「電位依存性カルシウムチャネル」の版間の差分

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=== ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル ===
=== ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル ===


 ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル(SOCチャネル、store-operated calcium channel&nbsp;: SOC channel, calcium release-activated calcium channel&nbsp;: CRAC channel) は、[[小胞体]]Ca<sup>2+</sup>ストアのCa<sup>2+</sup>枯渇によって活性化開口される細胞外からのCa<sup>2+</sup>流入経路である。TRPCチャネルがチャネル分子実態として考えられていたが、近年、[[wikipedia:ja:重症複合免疫不全症|重症複合免疫不全症]](sevefe combined immunodeficiency&nbsp;: SCID)の患者から遺伝子変異が発見された[[Orai1]]がSOCチャネルとして同定され、主要な分子実態として認識され始めている。Orai (Orai1, 2, 3) は、小胞体のCa<sup>2+</sup>枯渇を感知した小胞体Ca<sup>2+</sup>センサー分子stromal interacting molecule(STIM, STIM1, 2) との相互作用を介して4量体を形成し、活性化開口する<ref name="ref37"><pubmed>19488056</pubmed></ref>。
 ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル(SOCチャネル、store-operated calcium channel&nbsp;: SOC channel, calcium release-activated calcium channel&nbsp;: CRAC channel) は、[[小胞体]]Ca<sup>2+</sup>ストアのCa<sup>2+</sup>枯渇によって活性化開口される細胞外からのCa<sup>2+</sup>流入経路である。TRPCチャネルがチャネル分子実態として考えられていたが、近年、[[wikipedia:ja:重症複合免疫不全症|重症複合免疫不全症]](severe combined immunodeficiency&nbsp;: SCID)の患者から遺伝子変異が発見された[[Orai1]]がSOCチャネルとして同定され、主要な分子実態として認識され始めている。Orai (Orai1, 2, 3) は、小胞体のCa<sup>2+</sup>枯渇を感知した小胞体Ca<sup>2+</sup>センサー分子stromal interacting molecule(STIM, STIM1, 2) との相互作用を介して4量体を形成し、活性化開口する<ref name="ref37"><pubmed>19488056</pubmed></ref>。


 SOCチャネルによるCa<sup>2+</sup>流入 (SOC流入) は、免疫細胞における主要なCa<sup>2+</sup>流入経路であり、免疫機能に必須であるとされ、[[wikipedia:ja:抗原受容体|抗原受容体]]といった受容体活性化の下流でSOC流入が誘導される。これは持続的な [Ca<sup>2+</sup>]<sub>i</sub>上昇によりCa<sup>2+</sup>[[シグナル伝達]]を担い、転写因子NFATの活性を調節することが知られる。近年になって、神経細胞や筋細胞といった興奮性細胞においてもSOC流入が確認され、種々の生理機能や疾患との関連が調べられている<ref name="ref37" />。
 SOCチャネルによるCa<sup>2+</sup>流入 (SOC流入) は、免疫細胞における主要なCa<sup>2+</sup>流入経路であり、免疫機能に必須であるとされ、[[wikipedia:ja:抗原受容体|抗原受容体]]といった受容体活性化の下流でSOC流入が誘導される。これは持続的な [Ca<sup>2+</sup>]<sub>i</sub>上昇によりCa<sup>2+</sup>[[シグナル伝達]]を担い、転写因子NFATの活性を調節することが知られる。近年になって、神経細胞や筋細胞といった興奮性細胞においてもSOC流入が確認され、種々の生理機能や疾患との関連が調べられている<ref name="ref37" />。