「内側視索前野」の版間の差分
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
1行目: | 1行目: | ||
脳の腹側部、[[前交連]]の尾側から[[視交叉]]までの[[第三脳室]]最吻側部を囲む領域をいう。(項目の内容全体の要約を御願い致します。) | |||
== 発生 == | == 発生 == | ||
主な[[ニューロン]]は第三脳室壁から発生する。3[[脳胞]]のうち[[前脳]]forebrainの尾側端に由来するので、発生学的には[[終脳]]telencephalonに属するが、[[脳原基]]の部域化に関わる多くの[[転写因子]]やシグナル分子が[[視床下部]]と共通で、機能的にも関連が深いことから、時に[[間脳]]diencephalonである視床下部の最吻側部とされる(文献を御願い致します)。ニューロンの化学的性質、[[受容体]]発現、コネクトーム(プロテオーム、あるいはトランスクリプトームでしょうか?)も視床下部との共通点が多い(文献を御願い致します)。 | |||
第三脳室壁から発生するニューロンに加え、[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]](Kallmann症候群はヒトですが、GnRHホルモンが移行するのは齧歯類に限定されるのでしょうか?)では[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]](gonadotropin releasing hormone, GnRH)産生ニューロンが[[鋤鼻器]]原基に発生し視索前野に進入する(文献を御願い致します)。低ゴナドトロピン性[[性腺機能不全]]と[[無嗅覚症]]を主徴とするヒトのKallmann症候群は、Xp22.3上の[[KAL-1]]遺伝子の異常によりこの移動が妨げられた結果である(文献を御願い致します)。 | |||
== 構造 == | |||
明確な核構造は存在しないが、内・外側、中央部、背・腹側に大別され、幾つかの細胞集積がある(文献を御願い致します)。 | |||
[[性ホルモン]]を始め末梢のホルモン、[[サイトカイン]][[受容体]]を持つニューロンが多数分布し、第三脳室壁に接する[[エストロゲン]]受容体陽性ニューロンの集積は前室周囲核(このパラグラフの1行目の分類には無いようです。内・外側、中央部、背・腹側とどのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれ、[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]に不可欠である(文献を御願い致します)。前室周囲核はラット、マウスでは雌で雄より大きい(文献を御願い致します)。 | |||
視索前野の中央には雄で大きい視索前野の性的二型核(これもパラグラフの1行目の分類には無いようです。どのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれる細胞集積がヒトを含む多数の動物種で認められ、性的指向(嗜好でしょうか?)性に関わるとされる(文献を御願い致します)。 | |||
共に遺伝的性別に関わりなく、脳の形態形成の途上の性ホルモン作用(男性ホルモンでしょうか?)により雄型となる(文献を御願い致します)。 | |||
== 入出力 == | == 入出力 == | ||
===入力=== | |||
[[扁桃核]]から[[分界条]]経由で、あるいは[[海馬]]から[[脳弓]]を経て多数の経シナプス性入力を受ける。[[迷走神経]]求心枝や[[味覚]]に関わる[[脳神経]]入力は[[孤束核]]を経てこの部位に届く。 | |||
===出力=== | |||
GnRHニューロンは[[正中隆起]]の[[下垂体門脈]]第一次血管叢に軸索を終わる。[[情動]]や[[自律機能]]調節に関わるニューロンは、[[内側前脳束]]を通り[[中脳]][[中心灰白質]]、[[腹側被蓋野]]、[[中脳運動領域]]に至る下行性投射に加え、[[マイネルト核]]と呼ばれる[[コリン]]作動性ニューロンの集積から[[大脳皮質]]へ広汎な上行性投射を送るものがある。 | |||
左右の結合は[[前交連]]による。 | |||
== 機能 == | == 機能 == | ||
刺激により[[wikipedia:ja:心拍|心拍]]減少、[[wikipedia:ja:血圧|血圧]]降下、[[wikipedia:ja:膀胱|膀胱]]収縮、[[体温調節の神経回路|体温]]低下、[[wikipedia:ja:発汗|発汗]]が起こる(文献を御願い致します)。散熱には[[温感受性ニューロン]]が関わる(文献を御願い致します)。産熱に関わる[[冷感受性ニューロン]]も存在する(文献を御願い致します)。腹外側部に分布する[[γアミノ酪酸]](GABA)や[[ガラニン]]作動ニューロンは[[non-REM睡眠]]を起こす(文献を御願い致します)。 | |||
上行性中脳辺縁[[ドーパミン]]作動性投射からの入力は[[摂食]]・[[性行動]]などの動機付けに関与する(文献を御願い致します)。この部位の破壊により雄[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]は雌の発情状態を弁別できず、雌に対する関心を失う(文献を御願い致します)。被破壊雌は雄を忌避するが、性行動の一要素である[[ロードーシス]]反射は中脳を介する抑制系が除去され亢進する(文献を御願い致します)。[[血管内皮]]で産生され脳内に拡散する[[プロスタグランジンE2]]による散熱反応(文献を御願い致します)、[[オキシトシン]]による[[養育行動の神経回路|養育行動]]発現(文献を御願い致します)、[[ソマトスタチン]]によるGnRHニューロン抑制(文献を御願い致します)など非シナプス性調節も多い。 | |||
==関連項目== | |||
(もしございましたら、ご指摘下さい) | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == |
2012年6月14日 (木) 22:16時点における版
脳の腹側部、前交連の尾側から視交叉までの第三脳室最吻側部を囲む領域をいう。(項目の内容全体の要約を御願い致します。)
発生
主なニューロンは第三脳室壁から発生する。3脳胞のうち前脳forebrainの尾側端に由来するので、発生学的には終脳telencephalonに属するが、脳原基の部域化に関わる多くの転写因子やシグナル分子が視床下部と共通で、機能的にも関連が深いことから、時に間脳diencephalonである視床下部の最吻側部とされる(文献を御願い致します)。ニューロンの化学的性質、受容体発現、コネクトーム(プロテオーム、あるいはトランスクリプトームでしょうか?)も視床下部との共通点が多い(文献を御願い致します)。
第三脳室壁から発生するニューロンに加え、齧歯類(Kallmann症候群はヒトですが、GnRHホルモンが移行するのは齧歯類に限定されるのでしょうか?)では性腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone, GnRH)産生ニューロンが鋤鼻器原基に発生し視索前野に進入する(文献を御願い致します)。低ゴナドトロピン性性腺機能不全と無嗅覚症を主徴とするヒトのKallmann症候群は、Xp22.3上のKAL-1遺伝子の異常によりこの移動が妨げられた結果である(文献を御願い致します)。
構造
明確な核構造は存在しないが、内・外側、中央部、背・腹側に大別され、幾つかの細胞集積がある(文献を御願い致します)。
性ホルモンを始め末梢のホルモン、サイトカイン受容体を持つニューロンが多数分布し、第三脳室壁に接するエストロゲン受容体陽性ニューロンの集積は前室周囲核(このパラグラフの1行目の分類には無いようです。内・外側、中央部、背・腹側とどのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれ、排卵に不可欠である(文献を御願い致します)。前室周囲核はラット、マウスでは雌で雄より大きい(文献を御願い致します)。
視索前野の中央には雄で大きい視索前野の性的二型核(これもパラグラフの1行目の分類には無いようです。どのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれる細胞集積がヒトを含む多数の動物種で認められ、性的指向(嗜好でしょうか?)性に関わるとされる(文献を御願い致します)。
共に遺伝的性別に関わりなく、脳の形態形成の途上の性ホルモン作用(男性ホルモンでしょうか?)により雄型となる(文献を御願い致します)。
入出力
入力
扁桃核から分界条経由で、あるいは海馬から脳弓を経て多数の経シナプス性入力を受ける。迷走神経求心枝や味覚に関わる脳神経入力は孤束核を経てこの部位に届く。
出力
GnRHニューロンは正中隆起の下垂体門脈第一次血管叢に軸索を終わる。情動や自律機能調節に関わるニューロンは、内側前脳束を通り中脳中心灰白質、腹側被蓋野、中脳運動領域に至る下行性投射に加え、マイネルト核と呼ばれるコリン作動性ニューロンの集積から大脳皮質へ広汎な上行性投射を送るものがある。
左右の結合は前交連による。
機能
刺激により心拍減少、血圧降下、膀胱収縮、体温低下、発汗が起こる(文献を御願い致します)。散熱には温感受性ニューロンが関わる(文献を御願い致します)。産熱に関わる冷感受性ニューロンも存在する(文献を御願い致します)。腹外側部に分布するγアミノ酪酸(GABA)やガラニン作動ニューロンはnon-REM睡眠を起こす(文献を御願い致します)。
上行性中脳辺縁ドーパミン作動性投射からの入力は摂食・性行動などの動機付けに関与する(文献を御願い致します)。この部位の破壊により雄ラットは雌の発情状態を弁別できず、雌に対する関心を失う(文献を御願い致します)。被破壊雌は雄を忌避するが、性行動の一要素であるロードーシス反射は中脳を介する抑制系が除去され亢進する(文献を御願い致します)。血管内皮で産生され脳内に拡散するプロスタグランジンE2による散熱反応(文献を御願い致します)、オキシトシンによる養育行動発現(文献を御願い致します)、ソマトスタチンによるGnRHニューロン抑制(文献を御願い致します)など非シナプス性調節も多い。
関連項目
(もしございましたら、ご指摘下さい)
参考文献
(執筆者:佐久間康夫 担当編集委員:藤田一郎)