「タイムラプス解析」の版間の差分
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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0080364 宮田 卓樹]</font><br> | |||
''名古屋大学 大学院医学系研究科 機能構築医学専攻 大学院医学系研究科 機能構築医学専攻''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月8日 原稿完成日:2013年3月26日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | |||
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英語名:Time-lapse analysis | 英語名:Time-lapse analysis | ||
細胞の形態的変化・機能発揮を経時的にとらえる可視化・記録・解析の技法。 | 細胞の形態的変化・機能発揮を経時的にとらえる可視化・記録・解析の技法。 | ||
[[ファイル:タイムラプス解析データ例.jpg|thumb|350px|right|'''図1.タイムラプス解析データ例'''<br> | [[ファイル:タイムラプス解析データ例.jpg|thumb|350px|right|'''図1.タイムラプス解析データ例'''<br>プラスティック皿上に付着させた「単離」神経前駆細胞の分裂(A,約1時間)およびクローン形成(B,4日間)の様子を示す。Bでは、あらかじめ大脳原基の脳膜面に蛍光色素DiIを施し「脳室面から脳膜面までスパンした細胞」すなわち「放射状グリア」形態の細胞を標識した上で細胞をdissociateし、低密度培養を行なった。ニューロンとグリアがDiIラベルされた単一前駆細胞から生じた。スケールバー、10 µm]] | ||
[[ファイル:INM.jpg|thumb|right| | [[ファイル:INM.jpg|thumb|right|350px| '''図2. タイムラプス解析データ例'''<br>約2日間の網膜原基スライス培養の様子を示す。単一神経前駆細胞(DiI標識)が分裂し,誕生した娘細胞それぞれも分裂し,4細胞クローンが形成された.前駆細胞による細胞周期依存的核移動(interkinetic nuclear migration, INM)(エレベーター運動)も観察された。<ref><pubmed>12828683</pubmed></ref>に発表したケースを改変して掲載。パネルの縦辺の長さが120マイクロメートル。]] | ||
自然科学のほとんどあらゆる研究において、さまざまな時間分解能による経時的解析が行なわれている。それらすべてをタイムラプス解析と意識する事ができるが、現在では、通常、タイムラプス観察という言葉を、second 〜 hourの間隔で記録が続けられ、形の変化や対象物の動きに注目する場合の観察の呼称としてよく用いる。 | 自然科学のほとんどあらゆる研究において、さまざまな時間分解能による経時的解析が行なわれている。それらすべてをタイムラプス解析と意識する事ができるが、現在では、通常、タイムラプス観察という言葉を、second 〜 hourの間隔で記録が続けられ、形の変化や対象物の動きに注目する場合の観察の呼称としてよく用いる。 | ||
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三次元培養、蛍光標識、画像取得などの方法の進歩にしたがって、取得する形態情報の量・質、時間分解能、観察の継続性などに関して、めざましい向上が続いている<ref>'''Rafael Yuste and Arthur Konnerth''', ed.<BR> | 三次元培養、蛍光標識、画像取得などの方法の進歩にしたがって、取得する形態情報の量・質、時間分解能、観察の継続性などに関して、めざましい向上が続いている<ref>'''Rafael Yuste and Arthur Konnerth''', ed.<BR> | ||
Imaging in Neuroscience and Development, A | Imaging in Neuroscience and Development, A Laboratory Manual<BR>''CSHL Press '', 2005 </ref>。一方、培養によらぬ、生体内の現象に対するタイムラプス観察も行なわれるようになった。発生期の現象であれば[[ゼブラフィッシュ]]胚に対する in vivoイメージングが有用であり、成体の[[脳神経系]]のなかでの[[回路]]の形成・リモデリングに注目して[[二光子顕微鏡]]を利用してタイムラプス観察するなども目覚ましい発展を続けている。 | ||
90年代までは、多くの場合、研究者が[[wikipedia:JA:顕微鏡|顕微鏡]]の[[wikipedia:JA:対物レンズ|対物レンズ]]を通して直視・直感した細胞の様子をまず写真撮影し、次いで[[wikipedia:JA:印画紙|印画紙]]に焼くところまで進んで始めて記録自体の成否および現象の実在を確認する、という研究時間の流れであった。記録も「日」の分解能にとどまるという場合が多く、ごく特殊な研究室で[[wikipedia:JA:ビデオテープ|ビデオテープ]]への記録が行なわれていた程度であった。その後のデジタル記録法の革新、自動撮影機器の爆発的普及を経た今、人間の眼・頭の即座の判断を越える量の情報が一瞬にして記録されていく。この新しい時代のタイムラプス観察には、「量」への対応を新たにあみ出し「質」を見破る能力が、これまで以上に求められている。 | 90年代までは、多くの場合、研究者が[[wikipedia:JA:顕微鏡|顕微鏡]]の[[wikipedia:JA:対物レンズ|対物レンズ]]を通して直視・直感した細胞の様子をまず写真撮影し、次いで[[wikipedia:JA:印画紙|印画紙]]に焼くところまで進んで始めて記録自体の成否および現象の実在を確認する、という研究時間の流れであった。記録も「日」の分解能にとどまるという場合が多く、ごく特殊な研究室で[[wikipedia:JA:ビデオテープ|ビデオテープ]]への記録が行なわれていた程度であった。その後のデジタル記録法の革新、自動撮影機器の爆発的普及を経た今、人間の眼・頭の即座の判断を越える量の情報が一瞬にして記録されていく。この新しい時代のタイムラプス観察には、「量」への対応を新たにあみ出し「質」を見破る能力が、これまで以上に求められている。 | ||
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