「最初期遺伝子」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/hiroyukiokuno 奥野 浩行]</font><br>
''東京大学''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年12月25日 原稿完成日:2013年1月30日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/haruokasai 河西 春郎](東京大学 大学院医学系研究科)<br>
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英語名:Immediate-early genes 英語略:IEGs  
英語名:Immediate-early genes 英語略:IEGs  


同義語:前初期遺伝子  
同義語:前初期遺伝子  


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 最初期遺伝子(IEGs)は、細胞への刺激に応答して速やかに発現が誘導される一群の遺伝子の総称であり、コードされているタンパク質は[[転写制御因子]]、[[成長因子]]、[[細胞骨格]]など様々なカテゴリーを含む。神経細胞においては[[シナプス]]活動に伴う細胞内[[カルシウム]]濃度上昇や[[神経調節物質]]によるシグナル活性化などによって最初期遺伝子の発現が誘導される。一部の最初期遺伝子は[[シナプス可塑性]]を引き起こす電気刺激や[[学習]]・[[記憶]]課題によって特定の脳領域に特異的な発現誘導パターンを示すことから、シナプスや神経回路の長期[[可塑的変化]]への関与が示唆されている。また、最初期遺伝子の発現は数分~数十分前の神経活動状態をよく反映することから、最初期遺伝子の[[wikipedia:ja:mRNA|mRNA]]やタンパク質は神経活動の分子マーカーとして広く利用されている。  
 最初期遺伝子(IEGs)は、細胞への刺激に応答して速やかに発現が誘導される一群の遺伝子の総称であり、コードされているタンパク質は[[転写制御因子]]、[[成長因子]]、[[細胞骨格]]など様々なカテゴリーを含む。神経細胞においては[[シナプス]]活動に伴う細胞内[[カルシウム]]濃度上昇や[[神経調節物質]]によるシグナル活性化などによって最初期遺伝子の発現が誘導される。一部の最初期遺伝子は[[シナプス可塑性]]を引き起こす電気刺激や[[学習]]・[[記憶]]課題によって特定の脳領域に特異的な発現誘導パターンを示すことから、シナプスや神経回路の長期[[可塑的変化]]への関与が示唆されている。また、最初期遺伝子の発現は数分~数十分前の神経活動状態をよく反映することから、最初期遺伝子の[[wikipedia:ja:mRNA|mRNA]]やタンパク質は神経活動の分子マーカーとして広く利用されている。  
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== 最初期遺伝子とは ==
== 最初期遺伝子とは ==
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| colspan="2" |'''細胞外分泌因子'''
| colspan="2" |'''細胞外分泌因子'''
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| [[脳由来神経栄養因子]]、[[Activinb A]] (編集コメント:ご確認下さい)
| [[脳由来神経栄養因子]]、[[Activin&beta; A]]  
| [[成長因子]]
| [[成長因子]]
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Fos: FBJ murine osteosarcoma viral oncogene homolog; Fra: fragile site; Jun: jun proto-oncogene; Egr: early growth response; Rheb: Ras homolog enriched in brain; Plk: polo-like kinase; Arc: activity-regulated cytoskeleton-associated protein
Fos: [[FBJ murine osteosarcoma viral oncogene homolog]]; Fra: [[fragile site]]; Jun: [[ jun proto-oncogene]]; Egr: [[early growth response]]; Rheb: [[Ras homolog enriched in brain]]; Plk: [[polo-like kinase]]; Arc: [[activity-regulated cytoskeleton-associated protein]]


== 発現誘導機構 ==
== 発現誘導機構 ==
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 と考えられる。いくつかの最初期遺伝子欠損マウスにおいてはシナプスの[[長期増強]]や[[長期抑圧]]等のシナプス可塑性の障害、また、[[長期記憶]]の形成障害が報告されており、最初期遺伝子の脳の高次機能への関与が示されている<ref name="ref7"><pubmed>14622575</pubmed></ref> <ref name="ref8"><pubmed>17088210</pubmed></ref>。  
 と考えられる。いくつかの最初期遺伝子欠損マウスにおいてはシナプスの[[長期増強]]や[[長期抑圧]]等のシナプス可塑性の障害、また、[[長期記憶]]の形成障害が報告されており、最初期遺伝子の脳の高次機能への関与が示されている<ref name="ref7"><pubmed>14622575</pubmed></ref> <ref name="ref8"><pubmed>17088210</pubmed></ref>。  
==関連項目==
*[[シナプス可塑性]]
*[[長期増強]]
*[[長期抑圧]]
*[[長期記憶]]
*[[カルシウムカルモジュリン依存性蛋白質キナーゼ]]
*[[MAPキナーゼ]]


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==


<references />  
<references />
 
 
(執筆者:奥野浩行 担当編集委員:河西春郎)