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=== CaMKII === | === CaMKII === | ||
哺乳類のCaMKIIは、4つの遺伝子(α β γ δ)によりコードされ、スプライスバリアントを含めると、40以上のアイソフォームによって構成される。基本構造として、N末端からATP結合ドメインを含むキナーゼドメイン、調節ドメイン(自己抑制ドメインとCa<sup>2+</sup>/カルモジュリン結合ドメインから構成)、C末端の多量体形成を担う自己会合ドメインを有する。ホロエンザイムは自己会合ドメインを介した会合により典型的には12量体を形成するとされる。自己抑制状態では、キナーゼドメイン内基質結合ポケットに自己抑制ドメインが偽基質として結合しており、Ca<sup>2+</sup>/ | 哺乳類のCaMKIIは、4つの遺伝子(α β γ δ)によりコードされ、スプライスバリアントを含めると、40以上のアイソフォームによって構成される。基本構造として、N末端からATP結合ドメインを含むキナーゼドメイン、調節ドメイン(自己抑制ドメインとCa<sup>2+</sup>/カルモジュリン結合ドメインから構成)、C末端の多量体形成を担う自己会合ドメインを有する。ホロエンザイムは自己会合ドメインを介した会合により典型的には12量体を形成するとされる。自己抑制状態では、キナーゼドメイン内基質結合ポケットに自己抑制ドメインが偽基質として結合しており、Ca<sup>2+</sup>/カルモジュリンが隣接する領域に結合し自己抑制が解除されるとリン酸化能を発揮する<PubMed>21884935</pubmed></ref><ref><PubMed>23632248</pubmed></ref>。これに伴い、調節ドメイン内のスレオニン残基(CaMKIIα のT286)が自己リン酸化されると、自己抑制が生じなくなり、Ca<sup>2+</sup>/カルモジュリン非存在化においても酵素活性を有する能力(autonomy)を発揮する。また、T286のリン酸化に伴いCaMに対する親和性が亢進する、CaM trappingという現象もしられ、autonomyとともに、in vitroおよび培養細胞内において示されている、非線形的な酵素活性化に寄与すると考えられている。特に、autonomyの状態に移行するかどうかは、Ca<sup>2+</sup>上昇の周波数に依存しており、後述するLTPなどのシナプス可塑性発揮において重要な性質であると考えられている。 | ||
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