<?xml version="1.0"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" xml:lang="ja">
	<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/api.php?action=feedcontributions&amp;feedformat=atom&amp;user=Takeshiinoue</id>
	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
	<link rel="self" type="application/atom+xml" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/api.php?action=feedcontributions&amp;feedformat=atom&amp;user=Takeshiinoue"/>
	<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5:%E6%8A%95%E7%A8%BF%E8%A8%98%E9%8C%B2/Takeshiinoue"/>
	<updated>2026-04-18T16:23:39Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
	<generator>MediaWiki 1.43.8</generator>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=15524</id>
		<title>トーク:モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=15524"/>
		<updated>2012-11-16T10:05:56Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: /* 確認いたしました */&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;== 編集委員長　田中より「モノアミン」と「モノアミン系」の差別化について ==&lt;br /&gt;
「モノアミン」は物質（主に伝達物質）としての解説、「モノアミン系」は神経核の位置、構造、投射、入出力、マクロな機能など脳のサブシステムとしての解説です。重複はあるが、ふたつを統合するのは無理と思います。これで執筆者、読者の理解も得られるでしょう。査読にあたっては上記の重点が守られている限りは、かなりの重複は許容してよいと思います。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==編集　林　作業記録==&lt;br /&gt;
*内部リンク、外部リンク作成致しました。&lt;br /&gt;
*一部箇条書きと致しました。&lt;br /&gt;
*薬物、化合物の名称は統一のためカタカナに致しました。&lt;br /&gt;
*精神疾患との関係とは別に、ヒスタミン、アドレナリン神経についても触れて頂ければと思います。&lt;br /&gt;
*参考文献を御願い致します。本文中に引用する場所がございましたら、ご指示下さい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読を御願い致します。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
--[[利用者:WikiSysop|Yasunori Hayashi]] 2012年5月11日 (金) 00:20 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==編集担当　加藤　作業記録==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*　monoaminergic system　→ monoaminergic systemsとしました。&lt;br /&gt;
*　他は問題ありません。&lt;br /&gt;
*　ヒスタミン、アドレナリン神経についても触れるようにとのご指示がありましたが、アドレナリンについては、「アドレナリン」の項目ができあがっているので、そちらを参照していただき、ヒスタミンについては「モノアミン」の項目に記載されているので、そちらを引用すれば良いと思います。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
--[[利用者:Tkato|Tkato]] 2012年11月14日 (水) 21:03 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 執筆者　井上：　確認いたしました ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読ありがとうございました。確認いたしました。読み直しましたが、特に修正はございません。よろしくお願いします。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=15523</id>
		<title>トーク:モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=15523"/>
		<updated>2012-11-16T10:04:45Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: /* 確認いたしました */ 新しい節&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;== 編集委員長　田中より「モノアミン」と「モノアミン系」の差別化について ==&lt;br /&gt;
「モノアミン」は物質（主に伝達物質）としての解説、「モノアミン系」は神経核の位置、構造、投射、入出力、マクロな機能など脳のサブシステムとしての解説です。重複はあるが、ふたつを統合するのは無理と思います。これで執筆者、読者の理解も得られるでしょう。査読にあたっては上記の重点が守られている限りは、かなりの重複は許容してよいと思います。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==編集　林　作業記録==&lt;br /&gt;
*内部リンク、外部リンク作成致しました。&lt;br /&gt;
*一部箇条書きと致しました。&lt;br /&gt;
*薬物、化合物の名称は統一のためカタカナに致しました。&lt;br /&gt;
*精神疾患との関係とは別に、ヒスタミン、アドレナリン神経についても触れて頂ければと思います。&lt;br /&gt;
*参考文献を御願い致します。本文中に引用する場所がございましたら、ご指示下さい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読を御願い致します。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
--[[利用者:WikiSysop|Yasunori Hayashi]] 2012年5月11日 (金) 00:20 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==編集担当　加藤　作業記録==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*　monoaminergic system　→ monoaminergic systemsとしました。&lt;br /&gt;
*　他は問題ありません。&lt;br /&gt;
*　ヒスタミン、アドレナリン神経についても触れるようにとのご指示がありましたが、アドレナリンについては、「アドレナリン」の項目ができあがっているので、そちらを参照していただき、ヒスタミンについては「モノアミン」の項目に記載されているので、そちらを引用すれば良いと思います。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
--[[利用者:Tkato|Tkato]] 2012年11月14日 (水) 21:03 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 確認いたしました ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読ありがとうございました。確認いたしました。読み直しましたが、特に修正はございません。よろしくお願いします。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=11423</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=11423"/>
		<updated>2012-07-06T08:14:58Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;F Sulser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生期に増殖し、以降は減るばかりであると信じられていた神経細胞が、成人においても[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]では神経幹細胞から増殖・分化していることが1960年代に明らかにされ、1990年代に広く認知されるようになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの現象は現在死後脳研究でも明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19606083 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―うつ病の脳内メカニズム研究：進歩と挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル社&#039;&#039;、東京、pp60-74、2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=11421</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=11421"/>
		<updated>2012-07-06T08:08:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;F Sulser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生期に増殖し、以降は減るばかりであると信じられていた神経細胞が、成人においても[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]では神経幹細胞から増殖・分化していることが1960年代に明らかにされ、1990年代に広く認知されるようになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの現象は現在死後脳研究でも明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19606083 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―うつ病の脳内メカニズム研究・進歩と挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、pp60-74、2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10850</id>
		<title>トーク:モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10850"/>
		<updated>2012-06-21T21:42:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: /* 執筆担当　井上 */&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;== 編集　林　作業記録  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*内部リンク、外部リンクを作成致しました。 &lt;br /&gt;
*関連項目作成致しました。 &lt;br /&gt;
*統合失調症のドーパミン仮説に関しては独立した項目が有りますので、最後の段落はそれに合わせて記述を変えさせて頂きました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読を御願い致します。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
--[[利用者:WikiSysop|Yasunori Hayashi]] 2012年5月12日 (土) 20:16 (JST) &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 編集担当　加藤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*SSRIの神経新生への影響のメカニズムは不明となっていましたが、セロトニン1A受容体を介しているという説は論破されたのでしょうか？　そうでなければ、入れても良いと思ったのですが、ご検討下さい。とりあえず、Science論文を引用して、この説を書いてみました。 &lt;br /&gt;
*扁桃体のセロトニンのところですが、「扁桃体のセロトニンを活性化という表現が、ちょっとだけ引っかかりました。セロトニンの細胞体は縫線核なので、扁桃体で活性化という表現で良いか、ということだけなのですが…。 &lt;br /&gt;
*同様に、「扁桃体のセロトニン系の機能を増強」というのも、増強するのは「扁桃体に投射するセロトニン系の機能」なのでは、と思いました。 &lt;br /&gt;
*不勉強で恐縮ですが、1Aアゴニストが細胞体の自己受容体に作用するのか、扁桃体でポストシナプスに作用するのかでも表現が変わってくるようにも思いました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　先生の一番のご専門のところであるだけに、当然のこととして省略されている面があるのかも知れないと思いますので、よりかみ砕いてご加筆いただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いします。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤忠史 --[[利用者:Tkato|Tkato]] 2012年5月18日 (金) 00:24 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 執筆担当　井上  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*林先生、加藤先生ありがとうございました。神経新生の部分は当科中川講師にもチェックしてもらい、書き直しました。ノルアドレナリン仮説の「胎生期に〜」のパラグラフは大幅に書き換え、Boldriniの論文引用を追加しました。加藤先生に追加いただいたSantarelliの論文もそのまま引用させていただきます。ご紹介ありがとうございました。&lt;br /&gt;
*扁桃体におけるセロトニンの部分も「扁桃体におけるセロトニン放出の増強がストレスでおきる」というように明確になるように書き直しました。&lt;br /&gt;
*1Aアゴニストが細胞体の自己受容体に作用するのか、扁桃体でポストシナプスに作用するのかということですが、ポストシナプスに作用するというのが有力と思いますが、ポストシナプスに1Aアゴニストが働いても、縫線核に対するlong-loop negative feedbackが働くため、結局縫線核の発火は抑制されます。プレかポストかはなかなかうまくわけられない問題です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
以上、修正しましたが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
--[[利用者:Takeshiinoue|Takeshiinoue]] 2012年6月22日 (金) 06:42 (JST)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10849</id>
		<title>トーク:モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF:%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10849"/>
		<updated>2012-06-21T21:41:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;== 編集　林　作業記録  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*内部リンク、外部リンクを作成致しました。 &lt;br /&gt;
*関連項目作成致しました。 &lt;br /&gt;
*統合失調症のドーパミン仮説に関しては独立した項目が有りますので、最後の段落はそれに合わせて記述を変えさせて頂きました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤先生、査読を御願い致します。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
--[[利用者:WikiSysop|Yasunori Hayashi]] 2012年5月12日 (土) 20:16 (JST) &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 編集担当　加藤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*SSRIの神経新生への影響のメカニズムは不明となっていましたが、セロトニン1A受容体を介しているという説は論破されたのでしょうか？　そうでなければ、入れても良いと思ったのですが、ご検討下さい。とりあえず、Science論文を引用して、この説を書いてみました。 &lt;br /&gt;
*扁桃体のセロトニンのところですが、「扁桃体のセロトニンを活性化という表現が、ちょっとだけ引っかかりました。セロトニンの細胞体は縫線核なので、扁桃体で活性化という表現で良いか、ということだけなのですが…。 &lt;br /&gt;
*同様に、「扁桃体のセロトニン系の機能を増強」というのも、増強するのは「扁桃体に投射するセロトニン系の機能」なのでは、と思いました。 &lt;br /&gt;
*不勉強で恐縮ですが、1Aアゴニストが細胞体の自己受容体に作用するのか、扁桃体でポストシナプスに作用するのかでも表現が変わってくるようにも思いました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　先生の一番のご専門のところであるだけに、当然のこととして省略されている面があるのかも知れないと思いますので、よりかみ砕いてご加筆いただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いします。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
加藤忠史 --[[利用者:Tkato|Tkato]] 2012年5月18日 (金) 00:24 (JST)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 執筆担当　井上  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*林先生、加藤先生ありがとうございました。神経新生の部分は当科中川講師にもチェックしてもらい、書き直しました。ノルアドレナリン仮説の「胎生期に〜」のパラグラフは大幅に書き換え、Boldriniの論文引用を追加しました。加藤先生に追加いただいたSantarelliの論文もそのまま引用させていただきます。ご紹介ありがとうございました。&lt;br /&gt;
*扁桃体におけるセロトニンの部分も「扁桃体におけるセロトニン放出の増強がストレスでおきる」というように明確になるように書き直しました。&lt;br /&gt;
*1Aアゴニストが細胞体の自己受容体に作用するのか、扁桃体でポストシナプスに作用するのかということですが、ポストシナプスに作用するというのが有力と思いますが、ポストシナプスに1Aアゴニストが働いても、縫線核に対するlong-loop negative feedbackが働くため、結局縫線核の発火は抑制されます。プレかポストかはなかなかうまくわけられない問題です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
以上、修正しましたが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10848</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10848"/>
		<updated>2012-06-21T21:30:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;F Sulser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　胎生期に増殖し、以降は減るばかりであると信じられていた神経細胞が、成人においても[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]では神経幹細胞から増殖・分化していることが1960年代に明らかにされ、1990年代に広く認知されるようになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの現象は現在死後脳研究でも明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19606083 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10619</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10619"/>
		<updated>2012-06-14T23:47:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;F Sulser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10618</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10618"/>
		<updated>2012-06-14T23:44:51Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;F Sulser&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10617</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10617"/>
		<updated>2012-06-14T23:37:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10616</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10616"/>
		<updated>2012-06-14T23:35:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;/&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10615</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10615"/>
		<updated>2012-06-14T23:34:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10614</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10614"/>
		<updated>2012-06-14T23:33:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10613</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10613"/>
		<updated>2012-06-14T23:32:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10612</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=10612"/>
		<updated>2012-06-14T23:28:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名： monoamine hypothesis　独：Monoamin-Hypothese　仏：hypothèse monoaminergique &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドーパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの[[神経伝達物質]]の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは[[精神疾患]]と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ノルアドレナリン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[イミプラミン]]を[[うつ病]]患者に用い、イミプラミンが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にイミプラミンは抗うつ薬として発売された。発売当時、イミプラミンの作用機序は知られておらず、[[モノアミン酸化酵素]] (monoamine oxydase, MAO)阻害作用も極めて弱かった。イミプラミンが強力なノルアドレナリン[[再取り込み]]阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。イミプラミンの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が低下しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物である[[メトキシヒドロキシフェニルグリコール]] (methoxyhydroxyphenyl glycol, MHPG)の尿中あるいは[[髄液]]中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　イミプラミンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβ[[アドレナリン受容体]]数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Sulser F&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Trends Pharmacol Sci&#039;&#039; 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、現在主力の抗うつ薬である[[選択的セロトニン再取り込み阻害剤]]（SSRI）や[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]（SNRI）はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]]（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== セロトニン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-ヒドロキシインドール酢酸]] (5-hydroxyindole acetic acid, 5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[wikipedia:JA:トリプトファン|トリプトファン]]を[[モノアミン酸化酵素阻害剤]]に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかのSSRIが1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン以外のモノアミン再取り込み阻害作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;高橋良&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬を[[wikipedia:JA:ラット|ラット]]に慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体や[[セロトニン#5-HT2.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;]]受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病の素因を持つ者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、[[wikipedia:JA:血小板|血小板]]の5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体機能が、[[メランコリー型]]の大うつ病性障害や[[双極性障害]]で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果も、セロトニンを介していると考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12907793 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ドーパミン仮説  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドーパミンとノルアドレナリンをあわせた[[カテコールアミン]]機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドーパミン濃度を増加させ、[[ブプロピオン]]やモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドーパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中の[[ホモバニリン酸]] (homovanilic acid, HVA、ドーパミンの代謝物)濃度がうつ病患者で低値であること、[[パーキンソン病]]の治療薬である[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドーパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドーパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;医薬ジャーナル&#039;&#039;、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドーパミン受容体遮断薬である[[抗精神病薬]]が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドーパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの[[生物学的マーカー]]の研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する2種類の新しい抗不安薬（SSRIと[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]][[アゴニスト]]）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは[[wikipedia:JA:無作為化対照試験|無作為化対照試験]]によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な[[抗不安薬]]である[[ベンゾジアゼピン]]よりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;&#039;井上　猛、小山　司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;BRAIN and NERVE&#039;&#039; 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]][[基底核]]の[[グルタミン酸]]神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では[[内側前頭前野]]におけるセロトニン放出がまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニン放出も活性化する。扁桃体のセロトニン放出活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドーパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　詳細は[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]を参照。[[統合失調症]]の治療薬である[[抗精神病薬]]はすべてドーパミン2受容体遮断薬である。さらにドーパミンを過剰に刺激する薬物（[[覚せい剤]]、[[コカイン]]、高用量のドーパミン・アゴニスト）は慢性投与で[[幻聴]]、[[被害妄想]]などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドーパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドーパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に[[認知機能障害]]と[[陰性症状]]）を説明することは難しい。さらにドーパミンD2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドーパミン放出に伴うグルタミン酸放出増加とその反復の結果，[[NMDA型グルタミン酸受容体]]機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;精神神経学雑誌&#039;&#039;114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[双極性障害]] &lt;br /&gt;
*[[うつ病]] &lt;br /&gt;
*[[気分障害]] &lt;br /&gt;
*[[不安障害]] &lt;br /&gt;
*[[統合失調症]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン]] &lt;br /&gt;
*[[モノアミン系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン]] &lt;br /&gt;
*[[ノルアドレナリン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン]] &lt;br /&gt;
*[[セロトニン神経系]] &lt;br /&gt;
*[[ドーパミン仮説(統合失調症)]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7367</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7367"/>
		<updated>2012-05-07T13:57:48Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]に関する仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1956年スイスの精神科医Kuhnは[[Imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しかし、[[大うつ病性障害]]患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[躁病]]にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
最近、[[双極性障害]]のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニスト）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]]基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。[[統合失調症]]の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「過剰なドパミン放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7366</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7366"/>
		<updated>2012-05-07T13:45:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[Imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、[[大うつ病性障害]]患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[躁病]]にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、[[双極性障害]]のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニスト）が開発され、[[不安障害]]の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]]基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。[[統合失調症]]の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドパミン放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7365</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7365"/>
		<updated>2012-05-07T13:42:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[Imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、[[恐怖条件付け]]はセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は[[扁桃体]]基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なドパミン放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7364</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7364"/>
		<updated>2012-05-07T13:41:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[Imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[Down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref1&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;アゴニストは5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7363</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7363"/>
		<updated>2012-05-07T13:39:11Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7362</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7362"/>
		<updated>2012-05-07T13:38:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7361</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7361"/>
		<updated>2012-05-07T13:37:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 双極性障害のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7360</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7360"/>
		<updated>2012-05-07T13:35:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2) 双極性障害のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3) 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 4)統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7359</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7359"/>
		<updated>2012-05-07T13:32:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3) 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 4)統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7358</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7358"/>
		<updated>2012-05-07T13:29:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3) 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 4)統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司&amp;lt;br&amp;gt;統合失調症病態モデル動物の開発&amp;lt;br&amp;gt;精神神経学雑誌114:81-98, 2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7357</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7357"/>
		<updated>2012-05-07T13:28:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3) 不安障害のセロトニン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた&amp;lt;ref name=ref4/&amp;gt;。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 4)統合失調症のドパミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている安部川智浩, 伊藤侯輝, 仲唐安哉, 小山司：統合失調症病態モデル動物の開発．精神神経学雑誌114:81-98, 2012。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7356</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7356"/>
		<updated>2012-05-07T13:26:10Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛、小山　司&amp;lt;br&amp;gt;不安障害&amp;lt;br&amp;gt;BRAIN and NERVE 64:131-138, 2012.&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7355</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7355"/>
		<updated>2012-05-07T13:20:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16413172 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;井上　猛&amp;lt;br&amp;gt;気分障害におけるドパミンの役割&amp;lt;br&amp;gt;気分障害の薬理・生化学―総括と新たなる挑戦―&amp;lt;br&amp;gt;医薬ジャーナル、東京、2012（印刷中）&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17688462 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7354</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7354"/>
		<updated>2012-05-07T13:11:33Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref2/&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが&amp;lt;ref name=ref1/&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4587067 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7353</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7353"/>
		<updated>2012-05-07T13:07:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;高橋良&amp;lt;br&amp;gt;神経化学&amp;lt;br&amp;gt;現代精神医学大系：躁うつ病（高橋良、鳩谷龍編），pp101-122, 中山書店，東京，1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;c)ドパミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;2) 双極性障害のモノアミン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7352</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7352"/>
		<updated>2012-05-07T13:03:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]]歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;b)セロトニン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物[[5-hydroxyindole acetic acid]] (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質である[[トリプトファン]]をモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7351</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7351"/>
		<updated>2012-05-07T13:00:23Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、[[気分障害]]、[[不安障害]]、[[統合失調症]]の病因の、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnは[[imipramine]]を[[うつ病]]患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力な[[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用]]をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（[[down-regulation]]）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬の[[SSRI]]や[[SNRI]]はβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも海馬歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や副腎皮質ホルモンで減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11750177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
b)セロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物5-hydroxyindole acetic acid (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質であるトリプトファンをモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4169954 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5351984 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7350</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7350"/>
		<updated>2012-05-07T12:57:18Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、気分障害、不安障害、統合失調症の病因野、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnはimipramineをうつ病患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13583250 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力なノルアドレナリン再取り込み阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14254430 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 5319766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（down-regulation）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された&amp;lt;ref&amp;gt;Sulser F&amp;lt;br&amp;gt;New perspectives on the mode of action of antidepressant drugs&amp;lt;br&amp;gt;Trends Pharmacol Sci 1:92-94, 1979&amp;lt;/ref&amp;gt;。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬のSSRIやSNRIはβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも海馬歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における神経新生はストレスや副腎皮質ホルモンで減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった（Duman）。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
b)セロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物5-hydroxyindole acetic acid (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質であるトリプトファンをモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された(Coppen?)。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(Ross)。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7349</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7349"/>
		<updated>2012-05-07T12:55:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名 monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、気分障害、不安障害、統合失調症の病因野、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) うつ病のモノアミン仮説 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;a)ノルアドレナリン仮説&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnはimipramineをうつ病患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した(Kuhn）。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力なノルアドレナリン再取り込み阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた(Glowinski)。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された (Schildkraut?)。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（down-regulation）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された(Sulser)。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬のSSRIやSNRIはβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも海馬歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における神経新生はストレスや副腎皮質ホルモンで減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった（Duman）。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
b)セロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物5-hydroxyindole acetic acid (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質であるトリプトファンをモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された(Coppen?)。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(Ross)。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7348</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7348"/>
		<updated>2012-05-07T12:51:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;モノアミン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、気分障害、不安障害、統合失調症の病因野、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) うつ病のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
a)ノルアドレナリン仮説&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnはimipramineをうつ病患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した(Kuhn）。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力なノルアドレナリン再取り込み阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた(Glowinski)。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された (Schildkraut?)。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（down-regulation）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された(Sulser)。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬のSSRIやSNRIはβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも海馬歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における神経新生はストレスや副腎皮質ホルモンで減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった（Duman）。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
b)セロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物5-hydroxyindole acetic acid (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質であるトリプトファンをモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された(Coppen?)。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(Ross)。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7347</id>
		<title>モノアミン仮説</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC&amp;diff=7347"/>
		<updated>2012-05-07T12:50:26Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: ページの作成：「モノアミン仮説  英語名monoamine hypothesis  　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミ...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;モノアミン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名monoamine hypothesis&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。そのうち、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンは精神疾患と密接な関連があることが示唆されており、気分障害、不安障害、統合失調症の病因野、あるいはそれらの治療薬の作用機序の仮説が提案されている。いずれの仮説も治療薬の作用機序から患者脳内におけるモノアミンの異常を推定しているという共通点を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) うつ病のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
a)ノルアドレナリン仮説&lt;br /&gt;
　1956年スイスの精神科医Kuhnはimipramineをうつ病患者に用い、imipramineが抗うつ作用を持つことを見出した(Kuhn）。その後追試が各国で行われ、日本では1959年にimipramineは抗うつ薬として発売された。発売当時、imipramineの作用機序は知られておらず、MAO阻害作用も極めて弱かった。Imipramineが強力なノルアドレナリン再取り込み阻害作用をもつことは、後に米国の研究者らによって明らかにされた(Glowinski)。その後開発された様々な抗うつ薬の多くはノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する。Imipramineの作用機序から、うつ病では中枢ノルアドレナリン機能が減少しているという仮説が提案された (Schildkraut?)。ノルアドレナリンの代謝物であるMHPGの尿中あるいは髄液中濃度をうつ病患者で測定し、健常者と比べて低下しているという報告もあるが、変わらないという報告もあり、うつ病患者の脳内でノルアドレナリン機能が低下しているのかどうかについてはまだ確認されていない。&lt;br /&gt;
　Imipramineなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体数の減少（down-regulation）が起きることから、抗うつ薬の急性投与でも惹起される細胞外ノルアドレナリン濃度増加作用よりもdown-regulationのほうが抗うつ薬の作用機序としてふさわしいのではないかというdown-regulation仮説も1970年代に提案された(Sulser)。但し、日本では1999年以降に精神科臨床に導入され、現在主力となっている抗うつ薬のSSRIやSNRIはβアドレナリン受容体数の減少を惹起しない。&lt;br /&gt;
　成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも海馬歯状回下顆粒細胞層と脳室下帯で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における神経新生はストレスや副腎皮質ホルモンで減少し、抗うつ薬の慢性投与や電気けいれん療法の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった（Duman）。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。最近のMRI研究では大うつ病性障害患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆される。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、Gs蛋白を介してcAMPを増加させ、核内のcAMP response element binding protein (CREB)をリン酸化（活性化）し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
b)セロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1）うつ病患者で脳脊髄液中のセロトニンの代謝物5-hydroxyindole acetic acid (5-HIAA)の低下が見られること、2）セロトニンの前駆物質であるトリプトファンをモノアミン酸化酵素阻害剤に併用すると抗うつ作用が増強することなどから、うつ病患者の脳ではセロトニン神経伝達の機能低下が起きているという仮説が提案された(Coppen?)。さらに、一部の三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを阻害することも明らかとなった(Ross)。いくつかの選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor, SSRI)が1980年代より精神科臨床で広く使用される様になってきた（日本では1999年より）。現在SSRIはうつ病治療では第一選択薬となり、もっとも多く使われている抗うつ薬の種類である。SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用以外の薬理作用をほとんど持たないため、シナプス間隙のセロトニンを増やすことがうつ病を改善することにつながると考えられる。&lt;br /&gt;
　しかし、大うつ病性障害患者における脳脊髄液中の5-HIAA濃度低下を支持しない研究も報告されている（高橋）。さらに、抗うつ薬による細胞外セロトニン濃度増加は単回投与でも得られるが、抗うつ効果が十分にえられるためには数週間要するということは、薬理作用と臨床効果の間に矛盾が生じているのではないかという批判も初期のセロトニン仮説に対してあった。&lt;br /&gt;
　抗うつ薬、特に三環系抗うつ薬をラットに慢性投与すると脳内のβアドレナリン受容体やセロトニン2受容体数が減少する。したがって、大うつ病性障害患者の脳ではこれらの受容体（特にセロトニン2受容体）の感受性が亢進している可能性が指摘された。「うつ病素質者ではセロトニン合成の低下があり、セロトニン受容体の感受性亢進が生じて平衡を保っていて、ストレスによりセロトニンが放出されるとうつ病に陥る」といううつ病のセロトニン受容体過感受性仮説がAprisonとTakahashiにより1978年に提唱された（高橋）。この仮説は上述のセロトニン仮説の修正版といえる。さらにその後、血小板のセロトニン2A受容体機能が、メランコリー型の大うつ病性障害や双極性障害で亢進していることが複数の研究グループにより報告された。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリン仮説の項目でも述べたが、最近はSSRIの慢性投与が動物実験で海馬の神経新生を促進することが報告され、SSRIの作用機序として注目されている。SSRIの神経新生に対する効果の機序の詳細はまだ明らかではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
c)ドパミン仮説&lt;br /&gt;
　初期の頃よりドパミンとノルアドレナリンをあわせたカテコールアミン機能の低下がうつ病で想定されていたが(Schildkraut, Prange)、その後特にノルアドレナリンのうつ病における役割が注目される様になった。しかし、モノアミン系の項目でも述べたように、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬は前頭葉で細胞外ドパミン濃度を増加させ、bupropionやモノアミン酸化酵素阻害薬など海外で使用されている抗うつ薬は脳全体で細胞外ドパミン濃度を増加させる。さらに、脳脊髄液中のHVA（homovanilic acid、ドパミンの代謝物）濃度がうつ病患者で低値であること、パーキンソン病の治療薬であるドパミン２受容体アゴニストがうつ病治療に有効であること、などからうつ病では脳内ドパミン機能が低下し、その機能低下が是正されることによりうつ病症状が改善するという仮説が提案されている（井上、Papakostas）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) 双極性障害のモノアミン仮説&lt;br /&gt;
　躁病にはドパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン（ドパミンとノルアドレナリン）の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン（セロトニン）の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された(Prange)。SSRI服用によっても躁転は生じうるので躁病でもセロトニンの機能低下が生じるというのは、現在は支持されることは少ないと思われるが、カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられる。&lt;br /&gt;
　最近、双極性障害のドパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた(Berk)。すなわち、躁病相ではドパミン機能の亢進が、うつ病相ではドパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドパミン機能亢進に伴い、ドパミン受容体の２次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドパミン機能低下に伴い、ドパミン受容体の２次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3) 不安障害のセロトニン仮説&lt;br /&gt;
　1980年代に選択的にセロトニン系に作用する２種類の新しい抗不安薬（SSRIと5-HT1Aアゴニスト）が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。そのうちSSRIは無作為化対照試験によってほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する（井上2012）。したがって、現在ではSSRIこそ抗不安薬といっても過言ではない。しかし、これらのセロトニン系抗不安薬がどのように不安症状を改善するのかはブラックボックスのままであった。&lt;br /&gt;
　ラットを用いた不安の動物モデルである、恐怖条件付けはセロトニン系抗不安薬の薬理作用の解明に有用なモデルであり、恐怖条件付けにおいてセロトニン系抗不安薬が抗不安作用を鋭敏に示すこと、SSRIの作用部位は扁桃体基底核のグルタミン酸神経であること、などが明らかになってきた（井上2012）。すなわち、SSRIと5-HT1Aアゴニストは5-HT1A受容体などを介して扁桃体の神経活動を減弱し、不安・恐怖を減弱すると考えられる。恐怖条件付けの発現過程では内側前頭前野におけるセロトニンがまず活性化されるが、恐怖に繰り返しさらされると扁桃体のセロトニンも活性化する。扁桃体のセロトニン活性化は不安・恐怖症状を惹起するというよりは、不安・恐怖症状を緩和しようという生体側の反応であり、セロトニン系抗不安薬は扁桃体のセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4)統合失調症のドパミン仮説&lt;br /&gt;
　紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン２受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物（覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト）は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状（特に認知機能障害と陰性症状）を説明することは難しい。さらにドパミン２受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。&lt;br /&gt;
　「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果，NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている（安部川）。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7266</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7266"/>
		<updated>2012-05-07T03:30:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoaminergic system &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］ noradrenaline (norepinephrine)  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（[[ノルアドレナリン神経]]）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα&amp;lt;sub&amp;gt;1&amp;lt;/sub&amp;gt;がA,B, Dの３種類、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;、β&amp;lt;sub&amp;gt;1&amp;lt;/sub&amp;gt;といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[ドパミン神経]]の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが1990年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D&amp;lt;sub&amp;gt;1、&amp;lt;/sub&amp;gt;D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;4&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;5&amp;lt;/sub&amp;gt;の５種類の受容体サブタイプがある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039; serotonin  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[セロトニン神経]]の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体が、神経終末に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体と5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体と5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニストも5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体による制御もうけており、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178. &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7247</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7247"/>
		<updated>2012-05-07T01:38:32Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］ noradrenaline (norepinephrine)  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα&amp;lt;sub&amp;gt;1&amp;lt;/sub&amp;gt;がA,B, Dの３種類、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;2A&amp;lt;/sub&amp;gt;、α&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;、β&amp;lt;sub&amp;gt;1&amp;lt;/sub&amp;gt;といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが1990年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;2C&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D&amp;lt;sub&amp;gt;1、&amp;lt;/sub&amp;gt;D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;3&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;4&amp;lt;/sub&amp;gt;、D&amp;lt;sub&amp;gt;5&amp;lt;/sub&amp;gt;の５種類の受容体サブタイプがある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039; serotonin  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体が、神経終末に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体と5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体と5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1D&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1B&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニストも5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT&amp;lt;sub&amp;gt;1A&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体による制御もうけており、α&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178. &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005） &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7246</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7246"/>
		<updated>2012-05-07T01:34:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine) ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7245</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7245"/>
		<updated>2012-05-07T01:32:41Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine) ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7244</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7244"/>
		<updated>2012-05-07T01:31:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine) ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;神経解剖&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;合成・代謝&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;放出の制御&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&#039;受容体&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7243</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7243"/>
		<updated>2012-05-07T01:28:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline system (norepinephrine) ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経解剖 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
合成・代謝&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
放出の制御&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
受容体&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2) &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3)&#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7242</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7242"/>
		<updated>2012-05-07T01:26:58Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 1) &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline system (norepinephrine) ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2) &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 3)&#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7241</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7241"/>
		<updated>2012-05-07T01:25:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&#039;&#039;&#039;モノアミン系&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline system (norepinephrine)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3)&#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7239</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7239"/>
		<updated>2012-05-07T01:20:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&#039;&#039;&#039;モノアミン系&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline system (norepinephrine)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3)&#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7237</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7237"/>
		<updated>2012-05-07T01:17:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&#039;&#039;&#039;モノアミン系&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[モノアミン]]とは[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]、[[アドレナリン]]、[[セロトニン]]、[[ヒスタミン]]などの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) &#039;&#039;&#039;ノルアドレナリン&#039;&#039;&#039;［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) &#039;&#039;&#039;ドパミン&#039;&#039;&#039; dopamine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3)&#039;&#039;&#039;セロトニン&#039;&#039;&#039;  serotonin&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7236</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7236"/>
		<updated>2012-05-07T01:16:30Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;モノアミン系&lt;br /&gt;
英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) ノルアドレナリン［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンは[[モノアミン酸化酵素]](MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・[[トランスポーター]]（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系[[抗うつ薬]]、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) ドパミン dopamine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3)セロトニン  serotonin&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の14種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7235</id>
		<title>モノアミン系</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3%E7%B3%BB&amp;diff=7235"/>
		<updated>2012-05-07T01:09:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Takeshiinoue: ページの作成：「モノアミン系 英語名　monoamine system  　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミン...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;モノアミン系&lt;br /&gt;
英語名　monoamine system&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。いずれの神経伝達物質も一つのアミノ基が２つの炭素鎖により芳香環につながる化学構造を有する。霊長類、齧歯類ではモノアミン含有神経細胞の細胞体は脳幹部にあり、ほぼ脳全体に神経軸索を投射するため、モノアミン神経系（モノアミン系）は広汎投射神経系としての特徴を有する。モノアミンのうち、精神疾患と特に密接な関連があるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンについて以下に解説する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1) ノルアドレナリン［ノルエピネフリン］  noradrenaline (norepinephrine)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経（ノルアドレナリン作動性神経）の細胞体は中枢神経系では主として橋中心灰白質内の青班核にあり、そこから脳全体に投射する。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンはチロシンからドパミンを経由して合成される。チロシン水酸化酵素が律速段階で、ノルアドレナリン合成はノルアドレナリン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ノルアドレナリン受容体（自己受容体、α2アドレナリン受容体）刺激によって抑制される。ノルアドレナリンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物である3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレスなどのノルアドレナリン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進され、細胞外ノルアドレナリン濃度は増加する。いったん放出されたノルアドレナリンはノルアドレナリン作動性神経の神経終末にあるノルアドレナリン・トランスポーター（以前はノルアドレナリン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度は調節されている。ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（ほとんどの三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIのほか、2009年4月に注意欠陥/多動性障害ADHDの治療薬として承認されたatomoxetine）投与はほぼ全脳で細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。自己受容体であるα2アドレナリン受容体遮断は細胞外ノルアドレナリン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　ノルアドレナリンとアドレナリンが作用する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれる（なお、中枢神経系ではアドレナリン作動性神経はノルアドレナリン作動性神経に比べてはるかに数は少ない）。アドレナリン受容体のサブタイプはα1がA,B, Dの３種類、α2がA, B, Cの３種類、βが1,2,3の３種類あり、計９種類ある。そのうち、脳に多いのはα1A、α1B、α1D、α2A、α2C、β1といわれている。抗うつ薬服用によって増えた細胞外ノルアドレナリンがどの受容体サブタイプを介して抗うつ効果を惹起しているのかについてはまだわかっていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2) ドパミン dopamine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ドパミン作動性神経の長い投射系は大きく３つに分けることができる。起始核はいずれも脳幹部にあり、黒質(A9)から線条体（尾状核、被殻）に投射する黒質線条体系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(腹側被蓋野A10)から辺縁系皮質（前頭前野、帯状回、嗅内領野）に投射する中脳皮質系ドパミン投射、腹側被蓋ドパミン細胞(赤核後野A8, 腹側被蓋野A10)からそれ以外の辺縁系（側坐核、中隔野、嗅結節、扁桃体、梨状葉皮質）に投射する中脳辺縁系ドパミン投射がある。黒質線条体系は運動系に、中脳皮質系は作業記憶などの認知機能に、中脳辺縁系は報酬系などに関連しているといわれている。&lt;br /&gt;
　ドパミンの前駆物質であるチロシンは必須アミノ酸ではなく、食物からタンパク質として摂取される他、体内で必須アミノ酸であるフェニルアラニンから変換される。チロシン水酸化酵素がドパミン合成の律速段階である。ドパミン合成はドパミン作動性神経のインパルス量に依存し、さらにシナプス前ドパミン受容体（自己受容体、D2受容体）刺激によって抑制される。ドパミンはモノアミン酸化酵素(MAO)とcatecholamine-O-methyl transferase (COMT)により主たる代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)まで代謝される。&lt;br /&gt;
　ストレス、運動などのドパミン作動性神経のインパルス流量を増やす刺激により、シナプス小胞からシナプス間隙へのドパミン放出が促進され、細胞外ドパミン濃度は増加する。ストレスでは中脳皮質ドパミン系が特に活発化し、運動では黒質線条体ドパミン系が特に活発化する。いったん放出されたドパミンは側坐核や線条体では主としてドパミン作動性神経の神経終末にあるドパミン・トランスポーター（以前はドパミン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のドパミン濃度は調節されている。ドパミン再取り込み阻害薬（抗うつ薬のbupropion、ナルコレプシーの治療薬であるmethylphenidate、試薬のGBR12909、麻薬のcocaine、methamphetamineなどがドパミン再取り込み阻害作用を有する）やドパミン放出促進薬（methamphetamine、methylphenidate）は前述した３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。特にmethamphetamineによるドパミン増加作用はbupropionに比べると顕著であり、bupropionによる増加が２〜３倍程度なのに対して、methamphetamineによる増加は１０〜２０倍までになる。また、SSRIであるsertralineも弱いながらドパミン再取り込み阻害作用を有する。&lt;br /&gt;
　三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SNRIなどのノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬の投与は、黒質線条体系と中脳辺縁系の神経終末領域の細胞外ドパミン濃度には影響しないが、中脳皮質系（前頭前野など）の細胞外ドパミン濃度を増加させることが１９９０年代に発見された。これらの抗うつ薬はドパミン再取り込み阻害作用を有さないのに、ドパミン再取り込み阻害薬のように前頭前野で細胞外ドパミン濃度を増やすことは興味深く、それまで抗うつ薬の作用機序から見逃されていた点であった。その作用機序としては以下の２つの機序が考えられる。1)ノルアドレナリン作動性神経からノルアドレナリンがシナプス間隙に放出されるときに、前駆物質であるドパミンも一緒に放出される、2)ノルアドレナリン作動性神経とドパミン作動性神経（側坐核、線条体以外では前頭前野に投射している）から放出されるドパミンはドパミン・トランスポーターのみならず、ノルアドレナリン・トランスポーターからも神経細胞内に再取り込みされるため、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与によりドパミンのノルアドレナリン・トランスポーターへの取り込みが阻害される。以上の２つの機序に加えて、前頭前野ではドパミン作動性神経に比べて、ノルアドレナリン作動性神経の神経終末が比較的多いという解剖学的特徴が寄与して、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬投与により前頭前野細胞外ドパミン濃度が増加すると考えられる。一方、線条体や側坐核では、ドパミン作動性神経の神経終末のほうがノルアドレナリン作動性神経の神経終末よりも圧倒的に多く、細胞外のドパミンはほとんどドパミン作動性神経終末にあるドパミン・トランスポーターにより取り込まれる。&lt;br /&gt;
　多くの抗精神病薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が有する5-HT2C受容体遮断作用は３つのドパミン投射系（黒質線条体、中脳皮質、中脳辺縁系）で細胞外ドパミン濃度を増加させる。したがって、5-HT2C受容体はドパミン作動性神経に対して、おそらく細胞体レベルで緊張性の抑制作用を有すると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンが作用する受容体はドパミン受容体と呼ばれ、D1, D2、D3、D4、D5の５種類の受容体サブタイプがある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3)セロトニン  serotonin&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の細胞体は橋や脳幹にある縫線核群(B1〜B9)から大脳・小脳・脊髄全体に軸索を投射している。大脳皮質、扁桃体には背側縫線核から、海馬には正中縫線核から投射があり、それぞれの起始核は異なる。&lt;br /&gt;
　セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから合成される。セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素は基質によって飽和されていないため、トリプトファンの取り込み、血中の遊離トリプトファン濃度がセロトニン合成に影響を与える。トリプトファンの脳内への取り込みは能動的取り込み機構を介しているが、芳香族アミノ酸や分枝鎖アミノ酸によって阻害される。トリプトファンの過剰摂取はセロトニン合成を増加させる。また、トリプトファンは血中では蛋白に結合しており、トリプトファンの蛋白結合を阻害する薬物（例えばバルプロ酸）の投与により血中の遊離トリプトファン濃度は上昇するため、脳内セロトニン濃度は上昇する。セロトニンはMAO-Aによって5-HIAAに代謝されるが、MAO-Bによる代謝はうけない。興味深いことに、セロトニン作動性神経内に、MAO-Bは存在するが、MAO-Aは存在しない。したがって、セロトニンの代謝はセロトニン作動性神経内ではなく、それ以外の細胞で行われると考えられる。&lt;br /&gt;
　ドパミンやノルアドレナリンと同様に、ストレスによりセロトニン作動性神経のインパルス流量は増え、シナプス間隙へのセロトニン放出が促進され、細胞外セロトニン濃度は増加する。放出されたセロトニンはセロトニン作動性神経の神経終末にあるセロトニン・トランスポーター（以前はセロトニン取り込み部位と呼ばれていた）というタンパク質により神経終末に再取り込みされ、シナプス間隙のセロトニン濃度は調節されている。セロトニン再取り込み阻害薬（３級アミンの三環系抗うつ薬とSSRI）投与はほぼ全脳で細胞外セロトニン濃度を増加させる。&lt;br /&gt;
　セロトニン作動性神経の自己受容体は３種類あり、細胞体に5-HT1A受容体が、神経終末に5-HT1B受容体と5-HT1D受容体が存在する。これらの自己受容体はいずれもセロトニン作動性神経の発火とセロトニン放出を抑制する。5-HT1B受容体と5-HT1D受容体は相同性が高く、片方のアゴニストあるいはアンタゴニストは他方の受容体にも親和性を有することが多い。SSRIとの併用では、5-HT1B受容体アンタゴニストも5-HT1A受容体アンタゴニストも細胞外セロトニン濃度をさらに増加させ、両アンタゴニストの併用はより効果的であるという報告もある。動物実験ではSSRI急性投与による細胞外セロトニン濃度の増加は２〜３倍であり、反復投与によって低用量の効果は増強するが、高用量のSSRIによる細胞外セロトニン濃度増加の程度は反復投与によって増強しない。しかし、セロトニンの自己受容体アンタゴニスト（特に5-HT1A受容体アンタゴニスト）をSSRIと併用するとSSRIの細胞外セロトニン濃度に対する効果がさらに大きくなる。&lt;br /&gt;
　5-HT1A受容体の自己受容体を介したネガティブ・フィードバックのみならず、セロトニン作動性神経が投射する神経細胞にある5-HT1A受容体を介したlong-loopネガティブ・フィードバックによってもセロトニン作動性神経は調節されている。&lt;br /&gt;
　細胞外セロトニン濃度は異種受容体であるα2アドレナリン受容体による制御もうけており、α2アドレナリン受容体遮断薬のSSRIとの併用はセロトニン再取り込み阻害作用による細胞外セロトニン濃度増加作用を増強する。&lt;br /&gt;
　セロトニン受容体サブタイプはドパミン、アドレナリン受容体と比べてより多彩であり、1A、1B、1D、１E、1F、2A、2B、2C、3、4、5A、5B、6、7の１４種類ある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
参考文献&lt;br /&gt;
井上　猛、中川　伸、小山　司 (2009) 大うつ病性障害の薬理／抗うつ薬 ．樋口輝彦，小山　司，神庭重信編，臨床精神薬理ハンドブック（第二版）、医学書院，pp158-178.&lt;br /&gt;
Cooper JR, Bloom FE, Roth RH　(2003) The Biochemical Basis of Neuropharmacology, 8th ed. Oxford University Press, New York.（邦訳　神経薬理学、樋口宗史監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、東京、2005）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：井上　猛　担当編集委員：加藤忠史）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Takeshiinoue</name></author>
	</entry>
</feed>