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	<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/api.php?action=feedcontributions&amp;feedformat=atom&amp;user=Yukihashimotodani</id>
	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-04-13T02:10:58Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=14505</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-09-29T00:49:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Depolarization-induced suppression of inhibition（日本語名はありますでしょうか？）とは[[ニューロン]]が[[脱分極]]したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（1〜2分間程度）に抑制される現象をいう（図1）。同じ現象が[[興奮性シナプス]]で起こる場合、[[Depolarization-induced suppression of excitation]] (DSE)と呼ぶ。[[エンドカンナビノイド]]（[[内因性カンナビノイド]]）が担う[[逆行性シナプス伝達]]の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内への[[カルシウム]]イオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]](2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、[[シナプス間隙]]を逆行し[[シナプス前終末]]に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって[[神経伝達物質]]の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIは1991年に[[小脳]]で最初に報告された。小脳の[[プルキンエ細胞]]を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力である[[GABA]]応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には[[海馬]][[CA1野]]の[[錐体細胞]]を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 3.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1. DSIの例&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;初代培養海馬ニューロンペアからホールセルパッチクランプ法により抑制性シナプス後電流（IPSC）を記録。ポスト側のニューロンを５秒間0 mVに脱分極させると一過性にIPSCの振幅が減少する。CB1受容体のアンタゴニストAM281で処理すると同じ脱分極刺激を与えてもIPSCの減少は起きなくなる。 （Hashimotodani et al, Neuroscientist 2007より一部改変）]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 逆行性伝達物質の発見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に3つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの2つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、[[線条体]]、[[大脳皮質]]、[[扁桃体]]、[[脳幹]]など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-アラキドノイルグリセロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜の[[リン脂質]]から2つの酵素反応によって生成される。[[ホスホリパーゼC]]（PLC）活性の産物である[[ジアシルグリセロール]]（DG）が前駆体となり、[[ジアシルグリセロールリパーゼ]]（DGL）による[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、[[前頭前野]]皮質という5つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]]を薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。 &lt;br /&gt;
 [[Image:Yukihashimotodani fig 4.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2. DSIのメカニズム&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
== メカニズム  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図2）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。[[Gi/oタンパク質共役型受容体]]であるCB1受容体の活性化は[[Gi/oタンパク質]]を介して[[カルシウムチャネル]]を抑制する。あるいはカリウムチャネルを活性化するという説もある。いずれにせよ、その結果、神経終末でのカルシウムイオン流入がブロックされ神経伝達物質の放出が抑制される。シナプス後細胞での脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。すくなくともDSI/DSEは、PLCβやPLCδを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17655882 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがってPLCβ,PLCδ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝活性型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といった[[Gq/11]]タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot; /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外に[[アセチルコリン]]が存在する。そのため[[中型有棘神経細胞]]のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== DSIの伝播  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。[[内向き整流性カリウムチャネル]]がCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生理的役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期の[[シナプス可塑性]]であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIが[[メタ可塑性]]に関わることが示唆されている。海馬CA1において[[閾値]]以下のテタヌス刺激では[[長期増強]]（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がµMレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側[[蝸牛神経核]]にある[[Cartwheel細胞]]の持続的な発火によるµM以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝活性型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エンドカンナビノイド]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達|逆行性シナプス伝達]][[逆行性伝達物質]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性]]&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性|シナプス可塑性]]（他に関連の深い項目がございましたらご指摘下さい）&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;[[|]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=14504</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-09-29T00:45:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Depolarization-induced suppression of inhibition（日本語名はありますでしょうか？）とは[[ニューロン]]が[[脱分極]]したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（1〜2分間程度）に抑制される現象をいう（図1）。同じ現象が[[興奮性シナプス]]で起こる場合、[[Depolarization-induced suppression of excitation]] (DSE)と呼ぶ。[[エンドカンナビノイド]]（[[内因性カンナビノイド]]）が担う[[逆行性シナプス伝達]]の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内への[[カルシウム]]イオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]](2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、[[シナプス間隙]]を逆行し[[シナプス前終末]]に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって[[神経伝達物質]]の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIは1991年に[[小脳]]で最初に報告された。小脳の[[プルキンエ細胞]]を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力である[[GABA]]応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には[[海馬]][[CA1野]]の[[錐体細胞]]を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 3.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1. DSIの例&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;初代培養海馬ニューロンペアからホールセルパッチクランプ法により抑制性シナプス後電流（IPSC）を記録。ポスト側のニューロンを５秒間0 mVに脱分極させると一過性にIPSCの振幅が減少する。CB1受容体のアンタゴニストAM281で処理すると同じ脱分極刺激を与えてもIPSCの減少は起きなくなる。 （Hashimotodani et al, Neuroscientist 2007より一部改変）]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 逆行性伝達物質の発見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に3つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの2つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、[[線条体]]、[[大脳皮質]]、[[扁桃体]]、[[脳幹]]など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-アラキドノイルグリセロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜の[[リン脂質]]から2つの酵素反応によって生成される。[[ホスホリパーゼC]]（PLC）活性の産物である[[ジアシルグリセロール]]（DG）が前駆体となり、[[ジアシルグリセロールリパーゼ]]（DGL）による[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、[[前頭前野]]皮質という5つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]]を薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。 &lt;br /&gt;
 [[Image:Yukihashimotodani fig 4.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2. DSIのメカニズム&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
== メカニズム  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図2）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。[[Gi/oタンパク質共役型受容体]]であるCB1受容体の活性化は[[Gi/oタンパク質]]を介して[[カルシウムチャネル]]を抑制する。あるいはカリウムチャネルを活性化するという説もある。いずれにせよ、その結果、神経終末でのカルシウムイオン流入がブロックされ神経伝達物質の放出が抑制される。シナプス後細胞での脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。すくなくともDSI/DSEは、PLCβやPLCδを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。したがってPLCβ,PLCδ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝活性型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といった[[Gq/11]]タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot; /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外に[[アセチルコリン]]が存在する。そのため[[中型有棘神経細胞]]のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== DSIの伝播  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。[[内向き整流性カリウムチャネル]]がCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生理的役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期の[[シナプス可塑性]]であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIが[[メタ可塑性]]に関わることが示唆されている。海馬CA1において[[閾値]]以下のテタヌス刺激では[[長期増強]]（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がµMレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側[[蝸牛神経核]]にある[[Cartwheel細胞]]の持続的な発火によるµM以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝活性型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エンドカンナビノイド]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達|逆行性シナプス伝達]][[逆行性伝達物質]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性]]&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性|シナプス可塑性]]（他に関連の深い項目がございましたらご指摘下さい）&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;[[|]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=14503</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=14503"/>
		<updated>2012-09-29T00:40:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Depolarization-induced suppression of inhibition（日本語名はありますでしょうか？）とは[[ニューロン]]が[[脱分極]]したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（1〜2分間程度）に抑制される現象をいう（図1）。同じ現象が[[興奮性シナプス]]で起こる場合、[[Depolarization-induced suppression of excitation]] (DSE)と呼ぶ。[[エンドカンナビノイド]]（[[内因性カンナビノイド]]）が担う[[逆行性シナプス伝達]]の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内への[[カルシウム]]イオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]](2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、[[シナプス間隙]]を逆行し[[シナプス前終末]]に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって[[神経伝達物質]]の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIは1991年に[[小脳]]で最初に報告された。小脳の[[プルキンエ細胞]]を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力である[[GABA]]応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には[[海馬]][[CA1野]]の[[錐体細胞]]を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 3.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1. DSIの例&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;初代培養海馬ニューロンペアからホールセルパッチクランプ法により抑制性シナプス後電流（IPSC）を記録。ポスト側のニューロンを５秒間0 mVに脱分極させると一過性にIPSCの振幅が減少する。CB1受容体のアンタゴニストAM281で処理すると同じ脱分極刺激を与えてもIPSCの減少は起きなくなる。 （Hashimotodani et al, Neuroscientist 2007より一部改変）]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 逆行性伝達物質の発見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に3つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの2つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、[[線条体]]、[[大脳皮質]]、[[扁桃体]]、[[脳幹]]など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-アラキドノイルグリセロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜の[[リン脂質]]から2つの酵素反応によって生成される。[[ホスホリパーゼC]]（PLC）活性の産物である[[ジアシルグリセロール]]（DG）が前駆体となり、[[ジアシルグリセロールリパーゼ]]（DGL）による[[wikipedia:ja:加水分解|加水分解]]で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、[[前頭前野]]皮質という5つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]]を薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。 &lt;br /&gt;
 [[Image:Yukihashimotodani fig 4.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2. DSIのメカニズム&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
== メカニズム  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図2）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。[[Gi/oタンパク質共役型受容体]]であるCB1受容体の活性化は[[Gi/oタンパク質]]を介して[[カルシウムチャネル]]を抑制する。あるいはカリウムチャネルを活性化するという説もある。いずれにせよ、その結果、神経終末でのカルシウムイオン流入がブロックされ神経伝達物質の放出が抑制される。シナプス後細胞での脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝活性型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といった[[Gq/11]]タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot; /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外に[[アセチルコリン]]が存在する。そのため[[中型有棘神経細胞]]のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== DSIの伝播  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。[[内向き整流性カリウムチャネル]]がCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生理的役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期の[[シナプス可塑性]]であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIが[[メタ可塑性]]に関わることが示唆されている。海馬CA1において[[閾値]]以下のテタヌス刺激では[[長期増強]]（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がµMレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側[[蝸牛神経核]]にある[[Cartwheel細胞]]の持続的な発火によるµM以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝活性型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[エンドカンナビノイド]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達]]&lt;br /&gt;
*[[逆行性シナプス伝達|逆行性シナプス伝達]][[逆行性伝達物質]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性]]&lt;br /&gt;
*[[シナプス可塑性|シナプス可塑性]]（他に関連の深い項目がございましたらご指摘下さい）&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;[[|]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14359</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14359"/>
		<updated>2012-09-25T04:55:24Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　逆行性伝達物質とは[[化学シナプス]]において[[シナプス後部]]から細胞外へ放出されて、[[シナプス前終末]]に作用し[[シナプス伝達]]を調節する物質をさす（図1）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:気体|気体]]分子、[[神経栄養因子]]、[[ペプチド]]、古典的[[神経伝達物質]]がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおける[[シナプス可塑性]]に限定して述べる。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 5.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1．逆行性シナプス伝達&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 条件  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
#逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。&lt;br /&gt;
#合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。&lt;br /&gt;
#その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脂質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[アラキドン酸]]が[[海馬]]において逆行性伝達物質として働き[[長期増強]]（long-term potentiation: LTP）や[[長期抑圧]]（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1において[[シクロオキシゲナーゼ]]-2 (COX-2)によってアラキドン酸から[[プロスタグランジンE2]]が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[エイコサノイド]]の一種である[[12-(S)-HPETE]]が海馬[[CA1]]の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在する[[TRPV1]]を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 気体分子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化窒素]] (NO)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]を介して流入した[[カルシウム]]が[[NO合成酵素]]を活性化することによってL-[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]からNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、[[可溶性グアニル酸シクラーゼ]]を活性化し[[cGMP]]産生とそれに引き続き[[cGMP依存性プロテインキナーゼ]]の活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば[[腹側被蓋野]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[視床下部]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[大脳皮質]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[脊髄]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に[[小脳]]の[[LTD]]でよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳[[プルキンエ細胞]]に入力する興奮性の[[平行線維]]終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化し[[G-substrate]]を[[リン酸化]]する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateは[[ホスファターゼ]]の[[阻害剤]]として働き、別経路で活性化された[[プロテインキナーゼC]]と合わせて、最終的に[[AMPA型グルタミン酸受容体]]のリン酸化および[[エンドサイトーシス]]を促進する方向へ向かう。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化炭素]]も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot; /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経栄養因子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、[[軸索]]伸張、発達期の[[シナプス形成]]に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えば[[BDNF]]は高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末の[[TrkB受容体]]を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいは[[アフリカツメガエル]]の[[視蓋]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[TGF-β]]など他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ペプチド  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[オピオイド]]の一種である[[ダイノルフィン]]が逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬[[歯状回]]の[[顆粒細胞]]において[[電位依存性カルシウムチャネル]]を介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは[[貫通線維]]のシナプス前終末に存在する[[κオピオイド受容体]]を活性化し、[[グルタミン酸]]の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot; /&amp;gt;。最近、[[視床下部]]でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが[[樹状突起]]から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 古典的神経伝達物質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グルタミン酸や[[GABA]]といった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot; /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が[[脳幹]]ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして[[嗅球]]の[[僧帽細胞]]と顆粒細胞間の[[dendro-dendritic結合]]でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[セロトニン]]や[[ドーパミン]]も樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== エンドカンナビノイドによる逆行性伝達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、[[エンドカンナビノイド]]による逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。カンナビノイド受容体にはCB1とCB2があり、CB1受容体は脳にCB2受容体は主に免疫系の細胞で発現している（CB2受容体も一部、脳での発現が認められる）。CB1受容体は興奮性ニューロンあるいは抑制性ニューロンの神経終末に発現しており、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで[[記憶]]・[[認知]]、[[運動制御]]、[[鎮痛]]、[[摂食制御の神経回路|食欲]]調節、[[報酬系]]の制御、[[神経保護]]などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== エンドカンナビノイド産生機構  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]]（2-AG）はシナプス後部のニューロンの[[脱分極]]による[[カルシウム]]イオン流入、あるいは[[Gq/11タンパク質共役型受容体]]の活性化によって作られる（図2）。2-AGは前駆体である[[ジアシルグリセロール]]（DG）から[[DGリパーゼ]]（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると[[電位依存性カルシウムチャネル]]が開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度が&amp;amp;micro;M以上に達すると、2-AGが産生される（図2）。また、グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって[[ホスホリパーゼC]]βを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図2）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、[[受容体]]活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 6.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2．エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑圧  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のような刺激によって産生された2-AGは[[細胞膜]]を通って逆行性に[[シナプス前終末]]に局在する[[CB1受容体]]を活性化する。活性化したCB1受容体は共役する[[Gi/oタンパク質]]を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図2）。ニューロンの[[脱分極]]によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧を[[depolarization-induced suppression of inhibition]]/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot; /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]](MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図2） 。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドには代表的なものとして2-AG以外にもアナンダミドがある。2-AGが様々なシナプスにおいて逆行性伝達物質として普遍的に働くのに対してアナンダミドは限られたシナプスにおいてのみ逆行性伝達物質として働くと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===長期抑圧現象===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは[[長期抑圧現象]] (LTD)の誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、[[側坐核]]、小脳、海馬、背側[[蝸牛神経核]]などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側[[被蓋野]]などで報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が5-10分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝活性型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末における[[RIM1α]]の作用と、カルシウムイオン流入による[[カルシニューリン]]の活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
  同じシナプス後細胞へのカルシウムイオン流入でもエンドカンナビノイド依存性のLTD以外にもLTPなどのシナプス可塑性が引き起こされる。どのようにしてこれらのシナプス可塑性が選択的に引き起こされるのかに関してはほとんどわかっていない。少なくとも大脳皮質のスパイクタイミング依存性のLTP/LTDでは選択的に起こるようである。プレーポストの順番で刺激されるとNMDA受容体が働きLTPが誘導され、逆の順番ではグループI代謝活性型グルタミン酸受容体が強く活性化され上述のPLCβ活性の相乗効果でエンドカンナビノイドが作られLTDが誘導される&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17065442 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また背側蝸牛神経核ではLTPとエンドカンナビノイド依存性のLTDが同時に起こるがLTPがマスクされ結果LTDが観察されるといった実験結果もある&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17442249 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。一方、小脳ではプルキンエ細胞の脱分極でDSEと他の可塑性が時間差をおいて引き起こされることが報告されている&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14358</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14358"/>
		<updated>2012-09-25T04:35:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　逆行性伝達物質とは[[化学シナプス]]において[[シナプス後部]]から細胞外へ放出されて、[[シナプス前終末]]に作用し[[シナプス伝達]]を調節する物質をさす（図1）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:気体|気体]]分子、[[神経栄養因子]]、[[ペプチド]]、古典的[[神経伝達物質]]がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおける[[シナプス可塑性]]に限定して述べる。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 5.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1．逆行性シナプス伝達&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 条件  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
#逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。&lt;br /&gt;
#合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。&lt;br /&gt;
#その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脂質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[アラキドン酸]]が[[海馬]]において逆行性伝達物質として働き[[長期増強]]（long-term potentiation: LTP）や[[長期抑圧]]（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1において[[シクロオキシゲナーゼ]]-2 (COX-2)によってアラキドン酸から[[プロスタグランジンE2]]が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[エイコサノイド]]の一種である[[12-(S)-HPETE]]が海馬[[CA1]]の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在する[[TRPV1]]を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 気体分子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化窒素]] (NO)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]を介して流入した[[カルシウム]]が[[NO合成酵素]]を活性化することによってL-[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]からNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、[[可溶性グアニル酸シクラーゼ]]を活性化し[[cGMP]]産生とそれに引き続き[[cGMP依存性プロテインキナーゼ]]の活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば[[腹側被蓋野]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[視床下部]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[大脳皮質]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[脊髄]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に[[小脳]]の[[LTD]]でよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳[[プルキンエ細胞]]に入力する興奮性の[[平行線維]]終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化し[[G-substrate]]を[[リン酸化]]する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateは[[ホスファターゼ]]の[[阻害剤]]として働き、別経路で活性化された[[プロテインキナーゼC]]と合わせて、最終的に[[AMPA型グルタミン酸受容体]]のリン酸化および[[エンドサイトーシス]]を促進する方向へ向かう。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化炭素]]も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot; /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経栄養因子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、[[軸索]]伸張、発達期の[[シナプス形成]]に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えば[[BDNF]]は高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末の[[TrkB受容体]]を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいは[[アフリカツメガエル]]の[[視蓋]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[TGF-β]]など他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ペプチド  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[オピオイド]]の一種である[[ダイノルフィン]]が逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬[[歯状回]]の[[顆粒細胞]]において[[電位依存性カルシウムチャネル]]を介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは[[貫通線維]]のシナプス前終末に存在する[[κオピオイド受容体]]を活性化し、[[グルタミン酸]]の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot; /&amp;gt;。最近、[[視床下部]]でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが[[樹状突起]]から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 古典的神経伝達物質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グルタミン酸や[[GABA]]といった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot; /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が[[脳幹]]ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして[[嗅球]]の[[僧帽細胞]]と顆粒細胞間の[[dendro-dendritic結合]]でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[セロトニン]]や[[ドーパミン]]も樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== エンドカンナビノイドによる逆行性伝達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、[[エンドカンナビノイド]]による逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。カンナビノイド受容体にはCB1とCB2があり、CB1受容体は脳にCB2受容体は主に免疫系の細胞で発現している（CB2受容体も一部、脳での発現が認められる）。CB1受容体は興奮性ニューロンあるいは抑制性ニューロンの神経終末に発現しており、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで[[記憶]]・[[認知]]、[[運動制御]]、[[鎮痛]]、[[摂食制御の神経回路|食欲]]調節、[[報酬系]]の制御、[[神経保護]]などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== エンドカンナビノイド産生機構  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]]（2-AG）はシナプス後部のニューロンの[[脱分極]]による[[カルシウム]]イオン流入、あるいは[[Gq/11タンパク質共役型受容体]]の活性化によって作られる（図2）。2-AGは前駆体である[[ジアシルグリセロール]]（DG）から[[DGリパーゼ]]（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると[[電位依存性カルシウムチャネル]]が開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度が&amp;amp;micro;M以上に達すると、2-AGが産生される（図2）。また、グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって[[ホスホリパーゼC]]βを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図2）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、[[受容体]]活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 6.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2．エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑圧  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のような刺激によって産生された2-AGは[[細胞膜]]を通って逆行性に[[シナプス前終末]]に局在する[[CB1受容体]]を活性化する。活性化したCB1受容体は共役する[[Gi/oタンパク質]]を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図2）。ニューロンの[[脱分極]]によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧を[[depolarization-induced suppression of inhibition]]/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot; /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]](MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図2） 。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドには代表的なものとして2-AG以外にもアナンダミドがある。2-AGが様々なシナプスにおいて逆行性伝達物質として普遍的に働くのに対してアナンダミドは限られたシナプスにおいてのみ逆行性伝達物質として働くと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===長期抑圧現象===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは[[長期抑圧現象]] (LTD)の誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、[[側坐核]]、小脳、海馬、背側[[蝸牛神経核]]などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側[[被蓋野]]などで報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が5-10分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝活性型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末における[[RIM1α]]の作用と、カルシウムイオン流入による[[カルシニューリン]]の活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
  同じシナプス後細胞へのカルシウムイオン流入でもエンドカンナビノイド依存性のLTD以外にもLTPなどのシナプス可塑性が引き起こされる。どのようにしてこれらのシナプス可塑性が選択的に引き起こされるのかに関してはほとんどわかっていない。少なくとも大脳皮質のスパイクタイミング依存性のLTP/LTDでは選択的に起こるようである。プレーポストの順番で刺激されるとNMDA受容体が働きLTPが誘導され、逆の順番ではグループI代謝活性型グルタミン酸受容体が強く活性化され上述のPLCβ活性の相乗効果でエンドカンナビノイドが作られLTDが誘導される&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17065442 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また背側蝸牛神経核ではLTPとエンドカンナビノイド依存性のLTDが同時に起こるがLTPがマスクされ結果LTDが観察されるといった実験結果もある&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17442249 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14357</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=14357"/>
		<updated>2012-09-25T03:10:28Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　逆行性伝達物質とは[[化学シナプス]]において[[シナプス後部]]から細胞外へ放出されて、[[シナプス前終末]]に作用し[[シナプス伝達]]を調節する物質をさす（図1）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、[[wikipedia:ja:脂質|脂質]]、[[wikipedia:ja:気体|気体]]分子、[[神経栄養因子]]、[[ペプチド]]、古典的[[神経伝達物質]]がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおける[[シナプス可塑性]]に限定して述べる。&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 5.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図1．逆行性シナプス伝達&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 条件  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
#逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。&lt;br /&gt;
#合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。&lt;br /&gt;
#その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。&lt;br /&gt;
#その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脂質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在する[[カンナビノイド受容体]]I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[アラキドン酸]]が[[海馬]]において逆行性伝達物質として働き[[長期増強]]（long-term potentiation: LTP）や[[長期抑圧]]（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1において[[シクロオキシゲナーゼ]]-2 (COX-2)によってアラキドン酸から[[プロスタグランジンE2]]が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[エイコサノイド]]の一種である[[12-(S)-HPETE]]が海馬[[CA1]]の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在する[[TRPV1]]を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 気体分子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化窒素]] (NO)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[NMDA型グルタミン酸受容体]]を介して流入した[[カルシウム]]が[[NO合成酵素]]を活性化することによってL-[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]からNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、[[可溶性グアニル酸シクラーゼ]]を活性化し[[cGMP]]産生とそれに引き続き[[cGMP依存性プロテインキナーゼ]]の活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば[[腹側被蓋野]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[視床下部]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[大脳皮質]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、[[脊髄]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に[[小脳]]の[[LTD]]でよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳[[プルキンエ細胞]]に入力する興奮性の[[平行線維]]終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化し[[G-substrate]]を[[リン酸化]]する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateは[[ホスファターゼ]]の[[阻害剤]]として働き、別経路で活性化された[[プロテインキナーゼC]]と合わせて、最終的に[[AMPA型グルタミン酸受容体]]のリン酸化および[[エンドサイトーシス]]を促進する方向へ向かう。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[一酸化炭素]]も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot; /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経栄養因子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、[[軸索]]伸張、発達期の[[シナプス形成]]に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えば[[BDNF]]は高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末の[[TrkB受容体]]を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいは[[アフリカツメガエル]]の[[視蓋]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[TGF-β]]など他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ペプチド  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[オピオイド]]の一種である[[ダイノルフィン]]が逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬[[歯状回]]の[[顆粒細胞]]において[[電位依存性カルシウムチャネル]]を介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは[[貫通線維]]のシナプス前終末に存在する[[κオピオイド受容体]]を活性化し、[[グルタミン酸]]の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot; /&amp;gt;。最近、[[視床下部]]でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが[[樹状突起]]から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 古典的神経伝達物質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グルタミン酸や[[GABA]]といった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot; /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が[[脳幹]]ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして[[嗅球]]の[[僧帽細胞]]と顆粒細胞間の[[dendro-dendritic結合]]でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[セロトニン]]や[[ドーパミン]]も樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== エンドカンナビノイドによる逆行性伝達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、[[エンドカンナビノイド]]による逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。カンナビノイド受容体にはCB1とCB2があり、CB1受容体は脳にCB2受容体は主に免疫系の細胞で発現している。CB1受容体は興奮性ニューロンあるいは抑制性ニューロンの神経終末に発現しており、その発現パターンは脳部位によって異なる。これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで[[記憶]]・[[認知]]、[[運動制御]]、[[鎮痛]]、[[摂食制御の神経回路|食欲]]調節、[[報酬系]]の制御、[[神経保護]]などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== エンドカンナビノイド産生機構  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの一種である[[2-アラキドノイルグリセロール]]（2-AG）はシナプス後部のニューロンの[[脱分極]]による[[カルシウム]]イオン流入、あるいは[[Gq/11タンパク質共役型受容体]]の活性化によって作られる（図2）。2-AGは前駆体である[[ジアシルグリセロール]]（DG）から[[DGリパーゼ]]（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると[[電位依存性カルシウムチャネル]]が開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度が&amp;amp;micro;M以上に達すると、2-AGが産生される（図2）。また、グループI[[代謝活性型グルタミン酸受容体]]やM1/M3[[ムスカリン受容体]]といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって[[ホスホリパーゼC]]βを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図2）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、[[受容体]]活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図2）。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Yukihashimotodani fig 6.jpg|thumb|right|300px|&#039;&#039;&#039;図2．エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑圧  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のような刺激によって産生された2-AGは[[細胞膜]]を通って逆行性に[[シナプス前終末]]に局在する[[CB1受容体]]を活性化する。活性化したCB1受容体は共役する[[Gi/oタンパク質]]を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図2）。ニューロンの[[脱分極]]によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧を[[depolarization-induced suppression of inhibition]]/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot; /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素である[[モノアシルグリセロールリパーゼ]](MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図2） 。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドには代表的なものとして2-AG以外にもアナンダミドがある。2-AGが様々なシナプスにおいて逆行性伝達物質として普遍的に働くのに対してアナンダミドは限られたシナプスにおいてのみ逆行性伝達物質として働くと考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===長期抑圧現象===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは[[長期抑圧現象]] (LTD)の誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、[[側坐核]]、小脳、海馬、背側[[蝸牛神経核]]などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側[[被蓋野]]などで報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が5-10分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝活性型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末における[[RIM1α]]の作用と、カルシウムイオン流入による[[カルシニューリン]]の活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot; /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　大脳皮質ではスパイクタイミング依存性可塑性&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11924</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
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		<updated>2012-07-17T01:49:21Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、古典的神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。 [[Image:Yukihashimotodani fig 5.jpg|thumb|right|400px|図１.　逆行性シナプス伝達]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 条件  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脂質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 気体分子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot; /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経栄養因子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ペプチド  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot; /&amp;gt;。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 古典的神経伝達物質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot; /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が脳幹ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== エンドカンナビノイドによる逆行性伝達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== エンドカンナビノイド産生機構  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図２）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 6.jpg|thumb|right|400px|図２.　エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制。 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑圧  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot; /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図２） 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11923</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11923"/>
		<updated>2012-07-17T01:47:37Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。 [[Image:Yukihashimotodani fig 3.jpg|thumb|right|300px|図1. DSIの例　 初代培養海馬ニューロンペアからホールセルパッチクランプ法により抑制性シナプス後電流（IPSC）を記録。ポスト側のニューロンを５秒間0 mVに脱分極させると一過性にIPSCの振幅が減少する。CB1受容体のアンタゴニストAM281で処理すると同じ脱分極刺激を与えてもIPSCの減少は起きなくなる。 （Hashimotodani et al, Neuroscientist 2007より一部改変）]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 逆行性伝達物質の発見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ２−アラキドノイルグリセロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; fckLR    21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== メカニズム  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。 [[Image:Yukihashimotodani fig 4.jpg|thumb|right|300px|図２. DSIのメカニズム]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot; /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。 分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== DSIの伝播  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生理的役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11922</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11922"/>
		<updated>2012-07-17T01:33:01Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。 [[Image:Yukihashimotodani fig 5.jpg|thumb|right|400px|図１.　逆行性シナプス伝達]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 条件  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 脂質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 気体分子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref19&amp;quot; /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 神経栄養因子  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ペプチド  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref21&amp;quot; /&amp;gt;。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 古典的神経伝達物質  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref30&amp;quot; /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が脳幹ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== エンドカンナビノイドによる逆行性伝達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref2&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== エンドカンナビノイド産生機構  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図２）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 6.jpg|thumb|right|400px|図２.　エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制。 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑圧  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref40&amp;quot; /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;（図２） 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref50&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<title>ファイル:Yukihashimotodani fig 6.jpg</title>
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		<updated>2012-07-17T01:28:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<updated>2012-07-17T01:27:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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		<title>逆行性伝達物質</title>
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		<updated>2012-07-17T01:25:40Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=ref21&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref21 /&amp;gt;。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=ref30&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref30 /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が脳幹ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref40&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref40 /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12741992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている &amp;lt;ref name=ref50&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19575681 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている&amp;lt;ref name=ref50 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11918</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11918"/>
		<updated>2012-07-17T01:22:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=ref21&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref21 /&amp;gt;。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=ref30&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref30 /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が脳幹ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する&amp;lt;ref name=ref2 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref40&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 14502290 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15564588 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref40 /&amp;gt;。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11914</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11914"/>
		<updated>2012-07-17T01:12:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=ref21&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref21 /&amp;gt;。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19494156 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22279215 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12744842 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている&amp;lt;ref name=ref30&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16061520 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19375301 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref30 /&amp;gt;。小脳ではグルタミン酸&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15097992 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が脳幹ではGABAが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18614034 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9581766 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11912</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11912"/>
		<updated>2012-07-17T01:02:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17192436 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18395922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;あるいはアフリカツメガエルの視蓋&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15215865 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15046717 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される&amp;lt;ref name=ref21&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7605635 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1345943 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7911518 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref21 /&amp;gt;(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11911</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11911"/>
		<updated>2012-07-17T00:55:01Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬(Magby et al., 2006)や大脳皮質(Inagaki et al., 2008)あるいはアフリカツメガエルの視蓋(Du and Poo, 2004)において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
　　　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある(Sanyal et al., 2004)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される(Simmons et al., 1995)。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11910</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11910"/>
		<updated>2012-07-17T00:52:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref name=ref19&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
  NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18588525 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9032691 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10051666 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 7682336 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref19 /&amp;gt;まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬(Magby et al., 2006)や大脳皮質(Inagaki et al., 2008)あるいはアフリカツメガエルの視蓋(Du and Poo, 2004)において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
　　　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある(Sanyal et al., 2004)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される(Simmons et al., 1995)。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11909</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
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		<updated>2012-07-17T00:45:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16957004 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16251433 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 18341994 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8083727 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9223222 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17460674 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、視床下部&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19144839 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、大脳皮質&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16837587 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、脊髄&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22131400 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
 　　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている(Garthwaite, 2008)。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され(Shibuki and Kimura, 1997)シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する(Endo et al., 1999)。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
    一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが(Bacskai et al., 1993; Dawson and Snyder, 1994)まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬(Magby et al., 2006)や大脳皮質(Inagaki et al., 2008)あるいはアフリカツメガエルの視蓋(Du and Poo, 2004)において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
　　　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある(Sanyal et al., 2004)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される(Simmons et al., 1995)。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>逆行性伝達物質</title>
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		<updated>2012-07-17T00:33:07Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である&amp;lt;ref name=ref2&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2571939 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 8606806 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9457171 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている(Sang and Chen, 2006)。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている(Sang et al., 2005)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　　エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている(Gibson et al., 2008)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている(Dawson and Snyder, 1994; Holscher, 1997)。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野(Nugent et al., 2007)、視床下部(Di et al., 2009)、大脳皮質(Hardingham and Fox, 2006)、脊髄(Fenselau et al., 2011)などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
 　　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている(Garthwaite, 2008)。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され(Shibuki and Kimura, 1997)シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する(Endo et al., 1999)。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
    一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが(Bacskai et al., 1993; Dawson and Snyder, 1994)まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬(Magby et al., 2006)や大脳皮質(Inagaki et al., 2008)あるいはアフリカツメガエルの視蓋(Du and Poo, 2004)において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
　　　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある(Sanyal et al., 2004)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される(Simmons et al., 1995)。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%80%86%E8%A1%8C%E6%80%A7%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%89%A9%E8%B3%AA&amp;diff=11904</id>
		<title>逆行性伝達物質</title>
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		<updated>2012-07-17T00:26:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: ページの作成：「英：retrograde messengers, retrograde signals  逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプ...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英：retrograde messengers, retrograde signals&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
逆行性伝達物質とは化学シナプスにおいてシナプス後部から細胞外へ放出されて、シナプス前終末に作用しシナプス伝達を調節する物質をさす（図１）。逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前側の活動を調節することができる。逆行性伝達物質には様々な種類があるが大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、神経伝達物質がある。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っているが、本稿では特に成熟したシナプスにおけるシナプス可塑性に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==条件==&lt;br /&gt;
ある物質が逆行性伝達物質として働くかどうかは以下の基準を満たす必要があると提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19640475 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　１)逆行性伝達物質を合成あるいは放出する能力がシナプス後部にある。２)合成や放出の過程を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。３)シナプス前終末に逆行性伝達物質の標的となる受容器が存在する。４)その受容器を阻害すると逆行性伝達が起こらなくなる。５)その受容器のアクチベーター、あるいは逆行性伝達物質を投与することで逆行性伝達と同様の効果が発揮される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===脂質===&lt;br /&gt;
脂質のなかではエンドカンナビノイドが最も詳しく調べられている逆行性伝達物質である(Kano et al., 2009)。エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達はシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型（CB1）の活性化を介して引き起こされる。脳の非常に広い範囲の多くのシナプスでこの逆行性シナプス伝達が報告されている。詳しくは後述。&lt;br /&gt;
　　アラキドン酸が海馬において逆行性伝達物質として働き長期増強（long-term potentiation: LTP）や長期抑圧（long-term depression: LTD）を引き起こすことが提案された(Williams et al., 1989; Bolshakov and Siegelbaum, 1995)。しかし、アラキドン酸を逆行性伝達物質と考えるには十分な実験的証拠がなく疑問視されている(Fitzsimonds and Poo, 1998)。現在ではアラキドン酸自身ではなく、その代謝産物が逆行性伝達物質として働くことが考えられている(Sang and Chen, 2006)。海馬CA1においてCOX-2によってアラキドン酸からプロスタグランジンE2が作られ、それが逆行性伝達物質として興奮性シナプス前終末に存在するプロスタグランジンE2受容体を活性化し、シナプス伝達を促進させることが報告されている(Sang et al., 2005)。&lt;br /&gt;
   エイコサノイドの一種である12-(S)-HPETEが海馬CA1の抑制性ニューロンから放出され興奮性シナプス前終末に存在するTRPV1を活性化しLTDを誘導することが報告されている(Gibson et al., 2008)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===気体分子===&lt;br /&gt;
NO(一酸化窒素)はセカンドメッセンジャーとして働くことが知られているが、特に海馬のLTP誘導において逆行性伝達物質として働くことが報告されている(Dawson and Snyder, 1994; Holscher, 1997)。NMDA受容体を介して流入したカルシウムがNO合成酵素を活性化することによってL-アルギニンからNOがシナプス後部で作られる。細胞外へと放出されたNOはシナプス前終末の内部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化しcGMP産生とそれに引き続きcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を引き起こす。その結果、神経伝達物質の放出が促進される。海馬以外にも例えば腹側被蓋野(Nugent et al., 2007)、視床下部(Di et al., 2009)、大脳皮質(Hardingham and Fox, 2006)、脊髄(Fenselau et al., 2011)などでNOによる逆行性シナプス伝達が報告されている。&lt;br /&gt;
 　　NOが順行性伝達物質としても働くことが、特に小脳のLTDでよく調べられている(Garthwaite, 2008)。小脳プルキンエ細胞に入力する興奮性の平行線維終末からNOが放出され(Shibuki and Kimura, 1997)シナプス後部に入り、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。その結果、cGMP/cGMP依存性プロテインキナーゼのカスケードが活性化しG-substrateをリン酸化する(Endo et al., 1999)。リン酸化したG-substrateはホスファターゼの阻害剤として働き、別経路で活性化されたプロテインキナーゼCと合わせて、最終的にAMPA受容体のリン酸化およびエンドサイトーシスを促進する方向へ向かう。&lt;br /&gt;
    一酸化炭素も逆行性伝達物質として働くことが示唆されているが(Bacskai et al., 1993; Dawson and Snyder, 1994)まだそれを支持する十分な証拠は揃っていない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===神経栄養因子===&lt;br /&gt;
神経栄養因子は順行性あるいは逆行性に分泌され神経細胞の分化、軸索伸張、発達期のシナプス形成に重要であることがよく知られている。一方で成熟シナプスにおいて逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を促進する急性効果もある。例えばBDNFは高頻度刺激によって生じる細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後部から放出され、シナプス前終末のTrkB受容体を活性化し、シナプス伝達を促進する。海馬(Magby et al., 2006)や大脳皮質(Inagaki et al., 2008)あるいはアフリカツメガエルの視蓋(Du and Poo, 2004)において、興奮性シナプスや抑制性シナプスでBDNFによる逆行性伝達によってLTPが誘導されることが報告されている。&lt;br /&gt;
　　　TGF-βなど他の神経栄養因子も逆行性伝達物質として働く可能性がある(Sanyal et al., 2004)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ペプチド===&lt;br /&gt;
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される(Simmons et al., 1995)。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する(Wagner et al., 1992; Drake et al., 1994; Simmons et al., 1995)。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された(Iremonger and Bains, 2009; Bonfardin et al., 2012)。&lt;br /&gt;
    ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが(Ludwig and Pittman, 2003)、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===古典的神経伝達物質===&lt;br /&gt;
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている(Zilberter et al., 2005; Koch and Magnusson, 2009)。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている(Zilberter et al., 2005)。小脳ではグルタミン酸(Duguid and Smart, 2004)が脳幹ではGABAが(Magnusson et al., 2008)逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる(Isaacson and Strowbridge, 1998)。&lt;br /&gt;
　　セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達==&lt;br /&gt;
上記のほとんどの逆行性伝達物質が脳の限られた範囲のシナプスでのみ働くのに対して、エンドカンナビノイドによる逆行性伝達は脳の非常に広い範囲で起こる。CB1受容体はシナプスによっては興奮性あるいは抑制性神経終末に発現しており、これらの入力を短期あるいは長期に抑制することで記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御、神経保護などの様々な脳機能に関与する(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===エンドカンナビノイド産生機構===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール（2-AG）はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られる（図２）。2-AGは前駆体であるジアシルグリセロール（DG）からDGリパーゼ（DGL）によって作られる。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムイオンが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される（図２）。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる（図２）。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が同時に起こると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005) （図２）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===逆行性シナプス伝達抑圧===&lt;br /&gt;
上記のような刺激によって産生された2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する（図２）。ニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧をdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)とよぶ。脱分極したニューロンに入力する抑制性入力が抑えられる場合がDSI、興奮性入力が抑えられる場合がDSEである。単なる脱分極と違い、生理的条件に近いシナプス刺激によってエンドカンナビノイドによる短期の逆行性シナプス伝達抑圧が起こることがわかっている(Brown et al., 2003; Melis et al., 2004; Maejima et al., 2005)。この場合、上述のようなGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と細胞内へのカルシウム流入の相乗効果で2-AGが作られると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。&lt;br /&gt;
 エンドカンナビノイドは細胞外を非常に限られた範囲でしか拡散できない。海馬では10~20μm程度しか拡散しないと考えられている。2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)はシナプス前終末に局在しており、逆行性に運ばれて来た2-AGを速やかに分解する(Hashimotodani et al., 2007b)。（図２）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===LTD===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはLTDの誘導にも寄与する。興奮性シナプスでみられるエンドカンナビノイド依存性のLTDは、背側線条体、大脳皮質、側坐核、小脳、海馬、背側蝸牛神経核などで報告されている。一方、抑制性シナプスでは、扁桃体、海馬、大脳皮質、腹側被蓋野などで報告がある。&lt;br /&gt;
　　　エンドカンナビノイド依存性のLTD（eCB-LTD）誘導にはLTD誘発刺激中にエンドカンナビノイドが産生されてシナプス前終末のCB1受容体が活性化されることが必要である。海馬ではCB1受容体が５−１０分間、活性化されることがLTD誘導に必須であることが示されており、LTDの維持にはCB1受容体活性は不要となる(Chevaleyre and Castillo, 2003)。LTD誘発刺激条件は脳部位によって様々であるがシナプス後部ニューロンへのカルシウムイオン流入あるいはグループI代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介してエンドカンナビノイド産生が引き起こされることが明らかになっている (Heifets and Castillo, 2009)。エンドカンナビノイドは興奮性シナプスで作られるので、抑制性シナプスで起こるeCB-LTDは異シナプス的に誘導されるLTDである。小脳を除いて、eCB-LTDの発現は、これまですべてシナプス前性の可塑的変化によることが示されている。しかし数分間のCB1受容体の活性化がどのようにして長期の神経伝達物質放出の抑制を誘導するのかについてはまだよくわかっていない。海馬においてはシナプス前終末におけるRIM1αの作用と、カルシウムイオン流入によるカルシニューリンの活性化が必須であることが示されている (Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：河西春郎）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11903</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-17T00:17:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|right|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]]&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、&#039;&#039;N&#039;&#039;-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドは&#039;&#039;N&#039;&#039;-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[Image:Yukihashimotodani fig 2.jpg|thumb|right|500px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22101642&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11902</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-17T00:08:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|right|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]]&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、&#039;&#039;N&#039;&#039;-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドは&#039;&#039;N&#039;&#039;-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[Image:Yukihashimotodani fig 2.jpg|thumb|right|500px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22101642&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11901</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T23:55:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。 [[Image:Yukihashimotodani fig 3.jpg|thumb|right|300px|図1. DSIの例　 初代培養海馬ニューロンペアからホールセルパッチクランプ法により抑制性シナプス後電流（IPSC）を記録。ポスト側のニューロンを５秒間0 mVに脱分極させると一過性にIPSCの振幅が減少する。CB1受容体のアンタゴニストAM281で処理すると同じ脱分極刺激を与えてもIPSCの減少は起きなくなる。 （Hashimotodani et al, Neuroscientist 2007より一部改変）]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 歴史  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 逆行性伝達物質の発見  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref4&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref3&amp;quot; /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ２−アラキドノイルグリセロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; fckLR    21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== メカニズム  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。 [[Image:Yukihashimotodani fig 4.jpg|thumb|right|300px|図２. DSIのメカニズム]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref6&amp;quot; /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref9&amp;quot; /&amp;gt;&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref10&amp;quot; /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。 分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== DSIの伝播  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref5&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生理的役割  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; （執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_4.jpg&amp;diff=11900</id>
		<title>ファイル:Yukihashimotodani fig 4.jpg</title>
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		<updated>2012-07-16T23:50:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_3.jpg&amp;diff=11899</id>
		<title>ファイル:Yukihashimotodani fig 3.jpg</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_3.jpg&amp;diff=11899"/>
		<updated>2012-07-16T23:49:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11898</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11898"/>
		<updated>2012-07-16T23:24:43Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; &lt;br /&gt;
    21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=ref6 /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=ref9&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref10&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=ref9 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref10 /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11516402 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17404373 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11897</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T23:21:47Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; &lt;br /&gt;
    21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=ref6 /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える&amp;lt;ref name=ref9&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15664177 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref10&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16033892 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており&amp;lt;ref name=ref9 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref10 /&amp;gt;、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17234582 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12062024 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15483601 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12080342 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 12649318 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16793891 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 22049424 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される(Maejima et al., 2001)。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T22:34:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20147530 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20159446 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; &lt;br /&gt;
    21613483 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21282604 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21807615 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17267577 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21940435 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される&amp;lt;ref name=ref6 /&amp;gt;。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる(Narushima et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される(Kreitzer et al., 2002)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている(Abbott and Regehr, 2004)。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている(Carlson et al., 2002)。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある(Hampson et al., 2003)。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている(Brenowitz et al., 2006; Sedlacek et al., 2011)。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される(Maejima et al., 2001)。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11895</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T22:26:23Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref name=ref3&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301030 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref4&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11301031 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11279497 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした&amp;lt;ref name=ref4 /&amp;gt;&amp;lt;ref name=ref5 /&amp;gt;。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した&amp;lt;ref name=ref3 /&amp;gt;。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11588204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 11880498 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている&amp;lt;ref name=ref6&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され(Gao et al., 2010; Tanimura et al., 2010; Uchigashima et al., 2011; Yoshida et al., 2011; Yoshino et al., 2011)、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する(Hashimotodani et al., 2007b; Pan et al., 2011)。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される(Kano et al., 2009)。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる(Narushima et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる(Wilson and Nicoll, 2001)。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される(Kreitzer et al., 2002)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている(Abbott and Regehr, 2004)。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている(Carlson et al., 2002)。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある(Hampson et al., 2003)。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている(Brenowitz et al., 2006; Sedlacek et al., 2011)。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される(Maejima et al., 2001)。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
（執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：柚崎通介）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11894</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T22:16:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英略称: DSI&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Depolarization-induced suppression of inhibition (DSI)とはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 1403103 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 2015092 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;(Kreitzer and Regehr, 2001a; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした(Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した(Kreitzer and Regehr, 2001a)。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった(Kreitzer and Regehr, 2001b; Yoshida et al., 2002)。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され(Gao et al., 2010; Tanimura et al., 2010; Uchigashima et al., 2011; Yoshida et al., 2011; Yoshino et al., 2011)、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する(Hashimotodani et al., 2007b; Pan et al., 2011)。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される(Kano et al., 2009)。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる(Narushima et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる(Wilson and Nicoll, 2001)。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される(Kreitzer et al., 2002)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている(Abbott and Regehr, 2004)。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている(Carlson et al., 2002)。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある(Hampson et al., 2003)。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている(Brenowitz et al., 2006; Sedlacek et al., 2011)。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される(Maejima et al., 2001)。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=Depolarization-induced_suppression_of_inhibition&amp;diff=11893</id>
		<title>Depolarization-induced suppression of inhibition</title>
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		<updated>2012-07-16T22:09:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: ページの作成：「DSIとはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;DSIとはニューロンが脱分極したときに、そのニューロンに入力している抑制性シナプス応答が一過性（１〜２分間程度）に抑制される現象をいう（図１）。同じ現象が興奮性シナプスで起こる場合、depolarization-induced suppression of excitation (DSE)と呼ぶ。エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）が担う逆行性シナプス伝達の一種である。DSI/DSEのメカニズムは以下のとおりである。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入によってエンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生される。シナプス後部でつくられた2-AGは細胞外へ放出され、シナプス間隙を逆行しシナプス前終末に局在するカンナビノイド受容体I型(CB1)に結合し活性化する。CB1受容体の活性化によって神経伝達物質の放出が一過性に抑制される。DSI及びDSEの発生条件として、そのニューロンに2-AGを産生する能力（2-AG合成酵素の有無）があり、かつ入力するシナプス前終末にCB1受容体が存在することが必要である。脳の広範囲のシナプスにおいてDSIやDSEが引き起こされることが知られている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==歴史==&lt;br /&gt;
DSIは1991年に小脳で最初に報告された。小脳のプルキンエ細胞を脱分極させると一過性にプルキンエ細胞で記録される抑制性入力であるGABA応答が抑制されることが報告された(Llano et al., 1991)。翌1992年には海馬CA1野の錐体細胞を脱分極させると小脳と同様に一過性にGABA応答が抑制されることが報告された(Pitler and Alger, 1992)。この二つの研究およびその後の研究からDSIはシナプス後部のニューロンの細胞内カルシウムイオン濃度上昇により誘導され、最終的にはシナプス前終末からのGABAの放出が抑制される現象であることが明らかになった。したがってシナプス後部ニューロンから何らかの逆行性伝達物質が放出されて、それがシナプス前部に作用することが予想された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==逆行性伝達物質の発見==&lt;br /&gt;
DSIの発見からおよそ10年の年月を経た2001年にようやく逆行性伝達物質の正体が突き止められた。同時に３つの独立した研究グループからエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることが報告された(Kreitzer and Regehr, 2001a; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。そのうちの２つのグループは海馬のDSIにおいてエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることを明らかにした(Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。残りのグループは小脳においてDSIと同様の現象が興奮性シナプスで起こることを初めて報告しDSEと命名した(Kreitzer and Regehr, 2001a)。このDSEもエンドカンナビノイドによって担われることが明らかになった。DSIの最初の報告であった小脳のDSIもエンドカンナビノイドが逆行性伝達物質であることがわかった(Kreitzer and Regehr, 2001b; Yoshida et al., 2002)。以降現在までに、海馬、小脳、線条体、大脳皮質、扁桃体、脳幹など脳の様々な部位でDSIやDSEが起こることが報告されている(Kano et al., 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==２−アラキドノイルグリセロール==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドはカンナビノイド受容体に対するリガンドの総称で、複数存在する。その中でも2-AGがDSIおよびDSEを仲介する逆行性伝達物質として働く。2-AGは膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。ホスホリパーゼC（PLC）活性の産物であるジアシルグリセロール（DG）が前駆体となり、ジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）による加水分解で2-AGが作られる。DGLを薬理的に阻害するとDSI/DSEがブロックされる。ただしDGLの薬理的阻害がDSI/DSEに影響しないという報告もある。しかし、αとβの2つのサブタイプを有するDGLのうちDGLαノックアウトマウスで海馬、小脳、線条体、扁桃体、前頭前野皮質という５つの異なった脳部位でDSIあるいはDSEが消失することが報告され(Gao et al., 2010; Tanimura et al., 2010; Uchigashima et al., 2011; Yoshida et al., 2011; Yoshino et al., 2011)、DSIに DGLαが必須であることが確立した。さらに2-AGの分解酵素であるモノアシルグリセロールリパーゼを薬理的あるいは遺伝子欠損によって阻害するとDSI/DSEの持続時間が遷延する(Hashimotodani et al., 2007b; Pan et al., 2011)。これらの結果から2-AGが逆行性伝達物質であることは疑いの余地がなくなっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==メカニズム==&lt;br /&gt;
現在明らかにされているDSIのメカニズムは次の通りである（図２）。脱分極による細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となって細胞膜のリン脂質からDGが産生される。DGはDGLによって加水分解され2-AGが作られる。2-AGは細胞膜を通って細胞外へと放出され、シナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。Gi/oタンパク質共役型受容体であるCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介してカルシウムチャネルを抑制する。その結果、神経伝達物質の放出が抑制される。脱分極によるカルシウムイオン流入からどのようにしてDGが作られるのかはまだ明らかでない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==Gq/11共役型受容体活性化による、いわゆる「DSIの促進」==&lt;br /&gt;
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体のアゴニスト存在下でニューロンを脱分極させると、一見、DSI（あるいはDSE）が促進される(Kano et al., 2009)。すなわち弱い脱分極でも現象として、大きなDSIを引き起こすことができる。この現象のメカニズムとして、以下のことが明らかになっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体はPLCβを活性化する。PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化に加えて脱分極による細胞内カルシウム流入が生じると、PLCβ活性が増強し2-AGの前駆体であるDG産生が促進される。結果、2-AGが効率よく作られ、現象として、DSIが起きやすくなるように見える(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。&lt;br /&gt;
上記の「DSIの促進」という表現は、分子機構を考慮に入れると、正しい表現ではない。神経細胞の強い脱分極だけで生ずるDSI/DSEは、PLCβを欠損するマウスでも全く影響されないことが分かっており(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)、PLCβ以外のPLCか、または別の分子を介するものと考えられている。厳密には、「DSIの促進」ではなく「Gq/11共役型受容体活性化による2-AGを介する逆行性シナプス伝達抑圧の、細胞内カルシウム上昇による促進」である。多くの論文において、このような重要な点を無視し、安易に「DSIの促進」という表現が使われているので、注意が必要である。&lt;br /&gt;
分子メカニズムは異なるとはいえ、現象としての「DSIの促進」は機能的に重要な役割を担っていると考えられる。例えば、線条体ではアセチルコリン作動性抑制性ニューロンの発火によって恒常的に細胞外にアセチルコリンが存在する。そのため中型有棘神経細胞のシナプスではM1ムスカリン受容体が慢性的に活性化されており弱い脱分極でもDSIが引き起こされる(Narushima et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==DSIの伝播==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの細胞外での拡散範囲は非常に限られている。したがって、DSIは脱分極した細胞のごく近傍の細胞にしか及ばない。例えば海馬CA1錐体細胞のDSIでは脱分極した細胞からの距離が20 μm以内であれば脱分極していない細胞でもDSIが起こる(Wilson and Nicoll, 2001)。&lt;br /&gt;
　　小脳では間接的なメカニズムによって遠くまでDSIの伝播が起こりうる。脱分極によってプルキンエ細胞から放出されたエンドカンナビノイドが、近傍の抑制性ニューロンのCB1受容体を活性化する。内向き整流性カリウムチャネルがCB1受容体の下流にあり、このカリウムチャネルの活性化によって抑制性ニューロンの発火が抑えられる。その結果、発火が抑えられた抑制性ニューロンが投射している多くのプルキンエ細胞において入力が抑制される(Kreitzer et al., 2002)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生理的役割==&lt;br /&gt;
DSI/DSEはネガティブフィードバックとして働き局所回路においてシナプス伝達を制御すると考えられる。短期のシナプス可塑性であるDSIは神経回路の計算論的観点からも注目されている(Abbott and Regehr, 2004)。またDSIがメタ可塑性に関わることが示唆されている。海馬CA1において閾値以下のテタヌス刺激では長期増強（LTP）を引き起こさないような場合でもテタヌス刺激に先行してDSIを誘導させると次に来る閾値以下であった刺激でもLTPが誘導されることが報告されている(Carlson et al., 2002)。DSIによる脱抑制が原因であると考えられる。&lt;br /&gt;
 　 DSIおよびDSEを誘導するには細胞内のカルシウム濃度がマイクロモーラーレベルにまで達しなければならない。実際に生理的条件下でそのように大きなカルシウム濃度上昇を引き起こすほどニューロンが長時間脱分極するかどうかは疑わしい。したがってDSIが生理的な現象であることを疑問視する報告もある(Hampson et al., 2003)。しかし一方で、小脳プルキンエ細胞や背側蝸牛神経核にあるCartwheel細胞の持続的な発火によるマイクロモーラー以下のカルシウム濃度上昇でもDSIまたはDSEが起こることからDSI/DSEが生理的現象である可能性も示唆されている(Brenowitz et al., 2006; Sedlacek et al., 2011)。エンドカンナビノイドはDSIのような細胞内カルシウム濃度上昇だけでなく、グループI代謝型グルタミン酸受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によっても産生・放出される(Maejima et al., 2001)。さらに前述のいわゆる「DSIの促進効果」により弱い脱分極でもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化と組合わさると、効率よく逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされる。したがって生理的条件下ではDSIが単独で起こるよりもGq/11タンパク質共役型受容体の活性化を伴った神経活動によってエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制が引き起こされると考えられる(Hashimotodani et al., 2007a)。生理的役割とは別にDSI/DSEは着目するシナプスにおいて、エンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑制を誘導する能力（シナプス後部にDGLが存在し、シナプス前終末にCB1受容体が存在する）があるかどうかを試すプロトコールとしても用いられる。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11866</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T18:25:04Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|right|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]]&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[Image:Yukihashimotodani fig 2.jpg|thumb|right|500px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22101642&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11865</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T18:14:41Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani_fig_1.jpg|thumb|right|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]]&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[Image:Yukihashimotodani_fig_2.jpg|thumb|right|500px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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		<title>エンドカンナビノイド</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11864"/>
		<updated>2012-07-15T18:11:23Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 &amp;amp;lt;img src=&amp;quot;/w/images/thumb/e/e2/Yukihashimotodani_fig_1.jpg/400px-Yukihashimotodani_fig_1.jpg&amp;quot; _fck_mw_filename=&amp;quot;Yukihashimotodani fig 1.jpg&amp;quot; _fck_mw_width=&amp;quot;400&amp;quot; _fck_mw_type=&amp;quot;thumb&amp;quot; alt=&amp;quot;図１　エンドカンナビノイドの構造&amp;quot; class=&amp;quot;fck_mw_frame fck_mw_right&amp;quot; /&amp;amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;amp;nbsp;&amp;amp;lt;img src=&amp;quot;/w/images/thumb/b/b2/Yukihashimotodani_fig_2.jpg/400px-Yukihashimotodani_fig_2.jpg&amp;quot; _fck_mw_filename=&amp;quot;Yukihashimotodani fig 2.jpg&amp;quot; _fck_mw_location=&amp;quot;right&amp;quot; _fck_mw_width=&amp;quot;400&amp;quot; _fck_mw_type=&amp;quot;thumb&amp;quot; alt=&amp;quot;図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用&amp;quot; class=&amp;quot;fck_mw_frame fck_mw_right&amp;quot; /&amp;amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;amp;lt;span class=&amp;quot;fck_mw_ref&amp;quot; _fck_mw_customtag=&amp;quot;true&amp;quot; _fck_mw_tagname=&amp;quot;ref&amp;quot; name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
(執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11863</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T18:09:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&amp;amp;nbsp;[[Image:Yukihashimotodani fig 2.jpg|thumb|right|400px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_2.jpg&amp;diff=11862</id>
		<title>ファイル:Yukihashimotodani fig 2.jpg</title>
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		<updated>2012-07-15T18:07:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: 「ファイル:Yukihashimotodani fig 2.jpg」の新しい版をアップロードしました&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11861</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11861"/>
		<updated>2012-07-15T17:58:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 [[Image:Yukihashimotodani fig 2.jpg|thumb|400px|図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路 橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_2.jpg&amp;diff=11860</id>
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		<updated>2012-07-15T17:55:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11859</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11859"/>
		<updated>2012-07-15T17:51:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani fig 1.jpg|thumb|400px|図１　エンドカンナビノイドの構造]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T17:48:39Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名: endocannabinoid &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同義語：内因性カンナビノイド &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。 [[Image:Yukihashimotodani_fig_1.jpg|thumb|300px|図１　エンドカンナビノイドの構造]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 種類 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 生合成と分解 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== カンナビノイド受容体 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脂質メディエーター ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 1. 逆行性シナプス伝達抑制 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref20&amp;quot; /&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 2. 自己抑制 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 3. アストロサイトを介した経路 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== 4. TRPV1依存性LTD ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 2-AGかアナンダミドか ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。 　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; (執筆者：橋本谷祐輝、狩野方伸　担当編集委員：尾藤晴彦)&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yukihashimotodani_fig_1.jpg&amp;diff=11857</id>
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		<updated>2012-07-15T17:43:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11856</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T17:30:15Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生合成と分解==&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==カンナビノイド受容体==&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脂質メディエーター==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===1. 逆行性シナプス伝達抑制===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===2. 自己抑制===&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===3. アストロサイトを介した経路===&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===4. TRPV1依存性LTD===&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==2-AGかアナンダミドか==&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==参考文献==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11855</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11855"/>
		<updated>2012-07-15T17:27:42Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生合成と分解==&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==カンナビノイド受容体==&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脂質メディエーター==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===1. 逆行性シナプス伝達抑制===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===2. 自己抑制===&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===3. アストロサイトを介した経路===&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;20920795&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22385967&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22446881&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===4. TRPV1依存性LTD===&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076423&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21076424&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22057189&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==2-AGかアナンダミドか==&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11854</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T17:09:48Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生合成と分解==&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==カンナビノイド受容体==&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脂質メディエーター==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===1. 逆行性シナプス伝達抑制===&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21368036&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22368777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22284188&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている&amp;lt;ref name=ref20&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19575681&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される&amp;lt;ref name=ref20 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===2. 自己抑制===&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15372034&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===3. アストロサイトを介した経路===&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===4. TRPV1依存性LTD===&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==2-AGかアナンダミドか==&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11853</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T17:00:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==種類==&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==生合成と分解==&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==カンナビノイド受容体==&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==脂質メディエーター==&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==2-AGかアナンダミドか==&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T16:53:31Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
種類&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生合成と分解&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質メディエーター&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301031&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11279497&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11301030&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11516402&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15664177&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16033892&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2-AGかアナンダミドか&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
	</entry>
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		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T16:49:03Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
種類&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生合成と分解&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質メディエーター&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている&amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19126760 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14526074&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16908411&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である(Kreitzer and Regehr, 2001; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる(Kano et al., 2009)。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2-AGかアナンダミドか&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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		<updated>2012-07-15T16:43:25Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
種類&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7605349&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7575630&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生合成と分解&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;14595399&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16678907&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15371507&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18096503&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質メディエーター&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている(Kano et al., 2009)。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる(Kano et al., 2009)。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている(Marsicano et al., 2003; Monory et al., 2006)。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である(Kreitzer and Regehr, 2001; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる(Kano et al., 2009)。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2-AGかアナンダミドか&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
種類&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;1470919&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された(Mechoulam et al., 1995; Sugiura et al., 1995)。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生合成と分解&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す(Piomelli, 2003; Sugiura et al., 2006)。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある(Walter et al., 2004)。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された(Blankman et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質メディエーター&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている(Kano et al., 2009)。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる(Kano et al., 2009)。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている(Marsicano et al., 2003; Monory et al., 2006)。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である(Kreitzer and Regehr, 2001; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる(Kano et al., 2009)。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2-AGかアナンダミドか&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89&amp;diff=11848</id>
		<title>エンドカンナビノイド</title>
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		<updated>2012-07-15T16:27:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yukihashimotodani: ページの作成：「エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;エンドカンナビノイド（内因性カンナビノイド）とは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称である。大麻草（学名：Cannabis sativa）に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。いわゆる脳内マリファナ類似物質である。主要なものとしてアナンダミドと2—アラキドノイルグリセロール(2-AG)があり、どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質である（図１）。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
種類&lt;br /&gt;
初めに発見されたエンドカンナビノイドはアナンダミド（またはN-アラキドノイルエタノールアミド）で1992年にブタの脳から抽出・同定された(Devane et al., 1992)。アナンダミド（anandamide）という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。2番目のエンドカンナビノイドとして1995年にイヌの腸およびラットの脳から2-AGが同定された(Mechoulam et al., 1995; Sugiura et al., 1995)。この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、エンドバニロイドとしても知られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生合成と分解&lt;br /&gt;
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。ここでは最も主要であると考えられている経路を示す(Piomelli, 2003; Sugiura et al., 2006)。アナンダミドと2-AGはどちらも膜のリン脂質から２つの酵素反応によって生成される。アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、2-AGはホスホリパーゼC（PLC）とジアシルグリセロールリパーゼ（DGL）によって生成される（図２）。中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。しかしグリア細胞も作ることができるとの報告がある(Walter et al., 2004)。どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素（FAAH）、2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ（MGL）によって分解される（図２）。これら主要経路以外にもシクロオキシゲナーゼー２（COX-2）による酸化によってもアナンダミド、2-AGともに代謝される。また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素としてABHD6とABHD12が同定された(Blankman et al., 2007)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体&lt;br /&gt;
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現している。CB1受容体は脳内に広く分布しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現しており、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった、極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
脂質メディエーター&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行っている(Kano et al., 2009)。主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮する。CB1受容体は中枢神経系においてGタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、その発現領域も脳全体にわたっている。そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる(Kano et al., 2009)。エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たすことが知られている(Marsicano et al., 2003; Monory et al., 2006)。以下にシナプス伝達におけるエンドカンナビノイドの役割に限定して述べる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1. 逆行性シナプス伝達抑制&lt;br /&gt;
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは逆行性伝達物質としての役割である(Kreitzer and Regehr, 2001; Ohno-Shosaku et al., 2001; Wilson and Nicoll, 2001)。2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化する。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制する。2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入する。細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といったGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない(Maejima et al., 2001)。上記受容体以外にもオレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体１型、エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、2-AG産生が相乗的に促進される。これは、PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、PLCβ活性が増強するためである(Hashimotodani et al., 2005; Maejima et al., 2005)。エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された(Fu et al., 2012) 。2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの様々な脳部位で報告されており普遍的な現象であることがわかる(Kano et al., 2009)。一方、アナンダミドに関してはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く(Lourenco et al., 2011; Caiati et al., 2012; Lerner and Kreitzer, 2012)。&lt;br /&gt;
　　2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制する。短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)がよく知られている。2-AGによる長期のシナプス伝達抑制に関しては、多くのシナプスで長期抑圧（long-term depression: LTD）の誘導にCB1受容体の活性化が必須であることが明らかになっている(Heifets and Castillo, 2009)。多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしていることが示唆される(Heifets and Castillo, 2009)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2. 自己抑制&lt;br /&gt;
大脳皮質体性感覚野５層の低頻度発火型の抑制性ニューロンではエンドカンナビノイドが自己分泌によって作用する(Bacci et al., 2004)。抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
3. アストロサイトを介した経路&lt;br /&gt;
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなくアストロサイトのCB1受容体にも作用し、シナプス伝達を調節することが最近明らかになってきた。アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出されシナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体（NMDA受容体または代謝型グルタミン酸受容体）を活性化しシナプス可塑性を引き起こすことが海馬や大脳皮質で報告されている(Navarrete and Araque, 2010; Han et al., 2012; Min and Nevian, 2012)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
4. TRPV1依存性LTD&lt;br /&gt;
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいてアナンダミドが仲介するLTDが報告されている(Chavez et al., 2010; Grueter et al., 2010; Puente et al., 2011)。シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、細胞内でシナプス後部のTRPV1を活性化することで引き起こされる。TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となってAMPA受容体のエンドサイトーシスが起こると考えられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
2-AGかアナンダミドか&lt;br /&gt;
CB1受容体依存的に引き起こされる短期や長期のシナプス可塑性がどちらのエンドカンナビノイドによって仲介されるのかについては、以下のような判別法がある。&lt;br /&gt;
　（１）その現象がDGLを薬理的、遺伝子的に阻害して起こらなくなる。２）MGLを薬理的、遺伝子的に阻害してその現象が促進される。以上の場合、2-AGが仲介すると判断される。一方、アナンダミドの合成経路を特異的に阻害する薬剤や遺伝子欠損動物が存在しないことから、上記（１）か（２）が否定され、かつFAAHを阻害するとその現象が促進される場合、アナンダミドによって仲介されると判断される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
図１　エンドカンナビノイドの構造&lt;br /&gt;
 &lt;br /&gt;
図２　エンドカンナビノイドの生合成と分解経路&lt;br /&gt;
橋本谷祐輝 他：実験医学，Vol.28 No.20：3409-3414，2010より引用&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
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		<author><name>Yukihashimotodani</name></author>
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