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である。ここで、Rm:膜抵抗、Re:細胞外抵抗、Ri:細胞内抵抗である。λは、伝達速度とほぼ比例の関係にある。 | である。ここで、Rm:膜抵抗、Re:細胞外抵抗、Ri:細胞内抵抗である。λは、伝達速度とほぼ比例の関係にある。 | ||
捕食や逃避といった行動を考えると、神経伝達速度を上昇させることは、進化の過程で重要な選択圧であることが想像できる。 | |||
長いλを実現するためには、例えば、無脊椎動物であるイカの巨大軸索に見られるように、軸索を太くしてRiを下げる例があるが、その一方で、脊椎動物では[[髄鞘]]を巻いてRmを大きくする方法が獲得された。髄鞘で囲まれていない間隙、すなわち、ランヴィエの絞輪にはアンキリンなどのタンパク質を足場にして[[電位依存性チャネル]]が集積し、これにより跳躍伝導が起き2、高速(30-160 m/s)で減衰の無い信号伝達が実現されている。跳躍伝導はクルマエビなどの節足動物でも見られ、これは進化的に独立に獲得されたと考えられている3。 | |||
髄鞘を用いる方法は、太い軸索に比べて、 | |||
#軸索を相対的にコンパクトにでき、集積化に適する。 | |||
#イオン環境の変動が小さく、恒常性維持のためのエネルギー消費が節約できる。また集積化した際にも、神経線維間で電気信号の混線が起きにくい。 | |||
#髄鞘の巻き数や絞輪の間隔を制御する事で、伝達速度の微妙な調節が可能、などの利点を持つと考えられる3。 | |||
例えば、巨大軸索と比較した場合、スペースで1万5千倍、エネルギー消費で数千倍の節約効果があると見積もられている4。 | |||
==構造== | ==構造== |