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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-04-23T03:25:20Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11529</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-07-09T01:43:24Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = BMP&lt;br /&gt;
| Name = Bone Morphogenic Protein&lt;br /&gt;
| image = Protein_BMP4_PDB_1reu.png&lt;br /&gt;
| width =&lt;br /&gt;
| caption = Bone Morphogenic Protein type 4 (BMP4)&lt;br /&gt;
| Pfam= PF00019&lt;br /&gt;
| InterPro= IPR001839&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE= PDOC00223&lt;br /&gt;
| SCOP = 1tfg&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family=&lt;br /&gt;
| OPM protein=&lt;br /&gt;
| PDB=&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ktz}}A:312-412   {{PDB3|1tgj}}A:312-412   {{PDB3|1tgk}} :312-412&lt;br /&gt;
{{PDB3|1tfg}} :314-414   {{PDB3|2tgi}} :314-414   {{PDB3|1kld}}A:290-390&lt;br /&gt;
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{{PDB3|1ehr}}A:290-393   {{PDB3|1agq}}B:115-211&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP　独：knochenmorphogenetische Proteine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、骨組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された8種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1は[[wikipedia:ja:マトリックスメタロプロテアーゼ|メタロプロテアーゼ]]で、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4は[[wikipedia:BMPR1A|BMPR1A]]やBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]の[[ノックアウトマウス]]とEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせた[[マウス]]が作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合とBMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主に[[ショウジョウバエ]]の研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11528</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-07-09T01:39:42Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = BMP&lt;br /&gt;
| Name = Bone Morphogenic Protein&lt;br /&gt;
| image = Protein_BMP4_PDB_1reu.png&lt;br /&gt;
| width =&lt;br /&gt;
| caption = Bone Morphogenic Protein type 4 (BMP4)&lt;br /&gt;
| Pfam= PF00019&lt;br /&gt;
| InterPro= IPR001839&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE= PDOC00223&lt;br /&gt;
| SCOP = 1tfg&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family=&lt;br /&gt;
| OPM protein=&lt;br /&gt;
| PDB=&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ktz}}A:312-412   {{PDB3|1tgj}}A:312-412   {{PDB3|1tgk}} :312-412&lt;br /&gt;
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}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP　独：knochenmorphogenetische Proteine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、骨組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された8種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1は[[wikipedia:ja:マトリックスメタロプロテアーゼ|メタロプロテアーゼ]]で、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4は[[wikipedia:BMPR1A|BMPR1A]]やBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]の[[ノックアウトマウス]]とEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせた[[マウス]]が作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主に[[ショウジョウバエ]]の研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11527</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-07-09T01:37:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = BMP&lt;br /&gt;
| Name = Bone Morphogenic Protein&lt;br /&gt;
| image = Protein_BMP4_PDB_1reu.png&lt;br /&gt;
| width =&lt;br /&gt;
| caption = Bone Morphogenic Protein type 4 (BMP4)&lt;br /&gt;
| Pfam= PF00019&lt;br /&gt;
| InterPro= IPR001839&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE= PDOC00223&lt;br /&gt;
| SCOP = 1tfg&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family=&lt;br /&gt;
| OPM protein=&lt;br /&gt;
| PDB=&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ktz}}A:312-412   {{PDB3|1tgj}}A:312-412   {{PDB3|1tgk}} :312-412&lt;br /&gt;
{{PDB3|1tfg}} :314-414   {{PDB3|2tgi}} :314-414   {{PDB3|1kld}}A:290-390&lt;br /&gt;
{{PDB3|1klc}}B:290-390   {{PDB3|1kla}}A:290-390   {{PDB3|1nyu}}B:318-426&lt;br /&gt;
{{PDB3|1nys}}D:318-426   {{PDB3|2b0u}}B:318-426   {{PDB3|1s4y}}D:318-426&lt;br /&gt;
{{PDB3|1m4u}}L:327-431   {{PDB3|1bmp}} :328-431   {{PDB3|1lxi}}A:327-431&lt;br /&gt;
{{PDB3|1lx5}}A:327-431   {{PDB3|1es7}}A:293-396   {{PDB3|1rew}}B:293-396&lt;br /&gt;
{{PDB3|1reu}}A:294-396   {{PDB3|3bmp}}A:293-396   {{PDB3|2bhk}}A:397-501&lt;br /&gt;
{{PDB3|1waq}}A:397-501   {{PDB3|1zkz}}A:324-429   {{PDB3|1ehu}}A:290-393&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ehr}}A:290-393   {{PDB3|1agq}}B:115-211&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP　独：knochenmorphogenetische Proteine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、骨組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された8種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1は[[wikipedia:ja:マトリックスメタロプロテアーゼ|メタロプロテアーゼ]]で、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4は[[wikipedia:BMPR1A]]やBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]の[[ノックアウトマウス]]とEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせた[[マウス]]が作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主に[[ショウジョウバエ]]の研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11526</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11526"/>
		<updated>2012-07-09T01:30:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = BMP&lt;br /&gt;
| Name = Bone Morphogenic Protein&lt;br /&gt;
| image = Protein_BMP4_PDB_1reu.png&lt;br /&gt;
| width =&lt;br /&gt;
| caption = Bone Morphogenic Protein type 4 (BMP4)&lt;br /&gt;
| Pfam= PF00019&lt;br /&gt;
| InterPro= IPR001839&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE= PDOC00223&lt;br /&gt;
| SCOP = 1tfg&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family=&lt;br /&gt;
| OPM protein=&lt;br /&gt;
| PDB=&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ktz}}A:312-412   {{PDB3|1tgj}}A:312-412   {{PDB3|1tgk}} :312-412&lt;br /&gt;
{{PDB3|1tfg}} :314-414   {{PDB3|2tgi}} :314-414   {{PDB3|1kld}}A:290-390&lt;br /&gt;
{{PDB3|1klc}}B:290-390   {{PDB3|1kla}}A:290-390   {{PDB3|1nyu}}B:318-426&lt;br /&gt;
{{PDB3|1nys}}D:318-426   {{PDB3|2b0u}}B:318-426   {{PDB3|1s4y}}D:318-426&lt;br /&gt;
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{{PDB3|1ehr}}A:290-393   {{PDB3|1agq}}B:115-211&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP　独：knochenmorphogenetische Proteine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、骨組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された8種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1は[[メタロプロテアーゼ]]で、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]の[[ノックアウトマウス]]とEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせた[[マウス]]が作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主に[[ショウジョウバエ]]の研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11525</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11525"/>
		<updated>2012-07-09T01:28:29Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: /* 骨形成因子とは */&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{Pfam_box&lt;br /&gt;
| Symbol = BMP&lt;br /&gt;
| Name = Bone Morphogenic Protein&lt;br /&gt;
| image = Protein_BMP4_PDB_1reu.png&lt;br /&gt;
| width =&lt;br /&gt;
| caption = Bone Morphogenic Protein type 4 (BMP4)&lt;br /&gt;
| Pfam= PF00019&lt;br /&gt;
| InterPro= IPR001839&lt;br /&gt;
| SMART=&lt;br /&gt;
| PROSITE= PDOC00223&lt;br /&gt;
| SCOP = 1tfg&lt;br /&gt;
| TCDB =&lt;br /&gt;
| OPM family=&lt;br /&gt;
| OPM protein=&lt;br /&gt;
| PDB=&lt;br /&gt;
{{PDB3|1ktz}}A:312-412   {{PDB3|1tgj}}A:312-412   {{PDB3|1tgk}} :312-412&lt;br /&gt;
{{PDB3|1tfg}} :314-414   {{PDB3|2tgi}} :314-414   {{PDB3|1kld}}A:290-390&lt;br /&gt;
{{PDB3|1klc}}B:290-390   {{PDB3|1kla}}A:290-390   {{PDB3|1nyu}}B:318-426&lt;br /&gt;
{{PDB3|1nys}}D:318-426   {{PDB3|2b0u}}B:318-426   {{PDB3|1s4y}}D:318-426&lt;br /&gt;
{{PDB3|1m4u}}L:327-431   {{PDB3|1bmp}} :328-431   {{PDB3|1lxi}}A:327-431&lt;br /&gt;
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{{PDB3|1reu}}A:294-396   {{PDB3|3bmp}}A:293-396   {{PDB3|2bhk}}A:397-501&lt;br /&gt;
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{{PDB3|1ehr}}A:290-393   {{PDB3|1agq}}B:115-211&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP　独：knochenmorphogenetische Proteine&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された8種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1は[[メタロプロテアーゼ]]で、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]の[[ノックアウトマウス]]とEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせた[[マウス]]が作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主に[[ショウジョウバエ]]の研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11278</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11278"/>
		<updated>2012-07-04T03:06:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、神経管や大脳の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、神経ー筋接合の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経節]]の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11277</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-07-04T02:59:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、神経管や大脳の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、神経ー筋接合の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性／機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の三叉神経節の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11276</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11276"/>
		<updated>2012-07-04T02:50:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4/5/7が背側領域に発現し、大脳の背側領域のパターン形成に働いている。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。これらのケースのように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]の[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の三叉神経節の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11275</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11275"/>
		<updated>2012-07-04T02:47:57Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳の発生期においても、BMP4、5、7が背側領域に発現している。発生が進むにつれてBMPの大脳背側での発現領域は狭まり、海馬采（[[wikipedia:fimbria|fimbria]]）や脈絡叢（[[wikipedia:choroid_plexus|choroid plexus]]）に限局する。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]において[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化や脊椎動物の三叉神経節の感覚ニューロンサブタイプの決定の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17698011&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11269</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11269"/>
		<updated>2012-07-04T02:17:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。BMPと受容体の結合特異性は主にI型受容体によって決められており、BMP2/4はBMPR1AやBMPR1Bに、BMP6/7はALK2に強く結合し、BMPR1Bにも弱く結合する。GDF5はBMPR1Bに結合する。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]において[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11267</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11267"/>
		<updated>2012-07-04T02:07:56Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体２量体に結合し、転写因子SMADのリン酸化を経て核内にシグナル伝達される。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するものが大部分であったが、BMP1はメタロプロテアーゼで、BMP3も同じファミリーには属していない。本稿で扱うのはTGF-βスーパーファミリーに属するBMPで、BMP2/4グループ（BMP2、BMP4）、OP-1グループ（BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b）、BMP9グループ（BMP9、BMP10）、GDF5グループ（GDF5、GDF6、GDF7）に分けられる。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]において[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11266</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11266"/>
		<updated>2012-07-04T01:57:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：bone morphogenetic protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
同義語：骨形成タンパク質&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もともと、組織や[[軟骨]]の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。BMP2〜BMP7は[[TGF-β]]スーパーファミリーに属し、12種類が知られている。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==骨形成因子とは==&lt;br /&gt;
　骨形成因子という名が示す通り、もともとは組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。当初同定された８種類の蛋白質のうち、TGF-βスーパーファミリーに属するのは７つで、BMP1はメタロプロテアーゼであった。本稿で扱うのは前者である。後にさらにメンバーが増えて、サブファミリーのGrowth Differentiation Factor (GDF) 5〜7を加えた１２個ほどが知られている。同じ両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−βスーパーファミリータンパク質はホモもしくはヘテロ二量体として[[リガンド]]活性を持ち、２本の[[wikipedia:ja:ペプチド鎖|ペプチド鎖]]は[[wikipedia:ja:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]によって結合している。膜貫通型の[[セリン／スレオニンリン酸化酵素]][[受容体]]であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[TAK1]]/[[TAB1/2]]を介した経路や[[PKA]]を介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路は[[SMAD]]タンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体が[[SMAD1]]/[[SMAD5|5]]/[[SMAD8|8]]の[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]／[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]残基を[[リン酸化]]すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にある[[SMAD4]]と結合して[[wikipedia:ja:核|核]]に移行する。そこでターゲット遺伝子の[[cis制御領域]]に結合し、その[[wikipedia:ja:転写 (生物学)|転写]]を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外では[[ノギン]]（Noggin） や[[コーディン]]（Chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性[[SMAD6]]/[[SMAD7|7]]によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[wikipedia:ja:外胚葉|外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部神経堤の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]において[[FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、[[Olig2]]を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制は[[FGF]]シグナルによってさらに抑制されていなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成体[[マウス]]の[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（[[顆粒細胞]]）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと神経幹細胞が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは神経幹細胞の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、[[BMP受容体Ib]]のノックアウトマウスとEmx1-creをもちいた[[BMP受容体Ia]]のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、[[cortical hem]]特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは[[恐怖]]や[[不安]]を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている歯状回の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、BMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と[[筋肉]]の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（[[Glass bottom boat]]（Gbb））がプレシナプスに分布する[[Wishful thinking]]（Wit）、[[Thickveins]]（Tkv）、[[Saxophone]]（Sax）からなる受容体複合体に結合する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これにより、[[LIMK]]1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によって[[Mothers against decepentaplegic]]（Mad、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行して[[Trio]]などのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や[[神経伝達]]の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えば[[Daughters against decapetaplegic]] (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経変性疾患とBMPシグナル ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===遺伝性痙性対麻痺 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[遺伝性痙性対麻痺]](hereditary spastic paraplegia)にみられる変異遺伝子の一つである[[NIPA1]]のショウジョウバエホモログである[[spichthyin]]の変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部の[[シナプスボタン]]（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===筋萎縮性側索硬化症===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[筋萎縮性側索硬化症]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脊髄性筋萎縮===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　I型の[[脊髄性筋萎縮]] (spinal muscular atrophy)の患者ではしばしば[[Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常と脊髄性筋萎縮との関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===多発性硬化症===&lt;br /&gt;
　[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、[[Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログである[[endosomal maturation defective]]（ema）変異体では[[シナプスボタン]]の肥大が見られ、[[Tkv]]の発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=11264</id>
		<title>Numb</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=11264"/>
		<updated>2012-07-04T01:34:07Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=8650}}&lt;br /&gt;
　もともとは[[ショウジョウバエ]]で同定された[[wikipedia:JA:遺伝子|遺伝子]]（dNumb）で、変異体は[[外感覚器前駆細胞]]（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[wikipedia:ja:細胞系譜|細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[Notch]]タンパク質と相互作用してNotchシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）と[[Numb-like]]（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|選択的スプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の[[wikipedia:JA:脊椎動物|脊椎動物]]で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側に[[リン酸化チロシン結合ドメイン]]（phosphotyrosine-binding domain, PTB domain）がある&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側には[[Eps15ホモロジー領域]]（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（[[proline-rich region]]、PRR）があり、PRR中に[[Src homology-3 binding site]]様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRに選択的スプライシングがあり、全部で4種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的な[[wikipedia:JA:グルタミン|グルタミン]]に富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==ファミリー==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、選択的スプライシングによって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる。mNumbは神経系をはじめとして胚発生期のさまざまな組織で発現しているが、アイソフォームによって発現パターンが異なる（後述）。また、Numblは神経発生期において、分化したニューロンに限局して発現する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===Notchシグナルの抑制===&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、[[wikipedia:ja:核|核]]内に移行して[[転写制御]]に関わるが([[Notch]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、[[HECT-domain]] [[E3 ubiquitin ligase]]である[[Itch]]（ショウジョウバエの[[Suppressor of Deltex]]）に結合することで、NICDの[[ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって[[細胞膜]]上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[クラスリン]][[アダプタータンパク質]]である[[α-アダプチン]]や[[Epsin 15 homology domainファミリータンパク質]]と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11121447 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。Numbは[[Rab]]11陽性の[[エンドソーム]]に分布し、[[カドヘリン]]／[[カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる[[接着結合]]（adherens junction、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17589506 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[インテグリン]]（[[細胞外基質]]の[[受容体]]）に結合し、クラスリンを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。非典型的[[プロテインキナーゼC]]（aPKC）による[[リン酸化]]によってNumbタンパク質とβ-インテグリンの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19609305 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17203073 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===その他===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[アミロイド前駆タンパク質]]（APP）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18599481 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[Hedgehog]]シグナルのターゲットである[[転写因子]][[Gli1]]と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20818436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]の[[HDM3]]によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18172499 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエでは[[SOP]]の分裂時にdNumbが非対称に局在して、[[wikipedia:ja:娘細胞|娘細胞]]に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、[[wikipedia:JA:脊椎動物|脊椎動物]]の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において[[脳室]]側、すなわち[[wikipedia:ja:頂端膜|頂端]]（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、[[wikipedia:JA:ニワトリ|ニワトリ]]については[[wikipedia:ja:体細胞分裂#.E5.89.8D.E6.9C.9F|分裂期前期]]から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10402194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、[[wikipedia:JA:体細胞分裂#.E4.B8.AD.E6.9C.9F|分裂期中期]]以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種である[[Transitin]]にNumbが結合して一緒に運ばれることによる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17522158 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。[[ゼブラフィッシュ]]でもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では[[基底膜]]側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、[[ノックアウト]]（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この説にある程度の根拠を与えているのが、前述した選択的スプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳[[顆粒細胞]]の前駆細胞の増殖は[[ヘッジホッグ]]（Hedgehog）シグナル（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<title>毛様体神経栄養因子</title>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=1270}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：ciliary neurotrophic factor　英語略称名：CNTF　独：Ciliären Neurotrophen Faktor　仏： facteur neurotrophique ciliaire&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　毛様体神経栄養因子（[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor|CNTF]]）はニワトリ胚抽出物に含まれる、毛様体ニューロンの生存を維持する栄養因子として発見された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 451576 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、様々なニューロンに対して栄養因子活性を持つ分子として知られるようになった。また、[[神経幹細胞]]に対して増殖促進活性が認められる。CNTFは障害によって活性化される因子として知られ、様々な病態で分泌されることがわかっている。&lt;br /&gt;
アミノ末端に分泌やグリコシル化のコンセンサス配列を持っておらず、どのような機構で細胞外に分泌されるのか正確なところはわかっていない。[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor_receptor|CNTFα受容体]]（CNTFRα）、[[wikipedia:leukaemia_inhibitory_factor_receptor|白血球遊走阻止因子β受容体]]（LIFRβ）と[[wikipedia:glycoprotein_130|gp130]]の複合体を介して[[wikipedia:ja:ヤーヌスキナーゼ|ヤーヌスキナーゼ]] ／[[STAT3|signal transducer and activator of transcription 3（STAT3）]]経路を活性化する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFはlong-chain α-helix-bundle[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]に分類され、gp130を共通の受容体複合体サブユニットとして使う[[wikipedia:ja:インターロイキン-6|インターロイキン-6]]（IL-6）、IL-11、[[白血球遊走阻止因子]]（LIF）、[[wikipedia:oncostatin_M| oncostatin M]]と同じサブファミリーに属する。細胞膜上のCNTFRαに結合する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9716487 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CNTFRαは[[wikipedia:glycosylphosphatidylinositol|glycosylphosphatidylinositol]]（GPI）リンカーによって細胞膜上に分布し、IL-6 、LIF、 oncostatin M等のサイトカインの受容体とともにクラスI型サイトカイン受容体に分類される。CNTF受容体複合体のサブユニットであるCNTFRとCNTFが結合すると、膜貫通型のシグナル伝達サブユニットであるLIFRβとgp130をリクルートして活性化し、シグナルを細胞内に伝える。受容体複合体の形成により、細胞質内に分布する[[リン酸化酵素]]である[[wikipedia:Janus kinase 1|Jak1]]/[[wikipedia:Janus kinase 2|2]]/[[wikipedia:Janus kinase 3|3]]や[[wikipedia:Tyrosine kinase 2|Tyk2]]が活性化され、gp130の細胞内領域がリン酸化される。すると、[[転写制御因子]]であるSTAT3がこのリン酸化部位に結合してリン酸化を受け、2量体形成と[[核]]移行がおきてターゲット遺伝子の[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化をおこなう。gp130やJak、STATといった分子はCNTF以外のIL-6やLIF等のサイトカインによるシグナル伝達にも共通して用いられるため、各種細胞のサイトカインに対する反応特異性は主に受容体の発現によって決められると考えられている。一方、CNTFRαは[[ホスホリパーゼC]]を介してGPIリンカーを切断されて分泌型受容体になるため、LIFRβとgp130を発現している細胞ではCNTFと分泌型CNTFRαが供給されればシグナル伝達がおきることも報告されている。CNTFや分泌型CNTFRαは血清中や[[脳脊髄液]]中に検出される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 栄養因子としての活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFは[[シュワン細胞]]や[[オリゴデンドロサイト]]に発現がみられ、神経障害などの際に発現が上昇する。一方、CNTFRαは神経系に広範囲に発現している。CNTFは過度な光刺激などで障害された[[網膜]][[桿体細胞]]や[[錐体細胞]]の再生を促す活性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22182585 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。また網膜[[神経節細胞]]に対しても、栄養因子活性を持ち、視神経の断裂によって生じる[[細胞死]]を抑制し、軸索の再生と伸長を助ける。CNTFがこのような活性を持つことから、その医療への応用が模索されている。しかし、CNTFの投与は網膜桿体細胞の分化を抑制する、もしくは[[ロドプシン]]の発現を抑制し、[[wikipedia:electroretinography|網膜電位]]の低下がおきる。したがって、CNTF遺伝子を持つ[[ウイルスベクター]]感染による遺伝子導入やCNTF発現細胞の移植などによる継続的なCNTFの供給は視力の回復を妨げるため、一時的かつ比較的低い濃度での供給方法の確立が必要である。また、リン酸化STAT3に対する抗体を使った免疫染色の結果から、このようなCNTFの活性はおもに[[ミュラーグリア]]に作用しておきる間接的なものと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経新生の促進とドーパミン産生ニューロン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[ニューロスフェア]]の培養実験によって、CNTFやLIFが[[神経幹細胞]]の維持と増殖の促進をおこなう活性があることが示されている。このうち、CNTFのノックアウトマウスでは、[[海馬]]（hippocampus）の[[歯状回]]（dentate gyrus）や[[大脳]][[側脳室]]といった生後脳で[[神経新生]]がおきる場所において神経幹細胞や中間増殖細胞の数の減少が見られる&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方LIFのノックアウトでは生後脳の神経新生に影響は認められない。上にも述べたようにCNTFはCNTFRα−LIFRβ−gp130という受容体複合体を通してシグナルを伝達するが、LIFもLIFRβ−gp130という共通の受容体を用いるため、培養実験ではCNTFとLIFが同様の活性を持つものの、実際にin vivoで働いているのはCNTFであると思われる。一方CNTFノックアウトマウスの脳の発生は正常であるため、CNTFとLIF両方が胎生期の神経幹細胞の維持と増殖に関わっていると思われる。また、STAT3のコンディショナルノックアウトマウスで歯状回における神経幹細胞／中間増殖細胞の数が減少する&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;ことから、STAT遺伝子の中でもSTAT3がCNTFシグナルのエフェクターとして中心的な役割を果たしていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[黒質]][[線条体]]の[[ドーパミン]]産生ニューロンが大脳側脳室の[[神経前駆細胞]]の増殖を制御しており、ドーパミンの欠乏や神経切断によって増殖が低下する。このことは[[パーキンソン病]]患者でも確認されており、ドーパミンと神経新生の関連が示唆されている。ドーパミン[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]の選択的アゴニストである[[キンピロール]]は側脳室や歯状回における細胞増殖を促進するが、この効果がCNTFのノックアウトマウスでは認められない&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18305256 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。黒質（substantia nigra）ドーパミン産生ニューロンの投射を失わせたマウスではキンピロールによる増殖の回復が見られるが、CNTFノックアウトマウスでは効果が無い&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。これらのことから、ドーパミンによるD&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の活性化がCNTFの産生を促進することで、間接的に神経幹細胞／中間増殖細胞の増殖を活性化しているのではないかと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<title>毛様体神経栄養因子</title>
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		<updated>2012-07-04T01:07:48Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=1270}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：ciliary neurotrophic factor　英語略称名：CNTF　独：Ciliären Neurotrophen Faktor　仏： facteur neurotrophique ciliaire&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　毛様体神経栄養因子（[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor|CNTF]]）はニワトリ胚抽出物に含まれる、毛様体ニューロンの生存を維持する栄養因子として発見された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 451576 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、様々なニューロンに対して栄養因子活性を持つ分子として知られるようになった。また、[[神経幹細胞]]に対して増殖促進活性が認められる。CNTFは障害によって活性化される因子として知られ、様々な病態で分泌されることがわかっている。&lt;br /&gt;
アミノ末端に分泌やグリコシル化のコンセンサス配列を持っておらず、どのような機構で細胞外に分泌されるのか正確なところはわかっていない。[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor_receptor|CNTFα受容体]]（CNTFRα）、[[wikipedia:leukaemia_inhibitory_factor_receptor|白血球遊走阻止因子β受容体]]（LIFRβ）と[[wikipedia:glycoprotein_130|gp130]]の複合体を介して[[wikipedia:ja:ヤーヌスキナーゼ|ヤーヌスキナーゼ]] ／[[STAT3|signal transducer and activator of transcription 3（STAT3）]]経路を活性化する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFはlong-chain α-helix-bundle[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]に分類され、gp130を共通の受容体複合体サブユニットとして使う[[wikipedia:ja:インターロイキン-6|インターロイキン-6]]（IL-6）、IL-11、[[白血球遊走阻止因子]]（LIF）、[[wikipedia:oncostatin_M| oncostatin M]]と同じサブファミリーに属する。細胞膜上のCNTFRαに結合する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9716487 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CNTFRαは[[wikipedia:glycosylphosphatidylinositol|glycosylphosphatidylinositol]]（GPI）リンカーによって細胞膜上に分布し、IL-6 、LIF、 oncostatin M等のサイトカインの受容体とともにクラスI型サイトカイン受容体に分類される。CNTF受容体複合体のサブユニットであるCNTFRとCNTFが結合すると、膜貫通型のシグナル伝達サブユニットであるLIFRβとgp130をリクルートして活性化し、シグナルを細胞内に伝える。受容体複合体の形成により、細胞質内に分布する[[リン酸化酵素]]である[[wikipedia:Janus kinase 1|Jak1]]/[[wikipedia:Janus kinase 2|2]]/[[wikipedia:Janus kinase 3|3]]や[[wikipedia:Tyrosine kinase 2|Tyk2]]が活性化され、gp130の細胞内領域がリン酸化される。すると、[[転写制御因子]]であるSTAT3がこのリン酸化部位に結合してリン酸化を受け、2量体形成と[[核]]移行がおきてターゲット遺伝子の[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化をおこなう。gp130やJak、STATといった分子はCNTF以外のIL-6やLIF等のサイトカインによるシグナル伝達にも共通して用いられるため、各種細胞のサイトカインに対する反応特異性は主に受容体の発現によって決められると考えられている。一方、CNTFRαは[[ホスホリパーゼC]]を介してGPIリンカーを切断されて分泌型受容体になるため、LIFRβとgp130を発現している細胞ではCNTFと分泌型CNTFRαが供給されればシグナル伝達がおきることも報告されている。CNTFや分泌型CNTFRαは血清中や[[脳脊髄液]]中に検出される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 栄養因子としての活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFはシュワン細胞やオリゴデンドロサイトに発現がみられ、神経障害などの際に発現が上昇する。一方、CNTFRαは神経系に広範囲に発現している。CNTFは過度な光刺激などで障害された[[網膜]][[桿体細胞]]や[[錐体細胞]]の再生を促す活性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22182585 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。また網膜[[神経節細胞]]に対しても、栄養因子活性を持ち、視神経の断裂によって生じる[[細胞死]]を抑制し、軸索の再生と伸長を助ける。CNTFがこのような活性を持つことから、その医療への応用が模索されている。しかし、CNTFの投与は網膜桿体細胞の分化を抑制する、もしくは[[ロドプシン]]の発現を抑制し、[[wikipedia:electroretinography|網膜電位]]の低下がおきる。したがって、CNTF遺伝子を持つ[[ウイルスベクター]]感染による遺伝子導入やCNTF発現細胞の移植などによる継続的なCNTFの供給は視力の回復を妨げるため、一時的かつ比較的低い濃度での供給方法の確立が必要である。また、リン酸化STAT3に対する抗体を使った免疫染色の結果から、このようなCNTFの活性はおもに[[ミュラーグリア]]に作用しておきる間接的なものと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経新生の促進とドーパミン産生ニューロン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[ニューロスフェア]]の培養実験によって、CNTFやLIFが[[神経幹細胞]]の維持と増殖の促進をおこなう活性があることが示されている。このうち、CNTFのノックアウトマウスでは、[[海馬]]（hippocampus）の[[歯状回]]（dentate gyrus）や[[大脳]][[側脳室]]といった生後脳で[[神経新生]]がおきる場所において神経幹細胞や中間増殖細胞の数の減少が見られる&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方LIFのノックアウトでは生後脳の神経新生に影響は認められない。上にも述べたようにCNTFはCNTFRα−LIFRβ−gp130という受容体複合体を通してシグナルを伝達するが、LIFもLIFRβ−gp130という共通の受容体を用いるため、培養実験ではCNTFとLIFが同様の活性を持つものの、実際にin vivoで働いているのはCNTFであると思われる。一方CNTFノックアウトマウスの脳の発生は正常であるため、CNTFとLIF両方が胎生期の神経幹細胞の維持と増殖に関わっていると思われる。また、STAT3のコンディショナルノックアウトマウスで歯状回における神経幹細胞／中間増殖細胞の数が減少する&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;ことから、STAT遺伝子の中でもSTAT3がCNTFシグナルのエフェクターとして中心的な役割を果たしていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[黒質]][[線条体]]の[[ドーパミン]]産生ニューロンが大脳側脳室の[[神経前駆細胞]]の増殖を制御しており、ドーパミンの欠乏や神経切断によって増殖が低下する。このことは[[パーキンソン病]]患者でも確認されており、ドーパミンと神経新生の関連が示唆されている。ドーパミン[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]の選択的アゴニストである[[キンピロール]]は側脳室や歯状回における細胞増殖を促進するが、この効果がCNTFのノックアウトマウスでは認められない&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18305256 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。黒質（substantia nigra）ドーパミン産生ニューロンの投射を失わせたマウスではキンピロールによる増殖の回復が見られるが、CNTFノックアウトマウスでは効果が無い&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。これらのことから、ドーパミンによるD&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の活性化がCNTFの産生を促進することで、間接的に神経幹細胞／中間増殖細胞の増殖を活性化しているのではないかと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<updated>2012-07-04T00:47:12Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=1270}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：ciliary neurotrophic factor　英語略称名：CNTF　独：Ciliären Neurotrophen Faktor　仏： facteur neurotrophique ciliaire&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　毛様体神経栄養因子（[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor|CNTF]]）はニワトリ胚抽出物に含まれる、毛様体ニューロンの生存を維持する栄養因子として発見された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 451576 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、様々なニューロンに対して栄養因子活性を持つ分子として知られるようになった。また、[[神経幹細胞]]に対して増殖促進活性が認められる。CNTFは障害によって活性化される因子として知られ、様々な病態で分泌されることがわかっている。&lt;br /&gt;
アミノ末端に分泌やグリコシル化のコンセンサス配列を持っておらず、どのような機構で細胞外に分泌されるのか正確なところはわかっていない。[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor_receptor|CNTFα受容体]]、[[wikipedia:leukaemia_inhibitory_factor_receptor|白血球遊走阻止因子β受容体]]（LIFRβ）と[[wikipedia:glycoprotein_130|gp130]]の複合体を介して[[wikipedia:ja:ヤーヌスキナーゼ|ヤーヌスキナーゼ]] ／[[STAT3|signal transducer and activator of transcription 3（STAT3）]]経路を活性化する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFはlong-chain α-helix-bundle[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]に分類され、gp130を共通の受容体複合体サブユニットとして使う[[wikipedia:ja:インターロイキン-6|インターロイキン-6]](IL-6)、IL-11、[[白血球遊走阻止因子]] (LIF)、[[wikipedia:oncostatin_M| oncostatin M]]と同じサブファミリーに属する。細胞膜上の[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor_receptor|CNTFα受容体]]（CNTFRα）に結合する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9716487 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CNTFRは[[wikipedia:glycosylphosphatidylinositol|glycosylphosphatidylinositol]]（GPI）リンカーによって細胞膜上に分布し、IL-6 、LIF、 oncostatin M等のサイトカインの受容体とともにクラスI型サイトカイン受容体に分類される。CNTF受容体複合体のサブユニットであるCNTFRとCNTFが結合すると、膜貫通型のシグナル伝達サブユニットであるLIFRβとgp130をリクルートして活性化し、シグナルを細胞内に伝える。受容体複合体の形成により、細胞質内に分布する[[リン酸化酵素]]である[[wikipedia:Janus kinase 1|Jak1]]/[[wikipedia:Janus kinase 2|2]]/[[wikipedia:Janus kinase 3|3]]や[[wikipedia:Tyrosine kinase 2|Tyk2]]が活性化され、gp130の細胞内領域がリン酸化される。すると、[[転写制御因子]]であるSTAT3がこのリン酸化部位に結合してリン酸化を受け、2量体形成と[[核]]移行がおきてターゲット遺伝子の[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化をおこなう。gp130やJak、STATといった分子はCNTF以外のIL-6やLIF等のサイトカインによるシグナル伝達にも共通して用いられるため、各種細胞のサイトカインに対する反応特異性は主に受容体の発現によって決められると考えられている。一方、CNTFRαは[[ホスホリパーゼC]]を介してGPIリンカーを切断されて分泌型受容体になるため、LIFRβとgp130を発現している細胞ではCNTFと分泌型CNTFRαが供給されればシグナル伝達がおきることも報告されている。CNTFや分泌型CNTFRαは血清中や[[脳脊髄液]]中に検出される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 栄養因子としての活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFは過度な光刺激などで障害された[[網膜]][[桿体細胞]]や[[錐体細胞]]の再生を促す活性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22182585 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。また網膜[[神経節細胞]]に対しても、栄養因子活性を持ち、視神経の断裂によって生じる[[細胞死]]を抑制し、軸索の再生と伸長を助ける。CNTFがこのような活性を持つことから、その医療への応用が模索されている。しかし、CNTFの投与は網膜桿体細胞の分化を抑制する、もしくは[[ロドプシン]]の発現を抑制し、[[wikipedia:electroretinography|網膜電位]]の低下がおきる。したがって、CNTF遺伝子を持つ[[ウイルスベクター]]感染による遺伝子導入やCNTF発現細胞の移植などによる継続的なCNTFの供給は視力の回復を妨げるため、一時的かつ比較的低い濃度での供給方法の確立が必要である。また、リン酸化STAT3に対する抗体を使った免疫染色の結果から、このようなCNTFの活性はおもに[[ミュラーグリア]]に作用しておきる間接的なものと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経新生の促進とドーパミン産生ニューロン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[ニューロスフェア]]の培養実験によって、CNTFやLIFが[[神経幹細胞]]の維持と増殖の促進をおこなう活性があることが示されている。このうち、CNTFのノックアウトマウスでは、[[海馬]]（hippocampus）の[[歯状回]]（dentate gyrus）や[[大脳]][[側脳室]]といった生後脳で[[神経新生]]がおきる場所において神経幹細胞や中間増殖細胞の数の減少が見られる&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方LIFのノックアウトでは生後脳の神経新生に影響は認められない。上にも述べたようにCNTFはCNTFRα−LIFRβ−gp130という受容体複合体を通してシグナルを伝達するが、LIFもLIFRβ−gp130という共通の受容体を用いるため、培養実験ではCNTFとLIFが同様の活性を持つものの、実際にin vivoで働いているのはCNTFであると思われる。一方CNTFノックアウトマウスの脳の発生は正常であるため、CNTFとLIF両方が胎生期の神経幹細胞の維持と増殖に関わっていると思われる。また、STAT3のコンディショナルノックアウトマウスで歯状回における神経幹細胞／中間増殖細胞の数が減少する&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;ことから、STAT遺伝子の中でもSTAT3がCNTFシグナルのエフェクターとして中心的な役割を果たしていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[黒質]][[線条体]]の[[ドーパミン]]産生ニューロンが大脳側脳室の[[神経前駆細胞]]の増殖を制御しており、ドーパミンの欠乏や神経切断によって増殖が低下する。このことは[[パーキンソン病]]患者でも確認されており、ドーパミンと神経新生の関連が示唆されている。ドーパミン[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]の選択的アゴニストである[[キンピロール]]は側脳室や歯状回における細胞増殖を促進するが、この効果がCNTFのノックアウトマウスでは認められない&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18305256 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。黒質（substantia nigra）ドーパミン産生ニューロンの投射を失わせたマウスではキンピロールによる増殖の回復が見られるが、CNTFノックアウトマウスでは効果が無い&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。これらのことから、ドーパミンによるD&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の活性化がCNTFの産生を促進することで、間接的に神経幹細胞／中間増殖細胞の増殖を活性化しているのではないかと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%AF%9B%E6%A7%98%E4%BD%93%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=11253</id>
		<title>毛様体神経栄養因子</title>
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		<updated>2012-07-04T00:39:11Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=1270}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：ciliary neurotrophic factor　英語略称名：CNTF　独：Ciliären Neurotrophen Faktor　仏： facteur neurotrophique ciliaire&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　毛様体神経栄養因子（[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor|CNTF]]）はニワトリ胚抽出物に含まれる、毛様体ニューロンの生存を維持する栄養因子として発見された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 451576 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、様々なニューロンに対して栄養因子活性を持つ分子として知られるようになった。また、[[神経幹細胞]]に対して増殖促進活性が認められる。アミノ末端に分泌やグリコシル化のコンセンサス配列を持っておらず、どのような機構で細胞外に分泌されるのか正確なところはわかっていない。CNTFは障害によって活性化される因子として知られ、様々な病態で分泌されることがわかっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFはlong-chain α-helix-bundle[[wikipedia:ja:サイトカイン|サイトカイン]]に分類され、[[wikipedia:glycoprotein_130|gp130]]を共通の受容体複合体サブユニットとして使う[[wikipedia:ja:インターロイキン-6|インターロイキン-6]](IL-6)、IL-11、[[白血球遊走阻止因子]] (LIF)、[[wikipedia:oncostatin_M| oncostatin M]]と同じサブファミリーに属する。細胞膜上の[[wikipedia:ciliary_neurotrophic_factor_receptor|CNTFα受容体]]（CNTFRα）に結合する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9716487 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。CNTFRは[[wikipedia:glycosylphosphatidylinositol|glycosylphosphatidylinositol]]（GPI）リンカーによって細胞膜上に分布し、IL-6 、LIF、 oncostatin M等のサイトカインの受容体とともにクラスI型サイトカイン受容体に分類される。CNTF受容体複合体のサブユニットであるCNTFRとCNTFが結合すると、膜貫通型のシグナル伝達サブユニットである[[wikipedia:leukaemia_inhibitory_factor_receptor|白血球遊走阻止因子β受容体]]（LIFRβ）とgp130をリクルートして活性化し、シグナルを細胞内に伝える。受容体複合体の形成により、細胞質内に分布する[[リン酸化酵素]]である[[wikipedia:ja:ヤーヌスキナーゼ|ヤーヌスキナーゼ]] （[[wikipedia:Janus kinase 1|Jak1]]/[[wikipedia:Janus kinase 2|2]]/[[wikipedia:Janus kinase 3|3]]や[[wikipedia:Tyrosine kinase 2|Tyk2]]）が活性化され、gp130の細胞内領域がリン酸化される。すると、[[転写制御因子]]である[[STAT3|signal transducer and activator of transcription 3（STAT3）]]がこのリン酸化部位に結合してリン酸化を受け、2量体形成と[[核]]移行がおきてターゲット遺伝子の[[wikipedia:ja:転写|転写]]活性化をおこなう。gp130やJak、STATといった分子はCNTF以外のIL-6やLIF等のサイトカインによるシグナル伝達にも共通して用いられるため、各種細胞のサイトカインに対する反応特異性は主に受容体の発現によって決められると考えられている。一方、CNTFRαは[[ホスホリパーゼC]]を介してGPIリンカーを切断されて分泌型受容体になるため、LIFRβとgp130を発現している細胞ではCNTFと分泌型CNTFRαが供給されればシグナル伝達がおきることも報告されている。CNTFや分泌型CNTFRαは血清中や[[脳脊髄液]]中に検出される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 栄養因子としての活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　CNTFは過度な光刺激などで障害された[[網膜]][[桿体細胞]]や[[錐体細胞]]の再生を促す活性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22182585 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。また網膜[[神経節細胞]]に対しても、栄養因子活性を持ち、視神経の断裂によって生じる[[細胞死]]を抑制し、軸索の再生と伸長を助ける。CNTFがこのような活性を持つことから、その医療への応用が模索されている。しかし、CNTFの投与は網膜桿体細胞の分化を抑制する、もしくは[[ロドプシン]]の発現を抑制し、[[wikipedia:electroretinography|網膜電位]]の低下がおきる。したがって、CNTF遺伝子を持つ[[ウイルスベクター]]感染による遺伝子導入やCNTF発現細胞の移植などによる継続的なCNTFの供給は視力の回復を妨げるため、一時的かつ比較的低い濃度での供給方法の確立が必要である。また、リン酸化STAT3に対する抗体を使った免疫染色の結果から、このようなCNTFの活性はおもに[[ミュラーグリア]]に作用しておきる間接的なものと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経新生の促進とドーパミン産生ニューロン ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[ニューロスフェア]]の培養実験によって、CNTFやLIFが[[神経幹細胞]]の維持と増殖の促進をおこなう活性があることが示されている。このうち、CNTFのノックアウトマウスでは、[[海馬]]（hippocampus）の[[歯状回]]（dentate gyrus）や[[大脳]][[側脳室]]といった生後脳で[[神経新生]]がおきる場所において神経幹細胞や中間増殖細胞の数の減少が見られる&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19023034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方LIFのノックアウトでは生後脳の神経新生に影響は認められない。上にも述べたようにCNTFはCNTFRα−LIFRβ−gp130という受容体複合体を通してシグナルを伝達するが、LIFもLIFRβ−gp130という共通の受容体を用いるため、培養実験ではCNTFとLIFが同様の活性を持つものの、実際にin vivoで働いているのはCNTFであると思われる。一方CNTFノックアウトマウスの脳の発生は正常であるため、CNTFとLIF両方が胎生期の神経幹細胞の維持と増殖に関わっていると思われる。また、STAT3のコンディショナルノックアウトマウスで歯状回における神経幹細胞／中間増殖細胞の数が減少する&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;ことから、STAT遺伝子の中でもSTAT3がCNTFシグナルのエフェクターとして中心的な役割を果たしていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[黒質]][[線条体]]の[[ドーパミン]]産生ニューロンが大脳側脳室の[[神経前駆細胞]]の増殖を制御しており、ドーパミンの欠乏や神経切断によって増殖が低下する。このことは[[パーキンソン病]]患者でも確認されており、ドーパミンと神経新生の関連が示唆されている。ドーパミン[[D2受容体|D&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体]]の選択的アゴニストである[[キンピロール]]は側脳室や歯状回における細胞増殖を促進するが、この効果がCNTFのノックアウトマウスでは認められない&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18305256 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。黒質（substantia nigra）ドーパミン産生ニューロンの投射を失わせたマウスではキンピロールによる増殖の回復が見られるが、CNTFノックアウトマウスでは効果が無い&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。これらのことから、ドーパミンによるD&amp;lt;sub&amp;gt;2&amp;lt;/sub&amp;gt;受容体の活性化がCNTFの産生を促進することで、間接的に神経幹細胞／中間増殖細胞の増殖を活性化しているのではないかと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7599</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T08:16:36Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
　もともとは [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7は [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta （TGF−β）superfamily]] に属するが、BMP1は [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、[[ショウジョウバエ]]において[[wikipedia:FMRFamide|FMRFamide]]を[[神経ペプチド]]として分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある（[[逆行性伝達物質]]の項を参照）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナル（[[繊維芽細胞成長因子]]の項を参照）によってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。また、BMP受容体IbのノックアウトマウスとEmx1-creをもちいたBMP受容体Iaのコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、cortical hem特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは恐怖や不安を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている[[歯状回]]の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスに分布するWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してTrioなどのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、[[wikipedia:Hereditary_Spastic_Paraplegia|Hereditary Spastic Paraplegia]]にみられる変異遺伝子の一つである[[wikipedia:NIPA1|NIPA1]]のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のシナプスボタン（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（[[wikipedia:Amyotrophic_Lateral_Sclerosis|Amyotrophic Lateral Sclerosis]]）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものには[[wikipedia:VAPB|VapB]]遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型の[[wikipedia:Spinal_Muscular_Atrophy|Spinal Muscular Atrophy]]の患者ではしばしば[[wikipedia:Survival_of_Motor_Neuron|Survival of Motor Neuron 1]]（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（[[wikipedia:Multiple_Sclerosis|Multiple Sclerosis]]）については、[[wikipedia:Clec16A|Clec16A]]遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスボタンの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7595</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T08:03:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
　もともとは [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7は [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta （TGF−β）superfamily]] に属するが、BMP1は [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいて[[wikipedia:FMRFamide|FMRFamide]]を神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナル（[[繊維芽細胞成長因子]]の項を参照）によってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。また、BMP受容体IbのノックアウトマウスとEmx1-creをもちいたBMP受容体Iaのコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、cortical hem特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているようなcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは恐怖や不安を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている[[歯状回]]の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してTrioなどのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のシナプスボタン（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスボタンの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7594</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T08:00:51Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経[[外胚葉]]で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいて[[wikipedia:FMRFamide|FMRFamide]]を神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも、様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナル（[[繊維芽細胞成長因子]]の項を参照）によってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの[[海馬]]においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。また、BMP受容体IbのノックアウトマウスとEmx1-creをもちいたBMP受容体Iaのコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、cortical hem特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているようなcortical hemの海馬の発生のオーガナイザーとして機能の少なくとも一部は、BMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは恐怖や不安を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている[[歯状回]]の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20832291&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してTrioなどのターゲット遺伝子の転写を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20510858 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のシナプスボタン（synaptic bouton）の数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、過剰発現した場合にはシナプスボタンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のシナプスボタンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスボタンの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7593</id>
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		<updated>2012-05-09T07:45:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;==&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。また、BMP受容体IbのノックアウトマウスとBMP受容体IaをEmx1-creをもちいたコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、cortical hem特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているようにcortical hemが[[海馬]]の発生のオーガナイザーとして機能しており、少なくともその機能の一部はBMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは恐怖や不安を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている[[歯状回]]の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル==&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してターゲット遺伝子の転写を活性化する。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のブートンの数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、過剰発現した場合にはブートンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7592</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T07:43:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歴史&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。また、BMP受容体IbのノックアウトマウスとBMP受容体IaをEmx1-creをもちいたコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせることで、cortical hem特異的にBMPシグナルを失わせたマウスが作られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20445055 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このダブルノックアウト（DKO）マウスでは、[[歯状回]]が特異的に小さくなっており、顆粒細胞の数も減少している。このことは、よく知られているようにcortical hemが[[海馬]]の発生のオーガナイザーとして機能しており、少なくともその機能の一部はBMPシグナルによっておこなわれていることを示している。このDKOマウスは恐怖や不安を誘発する刺激に対する反応性が鈍くなる表現型を示すが、これはこれまでに示唆されている[[歯状回]]の機能とよく一致している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してターゲット遺伝子の転写を活性化する。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のブートンの数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、過剰発現した場合にはブートンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7591</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T07:05:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歴史&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（[[Noggin]]） やコーディン（[[Chordin]]）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してターゲット遺伝子の転写を活性化する。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のブートンの数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、過剰発現した場合にはブートンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7590</id>
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		<updated>2012-05-09T07:02:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歴史&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（noggin） やコーディン（chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してターゲット遺伝子の転写を活性化する。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のブートンの数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、過剰発現した場合にはブートンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。I型のSpinal Muscular Atrophyの患者ではしばしばSurvival Motor Neuron1（Smn1）遺伝子の欠損やコピー数の異常がみられる。Smn1遺伝子の異常とSpinal Muscular Atrophyとの関連はまだはっきりしないが、ショウジョウバエのSmn1変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、リン酸化Madの量も減少する。また、この表現型はBMPシグナルの低下によって増強される。[[多発性硬化症]]（Multiple Sclerosis）については、Clec16A遺伝子の多型との関連が示唆されている。ショウジョウバエのClec16Aホモログであるendosomal maturation defective（ema）変異体ではシナプスの肥大が見られ、Tkvの発現量が2倍、リン酸化Madも4倍に増加する。多発性硬化症患者の異常部位ではBMP4やBMP5、多発性硬化症モデルマウスではBMP4、6、7の発現上昇が報告されている。これらのことから、さまざまな神経変性疾患とBMPシグナルの異常の関連が示唆されており、治療への応用が期待される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7588</id>
		<title>骨形成因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7588"/>
		<updated>2012-05-09T06:45:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歴史&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（noggin） やコーディン（chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（[[wikipedia:neuromauscular_junction|neuromauscular junction]]、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、神経筋接合部の筋肉側から分泌されるBMP（Glass bottom boat（Gbb））がプレシナプスにあるWishful thinking（Wit）、Thickveins（Tkv）、Saxophone（Sax）からなる受容体複合体に結合する。これにより、LIMK1を活性化させてシナプスを安定化するとともに、受容体によってMad（Mothers against decepentaplegic、ショウジョウバエのSMADホモログ）がリン酸化されて核内に移行してターゲット遺伝子の転写を活性化する。これらのBMPシグナル構成因子の変異体では神経筋接合部の縮小や神経伝達の低下が見られ、逆にBMPシグナルの抑制因子（例えばDaughters against decapetaplegic (Dad)）の変異は神経筋接合部の過形成／肥大が認められる。[[神経変性疾患]]の中には原因遺伝子のいくつかが同定されているものがあるが、その中にはBMPシグナルとの関連が認められる場合がある。例えば、Hereditary Spastic Paraplegiaにみられる変異遺伝子の一つであるNIPA1のショウジョウバエホモログであるspichthyinの変異体では、リン酸化Madが正常の４倍ほどに増え、神経筋接合部のブートンの数も２倍に増えてしまう。哺乳類細胞の培養実験からもNIPA1がBMPシグナルを抑制することが示されている。[[筋萎縮性側索硬化症（ALS）]]（Amyotrophic Lateral Sclerosis）の場合、90％は自然発症だが、家族性のものにはVapB遺伝子に変異があるケースがある。ショウジョウバエのVapB変異体では神経筋接合部のブートンの数が減少し、過剰発現した場合にはブートンの数の増加と神経筋接合部の肥大がおこる。このような表現型はそれぞれリン酸化Madの減少、増加を伴っており、やはりBMPシグナルとの関連が示唆される。また、自然発症型ALS患者の運動ニューロンにおいて、リン酸化SMADの減少が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%AA%A8%E5%BD%A2%E6%88%90%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7587</id>
		<title>骨形成因子</title>
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		<updated>2012-05-09T06:10:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Bone Morphogenetic Protein 　英語略称名：BMP&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歴史&lt;br /&gt;
　もともとはBone Morphogenetic Protein [[wikipedia:Bone_Morphogenetic_Protein|Bone Morphogenetic Protein]] という名が示す通り、骨組織や軟骨の分化を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。その７種類のうち、BMP2〜BMP7はtransforming growth factor beta （TGF−β）superfamily [[wikipedia:transforming_growth_factor_beta_superfamily|transforming growth factor beta superfamily]] に属するが、BMP1はmetalloprotease [[wikipedia:metalloproteinase|metalloproteinase]] である。その後、さらに多くのメンバーが同定されている。本稿で扱うのは、TGF−β superfamilyに属するBMPとする。両生類等を用いた実験から、胚の背腹軸の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、細胞死の誘導、細胞分化の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21565618&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&lt;br /&gt;
　BMPを含むTGF−β superfamilyタンパク質はホモもしくはヘテロ二量体としてリガンド活性を持ち、２本のペプチド鎖はジスルフィド結合によって結合している。膜貫通型のセリン／スレオニンリン酸化酵素受容体であるI型、II型BMP受容体のヘテロ二量体に結合して、シグナルが細胞内に伝達される。TAK1/TAB1/2を介した経路やPKAを介した経路等も知られているが、主要なシグナル伝達経路はSMADタンパク質を介した経路である。リガンドの結合によって活性化された受容体がSMAD1/5/8のセリン／スレオニン残基をリン酸化すると、リン酸化SMAD1/5/8は細胞質にあるSMAD4と結合して核に移行する。そこでターゲット遺伝子のcis制御領域に結合し、その転写を活性化する。一義的にはBMPを産生する細胞からの濃度勾配がパターンを形成するために重要であるが、細胞外ではノギン（noggin） やコーディン（chordin）などのようなBMPに結合する分泌性タンパク質によって細胞外で活性を抑制されるし、細胞内ではSMAD1/5/8に結合する抑制性SMAD6/7によってもBMPシグナルの調節がおこなわれる。一般には、SMAD1/5/8のリン酸化部位に対する抗体を用いた検出で、BMPシグナルの活性化分布を検出することができる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　神経系の初期発生では主としてパターンの形成に関与している。例えば、非神経外胚葉で発現し、それに隣接する領域の[[神経堤]]細胞の誘導に関与している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7553857&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、体幹部[[神経堤]]の移動開始を促進する。また、背側[[神経管]]で発現し、[[神経上皮細胞]]に背側特異的な遺伝子発現を誘導する。これにより、神経管背側ではそれに対応したサブタイプのニューロンが分化してくることになる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9335341&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このように、神経前駆細胞に対してどのようなニューロンに分化するかを決定する作用もあるが、ショウジョウバエにおいてFMRFamideを神経ペプチドとして分泌するニューロンの分化の場合のように、軸索の投射先から供給されたBMPが逆行性にニューロンの細胞体まで伝達されてその遺伝子発現／分化形質を制御するような例もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12679036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの例以外にも様々な場面で神経分化の制御に関わっている。また、BMP シグナルは特定の細胞種の分化を促進するのみでなく、抑制もおこなう。神経管背側から分泌されるBMPによるシグナルは、Olig2を発現する[[オリゴデンドロサイト前駆細胞]]が分化するのを抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18682850&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、オリゴデンドロサイト前駆細胞が形成される際にはBMPによる抑制はFGFシグナルによってさらに抑制されていなければならない。成体マウスの海馬においては、[[神経幹細胞]]がゆっくりと増殖しながら分化したニューロン（顆粒細胞）を産生しているが、BMPシグナルのレベルを下げてしまうと[[神経幹細胞]]が一時的に増殖を早める一方でゆっくり増殖する幹細胞のプールが枯渇してしまい、結果的に産生するニューロンの数が減る&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20621052&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがって、この場合ではBMPは[[神経幹細胞]]の維持をおこなっていると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経筋接合、神経変性疾患とBMPシグナル&lt;br /&gt;
　主にショウジョウバエの研究から、[[運動神経]]と筋肉の接合部（neuromauscular junction、[[神経筋接合部]]の項を参照）における[[シナプス]]形成に逆行性（retrograde）のBMPシグナルが重要な役割を果たしていることが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7573</id>
		<title>Numb</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7573"/>
		<updated>2012-05-09T02:43:32Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[ノッチ]]（Notch）タンパク質と相互作用してノッチシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、ノッチシグナルの抑制である。ノッチが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、NICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のノッチタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11121447 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17589506 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19609305 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17203073 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18599481 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20818436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18172499 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10402194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17522158 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7572</id>
		<title>Numb</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7572"/>
		<updated>2012-05-09T02:43:04Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[ノッチ]]（Notch）タンパク質と相互作用してノッチシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、ノッチシグナルの抑制である。ノッチが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、NICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のノッチタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11121447 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17589506 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19609305 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17203073 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18599481 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20818436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18172499 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10402194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17522158 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7571</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-09T02:37:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[ノッチ]]（Notch）タンパク質と相互作用してノッチシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref ref=3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある&amp;lt;ref ref=4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、ノッチシグナルの抑制である。ノッチが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、NICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のノッチタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11121447 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17589506 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19609305 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17203073 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18599481 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20818436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18172499 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10402194 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17522158 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている&amp;lt;ref ref=4 /&amp;gt;。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある&amp;lt;ref ref=4 /&amp;gt;。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている&amp;lt;ref ref=3 /&amp;gt;。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7569</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-09T02:23:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[ノッチ]]（Notch）タンパク質と相互作用してノッチシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、ノッチシグナルの抑制である。ノッチが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、NICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のノッチタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11121447 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17589506 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7567</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-09T02:18:42Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、[[ノッチ]]（Notch）タンパク質と相互作用してノッチシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19944684 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、ノッチシグナルの抑制である。ノッチが活性化されて細胞内領域（Notch intracellular domain, NICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、NICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17115028 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のノッチタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7564</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-09T02:12:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[アドヘレンスジャンクション]]の項を参照）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは[[神経上皮]]組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している[[中間径フィラメント]]の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ている[[wikipedia:ja:ネスチン|ネスチン]]（Nestin）は非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって[[大脳皮質]]における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、[[小脳]]の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖は[[wikipedia:Hedgehog signaling pathway|ヘッジホッグ（Hedgehog）シグナル]]（[[SHH]]の項を参照）によって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=7555</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-09T01:32:24Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[細胞接着]]の項を参照）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7553</id>
		<title>グリア細胞株由来神経栄養因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7553"/>
		<updated>2012-05-09T01:11:10Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;{{PBB|geneid=2668}}&lt;br /&gt;
英語名：glial cell line derived neurotrophic factor　英語略称名：GDNF　仏：facteur neurotrophe dérivé de la glie&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:glial_cell_line_derived_neurotrophic_factor|GDNF]]は[[パーキンソン病]]患者における[[ドーパミン]]産生[[ニューロン]]の細胞死を防ぐ因子を探索する過程で、[[wikipediaLja:ラット|ラット]]の[[グリア]]系細胞株B49から分泌される、ドーパミン産生ニューロンの生存や形態的分化、ドーパミン取り込みを促進するタンパク質として同定された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8493557 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。構造的には[[TGF-β]]スーパーファミリーに属する。その後、様々なニューロンに対して[[栄養因子]]として働くことや、[[wikipedia:ja:ヒルシュスプルング病|ヒルシュスプルング病]]の原因遺伝子の一つであることなど、多様な機能とそれに対応した様々な病態との関連が指摘されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞膜に[[GPIアンカー]]で結合している受容体[[GDNF family receptor α-1]] (GFRα-1)が、主なGDNF受容体である。GFRαには４種類が知られており、GDNFは GFRα-2にも結合活性があるようで、基本的には[[wikipedia:neurturin|neurturin]]等のリガンドと各受容体が１対１で対応しているが、ある程度の交差性がある。GDNFのホモ２量体が結合したGFRα-1はさらに膜貫通型[[受容体チロシンキナーゼ]]の[[wikipedia:RET_proto-oncogene|RET]]タンパク質と相互作用して、これを活性化する（GFRα-1とRETが先にヘテロ４量体を形成しており、そこにGDNFが結合するという説もある）。活性化されたRETは、受容体チロシンキナーゼに一般的に見られるように、自己[[リン酸化]]とそれに続く様々なタンパク質の結合を経て[[ホスファチジルイノシトール#ホスファチジルイノシトール3キナーゼとPI3キナーゼシグナル伝達経路|ホスファチジルイノシトール3キナーゼ]] (PI3K)-[[Akt]]経路や[[分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ]] (MAPK)経路など複数のシグナル伝達経路を活性化する。RET単独では[[細胞死]]誘導活性があることから、これらのシグナル伝達経路の活性化がGDNFによるニューロンの生存活性をになっているものと考えられる。一方、RETを介さないGDNF-GFRαシグナルの存在も示唆されている。この場合、[[チロシンリン酸化#.E9.9D.9E.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93.E5.9E.8B.E3.83.81.E3.83.AD.E3.82.B7.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.83.8A.E3.83.BC.E3.82.BC|Srcファミリーキナーゼ]] や[[ホスホリパーゼC]]γ の活性化を経て、[[c-fos]]遺伝子の転写の活性化やRETを発現していないニューロンの生存を促進するという。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 細胞死の抑制 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　GDNFがもともと培養された[[中脳]]腹側のドーパミンニューロンにたいする栄養因子活性物質として同定されたことからもわかるように、GDNF-GFRα-1シグナルは様々なニューロンに対して細胞死を抑制する効果がある。しかし、必ずしもin vitroで栄養因子活性が確認されたニューロンが、GDNF-GFRα-1シグナルやRETのノックアウトマウスで死んでしまうわけではなく、例えば中脳腹側のドーパミンニューロンの生存に異常はみられない。これは、他の栄養因子による代償効果であると考えられ、ドーパミン作動性ニューロンの場合には[[Cerebral dopamine neurotrophic factor|conserved dopamine neurotrophic factor]] (CDNF）などの関与が示唆されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17611540 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、[[後根神経節]]の一部の[[侵害受容性感覚ニューロン]]や[[迷走神経節]]（nodose ganglion）の[[内蔵感覚ニューロン]]（visceral sensory neuron）の生存はGDNF-GFRα-1-RETシグナルに依存しており、とりわけ侵害受容性感覚ニューロンは胎生期の[[神経成長因子]]依存から出生後にGDNF依存にシフトする事が知られている&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9354331 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。感覚ニューロンだけでなく、[[運動ニューロン]]の減少も報告されている。GDNFのノックアウトマウスでは[[三叉神経]]で20％、脊髄レベルで20〜30％程度の減少が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　GDNFシグナルは分化したニューロンについてのみ、栄養因子として機能するわけではない。RET遺伝子はヒトのヒルシュスプルング病の原因遺伝子として知られており、消化管のうち胃より後方において、[[腸管神経系]]（enteric nervous system）が欠損する。すなわち、腸管神経系は後脳レベルから消化管に侵入してくる[[神経堤]]細胞（vagal neural crest）がニューロンやグリアに分化しながら分布を広げ、形成されていくのだが、この神経堤細胞の増殖と生存にGDNF-GFRα-1-RETシグナルが重要である&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9728913 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== GDNFシグナルのさまざまな機能 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　GDNF-GFRα1シグナルは、細胞の生存だけでなく[[細胞移動]]のガイダンス分子としても働くと考えられている。生後の[[大脳]][[側脳室]]から生まれた[[神経前駆細胞]]は[[吻側移動経路]]（rostral migratory stream, RSM）という移動経路を通って[[嗅球]]に分布するが、この移動には[[NCAM]]が重要であることが知られている&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17658613 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このニューロン前駆細胞にはRETは発現していないが、GFRα-1が発現している。GFRα-1ノックアウトマウスではRSMが若干太くなっていることから、細胞移動に異常があるものと考えられている。GDNFはGFRα-1と結合した後、NCAMと相互作用して、NCAM同士のホモフィリックな結合を阻害するとともに、細胞質に局在する[[チロシンリン酸化|チロシンキナーゼ]]である[[チロシンリン酸化#.E9.9D.9E.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93.E5.9E.8B.E3.83.81.E3.83.AD.E3.82.B7.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.83.8A.E3.83.BC.E3.82.BC|Fyn]]や[[wikipedia:PTK2|Focal adhesion kinase]]（FAK）を活性化する&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12837245 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ことから、RET非依存的なGDNF-GFRα-1-NCAMシグナルがRMSにおけるニューロン前駆細胞の移動を促進していると思われる。同様のシグナルは培養下で[[海馬]]や[[大脳皮質]]ニューロンの神経突起伸長促進や[[シナプス前部]]の成熟とシナプス形成、[[wikipedia:ja:シュワン細胞|シュワン細胞]]の移動などの機能を担っている。また、RETやNCAMにも依存しないGFRα-1活性として、[[大脳皮質]]の[[GABA]]性ニューロンの接線方向への移動の制御が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===シナプス形成の制御 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　GFRα-1は[[リガンド]]であるGDNF依存性の細胞接着因子としても働くことが示されている&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17310246 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、GDNF- GFRα-1シグナルが中脳ドーパミン作動性ニューロンや[[神経筋接合部|神経筋終末]]での[[神経伝達物質]]分泌の促進や、[[シナプス小胞]]のサイズと数の増加、[[アセチルコリン受容体]]のクラスター形成の促進などの効果を持つことも示されている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18216204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref9&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10998101 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、GDNFの[[シナプス]]に対する影響はRETに依存せず、NCAMに部分的に依存するケースが報告されている。これらのことから、GDNF- GFRα-1が接着因子としてシナプスの形成や維持、活性の制御に関わっているのではないかと考えられている。このような考えに対応して、GDNFの変異体[[マウス]]では学習能力に問題があり、GDNFヘテロ変異マウスの海馬において一時的なシナプス前タンパク質の集積異常が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 薬物依存、ドーパミン仮説とGDNF ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[薬物依存]]には通常時のドーパミンレベルの低下が関係していると言われており（[[ドーパミン仮説]]）、[[アルコール]]や様々な薬物が[[側坐核]]（nucleus accumbens）におけるドーパミンレベルの低下をおこすことが報告されている。前述したGDNFのドーパミン作動性ニューロンに対する効果に加え、[[アルコール]]依存症の患者の血中GDNF量が減少していることや、GDNFのヘテロノックアウトマウスではアルコールの報酬効果が上昇していることなどから、GDNFが薬物依存症治療に有効なのではないかと考えられている&amp;lt;ref name=ref10&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22016515 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。Barakらはアルコール依存状態のラットについて調べ、側坐核におけるドーパミン量の減少を確認するとともに、ドーパミン作動性ニューロンの[[細胞体]]がある[[腹側被蓋野]]（ventral tegmental area）へのGDNF注入が側坐核のドーパミン量を回復させ、アルコール依存状態の改善をもたらすことを示した&amp;lt;ref name=ref11&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21734280 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：若松義雄　担当編集委員：大隅典子）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8A%E7%9A%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7551</id>
		<title>上皮成長因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8A%E7%9A%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7551"/>
		<updated>2012-05-09T01:02:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor　英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:epidermal_growth_factor|EGF]]は、1962年にCohenによってマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくる唾液腺抽出物に含まれる活性として報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13880319 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてurogastroneという名前で分子として同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1161035 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　EGFは [[wikipedia:TGF_alpha|transforming growth factor（TGF）α]]transforming growth factor（TGF）α、[[wikipedia:amphiregulin|amphiregulin]]、[[wikipedia:heparin-binding_EGF-like_growth_factor|heparin-binding EGF-like growth factor]]（HB-EGF）、[[wikipedia:betacellulin|betacellulin]]、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、[[受容体チロシンキナーゼ]][[wikipedia:ja:上皮成長因子受容体|上皮成長因子受容体]]（EGF receptor、EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15110798 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまな[[wikipedia:ja:SH2＿ドメイン|src homology 2（SH2）ドメイン]]を持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、[[wikipedia:phospholipase C|phospholipase Cγ]]、Ras-GAP、[[wikipedia:Grb2|Grb2]]、[[wikipedia:Nck1|Nck]]、Shc、SHP-2が挙げられる。phospholipase Cγは[[wikipedia:ja:ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸|ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸]]（[[wikipedia:phosphatidylinositol-4,_5-biphosphate|phosphatidylinositol-4, 5-biphosphate]]）を分解して[[wikipedia:diglyceride|diacylglycerol]]と[[wikipedia:inositol_triphosophate|inositol 1, 4, 5-triphosophate]]（IP-3）を作る。diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2は[[wikipedia:Ras subfamily|Ras]]を介して[[wikipedia:MAPK/ERK_pathway|MAP kinase経路]]を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、[[wikipedia:PI3K/AKT/mTOR_pathway|PI3-kinase経路]]や[[wikipedia:JAK/STAT_signaling_pathway|Jak/stat経路]]を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼに対するリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質の[[神経新生]]が低下することから、EGFRシグナルが[[神経前駆細胞]]の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳へのEGF投与は側脳室の[[脳室下帯]]（subventricular zone（SVZ））における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、[[ドーパミン]]作動性ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19713754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与が神経新生、特に[[wikipedia:parvalbumin/parvalbumin]]陽性[[介在ニューロン]]の増加を促進することが報告されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12697732 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、EGFの細胞増殖活性の神経系障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10385999 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[wikipedia:olfactory_epithelium/嗅上皮]]は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において[[大脳皮質]]ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9044427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、EGFは培養ドーパミン作動性ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイト（[[星状細胞]]）を介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する[[海馬]]由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1356059 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬において[[シナプス]]の可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの[[長期増強]]（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（[[wikipedia:perforant_path/perforant path]]）／[[歯状回]]顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1664922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質における[[wikipedia:AMPA_receptor/AMPA受容体]]（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA作動性ニューロンの興奮性シナプス後電流（postsynaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>上皮成長因子</title>
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		<updated>2012-05-09T00:37:12Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor　英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:epidermal_growth_factor|EGF]]は、1962年にCohenによってマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくる唾液腺抽出物に含まれる活性として報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13880319 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてurogastroneという名前で分子として同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1161035 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　EGFは [[wikipedia:TGF_alpha|transforming growth factor（TGF）α]]transforming growth factor（TGF）α、[[wikipedia:amphiregulin|amphiregulin]]、[[wikipedia:heparin-binding_EGF-like_growth_factor|heparin-binding EGF-like growth factor]]（HB-EGF）、[[wikipedia:betacellulin|betacellulin]]、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、[[受容体チロシンキナーゼ]][[wikipedia:ja:上皮成長因子受容体|上皮成長因子受容体]]（EGF receptor、EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15110798 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまな[[wikipedia:ja:SH2＿ドメイン|src homology 2（SH2）ドメイン]]を持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、[[wikipedia:phospholipase C|phospholipase Cγ]]、Ras-GAP、[[wikipedia:Grb2|Grb2]]、[[wikipedia:Nck1|Nck]]、Shc、SHP-2が挙げられる。phospholipase Cγは[[wikipedia:ja:ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸|ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸]]（[[wikipedia:phosphatidylinositol-4,_5-biphosphate|phosphatidylinositol-4, 5-biphosphate]]）を分解して[[wikipedia:diglyceride|diacylglycerol]]と[[wikipedia:inositol_triphosophate|inositol 1, 4, 5-triphosophate]]（IP-3）を作る。diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2は[[wikipedia:Ras subfamily|Ras]]を介して[[wikipedia:MAPK/ERK_pathway|MAP kinase経路]]を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、[[wikipedia:PI3K/AKT/mTOR_pathway|PI3-kinase経路]]や[[wikipedia:JAK/STAT_signaling_pathway|Jak/stat経路]]を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼに対するリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19713754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12697732 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10385999 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9044427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1356059 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1664922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
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		<title>上皮成長因子</title>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　EGFは、1962年にCohenによってマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくる唾液腺抽出物に含まれる活性として報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13880319 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてurogastroneという名前で分子として同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1161035 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　　EGFは transforming growth factor（TGF）α、amphiregulin、heparin-binding EGF-like growth factor（HB-EGF）、betacellulin、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、受容体型チロシンキナーゼEGF receptor（EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15110798 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまなsrc homology 2（SH2）ドメインを持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、phospholipase Cγ、Ras-GAP、Grb2、Nck、Shc、SHP-2が挙げられる。phospholipase Cγはphosphatidylinositol-4, 5-biphosphateを分解してdiacylglycerolと1, 4, 5-triphsophate（IP-3）を作る。Diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2はRasを介してMAP kinase経路を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、PI3-kinase経路やJak/stat経路を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼに対するリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19713754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12697732 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10385999 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9044427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1356059 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1664922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　EGFは1962年にCohenによって、唾液腺抽出物に含まれるマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくるという活性として報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 13880319 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてUrogastroneという名前で分子として同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1161035 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　　EGFは transforming growth factor（TGF）α、amphiregulin、heparin-binding EGF-like growth factor（HB-EGF）、betacellulin、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、受容体型チロシンキナーゼEGF receptor（EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15110798 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまなsrc homology 2（SH2）ドメインを持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、phospholipase Cγ、Ras-GAP、Grb2、Nck、Shc、SHP-2が挙げられる。Phospholipase Cγはphosphatidylinositol-4, 5-biphosphateを分解してdiacylglycerolと1, 4, 5-triphsophate（IP-3）を作る。Diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2はRasを介してMAP kinase経路を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、PI3-kinase経路やJak/stat経路を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ&amp;lt;ref name=ref3/&amp;gt;。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19713754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12697732 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10385999 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9044427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1356059 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1664922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　EGFは1962年にCohenによって、唾液腺抽出物に含まれるマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくるという活性として報告された。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてUrogastroneという名前で分子として同定された。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　　EGFは transforming growth factor（TGF）α、amphiregulin、heparin-binding EGF-like growth factor（HB-EGF）、betacellulin、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、受容体型チロシンキナーゼEGF receptor（EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまなsrc homology 2（SH2）ドメインを持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、phospholipase Cγ、Ras-GAP、Grb2、Nck、Shc、SHP-2が挙げられる。Phospholipase Cγはphosphatidylinositol-4, 5-biphosphateを分解してdiacylglycerolと1, 4, 5-triphsophate（IP-3）を作る。Diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2はRasを介してMAP kinase経路を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、PI3-kinase経路やJak/stat経路を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19713754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12697732 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10385999 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9044427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1356059 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1664922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8A%E7%9A%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7507</id>
		<title>上皮成長因子</title>
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		<updated>2012-05-08T07:30:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　EGFは1962年にCohenによって、唾液腺抽出物に含まれるマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくるという活性として報告された。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてUrogastroneという名前で分子として同定された。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==シグナル伝達 ==&lt;br /&gt;
　　EGFは transforming growth factor（TGF）α、amphiregulin、heparin-binding EGF-like growth factor（HB-EGF）、betacellulin、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、受容体型チロシンキナーゼEGF receptor（EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまなsrc homology 2（SH2）ドメインを持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、phospholipase Cγ、Ras-GAP、Grb2、Nck、Shc、SHP-2が挙げられる。Phospholipase Cγはphosphatidylinositol-4, 5-biphosphateを分解してdiacylglycerolと1, 4, 5-triphsophate（IP-3）を作る。Diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2はRasを介してMAP kinase経路を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、PI3-kinase経路やJak/stat経路を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経系における活性 ==&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17284178 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E4%B8%8A%E7%9A%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=7487</id>
		<title>上皮成長因子</title>
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		<updated>2012-05-08T05:26:37Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: ページの作成：「上皮成長因子 英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF  　EGFは1962年にCohenによって、唾液腺抽出物に含まれるマウス新生仔に...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;上皮成長因子&lt;br /&gt;
英語名：epidermal growth factor英語略称名：EGF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　EGFは1962年にCohenによって、唾液腺抽出物に含まれるマウス新生仔に注射すると早く目が開き切歯が生えてくるという活性として報告された。その後、胃酸の分泌を抑制する小腸粘膜由来の物質としてUrogastroneという名前で分子として同定された。５３アミノ酸からなるポリペプチドで、１２１７アミノ酸という大きなグリコシル化された膜貫通型前駆体タンパク質から切り出されて分泌される。この前駆体自身も後述のEGF受容体に結合することができ、細胞間の接触によってもシグナルの活性化をおこなうことが可能である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
シグナル伝達&lt;br /&gt;
　　EGFは transforming growth factor（TGF）α、amphiregulin、heparin-binding EGF-like growth factor（HB-EGF）、betacellulin、neu differentiation factorとともにEGFファミリーを形成している。EGFの主要な受容体は、受容体型チロシンキナーゼEGF receptor（EGFR、HER1、erbB-1とも呼ばれる）である。EGF以外にもTGFα、amphiregulin、HB-EGF、betacellulinがEGFRに結合／活性化する。他の受容体型チロシンキナーゼと同様に、活性化されたEGFRは自らのチロシン残基をリン酸化し、これがさまざまなsrc homology 2（SH2）ドメインを持つタンパク質の結合部位となる。活性化されたEGFRに直接結合するタンパク質として、phospholipase Cγ、Ras-GAP、Grb2、Nck、Shc、SHP-2が挙げられる。Phospholipase Cγはphosphatidylinositol-4, 5-biphosphateを分解してdiacylglycerolと1, 4, 5-triphsophate（IP-3）を作る。Diacylglycerolはprotein kinase Cを活性化し、IP-3は細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることでシグナル伝達をおこなう。Grb2はRasを介してMAP kinase経路を活性化させる。EGFはこれらの主要なシグナル伝達経路以外にも、PI3-kinase経路やJak/stat経路を活性化することが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
EGFの神経系における活性&lt;br /&gt;
　多くの受容体チロシンキナーゼリガンドと同様、EGFは細胞増殖や細胞の生存を促進する活性を持つ。EGFRのノックアウトマウスでは大脳皮質のニューロン新生が低下することから、EGFRシグナルが神経系前駆細胞の増殖や生存に重要な役割を持っていることが示されている。また、成体ラット脳質へのEGF投与は側脳室のsubventricular zone（SVZ）における前駆細胞の増加をうながす。しかし、TGFαのノックアウトマウスでSVZの前駆細胞の増殖が大きく損なわれることから、正常時にSVZの前駆細胞の増殖を活性化しているのは、TGFα/EGFRの組み合わせかもしれない。一方で、ドーパミン産生ニューロンの投射がSVZ前駆細胞にコンタクトしており、ドーパミン受容体の活性化によって前駆細胞細胞の増殖を促進していること、SVZの神経前駆細胞自体がEGFを発現しており、EGFRの阻害剤によってドーパミンによる増殖促進効果が抑制されることから、ドーパミンがEGFの発現誘導を介してSVZ神経前駆細胞の増殖を促進している可能性が示唆されている。ともあれ、実験的に障害を受けた脳幹について、EGFとアルブミンの同時投与がニューロン新生、特にparvalbumin発現インターニューロンの増加を促進することが報告されており、EGFの細胞増殖活性の神経障害治療への応用が考えられる。また、EGFやTGFαは嗅上皮において基底細胞の増殖を促進することも知られている。嗅上皮は成体で継続して神経新生がおきている場所として知られており、大脳側脳室とともにEGFによって細胞増殖が制御されている部位であると考えられる。&lt;br /&gt;
　前駆細胞だけでなく、一部のニューロンもEGFRを発現しており、さまざまな活性が見られる。培養下において大脳皮質ニューロンに対して生存や神経突起伸長を促す。また、EGFは培養ドーパミン産生ニューロンの長期生存や神経突起の伸長を促進する。前者については直接ニューロンに働きかけているものであるが、後者についてはアストロサイトを介した間接的なものであると考えられている。また、EGFはEGFRを発現する海馬由来のニューロンについて、NMDA受容体を介した細胞内カルシウムイオンの上昇を促進することから、海馬においてシナプスの可塑性の制御に関わっている可能性がある。これに関連して、EGFはラット海馬のスライス培養下でシャッファー側枝や交連繊維（Schaffer/commissural）／CA1 錐体細胞（pyramidal cell）シナプスの長期増強（long-term potentiation、LTP）を増加させ、in vivoにおいてラットの貫通繊維路（perforant path）／歯状回顆粒細胞（dentate granule cell）シナプスのLTP形成を促進する。一方、マウス新生仔へのEGFの投与によって、大脳新皮質におけるAMPA受容体（GluR1やGluR2/3）の発現上昇が抑制されることや、大脳皮質のスライス培養下でのEGF処理がGABA産生ニューロンの興奮性シナプス後電流（post synaptic current）を減弱させることが示されており、ニューロンのタイプによってEGFシグナルのシナプス形成と機能への効果は異なるようである。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6802</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T08:15:35Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（[[wikipedia:adherens_junction|adherens junction]]、[[細胞接着]]の項を参照）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-[[wikipedia:integrin|integrin]]（[[wikipedia:ja:細胞外マトリックス|細胞外基質]]の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical [[wikipedia:protein_kinase_C|protein kinase C]]（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型β-[[wikipedia:amyloid_precursor_protein|amyloid precursor protein]]（APP、[[アミロイドタンパク質]]の項を参照）やAPPの細胞内領域に結合し、APPの輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、[[wikipedia:Hedgehog_signaling_pathway|Hedgehogシグナル]]のターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1の[[wikipedia:ja:プロテアソーム|プロテアソーム]]依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、[[wikipedia:tumor_suppressor_gene|ガン抑制タンパク質]]である[[wikipedia:ja:p53遺伝子|p53]]のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6801</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:58:18Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが([[ノッチ]]の項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain [[wikipedia:ubiquitin_ligase|E3 ubiquitin ligase]]であるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDの[[wikipedia:ja:ユビキチン|ポリユビキチン化]]とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するように[[wikipedia:ja:エンドサイトーシス|エンドサイトーシス]]に関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介して[[wikipedia:ja:クラスリン|Clathrin]]アダプタータンパク質である[[wikipedia:adaptin|α-adaptin]]やEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性の[[wikipedia:ja:エンドソーム|エンドソーム]]に分布し、[[wikipedia:ja:カドヘリン|カドヘリン]]／[[wikipedia:catenin|カテニン]]複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6799</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:46:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（[[wikipedia:phosphotyrosine-binding_domain|phosphotyrosine-binding domain]] , PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが(Notchの項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain E3 ubiquitin ligaseであるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDのポリユビキチン化とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するようにエンドサイトーシスに関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介してClathrinアダプタータンパク質であるα-adaptinやEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性のエンドソームに分布し、カドヘリン／カテニン複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6798</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:43:23Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとは[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]で同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の[[細胞系譜]]選択異常を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotch[[ノッチ]]シグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、[[wikipedia:ja:選択的スプライシング|オルタナティブスプライシング]]によって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（phospho-tyrosine binding domain, PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが(Notchの項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain E3 ubiquitin ligaseであるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDのポリユビキチン化とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するようにエンドサイトーシスに関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介してClathrinアダプタータンパク質であるα-adaptinやEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性のエンドソームに分布し、カドヘリン／カテニン複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6793</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:35:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとはショウジョウバエで同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の細胞系譜選択異常を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2752427 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotchシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。また、mNumbでは、オルタナティブスプライシングによって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10551880 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10468633 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（phospho-tyrosine binding domain, PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが(Notchの項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain E3 ubiquitin ligaseであるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDのポリユビキチン化とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するようにエンドサイトーシスに関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介してClathrinアダプタータンパク質であるα-adaptinやEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性のエンドソームに分布し、カドヘリン／カテニン複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6792</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:28:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとはショウジョウバエで同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の細胞系譜選択異常を示す（ref）。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotchシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。しかし、mNumbでは、オルタナティブスプライシングによって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られるため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 構造== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（phospho-tyrosine binding domain, PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生化学的な活性とその調節== &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが(Notchの項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain E3 ubiquitin ligaseであるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDのポリユビキチン化とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するようにエンドサイトーシスに関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介してClathrinアダプタータンパク質であるα-adaptinやEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性のエンドソームに分布し、カドヘリン／カテニン複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性== &lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Numb&amp;diff=6787</id>
		<title>Numb</title>
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		<updated>2012-05-01T07:24:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: ページの作成：「　もともとはショウジョウバエで同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の細胞系...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;　もともとはショウジョウバエで同定された遺伝子（dNumb）で、変異体は外感覚器前駆細胞（Sensory Organ Precursor、SOP）の細胞系譜選択異常を示す（ref）。ショウジョウバエのNumbタンパク質は前駆細胞の分裂時に非対称に分配され、Notchタンパク質と相互作用してNotchシグナル伝達を抑制することで、娘細胞の運命決定の非対称性を作り出しているとされる。哺乳類ではNumb（mNumb）とNumb-like（Numbl）の２つの遺伝子が同定されている。しかし、mNumbでは、オルタナティブスプライシングによって活性の異なるタンパク質アイソフォームが作られるため、その機能は多様である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
構造&lt;br /&gt;
　dNumb、mNumb、Numbl、さらには他の脊椎動物で報告されているNumbといった各タンパク質に共通するモチーフとして、アミノ末端側にリン酸化チロシン結合ドメイン（phospho-tyrosine binding domain, PTB domain）がある。また、カルボキシ末端側にはEps15ホモロジー領域（DPFとNPF）がある。またmNumbにはPTBドメインとDPFの間にプロリンに富む配列（proline-rich region, PRR）があり、PRR中にSrc homology-3 binding site様の配列を含んでいる。mNumbについてはPTBドメインとPRRにオルタナティブスプライシングがあり、全部で４種類（p72、p71、p66、p65）のタンパク質ができる。P71は全長であるp72のPTBドメインの一部を欠いており、P66はPRRの対部分、p65は両方を欠損している。NumblはPRRを持たないが、特徴的なグルタミンに富む配列を持つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生化学的な活性とその調節&lt;br /&gt;
　Numbはその構造から各種のタンパク質と相互作用して働くアダプターのような機能をしていると予想され、相互作用する相手によって様々な活性を持つと考えられている。&lt;br /&gt;
（１）Notchシグナルの抑制&lt;br /&gt;
　Numbの機能としてよく知られているのは、Notchシグナルの抑制である。Notchが活性化されて細胞内領域（intracellular domain, ICD）が切り出され、核内に移行して転写制御に関わるのだが(Notchの項参照)、NumbはNotch ICDに結合するとともに、HECT-domain E3 ubiquitin ligaseであるItch（ショウジョウバエのSuppressor of Deltex）に結合することで、Notch ICDのポリユビキチン化とそれに続く分解を促進している。また、Numbは後述するようにエンドサイトーシスに関連した機能をもっており、エンドサイトーシスによって細胞膜上のNotchタンパク質の量を調節している可能性も指摘されている。&lt;br /&gt;
（２）エンドサイトーシスによる細胞間、細胞—基質接着の制御&lt;br /&gt;
　dNumbやNumblも含め、Numbタンパク質はカルボキシ末端のDPFとNPFモチーフを持っており、これを介してClathrinアダプタータンパク質であるα-adaptinやEpsin 15 homology domainファミリータンパク質と結合し、エンドサイトーシスの制御に関わっている。NumbはRab11陽性のエンドソームに分布し、カドヘリン／カテニン複合体（cadherin/catenin complex）の継続的な取り込みとリサイクルによる接着結合（adherens junction）の維持に働いている。また、移動中の細胞のリーディングエッジではβ-integrin（細胞外基質の受容体）に結合し、clathrinを含む構造（おそらくはエンドソーム）への取り込みに関わっていると思われる。atypical protein kinase C（aPKC）によるリン酸化によってNumbタンパク質とβ-integrinの結合が外れることから、aPKCがNumbの偏った細胞内局在とそれに続く方向性を持つ細胞移動を制御していると考えられる。&lt;br /&gt;
（３）その他&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblが膜結合型APPやAPPの細胞内領域に結合し、β-amyloid precursor protein（APP）の輸送とプロセシングを制御するという報告がある。また、Hedgehogシグナルのターゲットである転写因子Gli1と結合してItchをリクルートすることで、Gli1のプロテアソーム依存性の分解を促進することが報告された。さらに、ヒトにおいてmNumbがE3 ubiquitin ligaseの一種であるHDM3に結合して不活性化し、tumor suppressorタンパク質であるp53のHDM3によるユビキチン化とそれに続く分解を抑制するという報告もある。これらの報告から、Numbの多様な機能が明らかになりつつある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経発生における機能と活性&lt;br /&gt;
　前述したように、ショウジョウバエではSOPの分裂時にdNumbが非対称に局在して、娘細胞に不等分配されることから、dNumbが非対称分裂による発生運命の決定に関わっていることが示されている。このことから、脊椎動物の神経発生においても同様のことが期待された。マウスでは神経上皮組織において脳室側、すなわち頂端（apical）側に局在することから、分裂期の神経上皮細胞の分裂方向によっては、不等分配される可能性が示唆された。しかし、その後の観察で、apicalに局在するmNumbを不等分配できるような脳室面に平行な分裂面での細胞分裂が非常に稀であったことが示され、このモデルの妥当性は失われている。一方、ニワトリについては分裂期前期から中期の神経上皮細胞においてNumbが基底膜側に局在していることが示されている。この場合には、分裂面が脳室面に対して直交していても、分裂期中期以降にNumbが側方に輸送されることで不等分配を可能にしている。これは、基底膜側に非対称に局在している中間径繊維の一種であるTransitinにNumbが結合して一緒に運ばれることによる。マウスではTransitin遺伝子そのものが無い（比較的構造の似ているNestinは非対称な細胞内局在を示さない）ため、同様の分子メカニズムは生物種間で保存されていないと思われる。ゼブラフィッシュでもNumbの細胞内局在が調べられているが、分裂期の神経上皮細胞では基底膜側から側方にかけて分布しており、不等分配もされないようである。&lt;br /&gt;
　mNumbやNumblの神経発生における機能については、ノックアウト（KO）マウスを用いた解析がおこなわれている。複数のグループが通常のノックアウトやコンディショナルノックアウト（CKO）によって大脳皮質における機能を調べているが、結果がまちまちで、とりわけニューロン分化における機能についてコンセンサスが得られないままである。NumblのKOマウスの発生は正常らしい一方、mNumbとNumblのダブルノックアウトはmNumb単独よりも明瞭な表現型（後述）を示すとされるが、そもそも神経上皮細胞で広く発現しているmNumbと、分化したニューロンで発現する（すなわち非対称分裂には関与しないと考えられる）Numblのダブルノックアウトで機能重複について論ずることに疑問が残る。また、Nestin-Creを用いたダブルCKOの場合には神経上皮細胞の数が減少することで間接的にニューロンの数が減少すると報告されたが、Emx-Creを用いた研究では神経上皮細胞の過増殖と分化の抑制が示されている。さらにD6-Creを用いた論文では、mNumbとNumblが神経上皮細胞の維持に働いていると報告している。このような結果の一貫性の無さの原因がどこにあるのかは明らかではないが、これらの３種類のCreによるノックアウトの時期が、それぞれ8.5、9.5、10.5日胚とずれているのが原因ではないかとする考えもある。この説にある程度の根拠を与えているのが、前述したオルタナティブスプライシングによって作られるアイソフォームの存在である。in vitroの培養系を用いた解析では、PRRを持っているアイソフォーム（上記のp72とp71に相当する）は増殖を促進する一方、PRRのほとんどを持たないアイソフォーム（上記のp66とp65に相当する）はニューロン分化を促進することが示されている。これと対応して、PRRを持つアイソフォームは主に7〜10日胚の時期に発現しておりその後低下するが、PRRを持たないアイソフォームの発現は胚発生期から成体の脳にいたるまで発現が続く。これらの活性がどのような分子メカニズムによるものかは明らかでは無いが、おそらくは直接的にNotchシグナルを抑制したり、接着結合を維持することによって間接的にNotchシグナルを促進したりすることが重要なのであろう。&lt;br /&gt;
　一方、小脳の発生過程では異なる機能があると示唆されている。すなわち、小脳顆粒細胞の前駆細胞の増殖はHedgehogシグナルによって促進されているが、上記のようにmNumbはGli1の分解促進によってHedgehogシグナルを抑制することで小脳顆粒細胞の分化を促進していると考えられる。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=6314</id>
		<title>グリア細胞株由来神経栄養因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=6314"/>
		<updated>2012-04-24T08:28:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：glial cell line derived neurotrophic factor　英語略称名：GDNF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:glial_cell_line_derived_neurotrophic_factor|GDNF]]は[[パーキンソン病]]患者における[[ドーパミン]]産生ニューロンの細胞死を防ぐ因子を探索する過程で、ラットのグリア系細胞株B49から分泌される、ドーパミン産生ニューロンの生存や形態的分化、ドーパミンアップテイクを促進するタンパク質として同定された&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8493557 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。構造的にはTGF-βスーパーファミリーに属する。その後、様々なニューロンに対して栄養因子として働くことや、ヒルシュスプルング症候群（[[wikipedia:Hirschsprung&#039;s_disease|Hirschsprung&#039;s disease]]）の原因遺伝子の一つであることなど、多様な機能とそれに対応した様々な病態との関連が指摘されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞膜にGPIアンカーで結合している受容体GDNF family receptor α-1（[[wikipedia:GDNF_family_receptor_alpha_1|GFRα-1]]）が、主なGDNF受容体である。GFRαには４種類が知られており、GDNFは GFRα-2にも結合活性があるようで、基本的には[[wikipedia:neurturin|neurturin]]等のリガンドと各受容体が１対１で対応しているが、ある程度の交差性がある。GDNFのホモ２量体が結合したGFRα-1はさらに膜貫通型[[wikipedia:receptor_tyrosine_kinase|受容体チロシンキナーゼ]]の[[wikipedia:RET_proto-oncogene|RET]]タンパク質と相互作用して、これを活性化する（GFRα-1とRETが先にヘテロ４量体を形成しており、そこにGDNFが結合するという説もある）。活性化されたRETは、受容体チロシンキナーゼに一般的に見られるように、自己リン酸化とそれに続く様々なタンパク質の結合を経て[[wikipedia:phosphatidylinositol_3-kinase|phosphatidylinositol 3-kinase]] (PI3K)-[[wikipedia:Akt|Akt]]経路や[[wikipedia:mitogen-activated_protein_kinase|mitogen-activated protein kinase]] (MAPK)経路など複数のシグナル伝達経路を活性化する。RET単独では細胞死誘導活性があることから、これらのシグナル伝達経路の活性化がGDNFによるニューロンの生存活性をになっているものと考えられる。一方、RETを介さないGDNF-GFRαシグナルの存在も示唆されている。この場合、[[wikipedia:Src_family_kinase|Srcファミリーキナーゼ]] や[[wikipedia:phospholipase_C|phospholipase Cγ]] の活性化を経て、[[wikipedia:c-fos|c-fos]]遺伝子の転写の活性化やRETを発現していないニューロンの生存を促進するという。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（１）細胞死の抑制&lt;br /&gt;
　GDNFがもともと培養された中脳腹側のドーパミンニューロンにたいする栄養因子活性物質として同定されたことからもわかるように、GDNF-GFRα-1シグナルは様々なニューロンに対して細胞死を抑制する効果がある。しかし、必ずしもin vitroで栄養因子活性が確認されたニューロンが、GDNF-GFRα-1シグナルやRETのノックアウトマウスで死んでしまうわけではなく、例えば中脳腹側のドーパミンニューロンの生存に異常はみられない。これは、他の栄養因子による代償効果であると考えられ、ドーパミンニューロンの場合にはconserved dopamine neurotrophic factor（CDNF）などの関与が示唆されている&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17611540 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、[[wikipedia:ja:後根神経節|後根神経節]]（[[wikipedia:dorsal_root_ganglion|dorsal root ganglion]]）の一部の侵害受容性感覚ニューロン（[[wikipedia:nociceptor|nociceptive sensory neuron]]）や迷走神経節神経節（nodose ganglion）の内蔵感覚ニューロン（visceral sensory neuron）の生存はGDNF-GFRα-1-RETシグナルに依存しており、とりわけ侵害受容性感覚ニューロンは胎生期の神経成長因子（[[wikipedia:nerve_growth_factor|nerve growth factor]]）依存から出生後にGDNF依存にシフトする事が知られている&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9354331 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。感覚ニューロンだけでなく、[[運動ニューロン]]の減少も報告されている。GDNFのノックアウトマウスでは[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経]]で20％、脊髄レベルで20〜30％程度の減少が認められる。&lt;br /&gt;
　GDNFシグナルは分化したニューロンについてのみ、栄養因子として機能するわけではない。RET遺伝子はヒトのヒルシュスプルング症候群の原因遺伝子として知られており、消化管のうち胃より後方において、[[腸管神経系]]（enteric nervous system）が欠損する。すなわち、腸管神経系は後脳レベルから消化管に侵入してくる[[神経堤]]細胞（vagal neural crest）がニューロンやグリアに分化しながら分布を広げ、形成されていくのだが、この神経堤細胞の増殖と生存にGDNF-GFRα-1-RETシグナルが重要である&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9728913 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
（２）GDNFシグナルのさまざまな機能&lt;br /&gt;
　GDNF-GFRα1シグナルは、細胞の生存だけでなく[[細胞移動]]のガイダンス分子としても働くと考えられている。生後の[[大脳]][[側脳室]]から生まれたニューロン前駆細胞は[[wikipedia:rostral_migratory_stream|rostral migratory stream]]（RSM）という移動経路を通って嗅球に分布するが、この移動には[[NCAM]]が重要であることが知られている&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17658613 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このニューロン前駆細胞にはRETは発現していないが、GFRα-1が発現している。GFRα-1ノックアウトマウスではRSMが若干太くなっていることから、細胞移動に異常があるものと考えられている。GDNFはGFRα-1と結合した後、NCAMと相互作用して、NCAM同士のホモフィリックな結合を阻害するとともに、細胞質に局在するチロシンキナーゼである[[wikipedia:Fyn|Fyn]]や[[wikipedia:PTK2|Focal adhesion kinase]]（FAK）を活性化する&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12837245 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ことから、RET非依存的なGDNF-GFRα-1-NCAMシグナルがRMSにおけるニューロン前駆細胞の移動を促進していると思われる。同様のシグナルは培養下で[[海馬]]や[[大脳皮質]]ニューロンの神経突起伸長促進やプレシナプスの成熟とシナプス形成、[[wikipedia:ja:シュワン細胞|シュワン細胞]]の移動などの機能を担っている。また、RETやNCAMにも依存しないGFRα-1活性として、大脳皮質のGABAergicニューロンの接線方向への移動の制御が報告されている。&lt;br /&gt;
（３）GDNF- GFRα-1による[[シナプス]]形成の制御&lt;br /&gt;
　GFRα-1はリガンドであるGDNF依存性の細胞接着因子としても働くことが示されている&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17310246 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、GDNF- GFRα-1シグナルが中脳ドーパミンニューロンや神経筋終末での神経伝達物質分泌の促進や、プレシナプス顆粒のサイズと数の増加、[[wikipedia:ja:アセチルコリン受容体|アセチルコリン受容体]]のクラスター形成の促進などの効果を持つことも示されている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18216204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref9&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10998101 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、GDNFのシナプスに対する影響はRETに依存せず、NCAMに部分的に依存するケースが報告されている。これらのことから、GDNF- GFRα-1が接着因子としてシナプスの形成や維持、活性の制御に関わっているのではないかと考えられている。このような考えに対応して、GDNFの変異体マウスでは学習能力に問題があり、GDNFヘテロ変異マウスの海馬において一時的なプレシナプスタンパク質の集積異常が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
薬物依存、ドーパミン仮説とGDNF&lt;br /&gt;
　[[薬物依存]]には通常時のドーパミンレベルの低下が関係していると言われており（[[ドーパミン仮説]]）、アルコールや様々な薬物が[[側坐核]]（nucleus accumbens）におけるドーパミンレベルの低下をおこすことが報告されている。前述したGDNFのドーパミンニューロンに対する効果に加え、[[アルコール]]依存症の患者の血中GDNF量が減少していることや、GDNFのヘテロノックアウトマウスではアルコールの報酬効果が上昇していることなどから、GDNFが薬物依存症治療に有効なのではないかと考えられている&amp;lt;ref name=ref10&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22016515 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。Barakらはアルコール依存状態のラットについて調べ、側坐核におけるドーパミン量の減少を確認するとともに、ドーパミン産生ニューロンの細胞体がある[[wikipedia:ja:腹側被蓋野|腹側被蓋野]]（ventral tegmental area）へのGDNF注入が側坐核のドーパミン量を回復させ、アルコール依存状態の改善をもたらすことを示した&amp;lt;ref name=ref11&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21734280 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=6313</id>
		<title>グリア細胞株由来神経栄養因子</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%B0%E8%83%9E%E6%A0%AA%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90&amp;diff=6313"/>
		<updated>2012-04-24T08:21:48Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yoshiowakamatsu: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：glial cell line derived neurotrophic factor　英語略称名：GDNF&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:glial_cell_line_derived_neurotrophic_factor|GDNF]]は[[パーキンソン病]]患者における[[ドーパミン]]産生ニューロンの細胞死を防ぐ因子を探索する過程で、ラットのグリア系細胞株B49から分泌される、ドーパミン産生ニューロンの生存や形態的分化、ドーパミンアップテイクを促進するタンパク質として同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8493557 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。構造的にはTGF-βスーパーファミリーに属する。その後、様々なニューロンに対して栄養因子として働くことや、ヒルシュスプルング症候群（[[wikipedia:Hirschsprung&#039;s_disease|Hirschsprung&#039;s disease]]）の原因遺伝子の一つであることなど、多様な機能とそれに対応した様々な病態との関連が指摘されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== シグナル伝達==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　細胞膜にGPIアンカーで結合している受容体GDNF family receptor α-1（[[wikipedia:GDNF_family_receptor_alpha_1|GFRα-1]]）が、主なGDNF受容体である。GFRαには４種類が知られており、GDNFは GFRα-2にも結合活性があるようで、基本的には[[wikipedia:neurturin|neurturin]]等のリガンドと各受容体が１対１で対応しているが、ある程度の交差性がある。GDNFのホモ２量体が結合したGFRα-1はさらに膜貫通型[[wikipedia:receptor_tyrosine_kinase|受容体チロシンキナーゼ]]の[[wikipedia:RET_proto-oncogene|RET]]タンパク質と相互作用して、これを活性化する（GFRα-1とRETが先にヘテロ４量体を形成しており、そこにGDNFが結合するという説もある）。活性化されたRETは、受容体チロシンキナーゼに一般的に見られるように、自己リン酸化とそれに続く様々なタンパク質の結合を経て[[wikipedia:phosphatidylinositol_3-kinase|phosphatidylinositol 3-kinase]] (PI3K)-[[wikipedia:Akt|Akt]]経路や[[wikipedia:mitogen-activated_protein_kinase|mitogen-activated protein kinase]] (MAPK)経路など複数のシグナル伝達経路を活性化する。RET単独では細胞死誘導活性があることから、これらのシグナル伝達経路の活性化がGDNFによるニューロンの生存活性をになっているものと考えられる。一方、RETを介さないGDNF-GFRαシグナルの存在も示唆されている。この場合、[[wikipedia:Src_family_kinase|Srcファミリーキナーゼ]] や[[wikipedia:phospholipase_C|phospholipase Cγ]] の活性化を経て、[[wikipedia:c-fos|c-fos]]遺伝子の転写の活性化やRETを発現していないニューロンの生存を促進するという。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経発生における機能と活性==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（１）細胞死の抑制&lt;br /&gt;
　GDNFがもともと培養された中脳腹側のドーパミンニューロンにたいする栄養因子活性物質として同定されたことからもわかるように、GDNF-GFRα-1シグナルは様々なニューロンに対して細胞死を抑制する効果がある。しかし、必ずしもin vitroで栄養因子活性が確認されたニューロンが、GDNF-GFRα-1シグナルやRETのノックアウトマウスで死んでしまうわけではなく、例えば中脳腹側のドーパミンニューロンの生存に異常はみられない。これは、他の栄養因子による代償効果であると考えられ、ドーパミンニューロンの場合にはconserved dopamine neurotrophic factor（CDNF）などの関与が示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17611540 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、[[wikipedia:ja:後根神経節|後根神経節]]（[[wikipedia:dorsal_root_ganglion|dorsal root ganglion]]）の一部の侵害受容性感覚ニューロン（[[wikipedia:nociceptor|nociceptive sensory neuron]]）や迷走神経節神経節（nodose ganglion）の内蔵感覚ニューロン（visceral sensory neuron）の生存はGDNF-GFRα-1-RETシグナルに依存しており、とりわけ侵害受容性感覚ニューロンは胎生期の神経成長因子（[[wikipedia:nerve_growth_factor|nerve growth factor]]）依存から出生後にGDNF依存にシフトする事が知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9354331 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。感覚ニューロンだけでなく、[[運動ニューロン]]の減少も報告されている。GDNFのノックアウトマウスでは[[wikipedia:ja:三叉神経|三叉神経]]で20％、脊髄レベルで20〜30％程度の減少が認められる。&lt;br /&gt;
　GDNFシグナルは分化したニューロンについてのみ、栄養因子として機能するわけではない。RET遺伝子はヒトのヒルシュスプルング症候群の原因遺伝子として知られており、消化管のうち胃より後方において、[[腸管神経系]]（enteric nervous system）が欠損する。すなわち、腸管神経系は後脳レベルから消化管に侵入してくる[[神経堤]]細胞（vagal neural crest）がニューロンやグリアに分化しながら分布を広げ、形成されていくのだが、この神経堤細胞の増殖と生存にGDNF-GFRα-1-RETシグナルが重要である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9728913 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
（２）GDNFシグナルのさまざまな機能&lt;br /&gt;
　GDNF-GFRα1シグナルは、細胞の生存だけでなく[[細胞移動]]のガイダンス分子としても働くと考えられている。生後の[[大脳]][[側脳室]]から生まれたニューロン前駆細胞は[[wikipedia:rostral_migratory_stream|rostral migratory stream]]（RSM）という移動経路を通って嗅球に分布するが、この移動には[[NCAM]]が重要であることが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17658613 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。このニューロン前駆細胞にはRETは発現していないが、GFRα-1が発現している。GFRα-1ノックアウトマウスではRSMが若干太くなっていることから、細胞移動に異常があるものと考えられている。GDNFはGFRα-1と結合した後、NCAMと相互作用して、NCAM同士のホモフィリックな結合を阻害するとともに、細胞質に局在するチロシンキナーゼである[[wikipedia:Fyn|Fyn]]や[[wikipedia:PTK2|Focal adhesion kinase]]（FAK）を活性化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12837245 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;ことから、RET非依存的なGDNF-GFRα-1-NCAMシグナルがRMSにおけるニューロン前駆細胞の移動を促進していると思われる。同様のシグナルは培養下で[[海馬]]や[[大脳皮質]]ニューロンの神経突起伸長促進やプレシナプスの成熟とシナプス形成、[[wikipedia:ja:シュワン細胞|シュワン細胞]]の移動などの機能を担っている。また、RETやNCAMにも依存しないGFRα-1活性として、大脳皮質のGABAergicニューロンの接線方向への移動の制御が報告されている。&lt;br /&gt;
（３）GDNF- GFRα-1による[[シナプス]]形成の制御&lt;br /&gt;
　GFRα-1はリガンドであるGDNF依存性の細胞接着因子としても働くことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17310246 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、GDNF- GFRα-1シグナルが中脳ドーパミンニューロンや神経筋終末での神経伝達物質分泌の促進や、プレシナプス顆粒のサイズと数の増加、[[wikipedia:ja:アセチルコリン受容体|アセチルコリン受容体]]のクラスター形成の促進などの効果を持つことも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18216204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10998101 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、GDNFのシナプスに対する影響はRETに依存せず、NCAMに部分的に依存するケースが報告されている。これらのことから、GDNF- GFRα-1が接着因子としてシナプスの形成や維持、活性の制御に関わっているのではないかと考えられている。このような考えに対応して、GDNFの変異体マウスでは学習能力に問題があり、GDNFヘテロ変異マウスの海馬において一時的なプレシナプスタンパク質の集積異常が認められる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
薬物依存、ドーパミン仮説とGDNF&lt;br /&gt;
　[[薬物依存]]には通常時のドーパミンレベルの低下が関係していると言われており（[[ドーパミン仮説]]）、アルコールや様々な薬物が[[側坐核]]（nucleus accumbens）におけるドーパミンレベルの低下をおこすことが報告されている。前述したGDNFのドーパミンニューロンに対する効果に加え、[[アルコール]]依存症の患者の血中GDNF量が減少していることや、GDNFのヘテロノックアウトマウスではアルコールの報酬効果が上昇していることなどから、GDNFが薬物依存症治療に有効なのではないかと考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22016515 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。Barakらはアルコール依存状態のラットについて調べ、側坐核におけるドーパミン量の減少を確認するとともに、ドーパミン産生ニューロンの細胞体がある[[wikipedia:ja:腹側被蓋野|腹側被蓋野]]（ventral tegmental area）へのGDNF注入が側坐核のドーパミン量を回復させ、アルコール依存状態の改善をもたらすことを示した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21734280 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yoshiowakamatsu</name></author>
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