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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-05-20T09:18:48Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T02:07:55Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は比較的高い遺伝率を示すものが多く、程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えている。治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH遺伝子多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、これまで注目されていなかった遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1遺伝子がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患に対する効果量の大きい多型がほとんどないことから、遺伝疫学的解析により推定された比較的高い遺伝率を疑問視する見解もあるが、分子遺伝学的所見は以前推定されていた遺伝率を確認しつつあるとする見解もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23628988 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T02:04:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は比較的高い遺伝率を示すものが多く、程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えている。治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患に対する効果量の大きい多型がほとんどないことから、遺伝疫学的解析により推定された比較的高い遺伝率を疑問視する見解もあるが、分子遺伝学的所見は以前推定されていた遺伝率を確認しつつあるとする見解もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23628988 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T02:02:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は比較的高い遺伝率を示すものが多く、程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えている。治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患に対する効果量の大きい多型がほとんどないことから、遺伝疫学的解析により推定された比較的高い遺伝率を疑問視する見解もあるが、分子遺伝学的所見は以前推定されていた遺伝率を確認しつつある&amp;amp;lt;ref&amp;amp;gt;&amp;amp;lt;pubmed&amp;amp;gt; 23628988&amp;amp;nbsp;&amp;amp;lt;/pubmed&amp;amp;gt;&amp;amp;lt;/ref&amp;amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20070</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20070"/>
		<updated>2013-05-04T02:01:10Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は比較的高い遺伝率を示すものが多く、程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えている。治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患に対する効果量の大きい多型がほとんどないことから、遺伝疫学的解析により推定された比較的高い遺伝率を疑問視する見解もあるが、分子遺伝学的所見は以前推定されていた遺伝率を確認しつつある&amp;amp;lt;ref&amp;amp;gt;&amp;amp;lt;pubmed&amp;amp;gt; 23628988&amp;amp;nbsp;&amp;amp;lt;/pubmed&amp;amp;gt;&amp;amp;lt;/ref&amp;amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20069</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T01:38:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20068</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20068"/>
		<updated>2013-05-04T01:37:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20067</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T01:37:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20066</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-04T01:34:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17554300 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 23237318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10814723 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22424231 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある。&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21625325 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
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		<title>精神科遺伝学</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20065"/>
		<updated>2013-05-04T01:22:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった1。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになり、遺伝統計学的手法の改良も続き、より確かな関連の所見が得られるようになっている。並行して、SNPチップでも検出できる頻度の低い100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている2。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムの多様性や変異（遺伝型）と疾患や行動（表現型）との関連を追求する他に、遺伝子の発現調節に関係するエピゲノム解析、非コードRNA解析も2000年代に入ってから活発に行われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない。3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析では1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。疾患との関連の他に内部表現型、治療反応性、副作用リスクとの関連解析もすすめられているが、日常臨床を変えるほどの所見には至っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析は比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
稀な変異、とくにde novoの変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVであり、11領域のCNVがとくに複数の精神疾患のリスクに関わっいることが知られている。4 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20062</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T14:46:44Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いで心的外傷後ストレス障害、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティや嗜好なども対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く合理的な治療法の開発に必要な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、頻度の低い変異、とくに、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分子遺伝学的解析ができる以前から分離比分析などの遺伝疫学的解析は精神疾患を対象に数多く行われ、双生児研究や養子研究など活発に行われてきた。遺伝疫学や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。精神科遺伝学の国際的な学会としてThe International Society of Psychiatric Genetics (ISPG)[http://www.ispg.net www.ispg.net]が1992年に組織され、研究の推進のみならず、社会の教育啓蒙活動、倫理問題の整備を目的に、毎年大会が米国とそれ以外の国とで交互に開催されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWellcome Trust Case Control Consortiumによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった1。2010年代になるとGWASは万単位の被験者を対象とするようになっている。続いて、SNPチップでも検出できる頻度の低い大きな100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまで得られた精神科遺伝学の分子遺伝学研究成果の中で最も確実な発見となった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2010年代はエクソームや全ゲノムリシークエンスなどによりより解析が容易になった低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている2。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
遺伝学的研究は連鎖解析が基本であるが、統合失調症とうつ病の大家系を用いた解析ではDISC1を除いて根拠のある原因遺伝子は同定されていない。そのDISC1に関しても、1家系のみでの所見であり、遺伝学的証拠としては十分ではない。3 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析 1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析 比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因に大きく寄与している可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準に関しては、遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。診断中のSpecifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
日常臨床では以前より遺伝負因は精神診断に参考にされてきたものの、分子遺伝学的研究成果はこれまでのところ診断に大きな影響を与えていない。薬理ゲノム学の所見は今後日常臨床に利用されていく可能性がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒトゲノムプロジェクトが期待された成果の一つに多因子疾患の画期的な治療法、予防法の開発がある。しかし、がんを除けば、現時点ではまだ期待通りになっておらず、精神疾患の研究も例外ではない。NIHの支出した精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では研究成果が日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T10:10:57Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いでPTSD、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティなど関係するヒトの性質も対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く治療法の開発に着実な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の解析法  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分離比分析などの遺伝疫学的解析や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWTCCCによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった1。続いて、SNPチップでも検出できる頻度の低い大きな100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまでの精神科遺伝学の分子遺伝学研究の中でも最も意味のあるデータとなった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
さらにエクソームや全ゲノムリシークエンスを用いて解析され、より低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている2。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
これとは別に候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
連鎖解析 大家系を用いた解析ではDISC1を除いて特定の原因遺伝子は同定されていない。DISC1に関しては染色体異常から発見されているが、1家系のみであり、遺伝学的証拠としては十分ではない。また、DISC1が連鎖している精神疾患は統合失調症とうつ病である。3 候補遺伝子解析 1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。 ゲノムワイド関連解析 比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 稀な遺伝子変異 精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因としては関わっている可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準 遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。Specifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 日常臨床 以前より、遺伝負因は精神診断に参考にされてきた。分子遺伝学的研究成果は診断に影響を与えていない。薬理ゲノム学は日常臨床に利用されていくと推測される。 精神科遺伝学に対する批判 これまでの精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。神経科学としては精神科遺伝学の知見は精神疾患の病態解明に非常に大きな影響をもっているが、それが日常臨床に反映されない限り、その治験が正しいという証明にはならない。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T10:09:06Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な研究対象とする行動神経遺伝学の分野である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 研究対象 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いでPTSD、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。罹患の有無だけでなく、罹患と関連する解剖学的、生理学的、生化学的所見などのいわゆる内部表現型も重要な研究対象である。パーソナリティなど関係するヒトの性質も対象としている。向精神薬をはじめとする治療に対する反応性と副作用も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 目的  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。関係する遺伝子の同定は病態解明とそれに続く治療法の開発に着実な基礎データとなり、個別化医療につながる。分子レベルからの根拠に基づく予防法、治療法の開発を目的とする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神疾患やそれに関連する行動のほとんどは多くのゲノム多様性と稀な変異、環境要因が関わっている多因子遺伝に分類される。アルツハイマー病に対するAPOE遺伝子多型、アルコール依存症に対するADH, ALDH多型の他は頻度の高い多型が疾患のリスクに強い影響力を持つことはないことは分かっているが、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きくリスクを高めるものがあることが知られつつある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の解析法  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
分離比分析などの遺伝疫学的解析や分子遺伝学的解析など一般に遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使われる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に乏しい遺伝マーカーを使った連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野における分子遺伝学時代のスタートとなった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内で複数の患者をもつ家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が統合失調症の新たな候補遺伝子として注目された。これとは別に、統合失調症、うつ病が連鎖していた染色体転座の家系からDISC1がクローニングされた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2000年代後半からゲノムワイド関連解析 (GWAS)の時代になり、2007年のWTCCCによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析の報告が精神科遺伝学のGWAS時代の幕開けとなった1。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
続いて、SNPチップでも検出できる頻度の低い大きな100 kb以上の大きなコピー数変異 (CNV)のなかに知的発達障害、自閉性障害、統合失調症、双極性障害、てんかんなどのリスクを大きく高めるものがあることが発見され、これまでの精神科遺伝学の分子遺伝学研究の中でも最も意味のあるデータとなった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
さらにエクソームや全ゲノムリシークエンスを用いて解析され、より低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになっている2。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
これとは別に候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されており、ターゲットリシークエンスの時代となり、精力的に研究が進められている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
連鎖解析 大家系を用いた解析ではDISC1を除いて特定の原因遺伝子は同定されていない。DISC1に関しては染色体異常から発見されているが、1家系のみであり、遺伝学的証拠としては十分ではない。また、DISC1が連鎖している精神疾患は統合失調症とうつ病である。3 候補遺伝子解析 1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。 ゲノムワイド関連解析 比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。 米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。 稀な遺伝子変異 精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因としては関わっている可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
診断基準 遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。Specifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。 日常臨床 以前より、遺伝負因は精神診断に参考にされてきた。分子遺伝学的研究成果は診断に影響を与えていない。薬理ゲノム学は日常臨床に利用されていくと推測される。 精神科遺伝学に対する批判 これまでの精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。神経科学としては精神科遺伝学の知見は精神疾患の病態解明に非常に大きな影響をもっているが、それが日常臨床に反映されない限り、その治験が正しいという証明にはならない。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%A6&amp;diff=20056</id>
		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T08:58:37Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な対象とする行動神経遺伝学の分野である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学が扱う精神疾患 ==&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いでPTSD、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。さらに、ヒトの集団の行動の多様性も扱う。また、向精神薬に対する反応性や副作用とゲノム変異との関係も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の目的 ==&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。精神疾患にかかわる遺伝要因の検出、その病態関与や予後への関与のメカニズムの解明により、遺伝要因に基づく治療法の改善につなげることを目的とする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴 ==&lt;br /&gt;
遺伝学的には精神疾患やそれに関連する行動などは多くのゲノム多様性や稀な変異と環境要因が発症、経過、治療予後に関係している多因子遺伝に分類され、多因子遺伝の法則が当てはまる。頻度の高い多型が強い影響力を持つことはないことは分かっているが、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きく易罹病性を高めるものがあることも知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学が使う解析法 ==&lt;br /&gt;
家系を対象とした分離比分析など遺伝疫学的解析、分子遺伝学的解析など遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使用される。1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に制限酵素を使った少ない遺伝マーカーでの連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野での分子遺伝学の時代のスタートとなった。1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内複数患者家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が重要な候補遺伝子として注目された。また、染色体転座と統合失調症、うつ病が連鎖していた会からDISC1がクローニングされた。2000年代後半からGWASの時代になり、2007年のWTCCCによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析結果その幕開けとなった1。続いて、DNAチップで検出できる比較的大きなコピー数変異 (CNV)に注目があつまり、さらにエクソームや全ゲノムリシークエンスが解析され、より低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになった2。&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見 ==&lt;br /&gt;
連鎖解析&lt;br /&gt;
大家系を用いた解析ではDISC1を除いて特定の原因遺伝子は同定されていない。DISC1に関しては染色体異常から発見されているが、1家系のみであり、遺伝学的証拠としては十分ではない。また、DISC1が連鎖している精神疾患は統合失調症とうつ病である。3&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析&lt;br /&gt;
1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析&lt;br /&gt;
比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベース[https://www.genome.gov/26525384#searchForm]によれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。&lt;br /&gt;
稀な遺伝子変異&lt;br /&gt;
精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因としては関わっている可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響 ==&lt;br /&gt;
診断基準&lt;br /&gt;
遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。Specifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。&lt;br /&gt;
日常臨床&lt;br /&gt;
以前より、遺伝負因は精神診断に参考にされてきた。分子遺伝学的研究成果は診断に影響を与えていない。薬理ゲノム学は日常臨床に利用されていくと推測される。&lt;br /&gt;
精神科遺伝学に対する批判&lt;br /&gt;
これまでの精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。神経科学としては精神科遺伝学の知見は精神疾患の病態解明に非常に大きな影響をもっているが、それが日常臨床に反映されない限り、その治験が正しいという証明にはならない。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T08:56:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な対象とする行動神経遺伝学の分野である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学が扱う精神疾患 ==&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いでPTSD、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。さらに、ヒトの集団の行動の多様性も扱う。また、向精神薬に対する反応性や副作用とゲノム変異との関係も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の目的 ==&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。精神疾患にかかわる遺伝要因の検出、その病態関与や予後への関与のメカニズムの解明により、遺伝要因に基づく治療法の改善につなげることを目的とする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 遺伝学的に見た精神疾患の特徴 ==&lt;br /&gt;
遺伝学的には精神疾患やそれに関連する行動などは多くのゲノム多様性や稀な変異と環境要因が発症、経過、治療予後に関係している多因子遺伝に分類され、多因子遺伝の法則が当てはまる。頻度の高い多型が強い影響力を持つことはないことは分かっているが、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きく易罹病性を高めるものがあることも知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学が使う解析法 ==&lt;br /&gt;
家系を対象とした分離比分析など遺伝疫学的解析、分子遺伝学的解析など遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使用される。1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に制限酵素を使った少ない遺伝マーカーでの連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野での分子遺伝学の時代のスタートとなった。1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内複数患者家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が重要な候補遺伝子として注目された。また、染色体転座と統合失調症、うつ病が連鎖していた会からDISC1がクローニングされた。2000年代後半からGWASの時代になり、2007年のWTCCCによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析結果その幕開けとなった1。続いて、DNAチップで検出できる比較的大きなコピー数変異 (CNV)に注目があつまり、さらにエクソームや全ゲノムリシークエンスが解析され、より低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになった2。&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科遺伝学の主な所見 ==&lt;br /&gt;
連鎖解析&lt;br /&gt;
大家系を用いた解析ではDISC1を除いて特定の原因遺伝子は同定されていない。DISC1に関しては染色体異常から発見されているが、1家系のみであり、遺伝学的証拠としては十分ではない。また、DISC1が連鎖している精神疾患は統合失調症とうつ病である。3&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析&lt;br /&gt;
1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析&lt;br /&gt;
比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベースhttps://www.genome.gov/26525384#searchFormによれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。&lt;br /&gt;
稀な遺伝子変異&lt;br /&gt;
精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因としては関わっている可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 精神科臨床に与えた影響 ==&lt;br /&gt;
診断基準&lt;br /&gt;
遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。Specifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。&lt;br /&gt;
日常臨床&lt;br /&gt;
以前より、遺伝負因は精神診断に参考にされてきた。分子遺伝学的研究成果は診断に影響を与えていない。薬理ゲノム学は日常臨床に利用されていくと推測される。&lt;br /&gt;
精神科遺伝学に対する批判&lt;br /&gt;
これまでの精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。神経科学としては精神科遺伝学の知見は精神疾患の病態解明に非常に大きな影響をもっているが、それが日常臨床に反映されない限り、その治験が正しいという証明にはならない。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>精神科遺伝学</title>
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		<updated>2013-05-03T08:52:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: ページの作成：「脳科学辞典　精神科遺伝学 精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な対象とする行動...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;脳科学辞典　精神科遺伝学&lt;br /&gt;
精神科遺伝学は精神疾患や精神疾患に関わる心理、社会性、行動などの事象を主な対象とする行動神経遺伝学の分野である。&lt;br /&gt;
精神科遺伝学が扱う精神疾患&lt;br /&gt;
すべての精神疾患を対象としているが、統合失調症、気分障害、依存症、認知症、自閉症スペクトラム障害が研究対象になる件数が多い。次いでPTSD、神経性無食欲症、パーソナリティ障害、注意欠陥多動障害などが続く。メンデル遺伝病の一部の症状として精神症状が現れる遺伝病も多くあり、それも対象とする。あるいはそれを手がかりに精神疾患の病態を追求する方法もある。さらに、ヒトの集団の行動の多様性も扱う。また、向精神薬に対する反応性や副作用とゲノム変異との関係も重要な対象となっており、予防法に利用できる遺伝情報に関する研究も進められている。&lt;br /&gt;
精神科遺伝学の目的&lt;br /&gt;
精神疾患は程度の差はあるが遺伝要因が部分的に発症に影響を与えており、治療に対する反応性や副作用、予後などにも遺伝要因は関わっていると推測されている。精神疾患にかかわる遺伝要因の検出、その病態関与や予後への関与のメカニズムの解明により、遺伝要因に基づく治療法の改善につなげることを目的とする。&lt;br /&gt;
遺伝学的に見た精神疾患の特徴&lt;br /&gt;
遺伝学的には精神疾患やそれに関連する行動などは多くのゲノム多様性や稀な変異と環境要因が発症、経過、治療予後に関係している多因子遺伝に分類され、多因子遺伝の法則が当てはまる。頻度の高い多型が強い影響力を持つことはないことは分かっているが、新生(de novo)突然変異のなかには比較的大きく易罹病性を高めるものがあることも知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神科遺伝学が使う解析法&lt;br /&gt;
　家系を対象とした分離比分析など遺伝疫学的解析、分子遺伝学的解析など遺伝学的解析で用いられる解析法が精神科遺伝学でも使用される。1980年代に統合失調症や双極性障害の多発家系を対象に制限酵素を使った少ない遺伝マーカーでの連鎖解析が発表され、精神科遺伝学の分野での分子遺伝学の時代のスタートとなった。1990年代の後半から2000年代前半はマイクロサテライトマーカーを用いて家族内複数患者家系を対象に連鎖解析が積極的に行われた。2000年代前半からは連鎖解析の結果を参考にして、連鎖領域の原因遺伝子変異/多様性を追求することにより、関連遺伝子を同定する位置的クローニング法や位置的候補遺伝子法が用いられるようになり、NRG1, DTNBP1, DAOAなどの遺伝子が重要な候補遺伝子として注目された。また、染色体転座と統合失調症、うつ病が連鎖していた会からDISC1がクローニングされた。2000年代後半からGWASの時代になり、2007年のWTCCCによる2000人の症例と3000人のコントロールによる解析結果その幕開けとなった1。続いて、DNAチップで検出できる比較的大きなコピー数変異 (CNV)に注目があつまり、さらにエクソームや全ゲノムリシークエンスが解析され、より低頻度の多型や稀な変異に注目が集まるようになり、民族特異的な変異にも注目が集まるようになった2。&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析は1990年代はじめから盛んに実施されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神科遺伝学の主な所見&lt;br /&gt;
連鎖解析&lt;br /&gt;
大家系を用いた解析ではDISC1を除いて特定の原因遺伝子は同定されていない。DISC1に関しては染色体異常から発見されているが、1家系のみであり、遺伝学的証拠としては十分ではない。また、DISC1が連鎖している精神疾患は統合失調症とうつ病である。3&lt;br /&gt;
候補遺伝子解析&lt;br /&gt;
1,000以上の遺伝子内やその近傍のゲノム多様性と精神疾患の関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
ゲノムワイド関連解析&lt;br /&gt;
比較的頻度の高い主にSNPを使ったゲノムワイド関連解析が実施されている。&lt;br /&gt;
米国のNational Human Genome Research InstituteのGWASに関するデータベースhttps://www.genome.gov/26525384#searchFormによれば、2013年1月現在、統合失調症、気分障害に関するGWASの論文が24にのぼっている。このなかで、一般的に有意な関連とされているP値を示しているSNP数は8論文である。一方、依存症に関しては1編の論文のみであり、有意なSNPは検出されていない。自閉症に関しては6編の論文があり、2編が有意で、有意な関連を示しているのはAlzheimer病では31編の論文があり、6編の論文である。ただ、有意であってもいずれもオッズ比は小さく、比較的頻度の高い多型で大きな関連を示しているものはアルツハイマー病のApoE以外はない。&lt;br /&gt;
稀な遺伝子変異&lt;br /&gt;
精神疾患の病因に関係する頻度の高い多型はほとんどないらしくGWAS解析では特定の大きな影響力を持つ多様性は検出されていないのに対比して、稀な変異では精神疾患の病因としては関わっている可能性のものが発見されつつある。その代表はCNVである。4&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神科遺伝学に関係する遺伝子の特徴&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
精神科臨床に与えた影響&lt;br /&gt;
診断基準&lt;br /&gt;
遺伝学的研究成果はDSM-Vの診断基準には大きな影響を与えていないが、今後は影響を与える可能性は残っている。Specifiersのひとつとして遺伝性疾患の記述は増えていくと推測される。例えば、脆弱Ｘ症候群による自閉症スペクトラム障害などである。&lt;br /&gt;
日常臨床&lt;br /&gt;
以前より、遺伝負因は精神診断に参考にされてきた。分子遺伝学的研究成果は診断に影響を与えていない。薬理ゲノム学は日常臨床に利用されていくと推測される。&lt;br /&gt;
精神科遺伝学に対する批判&lt;br /&gt;
これまでの精神科関係の研究費の中で分子遺伝学的研究に費やされた研究費は数%程度で多くはないものの、現時点では日常臨床に影響をあたえるような影響を与えていないことから、費用対効果について批判的に見る目もある5。神経科学としては精神科遺伝学の知見は精神疾患の病態解明に非常に大きな影響をもっているが、それが日常臨床に反映されない限り、その治験が正しいという証明にはならない。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17568"/>
		<updated>2013-02-06T09:55:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、統合失調症の症状を軽減するのに有効な抗精神病薬の共通の特徴がドーパミンD2受容体のアンタゴニストである点である。 初めに提唱されたドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動、とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動、と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の最大の問題点は、統合失調症での脳の活動性の部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。ドーパミン系だけ考えても、前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では前頭前野の機能不全が線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものである可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。全てではないが、多くの研究において急性期の統合失調症患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== シナプスドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法によるものであるが、ほぼすべての研究において統合失調症患者でシナプスドーパミンの放出が増加していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症との関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。D1受容体密度と統合失調症における認知機能不全との関係も複雑である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量で線条体のドーパミンD2受容体をブロックする。しかし、線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、ドーパミン仮説は病因病態の共通経路として捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系の機能に直接関係するタンパク質をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などをコードする遺伝子との関連が報告されているが、関連している個々の多型の影響力は小さい。分子遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験ではドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。例えば、妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も動物実験では中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こす。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で線条体のドーパミン合成の亢進が見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・PET&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17567</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17567"/>
		<updated>2013-02-06T08:56:29Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の最大の問題点は、統合失調症での脳の活動性の部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。ドーパミン系だけ考えても、前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では前頭前野の機能不全が線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものである可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。全てではないが、多くの研究において急性期の統合失調症患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== シナプスドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法によるものであるが、ほぼすべての研究において統合失調症患者でシナプスドーパミンの放出が増加していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症との関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。D1受容体密度と統合失調症における認知機能不全との関係も複雑である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量で線条体のドーパミンD2受容体をブロックする。しかし、線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、ドーパミン仮説は病因病態の共通経路として捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系の機能に直接関係するタンパク質をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などをコードする遺伝子との関連が報告されているが、関連している個々の多型の影響力は小さい。分子遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験ではドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。例えば、妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も動物実験では中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こす。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で線条体のドーパミン合成の亢進が見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・PET&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17565</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17565"/>
		<updated>2013-02-06T08:36:44Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の最大の問題点は、統合失調症での脳の活動性の部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。ドーパミン系だけ考えても、前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では前頭前野の機能不全が線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものである可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。全てではないが、多くの研究において急性期の統合失調症患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== シナプスドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法によるものであるが、ほぼすべての研究において統合失調症患者でシナプスドーパミンの放出が増加していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症との関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。D1受容体密度と統合失調症における認知機能不全との関係も複雑である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量で線条体のドーパミンD2受容体をブロックする。しかし、線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、ドーパミン仮説は病因病態の共通経路として捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17556</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17556"/>
		<updated>2013-02-06T07:26:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の最大の問題点は、統合失調症での脳の活動性の部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。ドーパミン系だけ考えても、前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では前頭前野の機能不全が線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものである可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。全てではないが、多くの研究において急性期の統合失調症患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== シナプスドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法によるものであるが、ほぼすべての研究において統合失調症患者でシナプスドーパミンの放出が増加していると推測されるデータが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17555</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17555"/>
		<updated>2013-02-06T07:21:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の最大の問題点は、統合失調症での脳の活動性の部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。ドーパミン系だけ考えても、前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では前頭前野の機能不全が線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものである可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17554</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-06T07:16:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説では、統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっている一方、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症における脳の部位別機能不全は、統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの臨床薬理学的証拠でも支持されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17553</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17553"/>
		<updated>2013-02-06T07:11:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系全体に均等に効果を及ぼすのではなく、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、ドーパミンアゴニストで中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、回復することも知られており、1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17552</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17552"/>
		<updated>2013-02-06T07:04:23Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠は、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効なことである。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、それに基づいた精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。さらに、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化している、というドーパミン仮説の直接的な証拠となる研究が求められた。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説の直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代には統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、抗精神病薬に反応しない一群の患者が存在することや抗精神病薬クロザピンがD2アンタゴニストとしての効力が弱い点など、統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を投げかける薬理学的証拠がでてきて、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17551</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17551"/>
		<updated>2013-02-06T06:49:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。この仮説の最も確実な根拠はドーパミンD2受容体のアンタゴニストである抗精神病薬が統合失調症の症状に有効な点である。 提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、その後、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直されるようになり今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、これにより精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化しているという直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説を支持する直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17532</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T07:53:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、研究の進歩に伴い、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にはDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。また、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitは動物実験によりchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolがドーパミン合成を亢進させることを発見した。これとは別に精神病治療に導入されていたレセルピンがドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用がドーパミン系に対するものであることが示され、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激や感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体が同定され、神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することが発見され、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症の病態はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達によるものであり、これにより精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより、統合失調症患者においてドーパミンバイオマーカーが変化しているという直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代にかけて、ドーパミン仮説を支持する直接的な証拠を得ることを目指して、髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳を用いてドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17523</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17523"/>
		<updated>2013-02-05T06:43:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、研究の進歩に伴い、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン合成が亢進することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝要因 ===&lt;br /&gt;
　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17521</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17521"/>
		<updated>2013-02-05T06:40:04Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、研究の進歩に伴い、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン合成が亢進することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症の病因とドーパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝学的研究 ===&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17520</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T06:38:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、研究の進歩に伴い、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン合成が亢進することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説と統合失調症の病因 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝学的研究 ===&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17519</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17519"/>
		<updated>2013-02-05T06:36:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態仮説としては最も長く精力的に検証が行われてきた仮説の一つである。提唱された当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とするものであったが、研究の進歩に伴い、前頭葉のドーパミン神経機能の低活動性を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。さらに多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン合成が亢進することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン受容体 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説と統合失調症の病因 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝学的研究 ===&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17518</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17518"/>
		<updated>2013-02-05T03:34:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン合成が亢進することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン受容体 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説と統合失調症の病因 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝学的研究 ===&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17517</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17517"/>
		<updated>2013-02-05T03:28:33Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場 ===&lt;br /&gt;
　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの中枢神経刺激薬としての作用はドーパミン系に対するものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて ===&lt;br /&gt;
　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説 ===&lt;br /&gt;
　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説を裏付ける証拠 ==&lt;br /&gt;
=== シナプス前ドーパミン合成 ===&lt;br /&gt;
　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン放出 ===&lt;br /&gt;
　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン受容体 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 抗精神病薬治療とドーパミン受容体 ===&lt;br /&gt;
　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ドーパミン仮説と統合失調症の病因 ==&lt;br /&gt;
　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 遺伝学的研究 ===&lt;br /&gt;
　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===&lt;br /&gt;
　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　中枢神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見 ===&lt;br /&gt;
　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
・ドーパミン受容体&lt;br /&gt;
・中脳辺縁系&lt;br /&gt;
・腹側被蓋野&lt;br /&gt;
・中脳皮質系&lt;br /&gt;
・抗精神病薬&lt;br /&gt;
・中枢神経刺激薬&lt;br /&gt;
・PET&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17516</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T03:11:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&amp;lt;br&amp;gt;===統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場===&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて===&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説===&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==ドーパミン仮説を裏付ける証拠==&amp;lt;br&amp;gt;===シナプス前ドーパミン合成===&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ドーパミン仮説と病因===&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝学的研究===&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見===&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17515</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17515"/>
		<updated>2013-02-05T03:03:42Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17514</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17514"/>
		<updated>2013-02-05T03:01:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;references/&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17513</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17513"/>
		<updated>2013-02-05T03:00:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T02:55:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;,&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17511</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T02:52:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12677184 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5954044 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1145194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 945467 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 3607497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1681750 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15352925 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7393327 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16476668 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11865311 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10884434 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11710751 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17081078 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17077809 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655830 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19124684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され[1]、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した[2]。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった[3,4]。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた[5]。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された[6]。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され[7]、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている[8,9]が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており[10]、未解決である。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;　ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された[9,11]。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた[12]。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている[13]。&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している[12]が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している[14]。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており[15]、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている[16]。&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;　線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人[11]や統合失調型障害の人で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC%EF%BC%88%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%EF%BC%89&amp;diff=17509</id>
		<title>ドーパミン仮説（統合失調症）</title>
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		<updated>2013-02-05T01:56:32Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Tadaoarinami: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;統合失調症の病態に関する仮説の一つで、精神疾患の病態に関する仮説としては最も多くの検討がなされ、支持する証拠も提出され続けられている仮説の一つである。提唱当初は統合失調症の病態はドーパミン神経機能の過活動とされ、続いて前頭葉のドーパミン神経機能の低下を伴う皮質下のドーパミン神経機能の過活動と修正された。その後多くの病因が引き起こす共通病態としてドーパミン仮説が捉え直され、今日に至っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=歴史=&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症の古典的ドーパミン仮説の登場=&amp;lt;br&amp;gt;　1951年にchlorpromazineがCharpentierやCourvoisierらにより合成され[1]、1952年にDelayとDenikerにより躁病と精神病の患者に投与した結果が報告された。一方、その有効用量がパーキンソン様症状など神経学的副作用を起こすことも知られ、chlorpromazineは神経遮断作用がある、とされた。CarlssonとLindqvitはchlorpromazineやその後開発された抗精神病薬haloperidolを動物に投与した時にドーパミン代謝が増加することを発見した。これとは別にインドで使われていた植物からの成分のアルカロイドの主成分であるレセルピンも精神病の治療として導入され、ドーパミンや他のモノアミンを枯渇させることが発見された。また、すでに使用による精神病が記載されていたアンフェタミンの神経刺激薬としての作用は中枢のドーパミン系によるものであることが示された。これに加えて、ドーパミン受容体作動薬が統合失調症の精神症状を悪化させることなどの根拠によりJ. van Rossumはドーパミンの過剰産生・放出あるいはドーパミン受容体の過剰刺激、感受性の異常などによるドーパミン系の変調が統合失調症の病因に関与していることを示唆した[2]。これにより統合失調症には脳の神経化学的変化が関係していることが初めて示された。&amp;lt;br&amp;gt;　70年代に入り、ドーパミン受容体の同定や神経遮断薬が中脳辺縁ドーパミン系や黒質線条体ドーパミン系に作用することの発見、抗精神病薬の臨床効果がドーパミン受容体の結合能に強く相関することが発見され、ドーパミン仮説はより明確なものとなった[3,4,5]。&amp;lt;br&amp;gt;　この時点でのドーパミン仮説は、統合失調症はドーパミン受容体の過剰なシグナル伝達であり、精神病の治療はドーパミン受容体を遮断することであった。これにより新たな研究の方向性、すなわち、統合失調症患者におけるドーパミンバイオマーカーの変化という直接的な証拠を求める研究の方向性が示された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症のドーパミン仮説の証拠を求めて=&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代から90年代はドーパミン仮説を支持する生化学的マーカーによる直接的な証拠を得るために髄液、血液、尿、線維芽細胞、死後脳におけるドーパミンやその前駆体、代謝産物が測定された。しかし、明確な、研究間で一致するような変化は見られなかった[6]。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
修正ドーパミン仮説：ドーパミン系の領域特異的失調説&amp;lt;br&amp;gt;　1980年代に統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状などに分類して考えられるようになり、抗精神病薬に反応しない一群の患者や陽性症状を緩和する薬物は陰性症状にはあまり効果がなかったり逆に悪化させたりという抗精神病薬による症状別の効果の違いが注目されるようになった。また、D2アンタゴニストとしての効力の弱いクロザピンは統合失調症のドーパミン仮説に対する疑問を呈する薬理学的証拠ともなり、統合失調症を単純にドーパミン機能過剰状態とすることは不十分であることは明らかとなってきた。&amp;lt;br&amp;gt;　抗精神病薬はドーパミン神経系に選択的に効果を及ぼし、定型抗精神病薬はA9, A10細胞に影響を与え、非定型抗精神病薬はA10細胞にのみ影響することが実験的に示されていた[7]。統合失調症患者では前頭葉の血流、糖代謝が低下しており、中脳皮質ドーパミン系を活性化すると前頭前野の糖代謝は上昇し、前頭葉の糖代謝の低下はドーパミンアゴニストで回復することも知られていた。1991年に統合失調症の修正ドーパミン仮説の論文が発表された[8]。この仮説は統合失調症では脳の部位によりドーパミン系の低活動と過活動とが混在しており、中脳皮質ドーパミン系の低活動が認知障害や陰性症状に関わっており、皮質下ドーパミン系の過活動が陽性症状に関連しているとするものであった。統合失調症の脳部位別機能不全は統合失調症の前頭葉低活性 (hypofrontality) に関する画像研究のメタ解析でも支持され[9]、また、非定型抗精神病薬は陰性症状をもつ患者の前頭前野の活動性を上げるなどの証拠が示されている。&amp;lt;br&amp;gt;　修正ドーパミン仮説の問題点としては、本当に統合失調症では脳の活動性のパターンの部位別の違いが本当にドーパミン系のサブシステムの活動性によるものかが示されていない点にある。前頭前野の機能不全は前頭前野におけるドーパミン活動性の低下が一次的なものであり、線条体のドーパミン濃度やD2受容体密度の上昇などは二次的なものと考えられている[10,11]が、動物実験では線条体での過剰なドーパミン放出による二次的なものの可能性も示されており[12]、未解決である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説を裏付ける証拠=&amp;lt;br&amp;gt;=シナプス前ドーパミン合成=&amp;lt;br&amp;gt;ヒトにおいてシナプスのドーパミンを直接測定することはできないが、間接的に推測する方法が開発され、研究されてきた。線条体のシナプス前ドーパミン機能はL-dopaなどを用いて計測され、多くの研究において急性期の患者の線条体ではドーパミン合成が亢進していると推測された[11,13,14,15,16,17,18]。この所見は統合失調症における脳のドーパミン機能の異常に関して最も追認されることの多い所見である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン放出=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン放出をブロックする割合をPETやSPECTで測定する間接的な測定法であるが、ほぼすべての研究において統合失調症においてドーパミンの放出が増加していた[19,20,21,22,23]。また、統合失調症ではドーパミンに占拠されているドーパミン受容体の割合が高いという所見が得られている[24]。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;=ドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　メタ解析によれば、線条体のドーパミンD2, D3受容体密度は統合失調症患者で若干上昇している[21,25,26]が、線条体以外では上昇していない。また、D1受容体は上昇していない。ドーパミンD2受容体には2つのアイソフォームがあるがそれと統合失調症の関係ははっきりしない。&amp;lt;br&amp;gt;　前頭前野ではドーパミン神経伝達は主にD1受容体を介しており、D1受容体の機能不全は統合失調症の認知障害、陰性症状と関係している[27,28]。統合失調症患者におけるD1受容体密度の研究は数少なく、トレーサーの問題もあり一致した結果となっていない。統合失調症における認知機能不全との関係も一致した結論は得られていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;=抗精神病薬治療とドーパミン受容体=&amp;lt;br&amp;gt;　現在使用されているすべての抗精神病薬は臨床用量でドーパミン受容体をブロックする[29]。線条体のD2受容体のブロックは抗精神病効果に必要であるものの、それだけでは十分ではない。抗精神病反応は早期の線条体でのD2受容体の占拠率に関係しており[30]、早期の抗精神病効果はその後の治療効果の予測に役立つことが知られ、また、画像解析もドーパミン受容体が治療反応性の主役であることを支持している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=ドーパミン仮説と病因=&amp;lt;br&amp;gt;　ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態のcommon pathwayとしてドーパミン仮説は捉え直されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=遺伝学的研究=&amp;lt;br&amp;gt;　候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。&amp;lt;br&amp;gt;　統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている[31]。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;=統合失調症のリスクとなる環境要因=&amp;lt;br&amp;gt;　社会的孤立など統合失調症のリスクとして知られている環境要因は動物実験によりドーパミン機能過活動を引き起こすことが知られている。また、動物実験により妊娠、出産時の合併症[32]、胎児期、新生児期の細菌性内毒素、感染も中脳線条体ドーパミン系の過活動を引き起こすことが知られている。周産期、新生児期のストレスもドーパミン代謝や放出を増やす。&amp;lt;br&amp;gt;　神経刺激薬やカナビス使用などの統合失調症リスクを高める薬物はドーパミン放出を亢進させる。NMDA受容体遮断薬であるケタミンはドーパミン放出を高める。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=統合失調症に関連する精神疾患/状態の所見=&amp;lt;br&amp;gt;線条体のドーパミン合成の亢進は統合失調症の前駆症状を示している人[16]や統合失調型障害の人[33]で見られている。&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Tadaoarinami</name></author>
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