「標的認識」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
5行目: 5行目:
 正常な脳機能がなされるにはそれを支える神経細胞群がシナプス結合によって回路を形成し、回路に入力してきた情報を的確に処理し、出力に変える必要がある。こういった神経回路は脳内のワイヤリングの過程により形成されるが、そのワイヤリングにおいて神経回路が「正しく」形成されるにはシナプス形成の過程で特異的なターゲット認識が行われる必要がある。そのためには神経細胞のアクソン(例えば延髄の下オリーブ核の神経細胞の軸索である登上線維)が正しい脳内の領域(小脳)に到着する必要があり、その領域内にある神経細胞の中から正しい神経細胞(プルキニエ細胞)を認識し、その細胞上の正しい細胞内のコンパートメント(デンドライトの一部)にシナプスを形成する必要がある。また、この場合、ある線維とある細胞がランダムではなく結合し(一本の登上繊維は1つのプルキニエ細胞と結合)、特異的な情報を処理維持しなければならない(トポグラフィックカルな情報)。このためには、これらのそれぞれの過程で特異的なターゲット認識を行う認識分子(recognition molecule)が関与していると考えられる。
 正常な脳機能がなされるにはそれを支える神経細胞群がシナプス結合によって回路を形成し、回路に入力してきた情報を的確に処理し、出力に変える必要がある。こういった神経回路は脳内のワイヤリングの過程により形成されるが、そのワイヤリングにおいて神経回路が「正しく」形成されるにはシナプス形成の過程で特異的なターゲット認識が行われる必要がある。そのためには神経細胞のアクソン(例えば延髄の下オリーブ核の神経細胞の軸索である登上線維)が正しい脳内の領域(小脳)に到着する必要があり、その領域内にある神経細胞の中から正しい神経細胞(プルキニエ細胞)を認識し、その細胞上の正しい細胞内のコンパートメント(デンドライトの一部)にシナプスを形成する必要がある。また、この場合、ある線維とある細胞がランダムではなく結合し(一本の登上繊維は1つのプルキニエ細胞と結合)、特異的な情報を処理維持しなければならない(トポグラフィックカルな情報)。このためには、これらのそれぞれの過程で特異的なターゲット認識を行う認識分子(recognition molecule)が関与していると考えられる。
 
 
<ターゲット認識についての歴史的な考察>
<ターゲット認識についての歴史的な考察>


131

回編集