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カリウムチャネル
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アウトラインです = 基本的機能 = カリウムイオンを優先的に透過させるカリウムチャネルはイオンチャネルスーパーファミリーの中でも、特に機能的構造的に多様性がある。 (ほとんど)すべての細胞に発現している。神経細胞、グリア細胞にも発現しており、静止膜電位の維持や興奮性の制御など電気的特性を決めている。またシナプス伝達、カリウム濃度恒常性維持に関わっている。 機能的に多様なカリウムチャネルが、細胞内でも局在しており、脳機能を支えている。分子機構がかなり明らかになっている。 <br> = 分子機能、構造による分類(種類) = 構造的には、二回膜貫通型、四回膜貫通型、六回膜貫通型の3つに分けられる。また機能的には電位依存性カリウムチャネル、カルシウム活性化カリウムチャネル、内向き整流性カリウムチャネル、Two-pore domain カリウムチャネルに分けられる。 == 機能構造的特徴 == カリウムチャネルに共通する構造的特徴としてはαサブユニットのホモ、あるいはヘテロマルチマーである。それぞれのサブユニットにはイオン透過経路の形成に関わるポアドメインが共通して存在する。GYGモチーフを持つ。それに加え特有の制御性ドメイン(細胞内ドメイン、電位センサードメイン)を持ち、機能的な多様性を与えている。複合体を形成した際にはサブユニットの中央に一つのイオン透過経路を形成する。また補助サブユニットを持つものもある。 カリウムチャネルの結晶構造解析が行われている。イオン透過経路の最細胞外側にカリウムの選択的な透過に重要なセレクティビティーフィルターがある。GYGモチーフの周囲がセレクティビティーフィルターを形成している。その構造はカリウムイオンの脱水和のエネルギーが低くなるようにカリウムイオンが丁度収まる径をもっていた。イオン半径がその系よりも大きすぎても小さすぎても、透過はしずらくなる。これがカリウム選択的透過の基本メカニズムであると考えられている。またセレクティビティーフィルターの細胞質側には中心腔がありカリウムイオンは再び水和される。セレクティビティーフィルターの中ではカリウムチャネルは複数箇所の安定存在できる箇所がある。カリウムイオンは一列に並び、イオン間の反発がイオン透過に関与していると思われる。 ロデリックマッキノンはカリウムチャネルの結晶構造解析に成功し、イオン選択的透過の研究で先導的な役割を果たした。マッキノンはアグレとともにノーベル賞。 Kvチャネル、Kirチャネル、K2Pチャネルなど結晶構造解析が進んでいる。Kirチャネルなどではリガンドと結合した構造も解かれ始めている。 == 二回膜貫通型 == === 各種Kirチャネル === 内向き整流性カリウムチャネルファミリーは二回膜貫通型のサブユニット構造を持っている。カリウムチャネルの中でもシンプルな構造をしている。多くのKirチャネルは細胞外へのカリウムイオンの流出よりも細胞内への流入をしやすいという内向き整流特性を持っているためその名前が付けられている。この内向き清流特性は細胞内のポリアミンやマグネシウムイオンによる外向き電流のブロックが分子メカニズムである。 Kir1-7まで同定されており、ホモあるいはヘテロマルチマーを作る。内向き整流特性はイオンチャネルの構成によって異なり、上述したポリアミンやマグネシウムへの結合能の違いから説明がされている。 ROMK(Kir1)、Kir4.1、Kir5.1チャネルは整流性が弱くもしくは殆ど無く、常時活性化型であり、イオンの輸送に関わっている。IKR(Kir2)は整流性がとても強く、静止膜電位の維持などに関わっている。 G蛋白質活性化KチャネルはKir3.xで構成されるKirチャネルであり、Gbgとの結合によって活性化されるイオンチャネルである。心臓のリズム制御や抑制性シナプス伝達に関わってる。 ATP感受性Kチャネルのイオン透過経路もKirチャネルである(Kir6.xサブファミリー)。スルホニルウレア受容体(SUR)と呼ばれる補助サブユニットと4:4のヘテロオクタマー結合して機能的なイオンチャネルとして発現する。細胞外はKir6.2サブユニットに結合し、KATPチャネルを阻害する。 == 四回膜貫通型 == === K2Pカリウムチャネル === 二回膜貫通型が二個直列につながったような構造をしているのがtwo-pore domainカリウム(K2P)チャネルのサブユニット構造である。従ってポアの形成に関わるポアドメインが一つのサブユニット上に二つ存在し、二つのサブユニットが会合し一つのポアを形成する。これまでに〇〇(14?)個のK2Pチャネルサブユニットが同定されており、電気生理学的特性や薬理学的な特性から5つのサブグループ(TWIK、TREK、TRAAK、TASK、TALK)に分類されている。 M1-P1の間にシステイン残基があり、二量体化に関与。 比較的最近遺伝子が単離されたカリウムチャネルであるため、電位依存性カリウムチャネル、内向き整流性カリウムチャネル、Ca活性化カリウムチャネルに比べると生理的に果たす役割や構造活性相関の解析は十分進んでいない。電気生理学的特性から背景(漏洩)カリウム電流?静止膜電位の形成に関与していると考えられている。 ハロタンなど揮発性麻酔薬の標的分子の可能性が示唆されている。 == 六回膜貫通型 == === 各種Kvチャネル === 六回膜貫通型。Kvチャネル。電気生理学的な特性(活性化、不活性化)の違いによって機能的にさらに分類。多くのサブファミリーがある。 ポアドメインと電位センサードメインを有する。電位センサードメインのS4には塩基性アミノ酸が複数存在し、膜電位変化の検出に関わっている。 不活性化の早いカリウムチャネルのN末端には不活性化に関与する構造がある。また不活性化はセレクティビティーフィルターの付近でも起こる。 === Ca活性化Kチャネル === 六回(七回)膜貫通型。Caによって活性化。Caが直接結合するもの、間接的に結合するもの。Caで直接活性化されるもの、電位依存性を変えるもの。コンダクタンスの違いも。 BK、IK、SKなど。BKのみ電位依存性あり。 Ca依存性K電流は活動電位の再分極、AHPの発生、spike frequency adaptationに関与している。 == 補助サブユニット == カリウムチャネルの機能を修飾する補助サブユニットが存在する。 === 1TM補助サブユニット === KChaP, KCNEなど。他も。。電位依存性チャネルの機能を制御。位置の制御も? === SUR === SURの説明。SURはATPase活性がある。KATPチャネルの基礎活性維持に重要である。SURは薬物の標的となっており、薬理学的、薬物治療学的にも重要である。SURの構造的なこと、薬物の標的としての役割も簡単に述べる。位置の制御も(ER retention signal関係) == おまけ? == HCN、CNG 構造的にKチャネルの中に分類されたりもするが、カリウムイオン選択性は高くない。 (ここで取り扱うかどうかは倉智先生、尾藤さんの判断にゆだねる。HCN、CNGは脳機能の中でも重要、HCNチャネルは電位依存性チャネル、CNGはリガンド依存性チャネルで出るのかな。。) = 活性調整 = == 神経伝達物質やシグナル伝達分子による制御 == === M current === 〇〇は、〇〇神経細胞からmuscarinの投与によって活性が抑制されるカリウム電流成分を報告し、M currentと名付けた。この神経伝達物質によって制御されるカリウム電流は不活性化があまり見られず、spikeの閾値などを制御に関与している。Kvチャネルに分類されるKCNQ2-3, Kv7.2, 7.3がその実体である。 このイオンチャネルは生体膜の脂質であるPIPによって活性が維持されている。またMuscarinによって活性が抑制される機構としては受容体の活性化に引き続く膜のPIP2の欠乏が重要な役割をしている。 PIP2との相互作用の話。B Hilleらの研究から引用。 M currentはKvチャネル。PIP2の制御は電位依存性を変える? PLCが重要な役割。機能制御機構にかんしてはDAGとかの関与などまだ諸説ある? === KCa current === Ca活性化カリウムチャネルは細胞質のカルシウム濃度上昇によって活性が増加するカリムチャネルである。シングルチャネルコンダクタンスの違いからBK(100-400 pS)、IK、SK(5-20 pS)と機能的に分類されている。BKチャネルは電位依存的に活性化され、Caの結合は活性化の電位依存性を左方シフトさせ開口しやすくする。IK、SKチャネルは電位依存的な活性化はせず、低濃度の細胞内Ca(100-600 nM)によって開口する。 神経細胞の活動電位後にはAfter hyperdepolarization (AHP)が観察される。Ca活性化カリウムチャネルは活動電位中に細胞内に流入したCaイオンによって活性化しAHPの形成に関与する。(竹島らのJPの結果も一文くらい書く) === sIPSC (GIRK current) === G蛋白質活性化カリウムチャネルはGbgとの結合によって活性化されるカリウム電流である。GABABRなどと機能的に共役し、抑制性シナプスにおいて観察される遅延性の抑制性シナプス後電流(sIPSC)を担う。 Kir3.xチャネルが構成サブユニットであるが、神経細胞においてはKir3.1+Kir3.2が主要な構成要素である。しかし生化学的にはKir3.3や心臓型のKir3.4サブユニットの発現も認められる。 === KATP current === (glucose感受性神経の話もこのあたりで) KATPチャネルは細胞内のATP濃度上昇によって機能阻害される。この機構は視床下部などで認められるいくつかの神経細胞で観察されるグルコース感受性の機構の一つであり、グルコース濃度上昇、ATP産生、KATPチャネル阻害、膜の脱分極、細胞興奮性の亢進がおこる。 == 膜電位による制御 == 膜電位の変化によってカリウムチャネルの活性化と不活性化が制御されている。特に脱分極によって活性化するカリウムチャネルを電位依存性カリムチャネルという。不活性化は電位に依存するというよりもイオンチャネルの開口やイオン透過に依存する。不活性化のカイネティクスはイオンチャネルの種類によって大きく異なり、活性化後直ぐに不活性化するために一過性にしかカリウム電流を流さないtransient-typeと、不活性化が殆どおこらないsustaind-typeに大別される。 === 早い活性化のK電流 === 早い活動電位発生。 === A current === 早い不活性化のK電流。発火頻度を制御。 海馬においては、A current 成分は電位依存性や薬物依存性(4-AP > TEA)Kv4サブユニットであると考えられる。小脳purkinje細胞においてはTEA ~ 4-APともに低濃度で阻害できるため、Kv3サブユニットかも知れない。 === delayed rectifier === 活性化が遅め。不活性化が弱い、遅い。速度論的な違いによってさらにIKsやIKrなど。 TEAによって阻害。海馬においては、susteined 成分は電位依存性や薬物依存性(TEA > 4-AP)Kv2サブユニットであると考えられる。 == 常時活性型 == === IKR current === 常時活性型。古典的IRK。静止膜電位、興奮性の制御。Kir2.1等。 === K2P current === 常時活性型。こちらも静止膜電位、興奮性の制御。いろいろな種類あり。 == リン酸化 == PKA, PKC, MAPKがKv4.2などdendric transient K channelをリン酸化、電位依存性を変える 。でもsustained typeはあまり制御が知られていない。 = 脳内分布とその機能 = == 中枢神経細胞 == Kv1, Kv2, Kv3, Kv4といったカリウムチャネルサブユニットの発現が神経細胞で認められている。カリウムチャネルはヘテロマルチマーとして構成されるので、その可能な組み合わせはサブユニットの数以上に膨大な数となる。小脳Purkinje cellにおいて、Kv1.2サブユニットは明らかなsomato-dendrite distributionをしているなど、位置が制御されていることはよく理解されているが、一般化して説明することは難しい。 === 細胞体 === 神経細胞の細胞体に発現するKチャネルの種類とその役割。 多種類のカリウムチャネル(delayed rectifier Kv2.1、delayed rectifier, M current Kv7.2など)がsomato-dendritic pattern に分付。 静止膜電位の維持、高周波発火の維持(A current)、発火頻度の決定(M current)、活動電位の閾値付近の興奮性制御(M current)やシナプス入力への応答(M current)など。 initial segmentはここ?発火の閾値を決める。発現しているチャネルの種類。 (大森先生らのinitial segment のイオンチャネルの可塑性。他の単語のページか) === 樹状突起 === 神経細胞の樹状突起に発現するKチャネルの種類とその役割。シナプス部位と、シャフトの部分を分けて記述。情報の処理。可塑性への関与も簡単に。 スパインのカリウムチャネル。Na活性化KチャネルがEPSPを構成する。 Cultured hippocampal neuronではSKチャネルがspineに局在している Ca-activated K channelの分布と機能。樹状突起の分枝部分にBKチャネル? Kir2.3が樹状突起に発現。静止膜電位の維持。 === 軸索 === 神経細胞の樹状突起に発現するKチャネルの種類とその役割。有髄神経と無髄神経。ランビエノードでの分付。跳躍伝導。 HodgkinとHuxleyはイカの巨大軸索でNa透過性に引き続くK透過性の亢進を計測。イオン仮説を立てた。ノーベル賞。有髄神経においてはランビエノードに局在。 I channel (current) N-type inactivation ない? Kv1.2, Kv1.1? 軸索のカリウムチャネルは高周波の神経発火に必要 シナプス前終末も。高橋研、他GのCalyxの話を要約。terminalか軸索か。 Kv7.2 KCNQ2はpresynaptic terminalに局在 == 末梢神経細胞 == 神経細胞と異なり特記すべきことがあればここに分けて記す。 == グリア細胞 == astrocyte, muller cell グリアタイプのカリウムチャネル。 KirチャネルとKvチャネルも?主にアストログリアの説明だが、microgliaや他のグリアも。Kv4, 3, 1, KChIPなどのA-type currentの発現、Kv4.3がsoma、Kv3.4がprocess? (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15738276)、 Kir2、Kir4、Kir5?.. Kir4.1血管周囲やシナプス周囲に多い(Higashi K, Fujita A, Inanobe A, Tanemoto M, Doi K, Kubo T, and Kurachi Y (2001) An inwardly rectifying K+ channel, Kir4.1, expressed in astrocytes surrounds synapses and blood vessels in brain. Am J Physiol Cell Physiol 281:C922-C931.) retinaのmuller cellにも多い (Ishii M, Horio Y, Tada Y, Hibino H, Inanobe A, Ito M, Yamada M, Gotow T, Uchiyama Y, and Kurachi Y (1997) Expression and clustered distribution of an inwardly rectifying potassium channel KAB-2/Kir4.1 on mammalian retinal Müller cell membrane: their regulation by insulin and laminin signals. J Neurosci 17:7725–7735.) K buffering アストロサイトのカリウムチャネルは静止膜電位の維持とカリウムの恒常性維持(カリウムバッファリング)に関与している (End feet of retinal glial cells have higher densities of ion channels that mediate K buffering. Nature (Lond) 324:466 – 468.) = 位置制御機能、他の分子との相互作用 = == 裏打ち「蛋白質」との結合 == 主にPDZ蛋白質との結合の話。SURなどもここでもう一度? == 「脂質」との結合 == ラフトなどへの局在の話。 = 病気との関連 = チャネル病 癲癇? = 薬理学 = (薬物治療の観点ではなく、基礎的な情報として) == Kvチャネル阻害薬 == === TEA, 4-AP、アミロライド === KvチャネルのポアブロッカーとしてTEAなどがある。チャネルの構造活性相関の研究でよく使われた。異なる薬物感受性がイオンチャネル機能解析に利用された。電気生理学的実験にもよく用いられる。 === hanatoxin === Kvチャネルの電位依存性を変える。電位センサードメインが結合部位。 == KCaチャネル阻害薬 == === KCaチャネルの阻害薬 === BKチャネルはCharybdotoxin(ChTx)やTEAによってブロックされる。またSKチャネルはApaminによって強力にブロックされる。 === 1-EBIO、KCaチャネルのCa作用増強薬 === KCaチャネルの開口薬opener。1-EBIO。Ca感受性を増強。 他にもいっぱいある。。 http://www.tocris.com/pharmacologicalBrowser.php?ItemId=47689 == K2P (Kir)阻害薬、活性化薬 == === 麻酔薬 === 吸引性麻酔薬の標的がカリウムチャネルではないかという報告がある === アルコール === アルコールがカリウムチャネル機能を制御するという報告がある == 中枢神経作動薬のKチャネルへの作用 == 中枢神経系作動薬(ハロペリドールなどの抗精神病薬やフロキセチンなどの抗うつ薬など)には副作用としてカリウムチャネルに作用するものもある。薬物治療への関与は未解明。 = 参考文献 =
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