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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0007927 山田 正仁]</font><br> | |||
''金沢大学 医薬保健研究域 医学系 医薬保健研究域 医学系''<br> | |||
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2013年4月30日 原稿完成日:2013年月日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/ryosuketakahashi 高橋 良輔](京都大学 大学院医学研究科)<br> | |||
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英語名:frontotemporal dementia 英略号:FTD 独:Frontotemporale Demenz 仏:démence fronto-temporale | 英語名:frontotemporal dementia 英略号:FTD 独:Frontotemporale Demenz 仏:démence fronto-temporale | ||
類義語:frontotemporal lobar dengeration (FTLD) 、behavioral variant frontotemporal dementia (bvFTD) | 類義語:frontotemporal lobar dengeration (FTLD) 、behavioral variant frontotemporal dementia (bvFTD) | ||
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前頭側頭型認知症は[[人格変化]]や[[行動異常]]に特徴づけられる症候群であり、[[大脳]]の前方部([[前頭葉|前頭]][[側頭葉]])に限局性変性を示す疾患群([[前頭側頭葉変性症]]とよばれる)に認められる。50〜60歳台を中心に発症する。FTLD脳には[[タウ]]([[Tau]])タンパク質、[[TDP-43]] ([[Transactive response DNA binding protein of 43 kD]])、[[FUS]]([[Fused in sarcoma]])他のタンパク質の蓄積がみられ、蓄積タンパク質に対応してFTLDは[[FTLD-Tau]]、[[FTLD-TDP]]、[[FTLD-FUS]]他に分類される。FTDの原因疾患の1つである[[Pick病]]はFTLD-Tauに属し、神経細胞内に[[Pick球]]あるいは[[Pick小体]]と呼ばれる[[封入体]]がみられ、封入体には3リピートタウとよばれるタウタンパク質アイソフォームが凝集している。根本的な治療法はなく、対症的治療およびケアが中心となる。経過は緩徐進行性で、平均約8年で寝たきり状態になり死亡する。 | 前頭側頭型認知症は[[人格変化]]や[[行動異常]]に特徴づけられる症候群であり、[[大脳]]の前方部([[前頭葉|前頭]][[側頭葉]])に限局性変性を示す疾患群([[前頭側頭葉変性症]]とよばれる)に認められる。50〜60歳台を中心に発症する。FTLD脳には[[タウ]]([[Tau]])タンパク質、[[TDP-43]] ([[Transactive response DNA binding protein of 43 kD]])、[[FUS]]([[Fused in sarcoma]])他のタンパク質の蓄積がみられ、蓄積タンパク質に対応してFTLDは[[FTLD-Tau]]、[[FTLD-TDP]]、[[FTLD-FUS]]他に分類される。FTDの原因疾患の1つである[[Pick病]]はFTLD-Tauに属し、神経細胞内に[[Pick球]]あるいは[[Pick小体]]と呼ばれる[[封入体]]がみられ、封入体には3リピートタウとよばれるタウタンパク質アイソフォームが凝集している。根本的な治療法はなく、対症的治療およびケアが中心となる。経過は緩徐進行性で、平均約8年で寝たきり状態になり死亡する。 | ||
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[[Image:Pick's disease.png|thumb|450px|<b>図1. 前頭側頭型認知症 (Pick病)症例のMRI画像</b><br />前頭葉の皮質、白質の著明な萎縮を認める。Wikipediaより。]] | [[Image:Pick's disease.png|thumb|450px|<b>図1. 前頭側頭型認知症 (Pick病)症例のMRI画像</b><br />前頭葉の皮質、白質の著明な萎縮を認める。Wikipediaより。]] | ||
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== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
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