「水道周囲灰白質」の版間の差分
細編集の要約なし |
Yoshimasakoyama (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
(3人の利用者による、間の120版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
英語名:periaqueductal gray | |||
== 解剖 == | |||
第三脳室と第四脳室を結ぶ中脳水道を取り巻く細胞集団。水道周囲灰白質ともいう。中脳周囲灰白質の正中腹側部には、吻側からDarkschewisch核、Edinger-Westphal核 (エディンガー・ウェストファル核)(動眼神経副核)、動眼神経核、滑車神経核などが続く。その尾側にはセロトニン作動性ニューロンを豊富に含む背側縫線核が、腹外側部にはアセチルコリン作動性ニューロンを多く含む外背側被蓋核が拡がる。 | |||
== 線維連絡 == | |||
求心性投射 大脳辺縁系(海馬、扁桃体)、視床下部、不確帯、分界条床核、脚傍核などから、情動や自律神経系の変化に伴う入力を受ける。上丘、下丘、脳幹網様体、三叉神経脊髄路核、脊髄などからは、感覚性の入力を受ける。(ラット、ネコ、ウサギなどは)一次運動野からの入力も受ける。興奮性入力としては、グルタミン酸作動性ニューロンが多いが、視床下部の結節乳頭核からは、ヒスタミン作動性、外側部からはオレキシン作動性ニューロンが投射する。脳幹網様体からは、青斑核を始め、いくつかのニューロン群(A1、A2、A5)から、ノルアドレナリン作動性入力を、C1、C2ニューロン群からアドレナリン作動性入力を、縫線核群からはセロトニン作動性入力を、外背側被蓋核や脚橋被蓋核からアセチルコリン作動性入力を受ける。 | |||
遠心性投射 視床下部、不確帯、脳幹網様体、上丘、外側脚傍核、縫線核群、脊髄などに投射する。さまざまな情報を統合して、適切な行動様式発現のための情報を脳幹網様体(おもに延髄)や脊髄に送る。また、これらの領域からは、いずれも求心性投射を受けており、密接な相互連絡が形成されている。 | |||
== おもな神経伝達物質 == | |||
PAGのニューロンは、以下のような物質を神経伝達物質/神経修飾物質として、含有する。 グルタミン酸、アスパラギン酸 GABA、グリシン エンケファリン、ダイノルフィン、サブスタンスP、コレシストキニン、ニューロテンシン、コルチコトロピン放出ペプチド(CRF)、ガストリン放出ペプチド(GRP)、ニューロメディンB、ガラニン、LHRH、ACTH、一酸化窒素(NO) | |||
== | == 痛覚抑制作用 == | ||
= | PAGの広範な領域の電気刺激によって痛覚抑制効果が得られる。PAGの痛覚抑制系には、PAGから視床に投射する上行性抑制系と延髄に投射する下行性抑制系がある。上行性抑制系は、背側縫線核からのセロトニン作動性ニューロンと、その周辺の非セロトニン作動性ニューロンが、視床の腹側基底核群や髄板内核群の侵害受容ニューロンを抑制することによって痛覚抑制を引き起こす。下行性抑制系は、背内側部(dmPAG)、腹外側部(vmPAG)から吻側延髄腹内側部 (rostroventromedial medulla; RVM) に投射する。主にグルタミン酸作動性であり、RVMの脊髄投射ニューロンを活性化する。 RVMには、セロトニン作動性ニューロンを含む大縫線核(Raphe Magnus: RMn)、非セロトニン作動性の巨大細胞網様核、傍巨大細胞網様核などが存在し、これらのニューロンが脊髄後核の侵害受容ニューロンを抑制する。 | ||
PAGの痛覚抑制ニューロンは、PAG内のGABA作動性ニューロンの抑制を受けている<ref name=ref2><pubmed>11287471</pubmed></ref>。視床下部から投射するβエンドルフィン作動性ニューロン、PAG内のエンケファリン作動性ニューロンなどのオピエート系は、このGABA作動性ニューロンを抑制することにより、痛覚抑制を引き起こす<ref><pubmed>1450948</pubmed></ref>。 エンドカンナビノイド系も、このGABA作動性ニューロンの作用(GABA放出)を抑えることにより、痛覚抑制を引き起こすと考えられている。 | |||
痛覚抑制には、さまざまなペプタイドも関与している。 たとえば、PAGからRVMに投射するグルタミン酸作動性ニューロンの一部は、ニューロテンシン(NT)を伝達物質にもつ<ref><pubmed>6132659</pubmed></ref>。PAG内のニューロテンシン作動性ニューロンには、RMnに投射するグルタミン酸作動性ニューロンに対して直接に興奮性に作用するもの<ref name=ref2/>、エンドカンナビノイド―GABA系を介して間接的に興奮作用をおよぼすものがある<ref><pubmed>19359367</pubmed></ref>。サブスタンスP、コレシストキニンも、ニューロテンシンと同様のメカニズムで痛覚抑制に関与する<ref><pubmed>19494144, 21525858</pubmed></ref>。 | |||
== 情動行動 == | |||
PAGの背側および背外側部への電気刺激やグルタミン酸作動薬の投与によって、攻撃(aggression)、防御(defence)、威嚇(rage)などの反応が誘発される。その尾側の領域の刺激によって逃走反応(flighting)が、腹外側の刺激では、すくみ反応(freezing)が誘発される。 | |||
情動の中枢とされる大脳辺縁系(海馬、扁桃体、中隔核)から直接に、あるいは視床下部を介して入力を受ける<ref><pubmed>11263761</pubmed></ref>。 | |||
扁桃体基底核群(basal complex)からPAGへの直接の入力は防衛/威嚇反応を促進し、扁桃体中心核(central amygdale)からの入力は、は防御/威嚇反応を抑制する。7633640 | |||
扁桃体内側核(medial amygdala)からは、視床下部内側部を介して防御/威嚇反応の促進、攻撃行動の抑制系が働く14642448。視床下部外側部からの入力は、攻撃反応を促進する。7633640 | |||
これらの系の活性化には、主にグルタミン酸作動性ニューロンが関与しており、背側PAGへのセロトニンは、5HT1Aレセプターを介して防御反応の抑制を引き起こす1410130。また、さまざまなペプタイドニューロンも関与し、背側PAGへのCRFは防御反応を促進する17095103。扁桃体中心核からの防御/威嚇反応の抑制はμレセプターを介してオピオイド作動性ニューロンが関与し、扁桃体内側核から視床下部内側部、視床下部内側部からPAGへの防御/威嚇反応の促進にはサブスタンスP作動性ニューロンが関与する。 | |||
1つの情動行動の発現系は、他の行動の発現系と相互抑制の関係にあり、たとえば上記のように攻撃行動と防御/威嚇反応は、PAGのレベルで拮抗関係にある。この抑制にはGABA作動性ニューロンが関与すると考えられている<ref><pubmed>11263761</pubmed></ref>。また、マウスでは、PAG吻外側部へのモルフィンの投与によって、生きた昆虫への狩猟行動(hunting)が促進し、育児行動が抑制される<ref><pubmed>16510737</pubmed></ref>。コレシストキニン(CCK)は、モルフィンの作用に拮抗的に働く<ref><pubmed>17194502</pubmed></ref>。 | |||
== 自律神経系の調節(血圧・心拍・体温の調節) == | |||
情動行動の発現に伴って、心拍、血圧の変動など、自律神経系の変動が起こる。背側から背外側部のPAGへの電気刺激、グルタミン酸作動薬による刺激によって、交感神経活動の上昇、血圧、心拍数の上昇などが誘発され<ref><pubmed>8202441</pubmed></ref> <ref><pubmed>20504909</pubmed></ref>、腹外側PAGへの刺激によって、血圧、心拍数の低下が起こる<ref><pubmed>8202441</pubmed></ref>。 | |||
視床下部背内側核 (dorsomedial hypothalamic nucleus: DMH)から背外側PAGへの入力が交感神経性反応を促進するが、この作用はエンドカンナビノイドを介しており、セロトニンによって抑制される<ref><pubmed>21228344</pubmed></ref> <ref><pubmed>19303372</pubmed></ref>。 | |||
== 体温調節 == | |||
皮膚や脊髄に受容された温度情報は、PAGを介して視索前夜/前視床下部(POA/AH)の体温調節中枢に送られる。POA/AHには、温度上昇に反応して活動が上昇し放熱反応を促進する温ニューロンと、温度低下に活動が上昇して発熱反応を促進する冷ニューロンが存在する(体温生理学テキスト)。 | |||
中脳においても、背側縫線核(DR)のセロトニン作動性ニューロンの一部は温ニューロンであり、中脳網様体には冷ニューロンが存在する(体温生理学テキスト)。 | |||
吻側/外側PAGは視索前野の温ニューロンからの入力を、尾側/腹外側PAGは視床下部(背内側部)の冷ニューロンからの入力を受け、延髄縫線核のグルタミン酸作動性ニューロンを介して、体温節調反応を引き起こす<ref><pubmed>15190110</pubmed></ref><ref><pubmed>15927405</pubmed></ref>。 | |||
== 呼吸 == | |||
外的、内的状態の変化によってさまざまな呼吸パターンが生じる。たとえば、危険からの逃避時には、浅呼吸(shallow breathing)、強度の運動時には頻呼吸(tachypnea)、酸素の供給が不十分なときや不安時にはあえぎ(gasping)が起こる。また、発声は、呼吸運動、特に呼吸の呼気相に密接に関連し、発声時には、呼吸様式の変化を伴う。 | |||
PAGは、辺縁系や前頭前野からの入力を受け、延髄の呼吸中枢の活動を調節することにより、状況に応じた適切な呼吸パターンの発現に関与している。 | |||
PAGのさまざまな領域をグルタミン作動薬(ホモシステイン酸)で刺激すると、さまざなな呼吸パターンが誘発される。例えば、dlPAGへの刺激によって、恐怖反応(fright)や逃走時(flight)に見られる頻呼吸(tachypnea)が誘発される。発声に関連するlPAG, vlPA を刺激すると、mews, hissesなどの発声に伴う呼吸様式の変化が誘発される<ref><pubmed>19020021</pubmed></ref>。 | |||
=== | == 発声 == | ||
PAGの外側からその外側の中脳網様体への電気刺激によって、種特異的な、さまざまな発声パターンが誘発される<ref><pubmed>19020021</pubmed></ref>。PAGは、辺縁系(前帯状皮質、中隔、偏桃体)や視床下部、視床正中部から、情動に伴う、あるいは随意性の発声の指令を受け、上丘、下丘、孤束核、三叉神経脊髄路核などから、感覚性入力を受ける。そして、これらの情報を統合して、延髄の後疑核(retroambiguus nucleus)に投射する<ref><pubmed>10906701</pubmed></ref>。後疑核は、発声筋を支配する種々の運動神経群(三叉神経核、顔面神経核、舌下神経核、擬核)に投射している。 PAGへの入力系は、主にグルタミン酸作動性であり、PAGニューロンは、この興奮性入力に加え、GABA作動性の抑制を持続的に受けている<ref><pubmed>7945960</pubmed></ref>。また、Glysine, opioidも抑制性の<ref><pubmed>7903190</pubmed></ref>、アセチルコリン、ヒスタミンは促進性の修飾作用を及ぼす<ref><pubmed>8102315</pubmed></ref>。 | |||
=== 性行動 === | |||
PAGは、性行動の発現に中心的な役割を果たす内側視索前野(medial preoptic area: MPOA)から投射を受け、PAGから延髄巨大細胞核(nucleus gigantocellularis: nGi)への投射がオス、メスの性行動の発現に重要な役割を果たす。 MPOAからPAG、PAGからnGiへの投射ニューロンの多くは、ステロイドホルモン゙(エストロゲン、アンドロゲン)゙含有ニューロンであり、この系の活性化は、ステロイドホルモンに強く存する<ref><pubmed>15337249</pubmed></ref>。dPAGには末梢からの感覚情報も入力し、ここでMPOAからの促進性入力と感覚入力との統合が行われている。 | |||
オスでは、MPOAからPAGを介する経路が、陰茎勃起に関与している<ref><pubmed>18393295</pubmed></ref>。オスの性行動の発現には、MPOAから腹側被蓋、黒質、中脳網様核などへの経路が関与すると考えられている<ref><pubmed>1946721</pubmed></ref>。 | |||
メスでは視床下部腹内側核(VMH)からのdPAGへの投射が性行動(ロードシス)の促進系として働いている<ref><pubmed>469715</pubmed></ref>。一方、外側中隔(LS)から腹側PAGへの経路は、lordosisの抑制系として作用する<ref><pubmed>11170006</pubmed></ref>。dPAGから延髄巨大細胞核(nucleus gigantocellularis: nGi)への投射がlordosisの実行系として働く<ref><pubmed>11170006</pubmed></ref>。 PAGでは、さまざまな物質が、性行動の修飾に関与している。LHRH<ref><pubmed>6339979 </pubmed></ref>、プロラクチン<ref><pubmed>6828874</pubmed></ref>、サブスタンスP<ref><pubmed>6339979 </pubmed></ref>は促進的に、CRF,βエンドルフィンは、抑制的に作用する<ref><pubmed>6209590</pubmed></ref>。 | |||
===排尿=== | |||
PAG尾側の腹外側部(vlPAG)は、腰仙髄を介して膀胱からの感覚性入力を受け、橋の排尿中枢(バーリントン核)に直接投射する<ref><pubmed>7499530</pubmed></ref>。vlPAGへの電気刺激や興奮性アミノ酸(グルタミン酸、ホモシステイン酸)の投与によって排尿反応が起こり<ref><pubmed>11113354</pubmed></ref>、GABA agonist (ムシモル)によって排尿が抑制されることから<ref><pubmed>21486804</pubmed></ref>、vlPAGが排尿の促進野と考えられる。 | |||
PAG吻側の背外側部(dlPAG)への電気刺激によって排尿が抑制され、この効果は、排尿中枢へのビキュキュリン投与によって阻害されることから、PAG吻側の背外側部(dlPAG)からのGABA作動性ニューロンが排尿抑制系として働くと考えられる<ref><pubmed>18385467</pubmed></ref>。GABA作動性ニューロンによる抑制は、D1受容体を介したドーパミンニューロン作動性入力によって調節されている<ref><pubmed>18554296</pubmed></ref>。 | |||
前頭葉や扁桃体からPAGへの入力は、緊急時の適応行動の際に排尿抑制系として作用する<ref><pubmed>20025036</pubmed></ref>。 | |||
=== 睡眠・覚醒 === | ===睡眠・覚醒=== | ||
PAG尾側の腹外側部から、さらにその腹外側の網様体に位置する外背側被蓋核(laterodorsal tegmental nucleus; LDT)と、その外側に分布する脚橋被蓋核(pedunculopontine tegmental nucleus; PPT)のアセチルコリン作動性ニューロンの一群は、レム睡眠中に高い発火活動を維持し、レム睡眠の発現と維持に関与する。別の一群のアセチルコリン作動性ニューロンは、覚醒とレム睡眠時に活動が上昇し、覚醒とレム睡眠の調節に関与する。LDT腹側部(subLDT)のグルタミン酸作動性ニューロンも、アセチルコリン作動性ニューロンとの間に相互促進性の関係あり、レム睡眠の調節に関与している。背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンは、青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンとともに、覚醒時に持続的発火を維持し、覚醒の維持、レム睡眠の抑制に関与する。PAG腹外側部のGABA作動性ニューロンもLDT/subLDTのレム睡眠調節領域に投射して、レム睡眠の抑制に作用している。アセチルコリン作動性ニューロン、モノアミン作動性ニューロンは、覚醒時には、視床下部の覚醒系ニューロン(ヒスタミン作動性ニューロン、オレキシン作動性ニューロン)からの興奮性入力を受け、徐波睡眠時には、視索前野のGABA作動性ニューロンからの抑制を受けているPAG尾側の腹外側部から、さらにその腹外側の網様体に位置する外背側被蓋核(laterodorsal tegmental nucleus; LDT)と、その外側に分布する脚橋被蓋核(pedunculopontine tegmental nucleus; PPT)のアセチルコリン作動性ニューロンの一群は、レム睡眠中に高い発火活動を維持し、レム睡眠の発現と維持に関与する。別の一群のアセチルコリン作動性ニューロンは、覚醒とレム睡眠時に活動が上昇し、覚醒とレム睡眠の調節に関与する。LDT腹側部(subLDT)のグルタミン酸作動性ニューロンも、アセチルコリン作動性ニューロンとの間に相互促進性の関係あり、レム睡眠の調節に関与している。背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンは、青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンとともに、覚醒時に持続的発火を維持し、覚醒の維持、レム睡眠の抑制に関与する。PAG腹外側部のGABA作動性ニューロンもLDT/subLDTのレム睡眠調節領域に投射して、レム睡眠の抑制に作用している。アセチルコリン作動性ニューロン、モノアミン作動性ニューロンは、覚醒時には、視床下部の覚醒系ニューロン(ヒスタミン作動性ニューロン、オレキシン作動性ニューロン)からの興奮性入力を受け、徐波睡眠時には、視索前野のGABA作動性ニューロンからの抑制を受けている<ref><pubmed>16251950</pubmed></ref><ref><pubmed>17689057</pubmed></ref><ref><pubmed>22647467</pubmed></ref>。 | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||
(執筆者:小山純正 担当編集委員:伊佐正) |
2013年2月17日 (日) 19:17時点における版
英語名:periaqueductal gray
解剖
第三脳室と第四脳室を結ぶ中脳水道を取り巻く細胞集団。水道周囲灰白質ともいう。中脳周囲灰白質の正中腹側部には、吻側からDarkschewisch核、Edinger-Westphal核 (エディンガー・ウェストファル核)(動眼神経副核)、動眼神経核、滑車神経核などが続く。その尾側にはセロトニン作動性ニューロンを豊富に含む背側縫線核が、腹外側部にはアセチルコリン作動性ニューロンを多く含む外背側被蓋核が拡がる。
線維連絡
求心性投射 大脳辺縁系(海馬、扁桃体)、視床下部、不確帯、分界条床核、脚傍核などから、情動や自律神経系の変化に伴う入力を受ける。上丘、下丘、脳幹網様体、三叉神経脊髄路核、脊髄などからは、感覚性の入力を受ける。(ラット、ネコ、ウサギなどは)一次運動野からの入力も受ける。興奮性入力としては、グルタミン酸作動性ニューロンが多いが、視床下部の結節乳頭核からは、ヒスタミン作動性、外側部からはオレキシン作動性ニューロンが投射する。脳幹網様体からは、青斑核を始め、いくつかのニューロン群(A1、A2、A5)から、ノルアドレナリン作動性入力を、C1、C2ニューロン群からアドレナリン作動性入力を、縫線核群からはセロトニン作動性入力を、外背側被蓋核や脚橋被蓋核からアセチルコリン作動性入力を受ける。
遠心性投射 視床下部、不確帯、脳幹網様体、上丘、外側脚傍核、縫線核群、脊髄などに投射する。さまざまな情報を統合して、適切な行動様式発現のための情報を脳幹網様体(おもに延髄)や脊髄に送る。また、これらの領域からは、いずれも求心性投射を受けており、密接な相互連絡が形成されている。
おもな神経伝達物質
PAGのニューロンは、以下のような物質を神経伝達物質/神経修飾物質として、含有する。 グルタミン酸、アスパラギン酸 GABA、グリシン エンケファリン、ダイノルフィン、サブスタンスP、コレシストキニン、ニューロテンシン、コルチコトロピン放出ペプチド(CRF)、ガストリン放出ペプチド(GRP)、ニューロメディンB、ガラニン、LHRH、ACTH、一酸化窒素(NO)
痛覚抑制作用
PAGの広範な領域の電気刺激によって痛覚抑制効果が得られる。PAGの痛覚抑制系には、PAGから視床に投射する上行性抑制系と延髄に投射する下行性抑制系がある。上行性抑制系は、背側縫線核からのセロトニン作動性ニューロンと、その周辺の非セロトニン作動性ニューロンが、視床の腹側基底核群や髄板内核群の侵害受容ニューロンを抑制することによって痛覚抑制を引き起こす。下行性抑制系は、背内側部(dmPAG)、腹外側部(vmPAG)から吻側延髄腹内側部 (rostroventromedial medulla; RVM) に投射する。主にグルタミン酸作動性であり、RVMの脊髄投射ニューロンを活性化する。 RVMには、セロトニン作動性ニューロンを含む大縫線核(Raphe Magnus: RMn)、非セロトニン作動性の巨大細胞網様核、傍巨大細胞網様核などが存在し、これらのニューロンが脊髄後核の侵害受容ニューロンを抑制する。 PAGの痛覚抑制ニューロンは、PAG内のGABA作動性ニューロンの抑制を受けている[1]。視床下部から投射するβエンドルフィン作動性ニューロン、PAG内のエンケファリン作動性ニューロンなどのオピエート系は、このGABA作動性ニューロンを抑制することにより、痛覚抑制を引き起こす[2]。 エンドカンナビノイド系も、このGABA作動性ニューロンの作用(GABA放出)を抑えることにより、痛覚抑制を引き起こすと考えられている。 痛覚抑制には、さまざまなペプタイドも関与している。 たとえば、PAGからRVMに投射するグルタミン酸作動性ニューロンの一部は、ニューロテンシン(NT)を伝達物質にもつ[3]。PAG内のニューロテンシン作動性ニューロンには、RMnに投射するグルタミン酸作動性ニューロンに対して直接に興奮性に作用するもの[1]、エンドカンナビノイド―GABA系を介して間接的に興奮作用をおよぼすものがある[4]。サブスタンスP、コレシストキニンも、ニューロテンシンと同様のメカニズムで痛覚抑制に関与する[5]。
情動行動
PAGの背側および背外側部への電気刺激やグルタミン酸作動薬の投与によって、攻撃(aggression)、防御(defence)、威嚇(rage)などの反応が誘発される。その尾側の領域の刺激によって逃走反応(flighting)が、腹外側の刺激では、すくみ反応(freezing)が誘発される。
情動の中枢とされる大脳辺縁系(海馬、扁桃体、中隔核)から直接に、あるいは視床下部を介して入力を受ける[6]。
扁桃体基底核群(basal complex)からPAGへの直接の入力は防衛/威嚇反応を促進し、扁桃体中心核(central amygdale)からの入力は、は防御/威嚇反応を抑制する。7633640
扁桃体内側核(medial amygdala)からは、視床下部内側部を介して防御/威嚇反応の促進、攻撃行動の抑制系が働く14642448。視床下部外側部からの入力は、攻撃反応を促進する。7633640
これらの系の活性化には、主にグルタミン酸作動性ニューロンが関与しており、背側PAGへのセロトニンは、5HT1Aレセプターを介して防御反応の抑制を引き起こす1410130。また、さまざまなペプタイドニューロンも関与し、背側PAGへのCRFは防御反応を促進する17095103。扁桃体中心核からの防御/威嚇反応の抑制はμレセプターを介してオピオイド作動性ニューロンが関与し、扁桃体内側核から視床下部内側部、視床下部内側部からPAGへの防御/威嚇反応の促進にはサブスタンスP作動性ニューロンが関与する。 1つの情動行動の発現系は、他の行動の発現系と相互抑制の関係にあり、たとえば上記のように攻撃行動と防御/威嚇反応は、PAGのレベルで拮抗関係にある。この抑制にはGABA作動性ニューロンが関与すると考えられている[7]。また、マウスでは、PAG吻外側部へのモルフィンの投与によって、生きた昆虫への狩猟行動(hunting)が促進し、育児行動が抑制される[8]。コレシストキニン(CCK)は、モルフィンの作用に拮抗的に働く[9]。
自律神経系の調節(血圧・心拍・体温の調節)
情動行動の発現に伴って、心拍、血圧の変動など、自律神経系の変動が起こる。背側から背外側部のPAGへの電気刺激、グルタミン酸作動薬による刺激によって、交感神経活動の上昇、血圧、心拍数の上昇などが誘発され[10] [11]、腹外側PAGへの刺激によって、血圧、心拍数の低下が起こる[12]。
視床下部背内側核 (dorsomedial hypothalamic nucleus: DMH)から背外側PAGへの入力が交感神経性反応を促進するが、この作用はエンドカンナビノイドを介しており、セロトニンによって抑制される[13] [14]。
体温調節
皮膚や脊髄に受容された温度情報は、PAGを介して視索前夜/前視床下部(POA/AH)の体温調節中枢に送られる。POA/AHには、温度上昇に反応して活動が上昇し放熱反応を促進する温ニューロンと、温度低下に活動が上昇して発熱反応を促進する冷ニューロンが存在する(体温生理学テキスト)。
中脳においても、背側縫線核(DR)のセロトニン作動性ニューロンの一部は温ニューロンであり、中脳網様体には冷ニューロンが存在する(体温生理学テキスト)。
吻側/外側PAGは視索前野の温ニューロンからの入力を、尾側/腹外側PAGは視床下部(背内側部)の冷ニューロンからの入力を受け、延髄縫線核のグルタミン酸作動性ニューロンを介して、体温節調反応を引き起こす[15][16]。
呼吸
外的、内的状態の変化によってさまざまな呼吸パターンが生じる。たとえば、危険からの逃避時には、浅呼吸(shallow breathing)、強度の運動時には頻呼吸(tachypnea)、酸素の供給が不十分なときや不安時にはあえぎ(gasping)が起こる。また、発声は、呼吸運動、特に呼吸の呼気相に密接に関連し、発声時には、呼吸様式の変化を伴う。
PAGは、辺縁系や前頭前野からの入力を受け、延髄の呼吸中枢の活動を調節することにより、状況に応じた適切な呼吸パターンの発現に関与している。
PAGのさまざまな領域をグルタミン作動薬(ホモシステイン酸)で刺激すると、さまざなな呼吸パターンが誘発される。例えば、dlPAGへの刺激によって、恐怖反応(fright)や逃走時(flight)に見られる頻呼吸(tachypnea)が誘発される。発声に関連するlPAG, vlPA を刺激すると、mews, hissesなどの発声に伴う呼吸様式の変化が誘発される[17]。
発声
PAGの外側からその外側の中脳網様体への電気刺激によって、種特異的な、さまざまな発声パターンが誘発される[18]。PAGは、辺縁系(前帯状皮質、中隔、偏桃体)や視床下部、視床正中部から、情動に伴う、あるいは随意性の発声の指令を受け、上丘、下丘、孤束核、三叉神経脊髄路核などから、感覚性入力を受ける。そして、これらの情報を統合して、延髄の後疑核(retroambiguus nucleus)に投射する[19]。後疑核は、発声筋を支配する種々の運動神経群(三叉神経核、顔面神経核、舌下神経核、擬核)に投射している。 PAGへの入力系は、主にグルタミン酸作動性であり、PAGニューロンは、この興奮性入力に加え、GABA作動性の抑制を持続的に受けている[20]。また、Glysine, opioidも抑制性の[21]、アセチルコリン、ヒスタミンは促進性の修飾作用を及ぼす[22]。
性行動
PAGは、性行動の発現に中心的な役割を果たす内側視索前野(medial preoptic area: MPOA)から投射を受け、PAGから延髄巨大細胞核(nucleus gigantocellularis: nGi)への投射がオス、メスの性行動の発現に重要な役割を果たす。 MPOAからPAG、PAGからnGiへの投射ニューロンの多くは、ステロイドホルモン゙(エストロゲン、アンドロゲン)゙含有ニューロンであり、この系の活性化は、ステロイドホルモンに強く存する[23]。dPAGには末梢からの感覚情報も入力し、ここでMPOAからの促進性入力と感覚入力との統合が行われている。
オスでは、MPOAからPAGを介する経路が、陰茎勃起に関与している[24]。オスの性行動の発現には、MPOAから腹側被蓋、黒質、中脳網様核などへの経路が関与すると考えられている[25]。
メスでは視床下部腹内側核(VMH)からのdPAGへの投射が性行動(ロードシス)の促進系として働いている[26]。一方、外側中隔(LS)から腹側PAGへの経路は、lordosisの抑制系として作用する[27]。dPAGから延髄巨大細胞核(nucleus gigantocellularis: nGi)への投射がlordosisの実行系として働く[28]。 PAGでは、さまざまな物質が、性行動の修飾に関与している。LHRH[29]、プロラクチン[30]、サブスタンスP[31]は促進的に、CRF,βエンドルフィンは、抑制的に作用する[32]。
排尿
PAG尾側の腹外側部(vlPAG)は、腰仙髄を介して膀胱からの感覚性入力を受け、橋の排尿中枢(バーリントン核)に直接投射する[33]。vlPAGへの電気刺激や興奮性アミノ酸(グルタミン酸、ホモシステイン酸)の投与によって排尿反応が起こり[34]、GABA agonist (ムシモル)によって排尿が抑制されることから[35]、vlPAGが排尿の促進野と考えられる。
PAG吻側の背外側部(dlPAG)への電気刺激によって排尿が抑制され、この効果は、排尿中枢へのビキュキュリン投与によって阻害されることから、PAG吻側の背外側部(dlPAG)からのGABA作動性ニューロンが排尿抑制系として働くと考えられる[36]。GABA作動性ニューロンによる抑制は、D1受容体を介したドーパミンニューロン作動性入力によって調節されている[37]。
前頭葉や扁桃体からPAGへの入力は、緊急時の適応行動の際に排尿抑制系として作用する[38]。
睡眠・覚醒
PAG尾側の腹外側部から、さらにその腹外側の網様体に位置する外背側被蓋核(laterodorsal tegmental nucleus; LDT)と、その外側に分布する脚橋被蓋核(pedunculopontine tegmental nucleus; PPT)のアセチルコリン作動性ニューロンの一群は、レム睡眠中に高い発火活動を維持し、レム睡眠の発現と維持に関与する。別の一群のアセチルコリン作動性ニューロンは、覚醒とレム睡眠時に活動が上昇し、覚醒とレム睡眠の調節に関与する。LDT腹側部(subLDT)のグルタミン酸作動性ニューロンも、アセチルコリン作動性ニューロンとの間に相互促進性の関係あり、レム睡眠の調節に関与している。背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンは、青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンとともに、覚醒時に持続的発火を維持し、覚醒の維持、レム睡眠の抑制に関与する。PAG腹外側部のGABA作動性ニューロンもLDT/subLDTのレム睡眠調節領域に投射して、レム睡眠の抑制に作用している。アセチルコリン作動性ニューロン、モノアミン作動性ニューロンは、覚醒時には、視床下部の覚醒系ニューロン(ヒスタミン作動性ニューロン、オレキシン作動性ニューロン)からの興奮性入力を受け、徐波睡眠時には、視索前野のGABA作動性ニューロンからの抑制を受けているPAG尾側の腹外側部から、さらにその腹外側の網様体に位置する外背側被蓋核(laterodorsal tegmental nucleus; LDT)と、その外側に分布する脚橋被蓋核(pedunculopontine tegmental nucleus; PPT)のアセチルコリン作動性ニューロンの一群は、レム睡眠中に高い発火活動を維持し、レム睡眠の発現と維持に関与する。別の一群のアセチルコリン作動性ニューロンは、覚醒とレム睡眠時に活動が上昇し、覚醒とレム睡眠の調節に関与する。LDT腹側部(subLDT)のグルタミン酸作動性ニューロンも、アセチルコリン作動性ニューロンとの間に相互促進性の関係あり、レム睡眠の調節に関与している。背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンは、青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンとともに、覚醒時に持続的発火を維持し、覚醒の維持、レム睡眠の抑制に関与する。PAG腹外側部のGABA作動性ニューロンもLDT/subLDTのレム睡眠調節領域に投射して、レム睡眠の抑制に作用している。アセチルコリン作動性ニューロン、モノアミン作動性ニューロンは、覚醒時には、視床下部の覚醒系ニューロン(ヒスタミン作動性ニューロン、オレキシン作動性ニューロン)からの興奮性入力を受け、徐波睡眠時には、視索前野のGABA作動性ニューロンからの抑制を受けている[39][40][41]。
参考文献
- ↑ 1.0 1.1
Li, A.H., Hwang, H.M., Tan, P.P., Wu, T., & Wang, H.L. (2001).
Neurotensin excites periaqueductal gray neurons projecting to the rostral ventromedial medulla. Journal of neurophysiology, 85(4), 1479-88. [PubMed:11287471] [WorldCat] [DOI] - ↑
Renno, W.M., Mullett, M.A., & Beitz, A.J. (1992).
Systemic morphine reduces GABA release in the lateral but not the medial portion of the midbrain periaqueductal gray of the rat. Brain research, 594(2), 221-32. [PubMed:1450948] [WorldCat] [DOI] - ↑
Beitz, A.J., Shepard, R.D., & Wells, W.E. (1983).
The periaqueductal gray-raphe magnus projection contains somatostatin, neurotensin and serotonin but not cholecystokinin. Brain research, 261(1), 132-7. [PubMed:6132659] [WorldCat] [DOI] - ↑
Mitchell, V.A., Kawahara, H., & Vaughan, C.W. (2009).
Neurotensin inhibition of GABAergic transmission via mGluR-induced endocannabinoid signalling in rat periaqueductal grey. The Journal of physiology, 587(Pt 11), 2511-20. [PubMed:19359367] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Drew, G.M., Lau, B.K., & Vaughan, C.W. (2009).
Substance P drives endocannabinoid-mediated disinhibition in a midbrain descending analgesic pathway. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 29(22), 7220-9. [PubMed:19494144] [PMC] [WorldCat] [DOI]
Mitchell, V.A., Jeong, H.J., Drew, G.M., & Vaughan, C.W. (2011).
Cholecystokinin exerts an effect via the endocannabinoid system to inhibit GABAergic transmission in midbrain periaqueductal gray. Neuropsychopharmacology : official publication of the American College of Neuropsychopharmacology, 36(9), 1801-10. [PubMed:21525858] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Gregg, T.R., & Siegel, A. (2001).
Brain structures and neurotransmitters regulating aggression in cats: implications for human aggression. Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry, 25(1), 91-140. [PubMed:11263761] [WorldCat] [DOI] - ↑
Gregg, T.R., & Siegel, A. (2001).
Brain structures and neurotransmitters regulating aggression in cats: implications for human aggression. Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry, 25(1), 91-140. [PubMed:11263761] [WorldCat] [DOI] - ↑
Sukikara, M.H., Mota-Ortiz, S.R., Baldo, M.V., Felício, L.F., & Canteras, N.S. (2006).
A role for the periaqueductal gray in switching adaptive behavioral responses. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 26(9), 2583-9. [PubMed:16510737] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Miranda-Paiva, C.M., Canteras, N.S., Sukikara, M.H., Nasello, A.G., Mackowiak, I.I., & Felicio, L.F. (2007).
Periaqueductal gray cholecystokinin infusions block morphine-induced disruption of maternal behavior. Peptides, 28(3), 657-62. [PubMed:17194502] [WorldCat] [DOI] - ↑
Rossi, F., Maione, S., & Berrino, L. (1994).
Periaqueductal gray area and cardiovascular function. Pharmacological research, 29(1), 27-36. [PubMed:8202441] [WorldCat] [DOI] - ↑
Iigaya, K., Horiuchi, J., McDowall, L.M., & Dampney, R.A. (2010).
Topographical specificity of regulation of respiratory and renal sympathetic activity by the midbrain dorsolateral periaqueductal gray. American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology, 299(3), R853-61. [PubMed:20504909] [WorldCat] [DOI] - ↑
Rossi, F., Maione, S., & Berrino, L. (1994).
Periaqueductal gray area and cardiovascular function. Pharmacological research, 29(1), 27-36. [PubMed:8202441] [WorldCat] [DOI] - ↑
Dean, C. (2011).
Endocannabinoid modulation of sympathetic and cardiovascular responses to acute stress in the periaqueductal gray of the rat. American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology, 300(3), R771-9. [PubMed:21228344] [WorldCat] [DOI] - ↑
Villela, D.C., da Silva, L.G., & Fontes, M.A. (2009).
Activation of 5-HT receptors in the periaqueductal gray attenuates the tachycardia evoked from dorsomedial hypothalamus. Autonomic neuroscience : basic & clinical, 148(1-2), 36-43. [PubMed:19303372] [WorldCat] [DOI] - ↑
Nakamura, K., Matsumura, K., Hübschle, T., Nakamura, Y., Hioki, H., Fujiyama, F., ..., & Kaneko, T. (2004).
Identification of sympathetic premotor neurons in medullary raphe regions mediating fever and other thermoregulatory functions. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 24(23), 5370-80. [PubMed:15190110] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Yoshida, K., Konishi, M., Nagashima, K., Saper, C.B., & Kanosue, K. (2005).
Fos activation in hypothalamic neurons during cold or warm exposure: projections to periaqueductal gray matter. Neuroscience, 133(4), 1039-46. [PubMed:15927405] [WorldCat] [DOI] - ↑
Subramanian, H.H., Balnave, R.J., & Holstege, G. (2008).
The midbrain periaqueductal gray control of respiration. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 28(47), 12274-83. [PubMed:19020021] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Subramanian, H.H., Balnave, R.J., & Holstege, G. (2008).
The midbrain periaqueductal gray control of respiration. The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience, 28(47), 12274-83. [PubMed:19020021] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Vanderhorst, V.G., Terasawa, E., Ralston, H.J., & Holstege, G. (2000).
Monosynaptic projections from the lateral periaqueductal gray to the nucleus retroambiguus in the rhesus monkey: implications for vocalization and reproductive behavior. The Journal of comparative neurology, 424(2), 251-68. [PubMed:10906701] [WorldCat] [DOI] - ↑
Jürgens, U. (1994).
The role of the periaqueductal grey in vocal behaviour. Behavioural brain research, 62(2), 107-17. [PubMed:7945960] [WorldCat] [DOI] - ↑
Jürgens, U., & Lu, C.L. (1993).
The effects of periaqueductally injected transmitter antagonists on forebrain-elicited vocalization in the squirrel monkey. The European journal of neuroscience, 5(6), 735-41. [PubMed:7903190] [WorldCat] [DOI] - ↑
Lu, C.L., & Jürgens, U. (1993).
Effects of chemical stimulation in the periaqueductal gray on vocalization in the squirrel monkey. Brain research bulletin, 32(2), 143-51. [PubMed:8102315] [WorldCat] [DOI] - ↑
Marson, L. (2004).
Lesions of the periaqueductal gray block the medial preoptic area-induced activation of the urethrogenital reflex in male rats. Neuroscience letters, 367(3), 278-82. [PubMed:15337249] [WorldCat] [DOI] - ↑
Normandin, J.J., & Murphy, A.Z. (2008).
Nucleus paragigantocellularis afferents in male and female rats: organization, gonadal steroid receptor expression, and activation during sexual behavior. The Journal of comparative neurology, 508(5), 771-94. [PubMed:18393295] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Okada, E., Aou, S., Takaki, A., Oomura, Y., & Hori, T. (1991).
Electrical stimulation of male monkey's midbrain elicits components of sexual behavior. Physiology & behavior, 50(1), 229-36. [PubMed:1946721] [WorldCat] [DOI] - ↑
Pfaff, D.W., & Sakuma, Y. (1979).
Facilitation of the lordosis reflex of female rats from the ventromedial nucleus of the hypothalamus. The Journal of physiology, 288, 189-202. [PubMed:469715] [PMC] [WorldCat] - ↑
Tsukahara, S., & Yamanouchi, K. (2001).
Neurohistological and behavioral evidence for lordosis-inhibiting tract from lateral septum to periaqueductal gray in male rats. The Journal of comparative neurology, 431(3), 293-310. [PubMed:11170006] [WorldCat] - ↑
Tsukahara, S., & Yamanouchi, K. (2001).
Neurohistological and behavioral evidence for lordosis-inhibiting tract from lateral septum to periaqueductal gray in male rats. The Journal of comparative neurology, 431(3), 293-310. [PubMed:11170006] [WorldCat] - ↑
Sakuma, Y., & Pfaff, D.W. (1983).
Modulation of the lordosis reflex of female rats by LHRH, its antiserum and analogs in the mesencephalic central gray. Neuroendocrinology, 36(3), 218-24. [PubMed:6339979] [WorldCat] [DOI] - ↑
Harlan, R.E., Shivers, B.D., & Pfaff, D.W. (1983).
Midbrain microinfusions of prolactin increase the estrogen-dependent behavior, lordosis. Science (New York, N.Y.), 219(4591), 1451-3. [PubMed:6828874] [WorldCat] [DOI] - ↑
Sakuma, Y., & Pfaff, D.W. (1983).
Modulation of the lordosis reflex of female rats by LHRH, its antiserum and analogs in the mesencephalic central gray. Neuroendocrinology, 36(3), 218-24. [PubMed:6339979] [WorldCat] [DOI] - ↑
Sirinathsinghji, D.J. (1984).
Modulation of lordosis behavior of female rats by naloxone, beta-endorphin and its antiserum in the mesencephalic central gray: possible mediation via GnRH. Neuroendocrinology, 39(3), 222-30. [PubMed:6209590] [WorldCat] [DOI] - ↑
Blok, B.F., De Weerd, H., & Holstege, G. (1995).
Ultrastructural evidence for a paucity of projections from the lumbosacral cord to the pontine micturition center or M-region in the cat: a new concept for the organization of the micturition reflex with the periaqueductal gray as central relay. The Journal of comparative neurology, 359(2), 300-9. [PubMed:7499530] [WorldCat] [DOI] - ↑
Matsuura, S., Downie, J.W., & Allen, G.V. (2000).
Micturition evoked by glutamate microinjection in the ventrolateral periaqueductal gray is mediated through Barrington's nucleus in the rat. Neuroscience, 101(4), 1053-61. [PubMed:11113354] [WorldCat] [DOI] - ↑
Stone, E., Coote, J.H., Allard, J., & Lovick, T.A. (2011).
GABAergic control of micturition within the periaqueductal grey matter of the male rat. The Journal of physiology, 589(Pt 8), 2065-78. [PubMed:21486804] [PMC] [WorldCat] [DOI] - ↑
Numata, A., Iwata, T., Iuchi, H., Taniguchi, N., Kita, M., Wada, N., ..., & Kakizaki, H. (2008).
Micturition-suppressing region in the periaqueductal gray of the mesencephalon of the cat. American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology, 294(6), R1996-2000. [PubMed:18385467] [WorldCat] [DOI] - ↑
Kitta, T., Matsumoto, M., Tanaka, H., Mitsui, T., Yoshioka, M., & Nonomura, K. (2008).
GABAergic mechanism mediated via D receptors in the rat periaqueductal gray participates in the micturition reflex: an in vivo microdialysis study. The European journal of neuroscience, 27(12), 3216-25. [PubMed:18554296] [WorldCat] [DOI] - ↑
Holstege, G. (2010).
The emotional motor system and micturition control. Neurourology and urodynamics, 29(1), 42-8. [PubMed:20025036] [WorldCat] [DOI] - ↑
Saper, C.B., Scammell, T.E., & Lu, J. (2005).
Hypothalamic regulation of sleep and circadian rhythms. Nature, 437(7063), 1257-63. [PubMed:16251950] [WorldCat] [DOI] - ↑
Luppi, P.H., Gervasoni, D., Verret, L., Goutagny, R., Peyron, C., Salvert, D., ..., & Fort, P. (2007).
Paradoxical (REM) sleep genesis: the switch from an aminergic-cholinergic to a GABAergic-glutamatergic hypothesis. Journal of physiology, Paris, 100(5-6), 271-83. [PubMed:17689057] [WorldCat] [DOI] - ↑
Koyama, Y. (2012).
[Regulation of sleep and wakefulness through the monoaminergic and cholinergic systems]. Brain and nerve = Shinkei kenkyu no shinpo, 64(6), 601-10. [PubMed:22647467] [WorldCat]
(執筆者:小山純正 担当編集委員:伊佐正)