「膜電位センサー」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
8行目: 8行目:
<span class="Apple-style-span" style="font-size: 18px; font-weight: bold; ">概念</span>
<span class="Apple-style-span" style="font-size: 18px; font-weight: bold; ">概念</span>


[[Image:Voltagesensor1.jpg|thumb|300px|<b>図2. 電位依存性イオンチャネルの基本構造</b>]] 細胞は[[wikipedia:ja:誘電体|誘電体]]である脂質二重膜([[細胞膜]])によって外界と内部を電気的に遮断している。膜により隔たれた組成の異なる溶液の間に発生する電位差を膜電位と言う。[[wikipedia:ja:ほ乳類|ほ乳類]]の[[wikipedia:ja:神経細胞|神経細胞]]の細胞膜には[[wikipedia:ja:ナトリウム|Na<sup>+</sup>]]と[[wikipedia:ja:カリウム|K<sup>+</sup>]]を交換するポンプ([[Na+/K+ ATPase|Na<sup>+</sup>/K<sup>+</sup> ATPase]])が存在し、細胞内はK<sup>+</sup>が多くNa<sup>+</sup>が少なく、細胞外はNa<sup>+</sup>が多くK<sup>+</sup>が少ない、という細胞膜を隔てたイオン濃度勾配が存在する。細胞膜はK<sup>+</sup>の選択的透過性が高く、そのため細胞内電位が細胞外電位に対して-60~-80mV低く保持される([[静止膜電位]])。化学的[[シナプス伝達]]や電気刺激などの種々の物理的刺激により、細胞膜のイオン透過性が変化し膜電位は変動する。[[電位依存性ナトリウムチャネル]]や[[電位依存性カルシウムチャネル]]の働きにより、一過性にゼロを超える(オーバーシュート)自己再生的な膜電位の変動が見られる([[活動電位]])。このように神経細胞における膜電位は変動しており、その膜電位変化を感知するのが膜電位センサーである。電位依存性イオンチャネルの場合、膜電位変化を電位センサードメインが感知して、分子内で[[イオン透過ゲート]]を開く力に変換される、その結果、イオン透過量が膜電位に依存して変化する。  
[[Image:Voltagesensor1.jpg|thumb|300px|<b>図2. 電位依存性イオンチャネルの基本構造</b>]] 細胞は[[wikipedia:ja:誘電体|誘電体]]である脂質二重膜([[細胞膜]])によって外界と内部を電気的に遮断している。膜により隔たれた組成の異なる溶液の間に発生する電位差を膜電位と言う。[[wikipedia:ja:ほ乳類|ほ乳類]]の[[wikipedia:ja:神経細胞|神経細胞]]の細胞膜には[[wikipedia:ja:ナトリウム|Na<sup>+</sup>]]と[[wikipedia:ja:カリウム|K<sup>+</sup>]]を交換するポンプ([[Na+/K+ ATPase|Na<sup>+</sup>/K<sup>+</sup> ATPase]])が存在し、細胞内はK<sup>+</sup>が多くNa<sup>+</sup>が少なく、細胞外はNa<sup>+</sup>が多くK<sup>+</sup>が少ない、という細胞膜を隔てたイオン濃度勾配が存在する。細胞膜はK<sup>+</sup>の選択的透過性が高く、そのため細胞内電位が細胞外電位に対して-60~-80mV低く保持されている([[静止膜電位]])。化学的[[シナプス伝達]]や電気刺激などの種々の物理的刺激により、細胞膜のイオン透過性が変化し膜電位は変動する。[[電位依存性ナトリウムチャネル]]や[[電位依存性カルシウムチャネル]]の働きにより、一過性にゼロを超える(オーバーシュート)自己再生的な膜電位の変動が見られる([[活動電位]])。このように神経細胞における膜電位は変動しており、その膜電位変化を感知するのが膜電位センサーである。電位依存性イオンチャネルの場合、膜電位変化を電位センサードメインが感知して、分子内で[[イオン透過ゲート]]を開く力に変換される、その結果、イオン透過量が膜電位に依存して変化する。  


=== 研究の歴史 ===
=== 研究の歴史 ===
62

回編集