、ヒストンのメチル化修飾は神経幹細胞のニューロンへの分化の抑制、アストサイトへの分化能の獲得に重要な役割を果たしている。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、ヒストンのメチル化やメチル化酵素、脱メチル化酵素の働きが脳機能や多くの精神疾患に関与していることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20816965&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21429800&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。H3K4のメチル化酵素である[[mixed-lineage leukemia 1]]（[[MLL1）の変異[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では[[海馬]]の[[可塑性]]やシグナルの異常に伴い、[[学習]]能力と[[記憶]]形成能の低下がみられることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17259173&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20219993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。MLLによるH3K4のメチル化の調節は精神疾患の治療に潜在的な役割を果たすことが示唆されている。[[非定型抗精神病薬]][[クロザピン]]は[[統合失調症]]の治療に使われ、ヒトの[[前頭前野]]において[[GABA]]合成酵素遺伝子の[[Gad1]]/GAD1プロモーター領域でH3K4のトリメチル化を増加させる。MLL1のヘテロマウスでは脳のGad1でのH3K4のメチル化は減少し&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17942719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、統合失調症患者の脳においてもMLL1の発現量が減少していることが知られている。これらのことから、統合失調症などの精神疾患において、MLL1は新たな治療のターゲットとなりうると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H3K9のメチル化酵素である[[G9a]] も神経系において重要な役割を果たしていることが報告されている。[[G9a-like protein]]（[[GLP]]/G9aの複合体は成熟ニューロンにおいて非神経性遺伝子やニューロン前駆遺伝子の働きを抑制しており、この複合体の欠損は、学習や意欲、環境への適応などの脳の高次機能に影響を与えることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20005824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その他にも、[[コカイン]]は[[中毒]]性の薬物であり脳内の遺伝子の発現を変化させ、マウスの行動やニューロンの形態に影響を与えることが知られている。このコカインに対する中毒状態のマウスにおいてG9aが抑制されることにより、グローバルなH3K9のメチル化が抑制されることが報告されている。G9aの発現低下は脳の[[側坐核]]ニューロンの[[樹状突起]][[スパイン]]密度を増加させており、これがコカインの嗜好性を増強させている。G9aはコカインに対する嗜好性を低下させ、コカイン中毒を抑制するという点で重要な役割を果たすことが明らかとなっているため、G9aの抑制の解除はコカインへの渇望を抑制するための効果的治療法となりうると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20056891&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H3K27のメチル化は、[[うつ]]様行動の発生に関与することが知られている。マウスに社会的[[ストレス]]を繰り返し与えることによりヒトのうつ患者と同様な行動や神経化学的変化を引き起こす。うつモデルマウスでは海馬の[[脳由来神経栄養因子遺伝子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）プロモーターでのH3K27のメチル化が増加しており、これはうつモデルマウスがストレスのない環境へ移されたとしても持続することが知られている。抗うつ薬である[[イミプラミン]]を投与すると、うつ様行動の解消に加え、BDNFプロモーターのH3K27のメチル化状態がH3K4のメチル化状態やH3のアセチル化に置換される。このクロマチン状態の変化はイミプラミン投与の副産物やうつ様行動が解消された結果生じるものではなく、イミプラミンによるうつ症状改善のメカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16501568&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのため、うつ病治療においてもヒストンのメチル化制御は重要な要因のひとつであるといえる。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに示した例以外にも多くのヒストンメチル化状態やメチル化酵素、脱メチル化酵素が脳機能や精神疾患に関わることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、メチル化やアセチル化などのヒストン修飾は脳の発達や機能にさまざまな役割を果たしており、脳において重要な機構であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エピジェネティクス]]&lt;br /&gt;
*[[メチル化]]&lt;br /&gt;
*[[アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15365</id>
		<title>ヒストン</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3&amp;diff=15365"/>
		<updated>2012-11-05T05:21:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Kinichinakashima: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = Histone&lt;br /&gt;
| Name = Core histone H2A/H2B/H3/H4&lt;br /&gt;
| image = Protein_H2AFJ_PDB_1aoi.png&lt;br /&gt;
| width = &lt;br /&gt;
| caption = [[Protein Data Bank|PDB]] rendering of [[H2AFJ]] based on 1aoi.&lt;br /&gt;
| Pfam = PF00125&lt;br /&gt;
| Pfam_clan = CL0012&lt;br /&gt;
| InterPro = IPR007125&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE=&lt;br /&gt;
| SCOP = 1hio&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family =&lt;br /&gt;
| OPM protein =&lt;br /&gt;
| PDB = {{PDB2|1eqz}}, {{PDB2|1f66}}, {{PDB2|1hq3}}, {{PDB2|1id3}}, {{PDB2|1kx3}}, {{PDB2|1kx4}}, {{PDB2|1kx5}}, {{PDB2|1m18}}, {{PDB2|1m19}}, {{PDB2|1m1a}}, {{PDB2|1p34}}, {{PDB2|1p3a}}, {{PDB2|1p3b}}, {{PDB2|1p3f}}, {{PDB2|1p3g}}, {{PDB2|1p3i}}, {{PDB2|1p3k}}, {{PDB2|1p3l}}, {{PDB2|1p3m}}, {{PDB2|1p3o}}, {{PDB2|1p3p}}, {{PDB2|1q9c}}, {{PDB2|1s32}}, {{PDB2|1tyz}}, {{PDB2|1u35}}, {{PDB2|2aro}}, {{PDB2|2cv5}}, {{PDB2|2hio}}&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
英語名：histone　独：Histon　仏：histone&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]の[[wikipedia:ja:クロマチン|クロマチン]]（染色質）の基本単位である[[wikipedia:ja:ヌクレオソーム|ヌクレオソーム]]（nucleosome）を構成する塩基性タンパク質。[[wikipedia:ja:DNA|DNA]] を核内に収納する役割を担う。通常の細胞を構成しているタンパク質中でヒストンは最も多量に存在しているタンパク質であり、ヌクレオソームはほぼ等量のDNA（200bp（130kDa））とヒストンタンパク質（132kDa）により構成されている。ヒストンとDNAの相互作用は[[wikipedia:ja:遺伝子発現|遺伝子発現]]の最初の段階である[[wikipedia:ja:転写|転写]]に大きな影響を及ぼす&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;八杉龍一、小関治男、古谷雅樹、日高敏隆&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;岩波生物学辞典 第4版&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;岩波書店&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 分類  ==&lt;br /&gt;
　ヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類に分類される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H1 はリンカーヒストンと呼ばれる。一方、H2A、H2B、H3、H4の4種は、コアヒストンと呼ばれ、それぞれ二分子ずつが集合し、ヒストン八量体を形成する。コアヒストンは比較的小さく11～15kDa、H1ヒストンはやや大きく約21kDaである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは正の電荷をもつ[[wikipedia:ja:アミノ酸|アミノ酸]]の含有量が高く、各ヒストンのアミノ酸残基の少なくとも20%が[[wikipedia:ja:リジン|リジン]]または[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]であるため、負の電荷をもったDNA分子に強く結合する。ヒストンの塩基性アミノ酸含量またはリジン/アルギニン比に従い、H1は高リジン型ヒストン、H2A、H2Bはリジン型ヒストン、H3、H4はアルギニン型ヒストンと呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell、中村桂子　監訳&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京電機大学出版局&#039;&#039;:2006&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造==&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 1.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図1．コアヒストンとヌクレオソームの分子構成&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;ヌクレオソームはヒストン八量体に146 bp の DNA が左巻きに約1.65回巻き付いた構造である。ヒストン八量体はコアヒストンであるH2A、H2B、H3、H4から形成され、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する。]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストン八量体は円柱形で、それぞれのヒストン八量体には146bpのDNAがその表面に1.65回巻き付けられている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9305837&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この構造がクロマチン構造の最小単位であるヌクレオソームである。H1 はヌクレオソーム間の DNA に結合する。ヌクレオソーム内ではそれぞれのコアヒストンが二分子ずつ存在するのに対して、H1ヒストンは一分子含まれる &amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;大場義樹&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;クロマチン&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;東京大学出版会&#039;&#039;:1986&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームを構成するヒストンにはどのコアヒストンにも保存されている領域が存在し、ヒストン型折りたたみドメイン（histone-fold domain）と呼ばれる。この領域はヒストンの中間体の集合に関与し、間に短いループを2つ（L1、L2）もつ3つの[[wikipedia:ja:αヘリックス|αヘリックス]](α1、α2、α3)で構成されている。この領域を介して特定の組み合わせのヒストンが結合する。H3とH4はまずヘテロ二量体を形成し、この二量体同士が結合し、H3、H4各2分子からなる四量体（H3・H4）を形成する。H2A、H2Bは溶液中でヘテロ二量体は形成するが、四量体は形成しない。その後、H3-H4四量体がDNAに結合し、そこに2個のH2A・H2Bが結合することによってヌクレオソームが完成する（図1）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヌクレオソームヒストンの構造は球形のカルボキシル末端部分と、直鎖状のアミノ末端部分（ヒストンテール）からなる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7479959&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19217387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（編集コメント：これも図示出来ればと思います）。 ヒストンは多くの[[wikipedia:ja:翻訳後修飾|翻訳後修飾]]可能な残基を持っており、特にヒストンテールの[[セリン]]、リジン、アルギニン残基などは[[リン酸化]]、[[アセチル化]]、[[wikipedia:ja:メチル化|メチル化]]、[[ユビキチン化]]といった化学修飾を受けることが知られている。これらの化学修飾は、遺伝子発現等、数々のクロマチン機能の制御に関わっている（機能の項参照）。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10638745&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11498575&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 機能  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== DNA鎖の核内への収納  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンは真核生物の大きな[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]を細胞[[核]]にはめ込むのに必要な圧縮を可能にし、DNA鎖の核内への収納に関与している。最終的に約2mのDNAは10μm程度の核内に収納される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ヒストンの修飾によるクロマチンの制御  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアミノ末端部分（ヒストンテール）は、さまざまな修飾を受けることによりクロマチンの機能を制御している。その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1、表2、図2）。遺伝子の発現もそのうちのひとつで、このようにゲノムの塩基配列の変化を起こさずに遺伝子の機能を調節する仕組みを[[エピジェネティクス]]という。ヒストン修飾は遺伝子発現制御にとどまらずDNA修復や染色体凝縮（[[有糸分裂]]）、[[wikipedia:ja:精子|精子]]形成（[[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]）などの多様な生物学的プロセスに関与していることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21927517&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、ここでは転写を調節するヒストン修飾の例を以下に示す。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Kinichinakashima fig 2.png|thumb|350px|&#039;&#039;&#039;図2．代表的なヒストンテール上アミノ酸の修飾&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;それぞれのヒストンコアタンパク質におけるヒストンテールの修飾のうち代表的なものを示した。左端がN末端を示す。ヒストンテールは多様な修飾を受け、その影響は修飾の種類や部位によって決まる（表1）。ヒストン修飾は遺伝子の発現制御などに重要な役割を果たしている。]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== アセチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのアセチル化は細胞内の[[ヒストンアセチル基転移酵素]]（Histone Acetyl Transferase：HAT）により行われる。HATはヒストン中の特定のリジン残基(K)のアミノ基（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;（-NH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;&amp;lt;sup&amp;gt;+&amp;lt;/sup&amp;gt;））をアミド（-NHCOCH&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;）に変換することにより電荷を中和し、ヒストン-DNA間の結合を部分的に弱める。これにより、ヌクレオソーム同士をつないでいるDNA鎖（リンカーDNA）に対して[[転写因子]]や[[wikipedia:ja:RNAポリメラーゼ|RNAポリメラーゼ]]がより結合しやすい状態になり、結果として転写が活性化される。ヒストンの脱アセチル化では、この[[wikipedia:ja:アセチル基|アセチル基]]が[[加水分解]]により除去され、元の[[wikipedia:ja:アミノ基|アミノ基]]に戻ることによりヒストンへのDNAの巻きつきが強められ転写が抑制される。ヒストンの脱アセチル化は[[ヒストン脱アセチル化酵素]]（Histone Deacetylase：HDAC）によって行われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==== メチル化  ====&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
:ヒストンのメチル化は主にリジン残基に見られ、ヒストンH3ではK4、K9、K27、K36、K79が、ヒストンH4ではK20がメチル化されることが知られている。これらのメチル化の数は1～3つ（mono～tri）存在し、またそれぞれリン酸化される残基の位置によって転写の活性化に関与するものと抑制に関与するものが存在する。一般的にH3K4、K36、K79は転写活性化に関与し、H3K9、K27、H4K20は転写抑制に関与している。またリジン残基だけでなくアルギニン残基もメチル化され、転写制御に関わることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12101096&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11751582&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表1：ヒストン修飾とその働き&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;サイト&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;機能&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2A&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[細胞分裂|有糸分裂]]、転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K13 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;4&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H2B&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[アポトーシス]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K15 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;17&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H3&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[wikipedia:ja:減数分裂|減数分裂]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K4 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[ユークロマチン]]形成&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K9 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写抑制&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S10 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | T11 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K14 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化（伸長）&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R17 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K18 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、[[wikipedia:ja:DNA修復|DNA修復]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K23 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;2&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K27 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[転写サイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S28 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K36 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K56 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K79 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写伸長&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| rowspan=&amp;quot;7&amp;quot; style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;H4&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | S1 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 有糸分裂&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | R3 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K5 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K8 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ヒストンのDNAへの結合、[[テロメアサイレンシング]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K12 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化、DNA修復&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K16 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写サイレンシング&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | K20 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 転写活性化&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{| border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;left&amp;quot;&lt;br /&gt;
|+ &#039;&#039;&#039;表2：代表的なヒストン修飾酵素&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16533707&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | &#039;&#039;&#039;ヒストン修飾酵素&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | CBP /p300、[[PCAF]]、[[GCN5]]、[[TIP60]]、[[SAGA]]、[[NuA3]]、[[NuA4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱アセチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | HDAC、[[SIRT]]、[[NuRD]]、[[SIR2]]複合体、[[Rpd3]]大、Rpd3小&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUV39H1]]、[[G9a]]、[[Ezh2]]、[[SET1]]、[[SET2]]、[[SET7/9]]、[[MLL]]、[[DOT1]]、[[CARM1]]、[[PRMT]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | 脱メチル化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[LSD1]]、[[KDM2]]、[[KDM4]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | リン酸化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[Aurora Kinase]]、[[MSK1]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | ユビキチン化 &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[RING2]]、[[RING1B]]&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[SUMO化]] &lt;br /&gt;
| style=&amp;quot;text-align:center&amp;quot; | [[UBC9]]&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CARM1: [[coactivator-associatedargininemethyltransferase]]; DOT1: [[DOT1-like,histoneH3methyltransferase]]; Ezh: [[enhancerofzestehomolog]]; G9a: [[euchromatichistone-lysineN-methyltransferase2]]; GCN: [[K(lysine)acetyltransferase]]; KDM: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; LSD: [[lysine(K)-specificdemethylase]]; MLL: [[myeloid/lymphoidormixed-lineageleukemia]]; MSK1: [[ribosomalproteinS6kinase,90kDa,polypeptide5]]; NuA3: [[nucleosomal acetyltransferase of histone H3]]; NuRD: [[nucleosome remodeling and deacetylase]]; PCAF: [[K(lysine)acetyltransferase2B]]([[KAT2B]]); PRMT: [[proteinargininemethyltransferase]]; RING: [[ringfingerprotein]]; Rpd3: [[reduced potassium dependency 3]]; SAGA: [[XXXXXXXXX]]; SET1: [[SETdomaincontaining]]; SIRT: [[sirtuin]]; SUV39H1: [[suppressorofvariegation3-9homolog]]; TIP60: [[K(lysine)acetyltransferase5]]; UBC9: [[ubiquitin-conjugatingenzymeE2I]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系細胞分化におけるヒストンの修飾の役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類の中枢神経系は、発生段階において共通の[[神経幹細胞]]から[[分化]]・産生される[[ニューロン]]、[[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]]によって構成され、互いに精妙に相互作用することで高度な神経活動が維持されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10688783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アセチル化  ===&lt;br /&gt;
（編集　林　コメント：トピックごとに見出しを付けられないでしょうか？）&lt;br /&gt;
　前述のように、ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、それぞれHAT及びHDACにより行われている。代表的なHATとして[[CBP]]（[[CREB binding protein]]）や[[p300]]が知られている（表2）。p300の欠損マウスやヘテロ欠損マウス、p300とCBP両方のヘテロ欠損マウスでは細胞の増殖や[[神経管]]形成、[[wikipedia:ja:心臓|心臓]]の発達が起こらずに胎生致死となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;9590171&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、CBPは神経系遺伝子の[[プローター]]領域のヒストンのアセチル化増進を介して[[神経発生]]を制御していることが報告されており、CBPのヘテロ欠損マウスでは胎生期の神経発生異常に起因すると考えられる[[ルビンシュタイン・テイビ症候群]]を引き起こすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20152182&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。神経幹細胞からニューロンへの分化においては[[neuron restrictive silencing factor]]（[[NRSF]], 別名 [[repressor for element-1 silencing transcription factor]]([[REST]]）と呼ばれる[[転写因子]]がニューロン特異的遺伝子の発現を制御していることが知られている。NRSFはニューロン特異的遺伝子のプロモーター上の[[neuron restrictive silencing element]]（[[NRSE]]）と呼ばれる配列に特異的に結合し、そこでHDACやメチル化DNA結合タンパク質である[[methyl CpG binding protein 2]]（[[MeCP2]]）、&lt;br /&gt;
[[co-repressor for REST]]（[[CoREST]]）とよばれる[[コリプレッサー]]の複合体を形成することにより、ニューロン特異的遺伝子の発現を負に制御している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15907476&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒストンのアセチル化は神経幹細胞からオリゴデンドロサイトの分化にも関与し、その分化はHDACにより大きく影響を受ける。HDACは転写因子[[Yin Yang1]]（[[YY1]]）と強調してオリゴデンドロサイトの発現を抑制する転写調節因子[[inhibition of differentiation 4]]（[[Id4]]）および[[T-cell factor]]（[[TCF]]）を抑制することでオリゴデンドロサイトへの分化を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17640524&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらにHDACは[[Wnt]]の下流の[[β-カテニン]]と拮抗的にTCFと結合し、オリゴデンドロサイト分化を抑制する[[inhibition of differentiation 2]]（[[Id2]]）やId4の発現を阻害することによってもオリゴデンドロサイトの分化を促進させている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19503085&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その他にも、成体ラット海馬由来の神経幹細胞に、HDAC阻害剤としての活性を有し、[[抗てんかん薬]]として知られる[[バルプロ酸]]を作用させると、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進することが報告されている。このニューロン分化促進は、HDACによりその発現が抑制されているニューロン分化を促進する転写因子[[neurogenic differentiation]]（[[NeuroD]]）の発現抑制がHDAC阻害剤であるバルプロ酸により解除されることに起因すると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15537713&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。最近では、このようなHDAC阻害剤によるニューロン分化促進作用を利用した[[脊髄損傷]]の治療への応用的研究や、HDAC阻害剤を中枢神経系の疾患（ルビンシュタイン・テイビ症候群、[[レット症候群]]、[[フリードリッヒ運動失調症]]、[[ハンチントン病]]、[[多発性硬化症]]　など）の治療に利用しようとした試みもなされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20714104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18827828&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== メチル化  ===&lt;br /&gt;
（編集　林　コメント：トピックごとに見出しを付けられないでしょうか？）&lt;br /&gt;
　中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は胎生中期にはニューロンへのみ分化し、胎生後期以降にはアストロサイトへの分化能を獲得し、優位にアストロサイトへと分化することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11740937&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この神経幹細胞の発生段階依存的なアストロサイトへの分化能獲得には、DNAのメチル化やヒストンのメチル化などのエピジェネティックなクロマチン修飾が関与することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14770186&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref24&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17603471&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経幹細胞からアストロサイト特異的タンパク質[[glial fibrillary acidic protein]]（[[GFAP]]）を発現するアストロサイトへの分化は、アストロサイト分化誘導性サイトカインである[[毛様体神経栄養因子]]（[[ciliary neurotrophic factor]]：[[CNTF]]）や[[白血病抑制因子]]（[[leukemia inhibitory factor]]：[[LIF]]）などの[[IL-6 ファミリーサイトカイン]]が重要な役割を果たしており、これらの下流の転写因子である[[single transducer and activator of transcription 3]]（[[STAT3]]）がGFAPのプロモーターに結合することにより誘導される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10205054&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらCNTFやLIFによるアストロサイト分化誘導は[[線維芽細胞増殖因子2]]（[[fibroblast growth factor 2]]：[[FGF2]]）により促進されることが知られている。このFGF2によるアストロサイト分化促進はヒストンのメチル化に起因し、GFAPのプロモーター領域のSTAT3結合領域の近傍でH3K9の脱メチル化かつH3K4のメチル化が誘導されることでクロマチン構造が緩み、CNTFにより活性化されたSTAT3がGFAPのプロモーター領域に結合しやすくなるためであると考えられている&amp;lt;ref name=ref24 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上述したように、神経幹細胞は胎生中期でニューロンに分化する性質を獲得し、発生段階が進むにつれ、アストロサイトに分化するように性質が変化する。この神経幹細胞の発生段階依存的であるニューロン分化期からアストロサイトへの分化期の転換にヒストンのメチル化が関与することが報告されており、これは[[ポリコーム群]]（[[PcG]]）や[[トリソラックス群]]（[[TrxG]]）と呼ばれるヒストンのメチル化酵素を含んだタンパク質複合体を介して行われている。PcGは主に遺伝子の抑制に関わるヒストン修飾、TrxGは遺伝子の活性化に関わるヒストンの修飾に関わっており、互いに拮抗することで遺伝子の発現を制御している。これらPcG、TrxGによる遺伝子の発現制御は神経幹細胞を含む多種の幹細胞の維持と分化調節の共通メカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref name=ref26&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19755104&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生中期の神経幹細胞では、[[Wnt#β-カテニン経路|Wnt-β-カテニン経路]]の活性化によりニューロン分化を促進する[[Neurogenin1]]（[[Neurog1]]）の発現が誘導されることによりニューロン分化が促進されることが報告されている。アストロサイト分化が優位に起こる胎生後期神経幹細胞においてもWntの作用は受けているが、この時にはNeurog1の発現は誘導されず、ニューロン分化も起こらない。この胎生中期と胎生後期でのWntに対する応答性の違いは、PcGの異なる二つの複合体である[[PRC1]]（[[polycomb repressor complex1]]）、[[PRC2]]により行われるヒストンのメチル化修飾に起因している&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。具体的には、発生段階依存的にNeurog1のプロモーター領域でPRC2の必須構成因子でありH3K27 のメチル化酵素である[[enhancer of homolog 2]]（[[Ezh2]]）によるH3K27のトリメチル化修飾が亢進され、さらにPRC1の構成因子である[[Ring1B]]がH3K27me3を認識して結合することによってNeurog1の発現が抑制されることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref26 /&amp;gt;。Neurog1はアストロサイトの分化を抑制していることが知られているため、Neurog1の抑制によってアストロサイトの分化は誘導される。このように、ヒストンのメチル化修飾は神経幹細胞のニューロンへの分化の抑制、アストサイトへの分化能の獲得に重要な役割を果たしている。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、ヒストンのメチル化やメチル化酵素、脱メチル化酵素の働きが脳機能や多くの精神疾患に関与していることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20816965&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21429800&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。H3K4のメチル化酵素である[[mixed-lineage leukemia 1]]（[[MLL1）の変異[[wikipedia:ja:マウス|マウス]]では[[海馬]]の[[可塑性]]やシグナルの異常に伴い、[[学習]]能力と[[記憶]]形成能の低下がみられることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17259173&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20219993&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。MLLによるH3K4のメチル化の調節は精神疾患の治療に潜在的な役割を果たすことが示唆されている。[[非定型抗精神病薬]][[クロザピン]]は[[統合失調症]]の治療に使われ、ヒトの[[前頭前野]]において[[GABA]]合成酵素遺伝子の[[Gad1]]/GAD1プロモーター領域でH3K4のトリメチル化を増加させる。MLL1のヘテロマウスでは脳のGad1でのH3K4のメチル化は減少し&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17942719&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、統合失調症患者の脳においてもMLL1の発現量が減少していることが知られている。これらのことから、統合失調症などの精神疾患において、MLL1は新たな治療のターゲットとなりうると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H3K9のメチル化酵素である[[G9a]] も神経系において重要な役割を果たしていることが報告されている。[[G9a-like protein]]（[[GLP]]/G9aの複合体は成熟ニューロンにおいて非神経性遺伝子やニューロン前駆遺伝子の働きを抑制しており、この複合体の欠損は、学習や意欲、環境への適応などの脳の高次機能に影響を与えることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20005824&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その他にも、[[コカイン]]は[[中毒]]性の薬物であり脳内の遺伝子の発現を変化させ、マウスの行動やニューロンの形態に影響を与えることが知られている。このコカインに対する中毒状態のマウスにおいてG9aが抑制されることにより、グローバルなH3K9のメチル化が抑制されることが報告されている。G9aの発現低下は脳の[[側坐核]]ニューロンの[[樹状突起]][[スパイン]]密度を増加させており、これがコカインの嗜好性を増強させている。G9aはコカインに対する嗜好性を低下させ、コカイン中毒を抑制するという点で重要な役割を果たすことが明らかとなっているため、G9aの抑制の解除はコカインへの渇望を抑制するための効果的治療法となりうると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20056891&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　H3K27のメチル化は、[[うつ]]様行動の発生に関与することが知られている。マウスに社会的[[ストレス]]を繰り返し与えることによりヒトのうつ患者と同様な行動や神経化学的変化を引き起こす。うつモデルマウスでは海馬の[[脳由来神経栄養因子遺伝子]]（[[brain-derived neurotrophic factor]]：[[BDNF]]）プロモーターでのH3K27のメチル化が増加しており、これはうつモデルマウスがストレスのない環境へ移されたとしても持続することが知られている。抗うつ薬である[[イミプラミン]]を投与すると、うつ様行動の解消に加え、BDNFプロモーターのH3K27のメチル化状態がH3K4のメチル化状態やH3のアセチル化に置換される。このクロマチン状態の変化はイミプラミン投与の副産物やうつ様行動が解消された結果生じるものではなく、イミプラミンによるうつ症状改善のメカニズムのひとつであると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16501568&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのため、うつ病治療においてもヒストンのメチル化制御は重要な要因のひとつであるといえる。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ここに示した例以外にも多くのヒストンメチル化状態やメチル化酵素、脱メチル化酵素が脳機能や精神疾患に関わることが報告されている&amp;lt;ref name=ref27 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref28 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、メチル化やアセチル化などのヒストン修飾は脳の発達や機能にさまざまな役割を果たしており、脳において重要な機構であるといえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エピジェネティクス]]&lt;br /&gt;
*[[メチル化]]&lt;br /&gt;
*[[アセチル化]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：村尾直哉、中島欽一　担当編集委員：村上富士夫）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Kinichinakashima</name></author>
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