「非言語脳」の版間の差分

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英語名:non-verbal brain
<font size="+1">[http://researchmap.jp/ayahito-ito 伊藤 文人]</font><br>
''京都大学 こころの未来研究センター''<br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/1227 藤井 俊勝]</font><br>
''東北福祉大学 感性福祉研究所 & 健康科学部''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年7月11日 原稿完成日:2012年7月13日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br>
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英語名:non-verbal brain
 非言語脳はコンセンサスを得られた科学用語であるとは言い難い。仮に、言語機能に主たる役割を果たすブローカ領域やウェルニッケ領域といった脳領域を言語脳とすると、それ以外の脳領域を非言語脳と呼ぶことが可能となるが、そもそも“言語脳”という用語自体が存在しない。更に、ブローカ領域やウェルニッケ領域が言語処理にのみ役割を果たしているわけではないことは様々な研究により明らかにされており、その点からも非言語脳という用語を定義することは非常に難しいと考えられる。言語機能に全く関わらず、他の認知機能に関わる脳領域を非言語脳と呼ぶことは可能であるが、この用語の使用が有益である場合はほとんどないであろう。


 非言語脳はコンセンサスを得られた科学用語であるとは言い難い。仮に、言語機能に主たる役割を果たす[[ブローカ領域]]や[[ウェルニッケ領域]]といった脳領域を言語脳とすると、それ以外の脳領域を非言語脳と呼ぶことが可能となるが、そもそも“言語脳”という用語自体が存在しない。更に、ブローカ領域やウェルニッケ領域が言語処理にのみ役割を果たしているわけではないことは様々な研究により明らかにされており、その点からも非言語脳という用語を定義することは非常に難しいと考えられる。言語機能に全く関わらず、他の[[認知機能]]に関わる脳領域を非言語脳と呼ぶことは可能であるが、この用語の使用が有益である場合はほとんどないであろう。
(執筆者:伊藤文人、藤井俊勝 担当編集委員:定藤規弘)

2012年7月11日 (水) 14:36時点における版

英語名:non-verbal brain

 非言語脳はコンセンサスを得られた科学用語であるとは言い難い。仮に、言語機能に主たる役割を果たすブローカ領域やウェルニッケ領域といった脳領域を言語脳とすると、それ以外の脳領域を非言語脳と呼ぶことが可能となるが、そもそも“言語脳”という用語自体が存在しない。更に、ブローカ領域やウェルニッケ領域が言語処理にのみ役割を果たしているわけではないことは様々な研究により明らかにされており、その点からも非言語脳という用語を定義することは非常に難しいと考えられる。言語機能に全く関わらず、他の認知機能に関わる脳領域を非言語脳と呼ぶことは可能であるが、この用語の使用が有益である場合はほとんどないであろう。

(執筆者:伊藤文人、藤井俊勝 担当編集委員:定藤規弘)