16,040
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
15行目: | 15行目: | ||
== 形成する細胞 == | == 形成する細胞 == | ||
[[Image:Takeshiyoshimura fig 2.jpg|thumb|right|250px| | [[Image:Takeshiyoshimura fig 2.jpg|thumb|right|250px|<b>図2 髄鞘形成</b>]] | ||
髄鞘を形成しているのはグリア細胞であり、中枢神経系の髄鞘はオリゴデンドロサイト、末梢神経系の髄鞘はシュワン細胞によって形成される('''図1''')。中枢神経系では1つのオリゴデンドロサイトが複数の突起を出し、突起毎に1本の軸索を認識して何重にも軸索を取り囲んだ後、細胞質成分を押し出して密な膜構造(髄鞘)を形成する('''図2''')。それに対して、末梢神経系ではシュワン細胞そのものが軸索を取り囲む。1つのシュワン細胞は軸索束を取り囲んだ後、1本の軸索を選別して、その1本の軸索で髄鞘を形成する<ref><pubmed>22192173</pubmed></ref>。末梢神経系の髄鞘ではシュワン細胞の細胞質が髄鞘の中に取り残された部分(シュミット・ランターマンの切痕)がある('''図3''':図1の破線部分を長軸方向に切った模式図)。 | 髄鞘を形成しているのはグリア細胞であり、中枢神経系の髄鞘はオリゴデンドロサイト、末梢神経系の髄鞘はシュワン細胞によって形成される('''図1''')。中枢神経系では1つのオリゴデンドロサイトが複数の突起を出し、突起毎に1本の軸索を認識して何重にも軸索を取り囲んだ後、細胞質成分を押し出して密な膜構造(髄鞘)を形成する('''図2''')。それに対して、末梢神経系ではシュワン細胞そのものが軸索を取り囲む。1つのシュワン細胞は軸索束を取り囲んだ後、1本の軸索を選別して、その1本の軸索で髄鞘を形成する<ref><pubmed>22192173</pubmed></ref>。末梢神経系の髄鞘ではシュワン細胞の細胞質が髄鞘の中に取り残された部分(シュミット・ランターマンの切痕)がある('''図3''':図1の破線部分を長軸方向に切った模式図)。 | ||
[[Image:Takeshiyoshimura fig 3.jpg|thumb|right|250px| | [[Image:Takeshiyoshimura fig 3.jpg|thumb|right|250px|<b>図3 長軸方向に切った髄鞘の模式図</b>]] | ||
中枢神経系のランビエ絞輪には[[アストロサイト]]が突起を伸ばして接触しているが、末梢神経系ではシュワン細胞の微小突起が覆っている。また、末梢神経系の髄鞘は[[基底膜]]で覆われているが、中枢神経系の髄鞘にはそれが見られない。 | |||
== 成分と構造 == | == 成分と構造 == |