「マイクロニューログラム」の版間の差分

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 マイクロニューログラムとは、タングステンなどの金属微小電極をヒト末梢神経内に刺入し、単一あるいは複合神経線維の発射活動を記録する電気生理学的手法である(Vallbo et al, 1979; Johansson and Vallbo, 1983; Mano, 1999)。この手法は、ヒトにおける求心性および遠心性の単一神経発射活動を測定できる唯一の方法であり、一般的に1.各種感覚受容器からの求心性神経活動(筋や皮膚および関節受容器由来の発射活動等)や2. 筋および皮膚支配の交感神経節後遠心性線維の活動を導出することが可能である。またこの方法は、神経発射活動の記録ばかりでなく、各種神経束の種類を同定したのち、記録電極を刺激電極に切り替えて電気刺激を行う、微小神経刺激法(マイクロスティムレーション法)による知覚研究(Vallbo, 1981)や、単一発射活動の脊髄反射誘発に関わる研究等にも利用されている(Gandevia et al., 1986; McNulty and Macefield, 2001)。
 マイクロニューログラムとは、タングステンなどの金属微小電極をヒト末梢神経内に刺入し、単一あるいは複合神経線維の発射活動を記録する電気生理学的手法である<ref name=ref1><pubmed>227005</pubmed></ref> <ref name=ref2>'''R S Johansson, A B Vallbo'''<br>Tactile sensory coding in the glabrous skin of the human hand. <br>''Trends Neurosci.:'' 1983, 6:27-32. </ref>(Vallbo et al, 1979; Johansson and Vallbo, 1983; Mano, 1999)。この手法は、ヒトにおける求心性および遠心性の単一神経発射活動を測定できる唯一の方法であり、一般的に1.各種感覚受容器からの求心性神経活動(筋や皮膚および関節受容器由来の発射活動等)や2. 筋および皮膚支配の交感神経節後遠心性線維の活動を導出することが可能である。またこの方法は、神経発射活動の記録ばかりでなく、各種神経束の種類を同定したのち、記録電極を刺激電極に切り替えて電気刺激を行う、微小神経刺激法(マイクロスティムレーション法)による知覚研究(Vallbo, 1981)や、単一発射活動の脊髄反射誘発に関わる研究等にも利用されている(Gandevia et al., 1986; McNulty and Macefield, 2001)。


 古くから臨床研究も行われており、各種疾患別の神経活動記録も報告されている(Hagbarth, 1975; 間野2009; Burke, 2003)。このように、マイクロニューログラムは、ヒト神経生理学の基礎研究から臨床応用まで幅広く利用されている電気生理学的手法である(Vallbo et al., 1979; Gandevia and Hales, 1997)。
 古くから臨床研究も行われており、各種疾患別の神経活動記録も報告されている(Hagbarth, 1975; 間野2009; Burke, 2003)。このように、マイクロニューログラムは、ヒト神経生理学の基礎研究から臨床応用まで幅広く利用されている電気生理学的手法である(Vallbo et al., 1979; Gandevia and Hales, 1997)。
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
<references />


Aniss AM, Gandevia SC, Burke D.Reflex changes in muscle spindle discharge during a voluntary contraction. J Neurophysiol.1988 Mar;59(3):908-21.
Aniss AM, Gandevia SC, Burke D.Reflex changes in muscle spindle discharge during a voluntary contraction. J Neurophysiol.1988 Mar;59(3):908-21.