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<font size="+1">[http://photo1.biophys.kyoto-u.ac.jp/shichida/members/matsuyama.html 松山オジョス武]、[http://researchmap.jp/read0013386 七田芳則]</font><br> | |||
''京都大学 大学院理学研究科 生物科学専攻 理学研究科 生物科学専攻''<br> | |||
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年2月17日 原稿完成日:2013年3月4日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](独立行政法人理化学研究所)<br> | |||
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(執筆者:松山オジョス武、七田芳則 担当編集委員:林康紀) | |||
{{PBB|geneid=6010}}英:rhodopsin, visual purple 独:Rhodopsin, Sehpurpur 仏:rhodopsine, pourpre rétinienne | {{PBB|geneid=6010}}英:rhodopsin, visual purple 独:Rhodopsin, Sehpurpur 仏:rhodopsine, pourpre rétinienne | ||
同義語:桿体視物質、視紅 | 同義語:桿体視物質、視紅 | ||
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[[眼]]の[[網膜]]には光受容に特化した2種類の[[視細胞]]、[[桿体]]と[[錐体]]が含まれ、それぞれには[[wikipedia:ja:光|光]]を受容するために特別に[[細胞分化|分化]]した[[wikipedia:ja:タンパク質|タンパク質]](光受容タンパク質)が含まれる。これらのタンパク質を視物質と呼び<ref name="ref1">'''Dowling J'''<br>The Retina: An approachable part of the brain<br>''The Belknap Press of Harvard Univ. Press'':1987</ref><ref name="name"><pubmed> 9893707 </pubmed></ref>、特に[[桿体]]の視物質(桿体視物質)をロドプシンと呼ぶ。桿体には[[外節]]と呼ばれる光受容に特化した領域があり、その中には[[円盤膜]](disk membrane)と呼ばれるパンケーキ状の膜構造がある。ロドプシンはこの膜構造の中に大量に埋め込まれて存在している。 ロドプシンは[[wikipedia:ja:アポタンパク質|アポタンパク質]]と発色団[[レチナール]]より構成されており、レチナールが光を吸収することによって異性化しタンパク質部分の構造変化を起こし、[[Gタンパク質]]を介して[[細胞内シグナル伝達系]]を駆動する。光を吸収するという光受容体としての機能・特性がそのまま分子の物性を反映するプローブとして使えるため、ロドプシンは分光法によってその光反応過程が詳細に解析されており、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のなかでも最も研究が進んでいる受容体としても注目されている。また近年ではロドプシンに近縁なタンパク質(ロドプシン類あるいはオプシン類)が多く同定されており、さまざまな生物種の視覚の他に[[概日リズム]]の光同調などの視覚以外の生理機能を担っていることが明らかになっている。 | [[眼]]の[[網膜]]には光受容に特化した2種類の[[視細胞]]、[[桿体]]と[[錐体]]が含まれ、それぞれには[[wikipedia:ja:光|光]]を受容するために特別に[[細胞分化|分化]]した[[wikipedia:ja:タンパク質|タンパク質]](光受容タンパク質)が含まれる。これらのタンパク質を視物質と呼び<ref name="ref1">'''Dowling J'''<br>The Retina: An approachable part of the brain<br>''The Belknap Press of Harvard Univ. Press'':1987</ref><ref name="name"><pubmed> 9893707 </pubmed></ref>、特に[[桿体]]の視物質(桿体視物質)をロドプシンと呼ぶ。桿体には[[外節]]と呼ばれる光受容に特化した領域があり、その中には[[円盤膜]](disk membrane)と呼ばれるパンケーキ状の膜構造がある。ロドプシンはこの膜構造の中に大量に埋め込まれて存在している。 ロドプシンは[[wikipedia:ja:アポタンパク質|アポタンパク質]]と発色団[[レチナール]]より構成されており、レチナールが光を吸収することによって異性化しタンパク質部分の構造変化を起こし、[[Gタンパク質]]を介して[[細胞内シグナル伝達系]]を駆動する。光を吸収するという光受容体としての機能・特性がそのまま分子の物性を反映するプローブとして使えるため、ロドプシンは分光法によってその光反応過程が詳細に解析されており、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のなかでも最も研究が進んでいる受容体としても注目されている。また近年ではロドプシンに近縁なタンパク質(ロドプシン類あるいはオプシン類)が多く同定されており、さまざまな生物種の視覚の他に[[概日リズム]]の光同調などの視覚以外の生理機能を担っていることが明らかになっている。 | ||
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== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
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