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成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった<ref><pubmed> 11750177 </pubmed></ref>。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 | 成人以降、神経細胞が増殖することはなく、減るばかりであると信じられていたが、成人でも[[海馬]][[歯状回]][[顆粒細胞層]]、[[脳室下帯]]で神経細胞が幹細胞から増殖・分化していることが1990年代に明らかになった。特に海馬歯状回における[[神経新生]]は[[ストレス]]や[[副腎皮質ホルモン]]で減少し、抗うつ薬の慢性投与や[[電気けいれん療法]]の反復で増加することが実験的に明らかになり、神経新生は抗うつ薬の作用機序として注目されるようになった<ref><pubmed> 11750177 </pubmed></ref>。うつ病の動物モデルでは神経新生が減少し、抗うつ薬慢性投与で回復することが示唆されている。 | ||
最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]] | 最近のMRI研究では[[大うつ病性障害]]患者の海馬体積が健常者よりも小さいことが報告されており、神経新生減少との関連も示唆されている。抗うつ薬による海馬の細胞外ノルアドレナリン濃度の増加はβアドレナリン受容体を刺激し、[[Gs]]タンパク質を介して[[CAMP]]を増加させ、核内の[[CAMP response element binding protein]] (CREB)を[[リン酸化]](活性化)し、海馬の新生細胞数を増加させる機序が動物実験で明らかとなった。すなわち、神経新生仮説はノルアドレナリン仮説の発展型であると言えるかもしれない。 | ||
=== セロトニン仮説 === | === セロトニン仮説 === |
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