「オートファジー」の版間の差分

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=== 発生・分化における細胞内再構築===  
=== 発生・分化における細胞内再構築===  


 マウス[[wikipedia:JA:受精卵|受精卵]]では、受精直後に過剰なオートファジーが誘導される<ref name="ref1" />。卵特異的オートファジー不全マウスでは、[[wikipedia:JA:胚|胚]]発生が正常におこなわれず、4-8細胞期で致死となることから、[[wikipedia:JA:着床|着床]]に至るまでの栄養が限られた条件では、オートファジーによるアミノ酸供給が必要であると考えられている。父方由来のミトコンドリアが選択的に分解され、母方由来のミトコンドリアだけが残るミトコンドリア母性遺伝の現象にも、オートファジーが関与している。最近、線虫を用いた解析から、受精後に父方由来のミトコンドリアがオートファジーにより分解されることが示された。組織特異的ノックアウトマウスを用いた解析では、[[wikipedia:JA:脂肪細胞|脂肪細胞]]や[[wikipedia:JA:赤血球|赤血球]]、[[wikipedia:JA:T細胞|T細胞]]、[[wikipedia:JA:B細胞|B細胞]](骨髄Pre-B細胞、末梢B-1a細胞)などの細胞分化に異常が見られることが報告されている。このように、発生・分化に伴う急激な細胞内変化に、オートファジーが重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。
 マウス[[wikipedia:JA:受精卵|受精卵]]では、受精直後に過剰なオートファジーが誘導される<ref name="ref1" />。卵特異的オートファジー不全マウスでは、[[wikipedia:JA:胚|胚]]発生が正常におこなわれず、4-8細胞期で致死となることから、[[wikipedia:JA:着床|着床]]に至るまでの栄養が限られた条件では、オートファジーによるアミノ酸供給が必要であると考えられている。父方由来のミトコンドリアが選択的に分解され、母方由来のミトコンドリアだけが残るミトコンドリア母性遺伝の現象にも、オートファジーが関与している。最近、線虫を用いた解析から、受精後に父方由来のミトコンドリアがオートファジーにより分解されることが示された。組織特異的ノックアウトマウスを用いた解析では、[[wikipedia:JA:脂肪細胞|脂肪細胞]]や[[wikipedia:JA:赤血球|赤血球]]、[[wikipedia:JA:T細胞|T細胞]]、[[wikipedia:JA:B細胞|B細胞]](骨髄Pre-B細胞、末梢B-1a細胞)などの[[細胞分化]]に異常が見られることが報告されている。このように、発生・分化に伴う急激な細胞内変化に、オートファジーが重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。


=== 抗原提示===  
=== 抗原提示===