「性同一性障害」の版間の差分
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<font size="+1">針間 克己</font><br> | <font size="+1">針間 克己</font><br> | ||
''はりまメンタルクリニック''<br> | ''はりまメンタルクリニック''<br> | ||
DOI [[XXXX]]/XXXX 原稿受付日:2014年2月13日 原稿完成日:2014年月日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadafumikato 加藤 忠史](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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同義語:gender dysphoria | 同義語:gender dysphoria | ||
{{box|text= | {{box|text= 性同一性障害とは、ジェンダー・アイデンティティと身体的性別と一致しないために苦痛や障害を引き起こしている疾患である。男性性同一性障害者には2つの亜型が知られ、第一の亜型は一次性と呼ばれるもので、小児期または青年期前期に発症し、青年期後期または成人期に受診する。第二の亜型は二次性と呼ばれるもので、発症が比較的遅く、[[異性装症]]に引き続くことが多いといわれる。女性から男性の性別変更を望む患者は比較的均一であり、小児期または青年期前期に発症し、青年期後期または成人期に受診する。これまでのところ、2万人程度のものが、性同一性障害を主訴に、医療機関を受診したと思われる。何らかの生物学的異常が基盤にあるのではないかと推測され、最近、男性性同一性障害者では、[[分界条床核]]の体積が、男性より優位に小さく、女性とほぼ等しいものであった。また、男性性同一性障害者では対照群の男性と比較して、[[アンドロゲン受容体]]遺伝子における[[塩基多型]]が示され、[[アンドロゲン]]への感受性が低い可能性が示唆された。}} | ||
(編集部にて作成。ご確認ください) | |||
==性同一性障害とは== | ==性同一性障害とは== | ||
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筆者のクリニック受診者の統計<ref name=ref3>'''針間克己、石丸径一郎'''<br>性同一性障害と自殺<br>''精神科治療学''25(2),247~251,2010</ref>では自殺念慮は62.0%、自殺企図は10.8%、[[自傷行為]]は16.1%、過量服薬は7.9%にその経験があった。 | 筆者のクリニック受診者の統計<ref name=ref3>'''針間克己、石丸径一郎'''<br>性同一性障害と自殺<br>''精神科治療学''25(2),247~251,2010</ref>では自殺念慮は62.0%、自殺企図は10.8%、[[自傷行為]]は16.1%、過量服薬は7.9%にその経験があった。 | ||
==治療== | |||
(編集コメント:治療について御言及いただければと思います) | |||
===実生活経験=== | ===実生活経験=== | ||
[[実生活経験]](real life experience、RLE)とは、望みの性別で職業生活や学校生活などの社会生活を送ることをいう。RLEを行い、社会生活で適応することは、[[ホルモン療法]]や[[手術療法]]といった治療を行う前に欠かせないことである。 | [[実生活経験]](real life experience、RLE)とは、望みの性別で職業生活や学校生活などの社会生活を送ることをいう。RLEを行い、社会生活で適応することは、[[ホルモン療法]]や[[手術療法]]といった治療を行う前に欠かせないことである。 | ||
筆者のクリニック受診者の初診時の統計<ref name=ref2>'''針間克己'''<br>精神科外来受診者における性同一性障害者のRLEと臨床的特徴.GID(性同一性障害)<br>学会雑誌2(1),42~43,2009</ref>ではMTFでは41.0%がRLEあり、すなわち女性として職業生活や学校生活を送っており、FTMでは50.9% がRLEあり、すなわち男性として職業生活や学校生活を送っていた。 | 筆者のクリニック受診者の初診時の統計<ref name=ref2>'''針間克己'''<br>精神科外来受診者における性同一性障害者のRLEと臨床的特徴.GID(性同一性障害)<br>学会雑誌2(1),42~43,2009</ref>ではMTFでは41.0%がRLEあり、すなわち女性として職業生活や学校生活を送っており、FTMでは50.9% がRLEあり、すなわち男性として職業生活や学校生活を送っていた。 | ||
==疫学== | ==疫学== | ||
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== 生物学的原因 == | == 生物学的原因 == | ||
性同一性障害は、身体的性別とは反対のジェンダー・アイデンティティを持つため、そのジェンダー・アイデンティティ形成には、何らかの生物学的異常が基盤にあるのではないかと推測され研究がおこなわれてきた。その中で1995年Zhouら<ref name=ref4><pubmed>7477289</pubmed></ref>が、MTFの死後脳を調査し[[分界条床核]] | 性同一性障害は、身体的性別とは反対のジェンダー・アイデンティティを持つため、そのジェンダー・アイデンティティ形成には、何らかの生物学的異常が基盤にあるのではないかと推測され研究がおこなわれてきた。その中で1995年Zhouら<ref name=ref4><pubmed>7477289</pubmed></ref>が、MTFの死後脳を調査し[[分界条床核]]の体積について報告した。分界条床核は性行動に関係が深いとされる神経細胞群であり、男性のものは、女性のものに対して優位に大きい。研究は男性、女性、同性愛男性、MTFの分界条床核の体積を測定し、比較したものだが、MTFでは男性より優位に小さく、女性とほぼ等しいものであった。 | ||
[[性ホルモン]] | [[性ホルモン]]に関しては、特定の性ホルモンの過剰や欠如といった量的異常はこれまでに明確には示されはいないが、近年、性ホルモンに関する遺伝子の研究がなされている。すなわち、遺伝子配列の塩基ポリモルフィズム(single nucleotide polymorphism, SNP)(に着眼しての研究である。Hareら<ref name=ref5><pubmed>18962445</pubmed></ref>によれば、MTFでは、対照群の男性と比較して、[[アンドロゲン受容体]]遺伝子における塩基ポリモルフィズムが長いことが示された。塩基ポリモルフィズムの長さは、アンドロゲン受容体の感受性に関連していると考えられるため、この研究において、男性性同一性障害者ではアンドロゲンへの感受性が低い可能性が示唆された。 | ||
(編集コメント:塩基ポリモルフィズムが長いという言い方はおかしいかと思いますので、ご確認ください。また長さが変わるのでしたら、SNPではないと思います。) | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||