シンタキシンのソースを表示
←
シンタキシン
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
<div align="right"> <font size="+1">[http://researchmap.jp/tnishiki/?lang=japanese 西木 禎一]</font><br> ''岡山大学 大学院 医歯薬学総合研究科 細胞生理学分野''<br> DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2015年12月22日 原稿完成日:2015年月日<br> 担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](国立研究開発法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> </div> 英語名:syntaxin 英略語:STX 同義語:p35, HPC-1, synaptocanalin {{box|text= シンタキシンは、細胞内[[小胞輸送]]において膜の融合に関わるタンパク質ファミリーおよびそのメンバーである。[[ヒト]]を含む哺乳動物では、少なくとも19種類のアイソフォームが同定されている。シンタキシンファミリーメンバーの大部分が脳にも発現しているが、この項ではニューロンの機能の大きな特徴である神経伝達物質の放出を担うアイソフォーム1について述べる。}} {{Pfam_box | Symbol = シンタキシン | Name = シンタキシン | image = 1br0.pdb | width = | caption = シンタキシン1AのN末端領域<ref name=ref1></ref> | Pfam = PF00804 | InterPro = IPR006011 | SMART = SM00503 | PROSITE = | SCOP = 1br0 | TCDB = | OPM family = 218 | OPM protein = 3hd7 | PDB = {{PDB2|1br0}}, {{PDB2|1ez3}}, {{PDB2|1fio}}, {{PDB2|1hs7}}, {{PDB2|1s94}} }} == シンタキシンとは == シンタキシン1は、[[シナプス小胞]]タンパク質[[シナプトタグミン]]と結合する分子量約35,000の内在性[[膜タンパク質]]p35Aおよびp35Bとして[[ラット]]脳可溶化画分から同定された<ref name=ref2><pubmed> 1321498 </pubmed></ref>。両者は異なる遺伝子によりコードされているが、どちらも288個のアミノ酸からなり、その配列は約80%の相同性をもつ。[[シナプス]]小胞のドッキングと[[開口放出]]に関わるとの予測から、「順番に整理して一緒に並べること」を意味する古代ギリシャ語σψνταξισ (syntaxis) にちなみシンタキシンsyntaxinと命名された。ほぼ同時期に複数のグループにより同定されたので、HPC-1<ref><pubmed>1587842 </pubmed></ref>あるいはsynaptocanalin<ref><pubmed>9137572</pubmed></ref>とも呼ばれる。 シンタキシンファミリーは、[[SNARE]] ([[soluble ''N''-etylmaleimide sensitive fusion protein attachment protein receptor]]の略) と総称される[[膜融合]]関連タンパク質スーパーファミリーの一員でもある。SNAREは、輸送小胞に局在する[[v-SNARE]] (vはvesicularのv) と標的膜に存在する[[t-SNARE]] (tはtarget-membraneのt) の2種類に大別される<ref><pubmed>8455717</pubmed></ref>。シンタキシン1はその局在(後述)からt-SNAREに属するとともに、SNAREモチーフの中央に[[グルタミン]]残基を持つことから、そのアミノ酸一文字表記にならい[[Q-SNARE]]とも分類される<ref><pubmed>9861047</pubmed></ref>。 == 構造 == [[ファイル:Syntaxin Fig1.png|300px|サムネイル|右|'''図1. シンタキシンのドメイン構造''']] シンタキシン1は、4つのドメインがリンカーでつながれた構造をしている(図1)。アミノ末端のNペプチドモチーフ(1-19)は、[[Munc-18]]との結合に関わる(後述)<ref><pubmed>21139055</pubmed></ref>。二番目のHabcと呼ばれるドメイン(~27-146)では、3本の[[wikipedia:ja:αへリックス|αへリックス]]が逆平行に結合し束になっている<ref name=ref1><pubmed>9753330</pubmed></ref><ref><pubmed>10913252</pubmed></ref>。Habcに続くリンカーは非常にフレキシブルで<ref><pubmed>12680753</pubmed></ref>、Habcは次のH3ドメインに折り重なることよりSNARE複合体の膜融合能を制御する負の調節ドメインとして働く<ref><pubmed>10535962</pubmed></ref>。 シンタキシン1のカルボキシ末端側3分の1は、膜融合能を発揮するのに必要最小限の領域である。SNAREモチーフを含むH3ドメイン(~185-254)は、SNAP-25ならびに[[シナプトブレビン]]と結合し、膜融合能をもつSNARE複合体を形成する<ref><pubmed>9100028</pubmed></ref>。続く膜貫通ドメイン(266-288)は、[[細胞膜]]に埋め込まれているが貫通はしない<ref><pubmed>12761168</pubmed></ref>。これら両ドメインを含む組換えフラグメントを全長のSNAP-25ととともに再構成した人工脂質小胞は、シナプトブレビンを再構成した人工脂質小胞と自発的に融合する<ref><pubmed>9529252</pubmed></ref>。 単量体なシンタキシン1は、活性化状態と不活性状態を移行する<ref><pubmed>14668446</pubmed></ref>。活性化状態では、HabcとH3が解離したいわゆる開いた構造をとり、SNAP-25およびシナプトブレビンと結合できる。これに対し、HabcがH3に折り重なった閉じた構造になると不活性型となり、SNARE複合体を形成できない<ref><pubmed>18458823</pubmed></ref><ref><pubmed>10449403 </pubmed></ref>。 == 生体内および細胞内分布 == シンタキシン1は神経系に特異的に発現する。組織染色において[[大脳皮質]]、[[海馬]]、[[小脳]]、[[脊髄]]、[[網膜]]のシナプスが豊富な領域に観察される<ref><pubmed>8361334</pubmed></ref>。[[有郭乳頭味蕾]]<ref><pubmed>17447252</pubmed></ref>、[[蝸牛]]内の[[コルチ器]]<ref><pubmed>10103074</pubmed></ref>、[[松果体]]細胞<ref><pubmed>8593674</pubmed></ref> にも存在する。神経系だけでなく、発生学的にニューロンと同じ外胚葉由来の[[副腎髄質]]にも発現している<ref><pubmed>7818508</pubmed></ref>。[[中枢神経系]]および[[末梢神経系]]の両方において、1Aと1Bの分布は異なる<ref><pubmed>10197765</pubmed></ref> <ref><pubmed>8996803</pubmed></ref>。 ニューロンにおいてシンタキシン1は、主に[[シナプス前膜]]を含む細胞膜内面に局在する一方、シナプス小胞膜にも認められる<ref><pubmed>8301329</pubmed></ref><ref><pubmed>7698978</pubmed></ref><ref><pubmed>23821748 </pubmed></ref>。小脳皮質においては、ほとんどの[[グルタミン酸]]作動性終末と、一部の[[GABA]]作動性シナプスに局在する<ref><pubmed>22094010 </pubmed></ref>。その他にも、[[視索上核]]の[[オキシトシン]]ニューロンでは[[軸索終末]]だけでなく[[細胞体]]や[[樹状突起]]に発現が見られるとともに<ref><pubmed>21988098</pubmed></ref>、[[ヒヨコ]]の[[毛様体神経節]]のHeld杯状シナプス前部<ref><pubmed>15102922</pubmed></ref>、[[カエル]]の[[運動神経終末]]<ref><pubmed>8963446</pubmed></ref>にも存在する。[[アストロサイト]]にも発現している<ref><pubmed>9098527</pubmed></ref><ref><pubmed>21656854</pubmed></ref>。 == 翻訳後修飾 == シンタキシン1は、[[PKC]]および[[CaMKII]]<ref><pubmed>8876242</pubmed></ref><ref><pubmed>9930733</pubmed></ref> 、[[カゼインキナーゼ1]]および[[カゼインキナーゼ2|2]]<ref><pubmed> 11846792</pubmed></ref><ref name=ref2></ref><ref><pubmed> 9930733 </pubmed></ref><ref><pubmed> 10844023 </pubmed></ref><ref><pubmed> 15822905 </pubmed></ref>により[[リン酸化]]される。[[PKA]]については議論が分かれている<ref><pubmed> 8876242 </pubmed></ref><ref><pubmed>9930733 </pubmed></ref>。リン酸化以外に、[[ニトロ化]]<ref><pubmed> 10913827 </pubmed></ref>、[[Sニトロシル化]]<ref><pubmed> Palmer, Biochem J 413:479, 2008</pubmed></ref>、[[パルミトイル化]]<ref><pubmed> 19508429 </pubmed></ref>を受け、[[ユビキチン]]-[[プロテアソーム]]経路により分解される<ref><pubmed>12121982</pubmed></ref>。 == 結合タンパク質 == ''in vitro''においてシンタキシン1は、約50種類ものタンパク質と結合することが示されている。ここでは、神経伝達物質の放出に関与しているものを中心に取上げる。 === SNARE(SNAP-25およびシナプトブレビン) === シンタキシン1は、同じくt-SNAREであるSNAP-25と自身のH3ドメインを介し結合する<ref><pubmed>9100028</pubmed></ref>。会合比により2種類の複合体が存在する。1:1で結合したt-SNAREヘテロニ量体は、v-SNAREである[[シナプトブレビン]](別名VAMP)と結合しSNARE複合体を形成する。一方、シンタキシン二分子にSNAP-25が一分子結合した2:1複合体(通称)は、シナプトブレビンと結合できない<ref><pubmed>9346956</pubmed></ref>。したがって、[[シナプス前終末]]の放出部位では、別の分子により1:1複合体の状態が維持されていると予想される。 [[ファイル:Syntaxin Fig.png|300px|サムネイル|右|'''図2. 開口放出前に形成されるSNARE複合体の立体構造模式図''' <br>シンタキシンは赤で描いている。緑はSNAP-25を、青はシナプトブレビンをそれぞれ示す。明らかにされているSNARE複合体とHabcドメインの立体構造に、膜貫通ドメインを表す円柱とリンカー等を表す点線を書き加えた。]] シンタキシン1、SNAP-25、およびシナプトブレビンが1:1:1の比で結合したSNARE複合体は、[[wikipedia:ja:コイルドコイル構造|コイルドコイル構造]]をもつ<ref><pubmed>9759724</pubmed></ref>。よく目にするシナプス小胞膜と[[シナプス前]]膜との間で形成されているSNARE複合体の模式図は、シンタキシンのH3ドメインとSNAP-25およびシナプトブレビンの細胞質フラグメントからなる複合体の立体構造解析結果に膜貫通領域などを描き足したものである(図2)。組織を可溶化した後などに溶液中に存在するSNARE複合体は強固に結合しており、強力な[[wikipedia:ja:界面活性剤|界面活性剤]]に対しても耐性を持ち、[[wikipedia:ja:SDS|SDS]]存在下でも煮沸しない限り解離しない<ref><pubmed>7957071</pubmed></ref>。 === シナプトタグミン === シンタキシン1は、H3ドメインを介して神経伝達物質放出のカルシウムイオンセンサーの最有力候補[[シナプトタグミン1]]と結合する<ref><pubmed>18275379</pubmed></ref><ref><pubmed>22068972</pubmed></ref>。カルシウムイオン非存在下では、シナプトタグミンのC<sub>2</sub>Bドメインと結合する<ref><pubmed>12496268</pubmed></ref><ref><pubmed>22008253 </pubmed></ref>。[[wikipedia:ja:大腸菌|大腸菌]]で発現させた組換えタンパク質同士の結合は、結合実験に用いるフラグメントの大きさや付加するタグによって、特にカルシウムイオンの要求性に、大きな影響を受ける<ref><pubmed>8604041</pubmed></ref>。ある条件下ではシンタキシン1とシナプトタグミン1の結合はカルシウム依存性であり<ref><pubmed>7791877</pubmed></ref>、シナプトタグミンのC<sub>2</sub>Aドメインへのカルシウムイオンの結合が必須である<ref><pubmed>9010211</pubmed></ref>。しかし、C<sub>2</sub>Aのカルシウム結合能を欠失させた変異シナプトタグミンを発現させたニューロンで神経伝達物質の放出に異常が認められないことから<ref><pubmed>12110845</pubmed></ref>、シンタキシンとシナプトグミンのカルシウム依存性結合の伝達物質放出における意義は不明である。 ===コンプレキシン === シンタキシンは、[[コンプレキシン]](別名[[シナフィン]])とH3を介して結合する<ref><pubmed>7553862</pubmed></ref><ref><pubmed>9302098</pubmed></ref>。コンプレキシンは、SNARE複合体による膜融合を一時停止させる役割を持つとされるシナプス前終末タンパク質である<ref><pubmed>19164740</pubmed></ref>。コンプレキシンの中央部分とSNARE複合体の結合状態の立体構造が明らかにされている<ref><pubmed>11832227</pubmed></ref>。 === Munc-18 === 小胞のドッキングあるいはプライミングに関与する[[Munc-18]](別名n-Sec1)のシンタキシンへの結合は、当初SNARE複合体の形成を阻害するとされていた<ref><pubmed>8247129</pubmed></ref><ref><pubmed>8108429</pubmed></ref>。これは、単純化された結合実験において、シンタキシン1のNペプチドにMunc18が結合している時はその閉構造が安定化し<ref><pubmed>23561535</pubmed></ref>、SNAP-25と結合できないためである<ref><pubmed>18337752</pubmed></ref> 。しかしその後、Munc-18と結合したシンタキシン1でも[[Munc-13]]存在下では開構造へと変形し<ref><pubmed>10366611</pubmed></ref>、SNARE複合体を形成できることが明らかにされた(後述)<ref><pubmed>17002520</pubmed></ref><ref><pubmed>17301226</pubmed></ref><ref><pubmed>17264080</pubmed></ref>。このように、Munc-18は、シンタキシン1の開閉構造に応じた二種類の結合様式でモノメリックなシンタキシン1とSNARE複合体中のシンタキシン1の両方に結合することができる。シンタキシン1とMunc-18の結合は、両者のリン酸化<ref><pubmed>8631738</pubmed></ref><ref><pubmed>9478941</pubmed></ref><ref><pubmed>12730201</pubmed></ref><ref><pubmed>19748891</pubmed></ref>や、[[アラキドン酸]]<ref><pubmed>17363971</pubmed></ref>および[[スフィンゴシン]]<ref><pubmed>19390577</pubmed></ref>により制御される。シンタキシンとMunc-18の複合体の立体構造も明らかにされている<ref><pubmed>10746715</pubmed></ref> 。 === Munc-13 === Munc-13は、シンタキシンを閉構造から開構造へ変換することで、Munc18と結合したシンタキシンをSNARE複合体が形成できるようにする<ref><pubmed>17645391</pubmed></ref><ref><pubmed>21499244</pubmed></ref>。このタンパク質間相互作用は、シナプス小胞のドッキングおよび[[プライミング]]に関与しているとされている<ref><pubmed>18250196 </pubmed></ref><ref><pubmed>11460165</pubmed></ref>。 === [[カルシウムチャネル]] === シンタキシンは多様な[[カルシウムチャネル]]と結合する<ref><pubmed>10212477</pubmed></ref> <ref><pubmed>10414292</pubmed></ref> <ref><pubmed>12832834</pubmed></ref> 。中でも[[N型カルシウムチャネル]]との結合は良く調べられていて<ref><pubmed>8119979</pubmed></ref><ref><pubmed>1334074</pubmed></ref>、チャネルの細胞質内ループ中のシンプリントsynprintと呼ばれる部位とシンタキシンのNペプチドがカルシウムイオン濃度依存性に結合する<ref><pubmed>7993624</pubmed></ref><ref><pubmed>12221094</pubmed></ref><ref><pubmed>8559250</pubmed></ref>。また、これとは別にシンタキシンの膜貫通領域とその直前の細胞質領域が調節に関与している<ref><pubmed>11087812</pubmed></ref>。[[Gタンパク質]]によるカルシウムチャネルの機能調節は、シンタキシンと[[Gβ|G<sub>β</sub>]]と[[Gγ|G<sub>γ</sub>]]からなるヘテロ二量体との直接結合により促進される<ref><pubmed>10692440</pubmed></ref>。 その他にもシンタキシンは、[[アミシン]]、[[α-ホドリン]]、[[α-SNAP]]、[[CAPS]]、[[CaMKII]]、[[CCCrel-1]]、[[CSP]] ([[cysteine-string protein]]) 、[[D53]]、 [[DAP]]([[death-associated protein]]) キナーゼ、[[DCC]] ([[deleted in colorectal cancer]])、[[グラニュフィリン]]、[[HSP70]]、[[IP3受容体|IP<sub>3</sub>受容体]]、[[Mチャネル]]、[[RACK1]] ([[the receptor for activated C kinases]])、 [[PRIP]] ([[phospholipase C-related but catalytically inactive protein]])、[[プレセニリン-1]]、[[スタリング]]、[[シンコリン]]、[[シンタブリン]]、[[シンタフィリン]]、[[タキシリン]]、[[トモシン]]、[[VAP-A]]、ある種の[[Kチャネル]]、[[オトフェリン]]、各種伝達物質トランスポーター、クラス[[C-Vps複合体]]、シナプトブレビン、[[ダイナミン]]、[[チューブリン]]、あるいは[[ミオシンVa]]と結合する。 == 機能 == シナプス前膜に存在するシンタキシン1は、[[エンドサイトーシス]]を含め<ref><pubmed>23643538</pubmed></ref>シナプス小胞の循環のいくつかの過程に直接または間接的に関わる。その中でもカルシウム依存性の小胞[[開口放出]]過程における役割について最も研究が進んでおり、シンタキシン1はシナプス前膜と小胞膜との間でSNAP-25およびシナプトブレビンとSNARE複合体を形成し、両方の膜を限りなく近づけて融合させ神経伝達物質を開口放出させると考えられている<ref><pubmed>10219238</pubmed></ref>。マウスの[[内耳有毛細胞]]からの伝達物質放出には関与しないという例外はあるが<ref><pubmed>21378973</pubmed></ref>、実験材料として使われる多くの神経標本および開口放出のモデル細胞における伝達物質放出にはシンタキシン1が必須である<ref><pubmed>7818508</pubmed></ref><ref><pubmed>7609887</pubmed></ref><ref><pubmed>9692742</pubmed></ref><ref><pubmed>7612024</pubmed></ref><ref><pubmed>9342384</pubmed></ref>。 シンタキシン1は、開口放出に先立ちシナプス小胞や[[有芯小胞]]を放出部位へドッキングさせる。実際、カエルの[[神経筋接合部]]<ref><pubmed>14622203</pubmed></ref>ならびに[[副腎髄質]][[クロマフィン細胞]]<ref><pubmed>17205130</pubmed></ref>においてシンタキシンを切断あるいは破壊すると小胞のドッキングが阻害される。一方、ニューロン間のシナプスではシンタキシンの機能を阻害してもドッキングに影響はない<ref><pubmed>14622203</pubmed></ref><ref><pubmed>17205130</pubmed></ref><ref><pubmed>9342384</pubmed></ref>。 刺激に応じた小胞の開口放出はカルシウム依存性だが、シンタキシン1を含むSNAREにはカルシウムイオン結合能はない。しかし、シンタキシン自身は、カルシウムチャネルへの結合を介して小胞を放出部位へドッキングさせる<ref><pubmed>18060067</pubmed></ref>。一方で、カルシウムチャネルの機能を抑制することから<ref><pubmed>8524397</pubmed></ref><ref><pubmed>10548106</pubmed></ref>、伝達物質放出のカルシウムイオンによる制御において相反する二種類の働きを併せ持つ<ref><pubmed>17215385</pubmed></ref>。 それ以外にも、開口放出時に形成されると考えられているフュージョンポアへの関与<ref><pubmed>15016962</pubmed></ref> 、[[神経突起]]の伸長<ref><pubmed>8698815</pubmed></ref><ref><pubmed>10900079</pubmed></ref><ref><pubmed>21593320</pubmed></ref>、[[学習]]と[[記憶]]に関与する可能性<ref><pubmed>8921297 </pubmed></ref><ref><pubmed>9200718</pubmed></ref><ref><pubmed>9749751</pubmed></ref><ref><pubmed>20563839</pubmed></ref>が示唆されている。 == 疾患との関わり == [[ボツリヌス中毒]]の主な症状である[[弛緩性麻痺]]は、運動神経終末からの[[アセチルコリン]]の放出阻害による。これは、中毒の原因である[[ボツリヌス菌]]が産生する[[毒素]]のもつ[[タンパク質分解酵素]]活性によるSNAREの切断に起因する。7種類存在する[[ボツリヌス毒素]]の中、[[C型毒素]]はシンタキシ1をカルボキシ末端付近の1箇所、[[リシン]]残基と[[アラニン]]残基(1Aでは253番目と254番目、1Bでは252番目と253番目)の間で切断する<ref><pubmed>7901002</pubmed></ref><ref><pubmed>7737992</pubmed></ref>。 中枢ならびに末梢神経系疾患との関連性も示唆されている。[[統合失調症]]<ref><pubmed>15219469</pubmed></ref><ref><pubmed>19748077</pubmed></ref><ref><pubmed>21669024</pubmed></ref>、[[高機能自閉症]]<ref><pubmed>18593506</pubmed></ref>、[[脳虚血]]後<ref><pubmed>19344701</pubmed></ref>においてシンタキシン1の発現量が増加していることが報告されている。[[末梢神経障害]]による[[異痛症]]にシンタキシン1の発現低下が関与している可能性も言われている<ref><pubmed>21129445</pubmed></ref>。 == 遺伝子操作動物 == シンタキシン1Aの[[ノックアウトマウス]]は生育可能だが、[[恐怖条件づけ]]記憶の阻害に加え、[[セロトニン]]作動性神経系の異常と考えられる行動異常と[[視床下部-下垂体-副腎系]]の機能不全を呈す<ref><pubmed>16723534</pubmed></ref><ref><pubmed>20576034</pubmed></ref><ref><pubmed>21910766</pubmed></ref>。 これに対し、シンタキシン1Bのノックアウトマウスは生後2週間までしか生存できず、グルタミン酸あるいはGABAの放出においてシナプス小胞の正常な開口放出と[[即時放出可能プール]]の形成が阻害されている<ref><pubmed>24587181</pubmed></ref>。恒常的に開構造をとる変異シンタキシン1B遺伝子を強制発現させた[[ノックインマウス]]は生育可能だが、2-3ヶ月齢で全身[[痙攣]]を呈し死にいたる<ref><pubmed>18703708</pubmed></ref>。[[ショウジョウバエ]]では、遺伝子破壊体<ref><pubmed>7834751</pubmed></ref><ref><pubmed>7546745</pubmed></ref><ref><pubmed>10433270</pubmed></ref><ref><pubmed>11095753</pubmed></ref>、[[温度感受性変異体]]<ref><pubmed>9728921</pubmed></ref>、SNAREモチーフ中に変異を導入した変異体<ref><pubmed>11717347</pubmed></ref>が作製されており、いずれもシナプス伝達が著しく阻害されている。 == 関連項目 == *[[SNAP-25]] *[[SNARE複合体]] *[[エクソサイトーシス]] *[[コンプレキシン]] *[[シナプス顆粒]] *[[シナプス前終末]] *[[シナプトタグミン]] *[[シナプトブレビン]] *[[ボツリヌス毒素]] *[[膜融合]] *[[有芯顆粒]] == 参考文献 == <references />
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Box
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Infobox
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Infobox protein family
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Main other
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Pfam box
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Template other
(
ソースを閲覧
)
モジュール:Infobox
(
ソースを閲覧
)
モジュール:InfoboxImage
(
ソースを閲覧
)
モジュール:Navbar
(
ソースを閲覧
)
シンタキシン
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
日本語
表示
閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
索引
脳科学辞典について
最近完成した項目
編集履歴
執筆にあたって
引用の仕方
著作権について
免責事項
問い合わせ
各学会編集のオンライン用語辞典
About us (in English)
Twitter (BrainScienceBot)
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
特別ページ
ページ情報
他のプロジェクト