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	<title>脳科学辞典 - 利用者の投稿記録 [ja]</title>
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	<updated>2026-04-15T00:05:23Z</updated>
	<subtitle>利用者の投稿記録</subtitle>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=26897</id>
		<title>行動の抑制</title>
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		<updated>2014-06-05T07:31:04Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/moriguchiy 森口 佑介]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;上越教育大学 学校教育研究科　(研究院)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2012年5月11日　原稿完成日：2012年5月30日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘]（自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ストループ課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の賦活は負荷の高い課題においてのみ見られたのに対して、前補足運動野は課題の負荷と独立して賦活することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野も行動の抑制において重要な役割を果たしている可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[ストループ課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=26825</id>
		<title>行動の抑制</title>
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		<updated>2014-06-03T05:00:08Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/moriguchiy 森口 佑介]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;上越教育大学 学校教育研究科　(研究院)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI：&amp;lt;selfdoi /&amp;gt;　原稿受付日：2012年5月11日　原稿完成日：2012年5月30日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘]（自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
===ストループ課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の賦活は負荷の高い課題においてのみ見られたのに対して、前補足運動野は課題の負荷と独立して賦活することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野も行動の抑制において重要な役割を果たしている可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[ストループ課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=22755</id>
		<title>新生児模倣</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=22755"/>
		<updated>2013-08-24T06:46:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/moriguchiy 森口 佑介]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;上越教育大学 学校教育研究科 (研究院)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/read0095222 板倉 昭二]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;京都大学 大学院文学研究科 行動文化学専攻&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI [[XXXX]]/XXXX　原稿受付日：2013年8月1日　原稿完成日：2013年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史]（独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：neonatal imitation　独：Nachahmung beim Neugeborenen　仏：imitation infantile&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=　[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]や[[wikipedia:ja:チンパンジー|チンパンジー]]などの生後まもない[[wikipedia:ja:新生児|新生児]]が、他者の顔の動き、特に舌出し行動などを[[模倣]]する現象のことである。生後2か月程度で消失する。新生児模倣を基に、[[&amp;quot;like me&amp;quot;理論]]が提唱されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17081488&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。近年、新生児模倣と[[ミラーニューロン]]システムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。一方で、これが本当に模倣なのかは議論がある。}} &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==新生児模倣とは==&lt;br /&gt;
{| width=&amp;quot;400&amp;quot; border=&amp;quot;1&amp;quot; cellpadding=&amp;quot;1&amp;quot; cellspacing=&amp;quot;1&amp;quot; style=&amp;quot;float:right&amp;quot; class=&amp;quot;wikitable&amp;quot;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| &amp;lt;div class=&amp;quot;thumb tright&amp;quot; style=&amp;quot;width:450px;&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;youtube&amp;gt;k2YdkQ1G5QI&amp;lt;/youtube&amp;gt;&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
|-&lt;br /&gt;
| &#039;&#039;&#039;動画．ヒトの新生児模倣の様子&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
|}&lt;br /&gt;
　生後まもない[[wikipedia:ja:新生児|新生児]]が、他者の顔の動きなどを[[模倣]]する現象のことである。アメリカの心理学者[[wikipedia:Andrew Meltzoff|Andrew Meltzoff]]らが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]に限らず、[[wikipedia:ja:チンパンジー|チンパンジー]]などにおいても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15484592&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、（動画）。初期の認知発達理論を構築した[[wikipedia:Jean Piaget|Jean Piaget]]は、乳児の模倣行動は、[[象徴機能]]が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において、生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え、乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは、新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に、[[&amp;quot;like me&amp;quot;理論]]を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17081488&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると、乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりに感受性がある。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き、最終的に、これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で、新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;12689375&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら、どの研究においても一貫した報告がなされたのは、Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち、舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については、懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の[[探索]]行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、[[視覚]]刺激だけでなく、[[聴覚]]刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17138267&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する[[注視]]時間の方が長い。これらを考慮すると、新生児模倣が模倣行動と言えるかについては検討の余地が残されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　近年、新生児模倣と[[ミラーニューロン]]システムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16953662&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、Ferrariは[[wikipedia:ja:アカゲザル|アカゲザル]]の新生児の脳活動を、[[EEG]]を用いて計測した。その結果、5-6Hz帯域のEEGの活動が、自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22288390&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では、[[μリズム]]が観察者自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019715&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 消失についての議論  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの仮説がある。新生児模倣の発見者であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の[[原始反射]]であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる[[延滞模倣]]などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17614867&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣における舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出し行動が消失するのは、他の探索行動の手段が発達するためであると述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
*[[模倣]]&lt;br /&gt;
*[[ミラーニューロン]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=22754</id>
		<title>鏡像認知</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=22754"/>
		<updated>2013-08-24T06:44:57Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/moriguchiy 森口 佑介]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;上越教育大学 学校教育研究科 (研究院)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/read0095222 板倉 昭二]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;京都大学 大学院文学研究科 行動文化学専攻&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI [[XXXX]]/XXXX　原稿受付日：2013年8月1日　原稿完成日：2013年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史]（独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名:mirror self-recognition　独：Selbsterkenntnis im Spiegel　仏：reconnaissance de soi dans un miroir&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=&lt;br /&gt;
鏡像認知とは、鏡に映った像を自己像だと認識することである。霊長類やヒトの幼児を対象に研究が始まり、現在は様々な種を対象にした研究がなされている。近年は神経基盤を探る試みもなされており、成人のfMRI研究から鏡像認知と関連する自己顔認識の際には前頭葉の一部や頭頂葉などが賦活することが示されている。&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==鏡像認知とは==&lt;br /&gt;
　鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。20世紀前半からエピソード的な記述はあったが、20世紀後半に[[wj:ヒト|ヒト]]の乳幼児や[[wj:チンパンジー|チンパンジー]]を対象にした実験的な研究が始まり、現在ではその方法が定着している。様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストである[[wj:マークテスト|マークテスト]]や[[wj:ルージュテスト|ルージュテスト]]は、[[自己認識]]の[[wj:リトマス紙|リトマス紙]]的な指標として用いられている。但し、鏡像認知が自己意識の指標であるのか、低次な自己身体の認識の指標であるのかについては議論がある&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;23410584&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[w:Gordon G. Gallup|Gallup]]は，チンパンジーの[[自己認識]]を調べるため、[[wj:鏡|鏡]]を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gordon G. Gallup, Jr.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Chimpanzees:self-recognition&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Science&#039;&#039;:1970, 167, 86-87&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マーク[[テスト]]を実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，[[wj:霊長類|霊長類]]以外では[[wj:イルカ|イルカ]]や[[wj:アジアゾウ|アジアゾウ]]などは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (&#039;&#039;Macaca fuscata fuscata&#039;&#039;)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。哺乳類以外ではカササギもマークテストに通過することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18715117&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、霊長類以外では結果が追試されないことも多く、結果の解釈は慎重になされるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、[[自己意識]]、[[自己顔]]、[[自己評価]]などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の[[運動前野]]や[[下前頭回]]などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の[[下頭頂葉]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。但し、用いられる課題や刺激の種類などによって活動する領域は大幅に異なる&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年[[構造MRI]]を用いた検討もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己認識発達の行動指標として、どの脳領域と関連があるかが調べられた。その結果、左の[[側頭・頭頂接合部]]と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
・自己&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
・自己意識&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=22753</id>
		<title>鏡像認知</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=22753"/>
		<updated>2013-08-24T06:43:14Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;lt;div align=&amp;quot;right&amp;quot;&amp;gt;  &lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/moriguchiy 森口 佑介]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;上越教育大学 学校教育研究科 (研究院)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;font size=&amp;quot;+1&amp;quot;&amp;gt;[http://researchmap.jp/read0095222 板倉 昭二]&amp;lt;/font&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&#039;&#039;京都大学 大学院文学研究科 行動文化学専攻&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
DOI [[XXXX]]/XXXX　原稿受付日：2013年8月1日　原稿完成日：2013年月日&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
担当編集委員：[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史]（独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;/div&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名:mirror self-recognition　独：Selbsterkenntnis im Spiegel　仏：reconnaissance de soi dans un miroir&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
{{box|text=&lt;br /&gt;
鏡像認知とは、鏡に映った像を自己像だと認識することである。霊長類やヒトの幼児を対象に研究が始まり、現在は様々な種を対象にした研究がなされている。近年は神経基盤を探る試みもなされており、成人のfMRI研究から鏡像認知と関連する自己顔認識の際には前頭葉の一部や頭頂葉などが賦活することが示されている。&lt;br /&gt;
}}&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==鏡像認知とは==&lt;br /&gt;
　鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。20世紀前半からエピソード的な記述はあったが、20世紀後半に[[wj:ヒト|ヒト]]の乳幼児や[[wj:チンパンジー|チンパンジー]]を対象にした実験的な研究が始まり、現在ではその方法が定着している。様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストである[[wj:マークテスト|マークテスト]]や[[wj:ルージュテスト|ルージュテスト]]は、[[自己認識]]の[[wj:リトマス紙|リトマス紙]]的な指標として用いられている。但し、鏡像認知が自己意識の指標であるのか、低次な自己身体の認識の指標であるのかについては議論がある&amp;lt;ref name=ref1&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;23410584&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[w:Gordon G. Gallup|Gallup]]は，チンパンジーの[[自己認識]]を調べるため、[[wj:鏡|鏡]]を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gordon G. Gallup, Jr.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Chimpanzees:self-recognition&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Science&#039;&#039;:1970, 167, 86-87&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マーク[[テスト]]を実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，[[wj:霊長類|霊長類]]以外では[[wj:イルカ|イルカ]]や[[wj:アジアゾウ|アジアゾウ]]などは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (&#039;&#039;Macaca fuscata fuscata&#039;&#039;)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。哺乳類以外ではカササギもマークテストに通過することが報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18715117&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;が、霊長類以外では結果が追試されないことも多く、結果の解釈は慎重になされるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、[[自己意識]]、[[自己顔]]、[[自己評価]]などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の[[運動前野]]や[[下前頭回]]などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の[[下頭頂葉]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。但し、用いられる課題や刺激の種類などによって活動する領域は大幅に異なる&amp;lt;ref name=ref1 /&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年[[構造MRI]]を用いた検討もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己認識発達の行動指標として、どの脳領域と関連があるかが調べられた。その結果、左の[[側頭・頭頂接合部]]と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連項目==&lt;br /&gt;
・自己&lt;br /&gt;
・自己意識&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=21861</id>
		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-08-01T07:24:01Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;森口佑介（上越教育大学）・板倉昭二（京都大学）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名:mirror self-recognition&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。20世紀前半からエピソード的な記述はあったが、20世紀後半にヒトの乳幼児やチンパンジーを対象にした実験的な研究かが始まり、現在ではその方法が定着している。様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gordon G. Gallup, Jr.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Chimpanzees:self-recognition&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Science&#039;&#039;:1970, 167, 86-87&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の運動前野や下前頭回などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の下頭頂葉&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。   &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びなどの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域と関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂接合部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=21860</id>
		<title>新生児模倣</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=21860"/>
		<updated>2013-08-01T07:21:05Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;森口佑介（上越教育大学）・板倉昭二（京都大学）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを[[模倣]]する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトに限らず，チンパンジーなどの他種においても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15484592 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトの新生児模倣の様子は，youtube(http://www.youtube.com/watch?v=k2YdkQ1G5QI) などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      17081488 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりに感受性がある。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;          12689375  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら，どの研究においても一貫した報告がなされるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の探索行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         17138267  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては検討の余地が残されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　近年，新生児模倣とミラーニューロンシステムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     16953662 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         22288390 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;            15019715 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 消失についての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの仮説がある。新生児模倣の発見者であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の原始反射であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる延滞模倣などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;           17614867 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣における舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出し行動が消失するのは、他の探索行動の手段が発達するためであると述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（森口佑介・板倉昭二）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=21859</id>
		<title>新生児模倣</title>
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		<updated>2013-08-01T07:19:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;森口佑介（上越教育大学）・板倉昭二（京都大学）&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを[[模倣]]する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトに限らず，チンパンジーなどの他種においても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15484592 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトの新生児模倣の様子は，youtube(http://www.youtube.com/watch?v=k2YdkQ1G5QI) などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      17081488 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いている。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;          12689375  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら，どの研究においても一貫した報告がなされるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の探索行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         17138267  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては検討の余地が残されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　近年，新生児模倣とミラーニューロンシステムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     16953662 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         22288390 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;            15019715 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 消失についての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの仮説がある。新生児模倣の発見者であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の原始反射であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる延滞模倣などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;           17614867 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣における舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出し行動が消失するのは、他の探索行動の手段が発達するためであると述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（森口佑介・板倉昭二）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=21858</id>
		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-08-01T07:16:55Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;森口佑介（上越教育大学）・板倉昭二（京都大学）&lt;br /&gt;
鏡像認知 (mirror self-recognition) &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。20世紀前半からエピソード的な記述はあったが、20世紀後半にヒトの乳幼児やチンパンジーを対象にした実験的な研究かが始まり、現在ではその方法が定着している。様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Gordon G. Gallup, Jr.&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Chimpanzees:self-recognition&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Science&#039;&#039;:1970, 167, 86-87&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の運動前野や下前頭回などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の下頭頂葉&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。   &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びなどの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域と関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂接合部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=21856</id>
		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-08-01T07:11:22Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;森口佑介（上越教育大学）・板倉昭二（京都大学）&lt;br /&gt;
鏡像認知 (mirror self-recognition) &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。20世紀前半からエピソード的な記述はあったが、20世紀後半にヒトの乳幼児やチンパンジーを対象にした実験的な研究かが始まり、現在ではその方法が定着している。様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4982211 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後にはその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の運動前野や下前頭回などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の下頭頂葉&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。   &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びなどの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域と関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂接合部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-04-23T07:00:52Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: ra&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。もとはチンパンジーを対象にした研究から始まり、ヒトの乳幼児を対象にした研究に広がった。現在では様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4982211 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後には頻繁にその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
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&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。鏡像認識に関連する自己顔の研究では、成人の参加者が自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の運動前野や下前頭回などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の下頭頂葉&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域を賦活させることが示されている。   &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis らは、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    18793066&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動実験として、鏡像認知と、ふり遊びなどの2つの尺度が用いられた。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域のと関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂接合部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。この結果は成人の脳機能イメージング研究と必ずしも一致しないが、乳幼児を対象にした知見が少ないことから、今後も知見を蓄積していくことで、鏡像認識の発達とその脳内機構の関連は評価されるべきである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E9%8F%A1%E5%83%8F%E8%AA%8D%E7%9F%A5&amp;diff=19916</id>
		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-04-23T06:38:32Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: ra&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。もとはチンパンジーを対象にした研究から始まり、ヒトの乳幼児を対象にした研究に広がった。現在では様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4982211 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後には頻繁にその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。それらによると、自己顔を観察すると、自己以外の見慣れた顔を観察した時と比べて、右側の運動前野や下前頭回などの前頭領域&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15019708&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、右の下頭頂葉&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15588605&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15808992&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;などの自己に関する情報を処理する領域が賦活することが示されている。   &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis and Carmody (2008)は、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた。行動実験として、鏡像認知と、2つの尺度が用いられた。1つは、自由遊びの中の、ふり遊びの頻度。もう1つは、子どもが&amp;quot;me&amp;quot;, &amp;quot;my&amp;quot;, &amp;quot;mine&amp;quot;などの自己に関する発話をするかを、母親に尋ねたものである。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域のと関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂連結部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-04-23T06:22:59Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。もとはチンパンジーを対象にした研究から始まり、ヒトの乳幼児を対象にした研究に広がった。現在では様々な種を対象にした研究がなされており、鏡像認知のテストであるマークテストやルージュテストは、自己認識のリトマス紙的な指標として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== チンパンジーを対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 4982211 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，数日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後には頻繁にその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った像を自分であると理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，霊長類以外ではイルカやアジアゾウなどは自己像について感受性があるという結果が示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11331768&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17075063&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Shoji Itakura&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Use of a mirror to direct their responses in Japanese monkeys (Macaca fuscata fuscata)&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Primates&#039;&#039;:1987, 28,  3, 343-352&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4679817&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Merry Bullock and Paul Lütkenhaus&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Who am I? Self-Understanding in Toddlers&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Merrill-Palmer Quarterly&#039;&#039;:1987, 36, 2, 217-238&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Mark Lewis&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;elf-Conscious Emotions&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;American Scientist&#039;&#039;:1995, 83, 1, 68-78&amp;lt;/ref&amp;gt;，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。それらによると、自己顔や自己の身体部位を観察すると、右の腹側運動前野や頭頂葉（TPJを含む)が活動する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis and Carmody (2008)は、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた。行動実験として、鏡像認知と、2つの尺度が用いられた。1つは、自由遊びの中の、ふり遊びの頻度。もう1つは、子どもが&amp;quot;me&amp;quot;, &amp;quot;my&amp;quot;, &amp;quot;mine&amp;quot;などの自己に関する発話をするかを、母親に尋ねたものである。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域のと関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂連結部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<title>鏡像認知</title>
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		<updated>2013-04-21T14:50:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: ページの作成：「&amp;amp;nbsp;鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。もとはチンパンジーを対象にした研究から始ま...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&amp;amp;nbsp;鏡像認知とは、個体が鏡に映った像を自己のものだと認識することである。もとはチンパンジーを対象にした研究から始まり、ヒトの乳幼児を対象にした研究に広がり、現在では様々な種を対象にして、自己認識のリトマス紙として用いられている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== マークテスト ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　Gallupは，チンパンジーの自己認識を調べるため、鏡を見たことのないチンパンジーに鏡を見せて，その様子を観察した。鏡を見せた当初は，鏡に映った像に対して威嚇するような行動をとるなど，その像が自分であるとは認識している様子はなく，むしろ他者がいるかのように振る舞っていた。ところが，5日もたつとこのような行動はなくなり，むしろ，鏡を使って歯の隙間に挟まった食べ物をとるなど，自分の体を整えるような行動が見られるようになった。Gallupは、より実験的に自己認識を調べるため、マークテストを実施した。この実験では、チンパンジーが麻酔をされている間に，眉や耳のあたりに赤い染料をつけられた。そして，麻酔から醒めた後に，チンパンジーがどのような行動をとるかが検討された。その結果，鏡を見せる前には，チンパンジーは赤い染料部分がつけられた部分をほとんど触れないのに対して，鏡を見せた後には頻繁にその部分を頻繁に触れることが観察された。鏡を使って自分自身に対して行動が向けられたことから，チンパンジーは鏡に映った自己を理解できると結論づけられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　このマークテストは，自己認識の発達のリトマス紙的存在として様々な種の動物に用いられており，オラウータンやイルカ，ある種のゾウについては自己認識を持っていると推測されるような結果が得られている。サルについては，訓練をすることによって同様の結果が見られることも示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト幼児を対象にした鏡像認知 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした鏡像認知実験は，口紅などをつけるのでルージュテストと呼ばれることが多い。これまでの研究によると，ルージュテストに通過できるようになるのは，2歳前後だと結論づけられている（Amsterdam, 1972; Anderson, 1984）。1歳以下の乳児は鏡を見せられても，チンパンジーが初めて鏡に接したときと類似して，他者に対するようにふるまう。18か月以降になると，鏡に映った自己像を見て，自分の顔についた染料を触れるようになる。2歳を過ぎるころには，多くの子どもがこのルージュテストに通過することができるようになる。このことと関連して，2歳前後になると，写真に写った自分を理解できるようにもなる。(Bullock &amp;amp;amp; Lutkenhaus, 1990)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　さらに，この時期の子どもは，恥ずかしがったりするなど，自己と関連するような感情を示すようになり(Lewis, 1995)，自分の名前を呼ぶようになったりもする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 脳内基盤 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　最近は、自己に関する神経科学的研究も盛んで、自己意識、自己顔、自己評価などに関する脳内基盤が検討されている。それらによると、自己顔や自己の身体部位を観察すると、右の腹側運動前野や頭頂葉（TPJを含む)が活動する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト乳幼児を対象にした研究は少ないが、近年構造MRIを用いた見当もなされている。Lewis and Carmody (2008)は、1-2歳児を対象に、自己認識の発達と、脳内の変化の関連を調べた。行動実験として、鏡像認知と、2つの尺度が用いられた。1つは、自由遊びの中の、ふり遊びの頻度。もう1つは、子どもが&amp;quot;me&amp;quot;, &amp;quot;my&amp;quot;, &amp;quot;mine&amp;quot;などの自己に関する発話をするかを、母親に尋ねたものである。これらをまとめて、自己発達の行動指標として、どの脳領域のと関連があるかが調べられた。その結果、左の側頭・頭頂連結部と行動指標の間にのみ有意な相関がみられた。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=17287</id>
		<title>新生児模倣</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=17287"/>
		<updated>2013-01-21T13:58:00Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトに限らず，チンパンジーなどの他種においても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15484592 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトの新生児模倣の様子は，youtube(http://www.youtube.com/watch?v=k2YdkQ1G5QI) などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      17081488 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いている。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;          12689375  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の探索行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         17138267  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　近年，新生児模倣とミラーニューロンシステムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     16953662 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         22288390 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;            15019715 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
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== 消失についての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの仮説がある。新生児模倣の発見者であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の原始反射であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる遅延模倣などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;           17614867 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣における舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出し行動が消失するのは、他の探索行動の手段が発達するためであると述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（森口佑介・板倉昭二）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>新生児模倣</title>
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&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトに限らず，チンパンジーなどの他種においても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15484592 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトの新生児模倣の様子は，youtube(http://www.youtube.com/watch?v=k2YdkQ1G5QI) などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察されると考えていた&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      17081488 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論は、新生児模倣が心の理論などの他者理解の発達の基盤にあるという考えである。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いている。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;          12689375  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の探索行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         17138267  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　近年，新生児模倣とミラーニューロンシステムとの関連が指摘され、実証的な知見も報告されつつある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     16953662 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         22288390 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;            15019715 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
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&lt;br /&gt;
== 消失についての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの仮説がある。新生児模倣の発見者であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の原始反射であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる遅延模倣などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;           17614867 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣における舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出し行動が消失するのは、他の探索行動の手段が発達するためであると述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<updated>2013-01-09T10:54:37Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きなどを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  897687 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトに限らず，チンパンジーなどの他種においても見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  15484592 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ヒトの新生児模倣の様子は，youtube(http://www.youtube.com/watch?v=k2YdkQ1G5QI)などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetの考えでは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察される&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Jean Piaget, Barbel Inhelder&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;The psychology of the child&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Basic Books: New York&#039;&#039;:1969&amp;lt;/ref&amp;gt;。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      17081488 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いている。次の段階で、自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 模倣であるかについての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;          12689375  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Moshe Anisfeld&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Only tongue protrusion modeling is matched by neonates&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Developmental Review, 16, 149-162&#039;&#039;:1996&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
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　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jonesによると、舌出しは一種の探索行動だという&amp;lt;ref name=ref7&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9022224 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         17138267  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方で，近年，新生児模倣はミラーニューロンシステムが生得的に備わっている証拠だとする議論もある。新生児模倣はアカゲザルにおいても観察されるが&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     16953662 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;         22288390 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;            15019715 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。 &lt;br /&gt;
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== 消失についての議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新生児模倣は、生後2か月程度で消失する可能性が指摘されている。これについて、いくつかの可能性が指摘されている。新生児模倣の発見であるMeltzoffらは、新生児模倣は消失するように見えるだけであり、条件さえ整えれば新生児模倣は消失しないという。2つ目は、新生児模倣は一種の原始反射であり、他の原始反射が発達とともに消失するように、新生児模倣も消失するという。この点に関連して、Jonesは、新生児模倣は、生後半年頃から見られる遅延模倣などの能力とは別のメカニズムである可能性を指摘している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;           17614867 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。3つ目は、新生児模倣が模倣ではないと考える立場からの指摘であり、Jonesは、新生児模倣にみられる舌出し行動は一種の探索行動であるとした上で、新生児模倣の消失時期と乳児がリーチングを始める時期が一致することから、舌出しで探索行動をしていたのが、リーチングできるようになり、リーチングによって探索行動をするようになった述べている&amp;lt;ref name=ref7 /&amp;gt;。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
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		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
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&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した。ヒトに限らず，チンパンジーなどの多種においても見られる。ヒトの新生児模倣の様子は，[[生後まもない新生児が、他者の口の動きを「模倣する」現象のことである。|ここ]]などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetの考えでは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察される。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いており，次に自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
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== 議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
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　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである(Anisfield,1996)。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jones (1996)によると、舌出しは一種の探索行動だという。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている(Jones, 2006)。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方で，近年，新生児模倣はミラーニューロンシステムが生得的に備わっている証拠だとする議論もある。新生児模倣はチンパンジーやアカゲザルにおいても観察されるが，Ferrariはアカゲザルの新生児の脳活動を，EEGを用いて計測した。その結果，5-6Hz帯域のEEGの活動が，自身が表情を産出しているときおよび他者の表情を観察しているときに抑制されることが示された。EEGを用いたミラーニューロンシステムの研究では，muリズムが観察自身の運動時および他者の運動観察時に抑制されることが知られており，新生児模倣がミラーニューロンシステムと関連している可能性が示唆される。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>新生児模倣</title>
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		<updated>2013-01-08T14:57:29Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　生後まもない新生児が、他者の顔の動きを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した。ヒトに限らず，チンパンジーなどの多種においても見られる。ヒトの新生児模倣の様子は，[[生後まもない新生児が、他者の口の動きを「模倣する」現象のことである。|ここ]]などで確認することができる。認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetの考えでは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察される。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，生後2週間程度の新生児がみせた新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。Meltzoffは，新生児模倣を含む乳児の模倣能力に関する知見を基に，&amp;quot;like me&amp;quot;理論を提唱している。この理論によると，乳児は生得的に近い形で自己の行動と他者の行動の間のつながりについて気付いており，次に自分の行為とその行為の背後にある自分の心的状態の関連に気付き，最終的に，これらを基に心の理論を含む他者の心の理解を発達させるという。。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである(Anisfield,1996)。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jones (1996)によると、舌出しは一種の探索行動だという。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている(Jones, 2006)。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方で，&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=16879</id>
		<title>新生児模倣</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=16879"/>
		<updated>2013-01-08T14:43:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生後まもない新生児が、他者の顔の動きを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した。ヒトに限らず，チンパンジーなどの多種においても見られる。ヒトの新生児模倣の様子は，[[生後まもない新生児が、他者の口の動きを「模倣する」現象のことである。|ここ]]などで確認することができる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetの考えでは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察される。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 議論&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである(Anisfield,1996)。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jones (1996)によると、舌出しは一種の探索行動だという。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている(Jones, 2006)。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>新生児模倣</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E6%96%B0%E7%94%9F%E5%85%90%E6%A8%A1%E5%80%A3&amp;diff=16878"/>
		<updated>2013-01-08T14:43:27Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: ページの作成：「英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt;  生後まもない新生児が、他者の顔の動きを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltz...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：neonatal imitation&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
生後まもない新生児が、他者の顔の動きを模倣する現象のことである。アメリカの心理学者Andrew Meltzoffらが報告した。ヒトに限らず，チンパンジーなどの多種においても見られる。ヒトの新生児模倣の様子は，[[生後まもない新生児が、他者の口の動きを「模倣する」現象のことである。|ここ]]などで確認することができる。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　認知発達理論の初期理論を構築したJean Piagetの考えでは，乳児の模倣行動は，象徴機能が発生する2歳前後になってから観察される。このような考えがまだ根強く残っていた時代において，新生児模倣は衝撃を与え，乳児の有能性を示す証拠として広く知られることとなった。&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
= 議論&amp;lt;br&amp;gt; =&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この現象は広く知られている一方で，新生児が「模倣」しているかどうかについては多くの議論がある。まず、この現象がどの程度頑健かという問題がある。Meltzoff &amp;amp;amp; Decety (2003)は、13の独立した研究機関によってこの現象は報告されているとしている。しかしながら，どの研究においても一貫した報告されるのは，Meltzoff &amp;amp;amp; Moore (1977)が報告した「舌出し」、「口をあける」などの4つの模倣行動のうち，舌出し行動だけのようである(Anisfield,1996)。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　舌出し行動については，懐疑的な見方がある。Jones (1996)によると、舌出しは一種の探索行動だという。彼女らは、新生児に点滅信号を見せたときに、見せていないときよりも、舌出し行動が有意に増加することを見出した。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激を聞かせたときにも、新生児の舌出し行動が有意に増加したことも報告されている(Jones, 2006)。また、新生児は他者の舌出しを見たときに、他者の他の行動を見たときよりも、舌出しをする傾向にあったが、これも、他者の舌出しが、他の行動よりも、新生児の注意を引きつけたことによるという。事実、前者に対する注視時間の方が長い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらを考慮すると，新生児模倣が模倣行動と言えるかについては疑問が残る。&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=9013</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=9013"/>
		<updated>2012-05-24T00:55:09Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の賦活は負荷の高い課題においてのみ見られたのに対して、前補足運動野は課題の負荷と独立して賦活することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野も行動の抑制において重要な役割を果たしている可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=8866</id>
		<title>セルフコントロール</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=8866"/>
		<updated>2012-05-22T05:28:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　広義には、意識的・無意識的に関わらず、また、認知的・情動的に関わらず、行動を統御する能力のことをさす。狭義には、短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と、短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに、後者を選択する過程のことを指す。前者を選択する場合には、[[wikipedia:JA:衝動|衝動]]的であるとみなされる。例えば、現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と、10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に、どちらを選択するかが検討される。ここでは、狭義のセルフコントロールについて説明する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==行動経済学におけるセルフコントロール==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[wikipedia:JA:行動経済学|行動経済学]]においては、上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて、[[時間割引]]問題(time discounting)として研究が進められている。時間割引とは、ある報酬について、現在の報酬価値と比べた際に、遅延とともに報酬価値が割引されることを指し、単位時間当たりの割引率を[[時間割引率]]という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。従来の[[wikipedia:JA:経済学|経済学]]モデルでは[[wikipedia:JA:指数関数|指数関数]]的な割引率を想定してきた。このモデルでは遅延時間によらず割引率は一定であり、時間整合性が保障される。しかしながら、実際の[[wikipedia:JA:ヒト|ヒト]]の行動はそれほど時間整合的ではない。現在の価値を偏重するなどの、時間非整合な行動を選択してしまうことが多い。このようなことを考慮し、行動経済学では、時間割引問題を双極割引というモデルで説明する。双極割引モデルは、現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ。将来的な異時間選択のプランに比べると、現在の異時間選択は、より衝動的であることになる。この双極割引は以下の関数で表現される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;kt&#039;&#039;)&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　但し、d(t)は遅延期間t後の報酬の価値、kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Laibsonなどによって、提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;。このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである。このモデルによれば、遅延時間が0、つまり意思決定時だけが特別で、この時点で得られる報酬は割引されないが、それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる。このモデルは以下の関数で表現される。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = βδ&amp;lt;sup&amp;gt;&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;lt;/sup&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　但し、0&amp;amp;lt;β&amp;amp;lt;1, 0&amp;amp;lt;δ&amp;amp;lt;1.　βは双極割引を表現するパラメータで、小さいほど現在の価値を偏重。δは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　従来の経済学モデルよりも、双極割引や準双極割引モデルの方が、日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
==関連する脳内領域==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nou.jpg|thumb|right|200x275px|&#039;&#039;&#039;図１　セルフコントロールと関連する脳内領域&#039;&#039;&#039;]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セルフコントロールには、主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている。短期的な利益と関わる行動の選択については[[腹側線条体]]や[[内側前頭皮質]]などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており、長期的な利益と関わる行動を選択する際には[[外側前頭皮質]]や[[頭頂葉]]の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている。McClureらは、成人の参加者が、二択の選択肢を与えられた際の脳活動を[[fMRI]]を用いて計測した。１つは、短期的に得られるが低い報酬であり、もう1つはすぐには得られないが高い報酬である。その結果、前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質、[[眼窩前頭皮質]]の有意な活動が認められた。また、後者の選択と外側前頭皮質や[[頭頂間溝]]の活動に関連が見られ、特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。　&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もっとも、これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない。短期的な選択であれ、長期的な選択であれ、報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする[[辺縁系]]のネットワークが関与している。例えば、報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し、主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。ここでの主観的価値とは、様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので、この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され、時間割引関数に該当する。この研究の結果、腹側線条体・内側前頭皮質・[[後帯状皮質]]の活動の強さと、報酬の主観的価値との間に関連があることが示され、これらの脳領域の活動が短期的であれ、長期的であれ、報酬の価値を表していることを示唆している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは、両者には機能的連結があるようである。好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択）、左の外側前頭皮質と[[腹内側前頭皮質]]には負の相関があることが示されている。つまり、外側前頭皮質の活動が高まると、腹内側前頭皮質の活動が低下しており、両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている。アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において、時間割引率に文化差があり、アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている。また、課題中の脳活動をfMRIで計測したところ、両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの、アメリカ人の参加者は、韓国人の参加者よりも、腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Gaman.jpg|thumb|right|161x202px|&#039;&#039;&#039;図２　満足の遅延課題中の子どもの様子&#039;&#039;&#039;]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　セルフコントロールの発達は、満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。この課題では、子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し、実験者が所用でその場を離れなければならないため、実験者が子どもに対して、戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する。この際に、子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒、3歳児でも1分程度しか待てないのに対して、4歳児は5分以上も待てるということが報告されており、幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。もっとも、2歳児でも、報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある。2－4歳児に、実験者がいない間に待つことができれば、報酬を2、4、8倍にすると告げると、3、4歳児は、すべての条件でより待つことができた。2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが、報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　初期のセルフコントロールの能力は、その後の発達を長期的に予測する。例えば、4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは、青年期において問題行動を示す率が高く、情緒的にも不安定であったのに対し、4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという。さらに、最初の実験から40年後に被験者24名に[[Go/Nogo課題]]を与えて、その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある。この課題では、被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)、笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された。その結果、4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は、笑顔刺激に対しても行動を制御することができ、関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった。一方、4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は、笑顔に対しても反応してしまい、[[下前頭回]]の活動も比較的弱く、さらに、報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ヒト以外の動物では、セルフコントロールは容易ではないことが示されている。初期の研究は[[wikipedia:JA:ハト|ハト]]などを対象に行われたが、ヒトの近縁種である[[wikipedia:JA:チンパンジー|チンパンジー]]ですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。Boysenらは、2頭のチンパンジーを対面させ、そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた。この課題では、一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた。つまり、4個の報酬を得たいのであれば、1個の報酬を選択しなければならない。この実験で、チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい、その傾向を制御できなかった。400試行費やしても、70％程度の確率で4個の報酬を選び、学習は見られなかった。但し、[[wikipedia:JA:アラビア数字|アラビア数字]]を学習しているチンパンジーに、実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には、少ない方の報酬を選ぶことができたという。 &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[時間割引]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[行動の抑制]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[実行機能]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[前頭葉]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[意思決定]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
* [[報酬系]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8865</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8865"/>
		<updated>2012-05-22T05:23:44Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野を含む内側前頭皮質が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の賦活は負荷の高い課題においてのみ見られたのに対して、前補足運動野は課題の負荷と独立して賦活することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野を含む内側前頭皮質も行動の抑制と関連している可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8864</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8864"/>
		<updated>2012-05-22T05:21:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野を含む内側前頭皮質が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の関与は負荷の高い課題においてのみ見られたのに対して、前補足運動野は課題の負荷と独立して関与することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野を含む内側前頭皮質が行動の抑制と関連している可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8862</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8862"/>
		<updated>2012-05-22T05:18:01Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野を含む内側前頭皮質が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。近年のメタ分析によっても、ゴー・ノーゴー課題において、前頭前皮質の関与は課題の負荷に依存するのに対し、前補足運動野は課題の負荷と独立して関与することが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 17850833&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野を含む内側前頭皮質が行動の抑制と関連している可能性が示唆される。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8860</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8860"/>
		<updated>2012-05-22T05:10:10Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&amp;lt;b&amp;gt;図．Stroop課題の刺激&amp;lt;/b&amp;gt;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前皮質]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前皮質]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く[[反応時間]]も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[FMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前皮質]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前皮質の重要性が示されている。背外側前頭前皮質を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前皮質が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前皮質のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前皮質の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前皮質の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前皮質の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前皮質で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　前頭前皮質以外で行動の抑制と関連がある領野は、島皮質と前補足運動野である&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;21376819&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。前者は、行動の抑制そのものというよりは課題のルールや課題の準備と関連している可能性があるが、後者については、行動の抑制の中核システムであるという指摘もある。Sharpらは、前頭前皮質は予測していない出来事が生じた際の注意処理と関連しているにすぎず、前補足運度野を含む内側前頭皮質が行動の抑制の基盤であることを示唆している&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 20220100&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらから、右の下前頭領域を含む前頭前皮質だけではなく、前補足運動野を含む内側前頭皮質が行動の抑制と関連している可能性がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; （執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8581</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=8581"/>
		<updated>2012-05-18T03:14:16Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　抑制とは、一般的に、いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す。[[ニューロン]]の振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが、行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 認知心理学における行動の抑制 ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　[[認知心理学]]においては、行動の抑制は、[[実行機能]]の一要素として位置づけられる。広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは、実行機能は、行動の抑制、[[切り替え]]、[[更新]]の3要素に分割される（ただし、行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;10945922 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、行動の抑制自体も、妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており、その結果、行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが、この2つは[[記憶]]における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。行動の抑制の代表的な課題は、[[ストループ課題]]と[[ゴー・ノーゴー課題]]である。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== Stroop課題 ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 [[Image:Stroop.jpg|thumb|405x89px|&#039;&#039;&#039;図．Stroop課題の刺激&#039;&#039;&#039;]] &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アメリカの心理学者[[wikipedia:John Ridley Stroop|Stroop]]などによって1935年に報告された課題で、参加者は、書かれている文字の色を答えるように教示される。文字の意味が、文字の色と関係の無い場合（中立文字）、参加者は容易に文字の色を答えることがで きる。しかしながら、文字の意味がその色と関係あり、しかも異なる場合（不一致文字）、参加者は困難を示す。例えば、赤色の「あお」という文字、緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である。これは、文字の意味が、文字の色を答えることを阻害するためであり、参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== ゴー・ノーゴー課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　認知心理学におけるゴー・ノーゴー課題では、単純な反応を抑止する能力を測定する。参加者は、ゴー試行（例えば、画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を、ノーゴー試行（例えば、画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される。ノーゴー試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制は、[[前頭前野]]の活動と密接に結びついている。特に、[[背外側前頭前野]]や[[下前頭領域]]の活動との関連が強い。例えば、[[前頭葉]]損傷患者は、Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;11369401&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;4421777&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、[[fMRI]]などの[[神経イメージング研究]]の結果からは、Stroop課題を正しく遂行するには[[前部帯状回]]&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や、[[背外側前頭前野]]を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。ゴー・ノーゴー課題においても前頭前野の重要性が示されている。背外側前頭前野を切除した[[wikipedia:ja:サル|サル]]にゴー・ノーゴー課題を与えると、ノーゴー試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。また、神経イメージング研究も、ゴー試行とノーゴー試行を含むブロックと、ゴー試行だけを含むブロックを比べた際に、前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。下前頭領域の重要性を強調する研究も多く、Aronによると、ゴー・ノーゴー課題のような反応を抑制する課題においては、右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか。1つの仮説は、これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる[[運動野]]や[[大脳基底核]]のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;。例えば、ノーゴー試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると、運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、Munakataらによると、前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。彼女らは、前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し、目標を表現することだと仮定したうえで、次のように議論している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　1つは、上記の仮説と類似しているが、前頭前野の一部の領域が、大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである。このプロセスは、[[ストレス]]への対処や反応の抑制などのように、抑制すべき状況が明確なときに見られるといい、ゴー・ノーゴー課題での抑制プロセスに対応する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　もう1つは[[皮質]]内での抑制の場合であり、この際には間接的な抑制プロセスが見られるという。このプロセスでは、当該の目標を前頭前野で表現することで、その目標と関連する領域が活動する。この活動が、その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し、後者の活動を抑制するのである。例えば、Stroop課題の場合、文字の色という目標を表現することで、色処理と関連する領域の活動が増し、文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　発達心理学においては、行動の抑制は[[wikipedia:ja:乳児|乳児]]期に萌芽がみられ、幼児期に著しく発達し、[[wikipedia:ja:児童|児童]]期から[[wikipedia:ja:青年|青年]]期まで緩やかに発達が続き、[[wikipedia:ja:老年|老年]]期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　乳児に対しては、[[探索課題]]が用いられる。探索課題では、実験者がある場所に物体を隠し、乳児にその物体を探索させる。それを数試行つづけた後に、実験者が物体を別の場所に隠す。その際に、乳児が正しく物体を探索できるかが検討される。この課題を含め、9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼児に対しては、ストループ課題を修正した[[Day/Night課題]]が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。この課題では、月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する。幼児は、月のカードには「昼」、太陽のカードには「夜」と反応するように教示される。幼児は、月のカードでは「昼」、太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが、その傾向を抑制しなければならない。この課題を含め、3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する。児童期以降は、成人と同じStroop課題やゴー・ノーゴー課題が用いられ、12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は、他の脳領域と比べても、成熟するのに時間を要することが知られている。例えば、[[シナプスの刈り込み]]の時期は[[視覚野]]に比べると、前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;、前頭前野の[[灰白質]]の成熟は、他の脳領域と比べて、長期間を要するという[[MRI]]の知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、近年の神経イメージング研究により、行動レベルの発達と一致して、前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている。例えば、3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には、下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; 。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　また、児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。ゴー・ノーゴー課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが、その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop課題]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=7605</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=7605"/>
		<updated>2012-05-09T08:38:29Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制は，実行機能の一要素として位置づけられる．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   10945922, 18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Stroop課題 [[Image:Stroop.jpg|right|405x89px|Stroop課題の刺激]]  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題では，単純な反応を抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  4421777,  11369401 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また， fMRIなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは皮質内での抑制の場合であり，この際には間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，Stroop課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する．また，近年の神経イメージング研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．また，児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。Go/Nogo課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが，その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;参考文献  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：森口佑介、担当編集委員：定藤 規弘）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=7602</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=7602"/>
		<updated>2012-05-09T08:31:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制は，実行機能の一要素として位置づけられる．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   10945922, 18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Stroop課題 [[Image:Stroop.jpg|right|405x89px|Stroop課題の刺激]]  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題では，単純な反応を抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  4421777,  11369401 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また， fMRIなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという &amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot;&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=&amp;quot;ref8&amp;quot; /&amp;gt;．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは皮質内での抑制の場合であり，この際には間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，Stroop課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する．また，近年の神経イメージング研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．また，児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。Go/Nogo課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが，その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
*[[実行機能]] &lt;br /&gt;
*[[前頭葉]] &lt;br /&gt;
*[[前頭前野]] &lt;br /&gt;
*[[Stroop]]&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：森口佑介、担当編集委員：定藤 規弘）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Stroop.jpg&amp;diff=7598</id>
		<title>ファイル:Stroop.jpg</title>
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		<updated>2012-05-09T08:13:46Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=6673"/>
		<updated>2012-04-29T09:32:01Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制は，実行機能の一要素として位置づけられる．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   10945922, 18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題では，単純な反応を抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  4421777,  11369401 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また， fMRIなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;   ．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという  &amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  &lt;br /&gt;
．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは，皮質内での抑制などの場合，間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，Stroop課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する．また，近年の神経イメージング研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に強くなることが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．また，児童期以降においても、行動の抑制の発達と前頭前野の活動には密接な関連がある。Go/Nogo課題において年齢に伴った成績の変化が見られるが，その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=6672</id>
		<title>行動の抑制</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6&amp;diff=6672"/>
		<updated>2012-04-29T09:28:50Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制は，実行機能の一要素として位置づけられる．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   10945922, 18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Stroop課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題では，単純な反応を抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  4421777,  11369401 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また， fMRIなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;   ．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという  &amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  &lt;br /&gt;
．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは，皮質内での抑制などの場合，間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，Stroop課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制と関わりの深い前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．これは、行動の抑制が青年期にまでかけて発達が続くという行動の知見とも一致する．また，近年の神経イメージング研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に変化することが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．また，児童期以降では，Go/Nogo課題における成績が年齢とともに上昇するが，その際の前頭前野の活動は全体的な活動から局所的な活動に変化することも示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>行動の抑制</title>
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		<updated>2012-04-29T09:13:38Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制とは，実行機能の一要素として位置づけられる．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   10945922, 18473654 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   14979754 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;ストループ課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題は，単純な反応を，抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;  4421777,  11369401 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また， fMRなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      8232848  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   11133306  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;   ．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;      4993199  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       8864300  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．右の下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという  &amp;lt;ref name=ref8&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 15050513 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  &lt;br /&gt;
．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである&amp;lt;ref name=ref8 /&amp;gt;．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという   &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 21889391 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt; ．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは，皮質内での抑制などの場合，間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，ストループ課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;森口佑介&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;わたしを律するわたし&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;京都大学学術出版会（京都）&#039;&#039;:2012&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる  &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       7805351&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制と関わりのある脳領域である前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 9336221&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;，前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 10491603&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも，近年の研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に変化することが示されている &amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 19332783&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;  ．また，児童期以降の行動の抑制の発達と前頭前野の活動にも関連が見られ，Go/Nogo課題における成績の発達的変化と，前頭前野の活動には関連が見られる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt; 16445387&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<title>行動の抑制</title>
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		<updated>2012-04-29T08:47:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: ページの作成：「英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニュ...」&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;英語名：Response inhibition, Behavioral inhibition &amp;lt;br&amp;gt;抑制とは，一般的に，いかなるプロセスも抑止・妨害・禁止する過程を指す．ニューロンの振る舞いや学習過程などで広く使われる言葉であるが，行動レベルにおける抑制とは、当該の状況で不適切かつ優位な行動を意識的に抑止する過程のことを指す。習慣等によって誘発されやすい行動を抑止し、セルフコントロールを可能にする。&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;認知心理学における行動の抑制&amp;lt;br&amp;gt;  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;認知心理学においては，行動の抑制とは，実行機能の一要素として位置づけられる.．広く受け入れられているMiyakeらのモデルでは，実行機能は，行動の抑制，シフティング，アップデーティングの3要素に分割される（ただし，行動の抑制は他の2要素に比べると明確に抽出できない可能性も指摘されている）．また，行動の抑制自体も，妨害刺激の抑制や記憶における抑制過程と区別されるかが検討されており，その結果，行動の抑制と妨害刺激の抑制とは共通因子であるが，この2つは記憶における抑制過程とは区別されることが示されている．行動の抑制の代表的な課題は，ストループ課題とGo/Nogo課題である． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;ストループ課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
アメリカの心理学者Stroopなどによって1935年に報告された課題で、参加者は，書かれている文字の色を答えるように教示される．文字の意味が，文字の色と関係の無い場合（中立文字），参加者は容易に文字の色を答えることがで きる．しかしながら，文字の意味がその色と関係あり，しかも異なる場合（不一致文字），参加者は困難を示す．例えば，赤色の「あお」という文字，緑色の 「きいろ」という文字の色を答えるような場合である．これは，文字の意味が，文字の色を答えることを阻害するためであり，参加者は文字の意味を答える傾向 （優位な行動）を抑制しなければならない． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
=== &amp;lt;br&amp;gt;Go/Nogo課題  ===&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
認知心理学におけるGo/Nogo課題は，単純な反応を，抑止する能力を測定する．参加者は，Go試行（例えば，画面上にQ. P, Tの文字）ではできる限り早く反応（ボタン押しなど）を，Nogo試行（例えば，画面上にXの文字）では反応を抑止するように教示される．Nogo試行でどの程度エラーを産出したかが指標となる． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 行動の抑制の神経基盤  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動の抑制は，前頭前野の活動と密接に結びついている．特に，背外側前頭前野や下前頭領域の活動との関連が強い．例えば，前頭葉損傷患者は，Stroop課題においてエラーが多く反応時間も長いという（Perret, 1974; Stuss, Floden, Alexander, Levine, &amp;amp;amp; Katz, 2001）．また， fMRなどの神経イメージング研究の結果からは，Stroop課題を正しく遂行するには前部帯状回（Bench et al., 1993; Pardo, Pardo, Janer, &amp;amp;amp; Raichle, 1990）や，背外側前頭前野を含む広範な領域が関与しているとされている（Zysset, Muller, Lohmann, &amp;amp;amp; von Cramon, 2001）．Go/Nogo課題においても前頭前野の重要性が示されている．背外側前頭前野を切除したサルにGo/Nogo課題を与えると，Nogo試行におけるエラーが増える（Iversen &amp;amp;amp; Mishkin, 1970; Butters, Butter, Rosen, &amp;amp;amp; Stein, 1973）．また，神経イメージング研究も，Go試行とNogo試行を含むブロックと，Go試行だけを含むブロックを比べた際に，前者において背外側前頭前野が有意に活動することを示している（Casey, et al., 1997; Kawashima et al., 1996）．右の下前頭領域の重要性を強調する研究も多く，Aronによると，Go/Nogo課題のような反応を抑制する課題においては，右の下前頭領域が重要な役割を果たしているという．&amp;lt;br&amp;gt;　これらの脳内領域は他の領域とどのように関連して行動の抑制を可能にするのだろうか．1つの仮説は，これらの前頭領域のニューロンが直接ターゲットとなる運動野や大脳基底核のニューロンの活動を抑制するというものである．例えば，Nogo試行におけるサルの前頭前野のニューロンを刺激すると，運動野の電気活動のレベルが下がるという報告がある．また，Munakataらによると，前頭前野の抑制プロセスには2通りあるという．彼女らは，前頭前野の役割は抽象的な情報を保持し，目標を表現することだと仮定したうえで，次のように議論している．1つは，上記の仮説と類似しているが，前頭前野の一部の領域が，大脳基底核などのニューロンの活動を直接抑制するというものである．このプロセスは，ストレスへの対処や反応の抑制などのように，抑制すべき状況が明確なときに見られるといい，Go/Nogo課題での抑制プロセスに対応する．もう1つは，皮質内での抑制などの場合，間接的な抑制プロセスが見られるという．このプロセスでは，当該の目標を前頭前野で表現することで，その目標と関連する領域が活動する．この活動が，その目標到達を阻害する別の脳領域の活動と競合し，後者の活動を抑制するのである．例えば，ストループ課題の場合，文字の色という目標を表現することで，色処理と関連する領域の活動が増し，文字処理と関連する脳領域の活動を抑制するということである． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制の発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;発達心理学においては，行動の抑制は乳児期に萌芽がみられ，幼児期に著しく発達し，児童期から青年期まで緩やかに発達が続き，老年期にはその能力が低下することが知られている．&amp;lt;br&amp;gt;乳児に対しては，探索課題が用いられる．探索課題では，実験者がある場所に物体を隠し，乳児にその物体を探索させる．それを数試行つづけた後に，実験者が物体を別の場所に隠す．その際に，乳児が正しく物体を探索できるかが検討される．この課題を含め，9ヶ月から12か月頃に行動の抑制の発達が見られる．幼児に対しては，ストループ課題を修正したDay/Night課題が用いられる．この課題では，月を描いたカードと太陽を書いたカードを用意する．幼児は，月のカードには「昼」，太陽のカードには「夜」と反応するように教示される．幼児は，月のカードでは「昼」，太陽のカードでは「夜」と反応しやすいが，その傾向を抑制しなければならない．この課題を含め，3歳から5歳頃に行動の抑制は著しく発達する．児童期以降は，成人と同じStroop課題やGo/Nogo課題が用いられ，12歳から16歳頃までに緩やかに発達することが示されている．&amp;lt;br&amp;gt;行動の抑制と関わりのある脳領域である前頭前野は，他の脳領域と比べても，成熟するのに時間を要することが知られている．例えば，シナプスの刈り込みの時期は視覚野に比べると，前頭前野は数年遅いし（Huttenlocher &amp;amp;amp; Dabholkar, 1997），前頭前野の灰白質の成熟は，他の脳領域と比べて，長期間を要するというMRIの知見もあるiedd et al, 1999: Gogtay et al., 2004)．もっとも，近年の研究により，行動レベルの発達と一致して，前頭前野の活動にも変化が見られることが示されている．例えば，3歳から5歳にかけてルールを抑制する能力が発達する際には，下前頭領域の活動が有意に変化することが示されている．また，児童期以降の行動の抑制の発達と前頭前野の活動にも関連が見られ，Go/Nogo課題における成績の発達的変化と，前頭前野の活動には関連が見られる&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-27T05:16:57Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択する過程のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルでは指数関数的な割引率を想定してきた．このモデルでは遅延時間によらず割引率は一定であり，時間整合性が保障される．しかしながら，実際のヒトの行動はそれほど時間整合的ではない．現在の価値を偏重するなどの，時間非整合な行動を選択してしまうことが多い．このようなことを考慮し，行動経済学では，時間割引問題を双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルは，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．将来的な異時間選択のプランに比べると，現在の異時間選択は，より衝動的であることになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;kt&#039;&#039;)&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt; &#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = βδ&amp;lt;sup&amp;gt;&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;lt;/sup&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，0&amp;amp;lt;β&amp;amp;lt;1, 0&amp;amp;lt;δ&amp;amp;lt;1.　βは双極割引を表現するパラメータで、小さいほど現在の価値を偏重．δは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nou.jpg|right|200x275px|セルフコントロールと関連する脳内領域]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Gaman.jpg|right|161x202px|図2 満足の遅延課題中の子どもの様子]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（執筆者：森口佑介　担当編集委員：定藤 規弘）&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=6560</id>
		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-27T03:09:41Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択する過程のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルでは指数関数的な割引率を想定してきた．このモデルでは遅延時間によらず割引率は一定であり，時間整合性が保障される．しかしながら，実際のヒトの行動はそれほど時間整合的ではない．現在の価値を偏重するなどの，時間非整合な行動を選択してしまうことが多い．このようなことを考慮し，行動経済学では，時間割引問題を双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルは，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．将来的な異時間選択のプランに比べると，現在の異時間選択は，より衝動的であることになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;kt&#039;&#039;)&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt; &#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = βδ&amp;lt;sup&amp;gt;&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;lt;/sup&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，0&amp;amp;lt;β&amp;amp;lt;1, 0&amp;amp;lt;δ&amp;amp;lt;1.　βは双極割引を表現するパラメータで、小さいほど現在の価値を偏重．δは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Nou.jpg|right|200x275px|セルフコントロールと関連する脳内領域]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Gaman.jpg|right|161x202px|図2 満足の遅延課題中の子どもの様子]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Nou.jpg&amp;diff=6553</id>
		<title>ファイル:Nou.jpg</title>
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		<updated>2012-04-27T02:12:49Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: 「ファイル:Nou.jpg」の新しい版をアップロードしました&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Nou.jpg&amp;diff=6548</id>
		<title>ファイル:Nou.jpg</title>
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		<updated>2012-04-27T02:07:53Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=6319</id>
		<title>セルフコントロール</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=6319"/>
		<updated>2012-04-24T08:58:58Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;kt&#039;&#039;)&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt; &#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = βδ&amp;lt;sup&amp;gt;&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;lt;/sup&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Gaman.jpg|right|161x202px|図2 満足の遅延課題中の子どもの様子]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=6318</id>
		<title>セルフコントロール</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=6318"/>
		<updated>2012-04-24T08:58:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;k&#039;&#039;&#039;&#039;t&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;b&amp;gt;)&amp;lt;/b&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt; 但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &#039;&#039;&#039; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = βδ&amp;lt;sup&amp;gt;&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;lt;/sup&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
[[Image:Gaman.jpg|right|161x202px|図2 満足の遅延課題中の子どもの様子]]&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Gaman.jpg&amp;diff=6317</id>
		<title>ファイル:Gaman.jpg</title>
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		<updated>2012-04-24T08:54:17Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: 「ファイル:Gaman.jpg」の新しい版をアップロードしました&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
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		<title>ファイル:Gaman.jpg</title>
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		<updated>2012-04-24T08:49:20Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%82%AC%E3%83%9E%E3%83%B33.jpg&amp;diff=6315</id>
		<title>ファイル:ガマン3.jpg</title>
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		<updated>2012-04-24T08:42:13Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: 満足の遅延課題中の幼児の様子&lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;満足の遅延課題中の幼児の様子&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<title>セルフコントロール</title>
		<link rel="alternate" type="text/html" href="https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=5892"/>
		<updated>2012-04-19T09:50:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;d(t) = 1 / (1 + kt)&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;d(t) = \beta \delta ^t&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値を単一指標で表現したもので，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=4610</id>
		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-05T10:21:57Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;k&#039;&#039;&#039;&#039;t&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;b&amp;gt;)&amp;lt;/b&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = &#039;&#039;t&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039; &amp;amp;gt; 0)&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．McClureらは，成人の参加者が，二択の選択肢を与えられた際の脳活動をfMRIを用いて計測した．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その結果，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値の単一指標のことで，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．Boysenらは，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
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		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=4609</id>
		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-05T10:13:54Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;k&#039;&#039;&#039;&#039;t&#039;&#039;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;b&amp;gt;)&amp;lt;/b&amp;gt;&amp;lt;/span&amp;gt;&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&amp;lt;/span&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot;&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = &#039;&#039;t&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039; &amp;amp;gt; 0)&amp;lt;/span&amp;gt; &amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．例えば，金銭を報酬としたfMRI研究において，成人の参加者は，二択の選択肢を与えられる．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その際の脳活動をスキャンしたところ，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められる．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強い&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値の単一指標のことで，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;　2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．例えば，アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができる&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ある研究では，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== 関連項目  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
時間割引 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
行動の抑制 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
実行機能 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
前頭葉 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
意思決定 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
報酬系&amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt; &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
	</entry>
	<entry>
		<id>https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB&amp;diff=4608</id>
		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-05T10:00:33Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== &amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;d(t) = 1/(1 + kt)&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;d(0) = 1&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;math&amp;gt;d(t) = βδt (t &amp;gt;0)&amp;lt;/math&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールと関連する脳内領域  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．例えば，金銭を報酬としたfMRI研究において，成人の参加者は，二択の選択肢を与えられた．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その際の脳活動をスキャンしたところ，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値の単一指標のことで，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．例えば，アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== セルフコントロールの発達  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;。もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
== ヒト以外の動物のセルフコントロール  ==&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ある研究では，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt; &amp;lt;references /&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<title>セルフコントロール</title>
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		<updated>2012-04-05T09:49:34Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;k&#039;&#039;&#039;&#039;t&#039;&#039;)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&#039;&#039;&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = &#039;&#039;t&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;amp;gt; 0)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
セルフコントロールと関連する脳内領域&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．例えば，金銭を報酬としたfMRI研究において，成人の参加者は，二択の選択肢を与えられた．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その際の脳活動をスキャンしたところ，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値の単一指標のことで，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．例えば，アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
セルフコントロールの発達&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;。もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒト以外の動物のセルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;．ある研究では，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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		<updated>2012-04-05T09:48:51Z</updated>

		<summary type="html">&lt;p&gt;Yusukemoriguchi: &lt;/p&gt;
&lt;hr /&gt;
&lt;div&gt;セルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;英語名：Self-control &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
広義には，意識的・無意識的に関わらず，また，認知的・情動的に関わらず，行動を意識的に統御する能力のことをさす．狭義には，短期的には利益になるが長期的には損失となる選択肢と，短期的には損失だが長期的には利益になる選択肢が与えられたときに，後者を選択できる能力のことを指す．前者を選択する場合には，衝動的であるとみなされる．例えば，現時点でチョコレートを1つもらえる選択肢と，10分後にチョコレートを2つもらえる選択肢を提示された場合に，どちらを選択するかが検討される．ここでは，狭義のセルフコントロールについて説明する． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&amp;lt;br&amp;gt;行動経済学におけるセルフコントロール（「時間割引」なども参照）&amp;lt;br&amp;gt;　行動経済学においては，上述のような衝動的行動がなぜ起きるのかについて，時間割引問題(time discounting)として研究が進められている．時間割引とは，ある報酬について，現在の報酬価値と比べた際に，遅延とともに報酬価値が割引されることを指し，単位時間当たりの割引率を時間割引率という&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   15367080 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．従来の経済学モデルではどの時点でも割引率は一定であり，例えば，現在から2日後の報酬の割引率と，5年後と5年と2日後の割引率は同じことなる．一方，行動経済学では，双極割引というモデルで説明する．双極割引モデルによると，現在に近い異時点間選択ほど割引率が高いという特徴を持つ．つまり，現在から2日後の報酬の割引率は，5年後と5年と2日後の割引率に比べて大きいということになる．この双極割引は以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
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&#039;&#039;&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = 1 / (1 + &#039;&#039;k&#039;&#039;&#039;&#039;t&#039;&#039;)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;&#039;但し，d(t)は遅延期間t後の報酬の価値，kは時間割引率&amp;lt;br&amp;gt;　また，Laibsonなどによって，提唱されている準双極割引モデルがある&amp;lt;ref&amp;gt;&#039;&#039;&#039;Laibson, David&#039;&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;Golden Eggs and Hyperbolic Discounting&amp;lt;br&amp;gt;&#039;&#039;Quarterly Journal of Economics 112 (2): 443–477&#039;&#039;:1997&amp;lt;/ref&amp;gt;．このモデルは指数関数的な割引率と直近効果を組み合わせた離散的なモデルである．このモデルによれば，遅延時間が0，つまり意思決定時だけが特別で，この時点で得られる報酬は割引されないが，それ以外の時点では等しい割引率が適用されることになる．つまり，現在と2日後の報酬の割引率は，10日後から12日後の割引率や，5年後と5年と2日後の割引率よりも大きいが，後者2つの割引率は同じということになる．このモデルは以下の関数で表現される． &lt;br /&gt;
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&#039;&#039;&amp;lt;span class=&amp;quot;texhtml&amp;quot; /&amp;gt;&#039;&#039;d&#039;&#039;(0) = 1&#039;&#039;d&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;) = &#039;&#039;t&#039;&#039;(&#039;&#039;t&#039;&#039;&amp;amp;gt; 0)&#039;&#039;&amp;lt;br&amp;gt;但し，βは直近の報酬に付与される特別な値でδは指数関数的な割引率 &lt;br /&gt;
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従来の経済学モデルよりも，双極割引や準双極割引モデルの方が，日常のヒトの行動や実験で得られたデータに適合することが示されている． &lt;br /&gt;
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セルフコントロールと関連する脳内領域&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールには，主に2つの脳内ネットワークの関与が示唆されている．短期的な利益と関わる行動の選択については腹側線条体や内側前頭皮質などの報酬処理と関連する行動との関連が示されており，長期的な利益と関わる行動を選択する際には外側前頭皮質や頭頂葉の一部などの認知的制御や行動抑制と関わる領域が賦活することが示されている．例えば，金銭を報酬としたfMRI研究において，成人の参加者は，二択の選択肢を与えられた．１つは，短期的に得られるが低い報酬であり，もう1つはすぐには得られないが高い報酬である．その際の脳活動をスキャンしたところ，前者の選択をした際には腹側線条体や内側前頭皮質，眼窩前頭皮質の有意な活動が認められた．また，後者の選択と外側前頭皮質や頭頂間溝の活動に関連が見られ，特に選択が難しいときにこれらの領域の活動が強かった&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     15486304 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．　&amp;lt;br&amp;gt;　もっとも，これらのネットワークがそれぞれの選択に別個に関わっているわけではない．短期的な選択であれ，長期的な選択であれ，報酬の価値の表現には腹側線条体を中心とする辺縁系のネットワークが関与している．例えば，報酬の客観的価値よりも主観的価値を重視し，主観的価値と関連する脳領域をfMRIで検討した研究がある&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     17982449 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;&amp;lt;/ref&amp;gt;．ここでの主観的価値とは，様々な側面を考慮して作り上げる個々人に固有な価値の単一指標のことで，この価値は報酬の価値の高さや遅延時間の短さによって表現され，時間割引関数に該当する．この研究の結果，腹側線条体・内側前頭皮質・後帯状皮質の活動の強さと，報酬の主観的価値との間に関連があることが示され，これらの脳領域の活動が短期的であれ，長期的であれ，報酬の価値を表していることを示唆している．&amp;lt;br&amp;gt;2つの脳内ネットワークは別々に機能しているというよりは，両者には機能的連結があるようである．好ましいが不健康な食べ物を避ける際に（長期的な利益の選択），左の外側前頭皮質と腹内側前頭皮質には負の相関があることが示されている．つまり，外側前頭皮質の活動が高まると，腹内側前頭皮質の活動が低下しており，両者が協調して活動している可能性を示唆する&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;        19407204 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　また，セルフコントロールには文化差がある可能性も示されている．例えば，アメリカ人の成人と韓国人の成人を比較した研究において，時間割引率に文化差があり，アメリカ人の時間割引率が高いことが示されている．また，課題中の脳活動をfMRIで計測したところ，両国の参加者は外側前頭皮質や頭頂葉の活動において違いはなかったものの，アメリカ人の参加者は，韓国人の参加者よりも，腹側線条体をより強く活動させることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;       22271781 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
セルフコントロールの発達&amp;lt;br&amp;gt;　セルフコントロールの発達は，満足の遅延課題で検討される&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     2658056 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．この課題では，子どもは菓子などの報酬を与えられる。但し，実験者が所用でその場を離れなければならないため，実験者が子どもに対して，戻ってくるまでお菓子を食べないようにと教示する．この際に，子どもがその間待てるかどうかを研究する。このような実験では2歳児は20秒，3歳児でも1分程度しか待てないのに対して，4歳児は5分以上も待てるということが報告されており，幼児期に著しい発達が見られることが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    16144429  &amp;lt;/pubmed&amp;gt;。もっとも、2歳児でも，報酬を増やすためにはセルフコントロールができることもある．2－4歳児に，実験者がいない間に待つことができれば，報酬を2，4，8倍にすると告げると，3，4歳児は，すべての条件でより待つことができた．2歳児はこれらの条件では待つことができなかったが，報酬が40倍になる条件では待つことができた&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;     22153324 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;．&amp;lt;br&amp;gt;　初期のセルフコントロールの能力は，その後の発達を長期的に予測する．例えば，4歳時点において満足の遅延実験で衝動的な行動を示した子どもは，青年期において問題行動を示す率が高く，情緒的にも不安定であったのに対し，4歳時点でセルフコントロールができた子どもは学業成績が良かったという．さらに，最初の実験から40年後に被験者24名にGo/Nogo課題を与えて，その課題の成績とfMRIを用いて脳活動を計測した研究がある．この課題では，被験者は悲しい顔に対してはボタンを押し(“Go”)，笑顔に対してはボタンを押さない(“Nogo”)ように教示された．その結果，4歳時点でセルフコントロールに長けていた被験者は，笑顔刺激に対しても行動を制御することができ，関連する脳領域である下前頭回の活動も強かった．一方，4歳時点で衝動的な行動を選択した被験者は，笑顔に対しても反応してしまい，下前頭回の活動も比較的弱く，さらに，報酬処理と関連する腹側線条体の活動も強かったという&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;    21876169 &amp;lt;/pubmed&amp;gt;． &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヒト以外の動物のセルフコントロール&amp;lt;br&amp;gt;　ヒト以外の動物では，セルフコントロールは容易ではないことが示されている．初期の研究はハトなどを対象に行われたが，ヒトの近縁種であるチンパンジーですらセルフコントールは難しいことが示されている&amp;lt;ref&amp;gt;&amp;lt;pubmed&amp;gt;   7844508&amp;lt;/pubmed&amp;gt;．ある研究では，2頭のチンパンジーを対面させ，そのうち一頭に1個と4個の報酬を選択させた．この課題では，一方の個体が選択した報酬はもう一方の個体に与えられることになっていた．つまり，4個の報酬を得たいのであれば，1個の報酬を選択しなければならない．この実験で，チンパンジーは目の前にある4個の報酬の選択を選んでしまい，その傾向を制御できなかった．400試行費やしても，70％程度の確率で4個の報酬を選び，学習は見られなかった．但し，アラビア数字を学習しているチンパンジーに，実際の報酬の代わりにアラビア数字を用いて同様の実験を行った場合には，少ない方の報酬を選ぶことができたという． &amp;lt;br&amp;gt;&amp;lt;br&amp;gt;&lt;br /&gt;
&amp;lt;references/&amp;gt;&lt;/div&gt;</summary>
		<author><name>Yusukemoriguchi</name></author>
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