「メタ認知」の版間の差分

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メタ認知の概念の呼び方や定義について、研究者間で必ずしも一致しているわけではないが(ref)、「認知についての知識」といった知識的側面と、「認知のプロセスや状態のモニタリングおよびコントロール」といった活動的側面とにおおきくわかれるという点では、研究者間の見解はほぼ一致しているため(ref)、以下のように分類できる。
メタ認知の概念の呼び方や定義について、研究者間で必ずしも一致しているわけではないが(ref)、「認知についての知識」といった知識的側面と、「認知のプロセスや状態のモニタリングおよびコントロール」といった活動的側面とにおおきくわかれるという点では、研究者間の見解はほぼ一致しているため(ref)、以下のように分類できる。


'''1. メタ認知的知識(metacognitive knowledge/awareness)'''<br>  
*'''メタ認知的知識(metacognitive knowledge/awareness)'''<br>  
知識に関する知識。メタ認知的知識はさらに、人変数に関する知識、課題変数に関する知識、方略変数に関する知識に分類される。<br>  
:知識に関する知識。メタ認知的知識はさらに、人変数に関する知識、課題変数に関する知識、方略変数に関する知識に分類される。<br>  


:'''人変数に関する知識'''はさらに、「私は考えることは得意だがそれを表現することが苦手だ」というような、個人内での比較にもとづく認知的な傾向や特性についての知識(個人内変数に関する知識)、「AさんはBさんよりも想像力に富んでいる」といった、個人間の比較にもとづく認知的な傾向や特性についての知識(個人間変数に関する知識)、そして「注意を向けていなかったことは、あまり記憶に残らない。」などの、人間の認知についての一般的な知識(一般的な人変数に関する知識)に分類できる。<br>  
::'''人変数に関する知識'''はさらに、「私は考えることは得意だがそれを表現することが苦手だ」というような、個人内での比較にもとづく認知的な傾向や特性についての知識(個人内変数に関する知識)、「AさんはBさんよりも想像力に富んでいる」といった、個人間の比較にもとづく認知的な傾向や特性についての知識(個人間変数に関する知識)、そして「注意を向けていなかったことは、あまり記憶に残らない。」などの、人間の認知についての一般的な知識(一般的な人変数に関する知識)に分類できる。<br>  


:'''課題変数に関する知識'''は、「科学論文を読んで理解するほうが、小説を読んで理解するよりも時間がかかる。」といった、課題の性質が私たちの認知活動に及ぼす影響についての知識をさす。<br>  
::'''課題変数に関する知識'''は、「科学論文を読んで理解するほうが、小説を読んで理解するよりも時間がかかる。」といった、課題の性質が私たちの認知活動に及ぼす影響についての知識をさす。<br>  


:'''方略変数に関する知識'''は、目的に応じた効果的な方略の使用についての知識をさす。<br> <br>  
::'''方略変数に関する知識'''は、目的に応じた効果的な方略の使用についての知識をさす。<br> <br>  


'''2. メタ認知的活動(metacognitive regulation)、メタ認知的経験 (metacognitive experiences)'''<br>  
*'''メタ認知的活動(metacognitive regulation)、メタ認知的経験 (metacognitive experiences)'''<br>  
メタ認知的活動は、気づき、感覚、予想、点検、評価といったメタ認知的モニタリングや、目標設定、計画、修正といったメタ認知的コントロールからなる。メタ認知的経験は、現在進行形のメタ認知的な経験(活動)のことである。<br>  
:メタ認知的活動は、気づき、感覚、予想、点検、評価といったメタ認知的モニタリングや、目標設定、計画、修正といったメタ認知的コントロールからなる。メタ認知的経験は、現在進行形のメタ認知的な経験(活動)のことである。<br>  


=== '''機能'''  ===
=== '''機能'''  ===
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