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グリシンはタンパク質を構成するアミノ酸の中でも最も単純な構造を持っており、不斉炭素を持たないため、D体や L 体といった立体異性体が存在しない。中枢神経系においては、GABAとともに抑制性シナプス伝達を担うが、NMDA型グルタミン酸受容体に結合してその機能を上昇させることから、興奮性伝達にも重要な役割を果たしている。グリシンは、主に脊髄や脳幹においてGABAとともに抑制性神経伝達物質として働くが、大脳皮質などの上位中枢では抑制性シナプス伝達はGABAが担っている。 | グリシンはタンパク質を構成するアミノ酸の中でも最も単純な構造を持っており、不斉炭素を持たないため、D体や L 体といった立体異性体が存在しない。中枢神経系においては、GABAとともに抑制性シナプス伝達を担うが、NMDA型グルタミン酸受容体に結合してその機能を上昇させることから、興奮性伝達にも重要な役割を果たしている。グリシンは、主に脊髄や脳幹においてGABAとともに抑制性神経伝達物質として働くが、大脳皮質などの上位中枢では抑制性シナプス伝達はGABAが担っている。 | ||
グリシンは、食事から摂取する他、生体内でもいくつかの経路で合成される。生体内では、1)グリオキシル酸とグルタミン酸からグリシントランスアミナーゼの作用により合成され、2)グルタミン酸デカルボキシラーゼ、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによって葉酸依存性にセリンから合成される。また、3)トレオニン(threonine)の異化や、4)コリンの代謝によってもグリシンが生成する。 | グリシンは、食事から摂取する他、生体内でもいくつかの経路で合成される。生体内では、1)グリオキシル酸とグルタミン酸からグリシントランスアミナーゼの作用により合成され、2)グルタミン酸デカルボキシラーゼ、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによって葉酸依存性にセリンから合成される。また、3)トレオニン(threonine)の異化や、4)コリンの代謝によってもグリシンが生成する。 | ||
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(執筆者:江藤圭、石橋仁、鍋倉淳一 担当編集者:柚崎通介) |