「興奮性シナプス」の版間の差分

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 シナプス前細胞で発生した活動電位は軸索を伝播し、シナプス前終末に到達する。シナプス前終末では、活動電位による脱分極で電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。カルシウムイオンが引き金となってactive zoneに結合しているシナプス小胞が細胞膜に融合し、シナプス小胞に内包されていた神経伝達物質がシナプス間隙に開口放出される。
 シナプス前細胞で発生した活動電位は軸索を伝播し、シナプス前終末に到達する。シナプス前終末では、活動電位による脱分極で電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。カルシウムイオンが引き金となってactive zoneに結合しているシナプス小胞が細胞膜に融合し、シナプス小胞に内包されていた神経伝達物質がシナプス間隙に開口放出される。


 開口放出された伝達物質はシナプス後細胞膜上の受容体に結合する。[[イオンチャネル共役型受容体]]の場合は、即座にイオンチャネルが開いて陽イオンが細胞内に流入することで脱分極が起こる。[[代謝型活性型受容体]]の場合は、伝達物質結合の後、細胞内シグナルを介して別のイオンチャネルが開き、遅い時間スケールでの脱分極が起こる([[遅いシナプス後電位]])。
 開口放出された伝達物質はシナプス後細胞膜上の受容体に結合する。[[イオンチャネル共役型受容体]]の場合は、即座にイオンチャネルが開いて陽イオンが細胞内に流入することで脱分極が起こる。[[代謝型活性型受容体]]の場合は、伝達物質結合の後、細胞内シグナルを介して別のイオンチャネルが開いて遅い時間スケールでの脱分極が起こる([[遅いシナプス後電位]])。


== 電気生理  ==
== 電気生理  ==
 興奮性シナプス伝達では、陽イオンの流入によってシナプス後細胞は脱分極し、この膜電位変化はホールセル[[パッチクランプ]]法(カレントクランプモード)において興奮性[[シナプス後電位]](excitatory postsynaptic potential; EPSP)として観察される。このとき電流は細胞の内側に向かって流れ(内向き電流)、ホールセルパッチクランプ法(ボルテージクランプモード)において興奮性[[シナプス後電流]](excitatory postsynaptic current; EPSC)として観察される。また、電流が流れることによって細胞外電場にも変化が生じるので、細胞外電極によって興奮性[[シナプス後場電位]](field EPSP; fEPSP)として観察することが可能である。
 興奮性のシナプス入力によって受容体からカルシウムイオンが細胞内に流入するので、[[カルシウム指示薬]]や[[カルシウム感受性蛍光タンパク質]]を用いることで興奮性シナプス伝達を光学的に観察することも可能である。


== 可塑性  ==
== 可塑性  ==
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