「前頭前野」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
<div align="right"> 
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0194204 渡邊 正孝]</font><br>
''新潟大学 大学院医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2013年5月16日 原稿完成日:2013年2月3日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/atsushiiriki 入來 篤史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
</div>
英:prefrontal area  
英:prefrontal area  


同義語:前頭連合野、前頭前皮質、前頭顆粒皮質  
同義語:前頭連合野、前頭前皮質、前頭顆粒皮質  


{{box|text=
 前頭前野は[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]をヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている。前頭前野は[[wikipedia:ja:系統発生|系統発生]]的にヒトで最もよく発達した脳部位であるとともに,個体発生的には最も遅く成熟する脳部位である。一方老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位の一つでもある。この脳部位は[[ワーキングメモリー]]、[[反応抑制]]、[[行動の切り替え]]、[[プラニング]]、[[推論]]などの[[認知]]・[[実行機能]]を担っている。また、高次な[[情動]]・[[動機づけ]]機能とそれに基づく[[意思決定]]過程も担っている。さらに[[社会的行動]]、[[葛藤]]の解決や[[報酬]]に基づく選択など、多様な機能に関係している。  
 前頭前野は[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]をヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている。前頭前野は[[wikipedia:ja:系統発生|系統発生]]的にヒトで最もよく発達した脳部位であるとともに,個体発生的には最も遅く成熟する脳部位である。一方老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位の一つでもある。この脳部位は[[ワーキングメモリー]]、[[反応抑制]]、[[行動の切り替え]]、[[プラニング]]、[[推論]]などの[[認知]]・[[実行機能]]を担っている。また、高次な[[情動]]・[[動機づけ]]機能とそれに基づく[[意思決定]]過程も担っている。さらに[[社会的行動]]、[[葛藤]]の解決や[[報酬]]に基づく選択など、多様な機能に関係している。  
}}


== 前頭前野のなりたち  ==
== 前頭前野のなりたち  ==
90行目: 99行目:
*Stuss DT, Knight R (eds.) Principles of Frontal Lobes Function (2nd ed) Oxford Univ. Press .2012  
*Stuss DT, Knight R (eds.) Principles of Frontal Lobes Function (2nd ed) Oxford Univ. Press .2012  


*Dynamic Landscape of the Frontal Lobe: A Tribute to Patricia S. Goldman-Rakic. Special Issue of Cerebral Cortex supple 7 2007.  
*Dynamic Landscape of the Frontal Lobe: A Tribute to Patricia S. Goldman-Rakic. Special Issue of Cerebral Cortex supple 7 2007.
 
 
(執筆者:渡邊正孝 担当編集委員:入來篤史)