「摂食制御の神経回路」の版間の差分
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<font size="+1">船戸 弘正、イラスト作成:柿崎 美代</font><br> | <font size="+1">船戸 弘正、イラスト作成:柿崎 美代</font><br> | ||
''東邦大学 医学部解剖学講座''<br> | ''東邦大学 医学部解剖学講座''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月19日 原稿完成日:2012年6月13日 更新日:2014年7月9日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/hitoshiokamoto 岡本 仁](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/hitoshiokamoto 岡本 仁](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br> | ||
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腹内側核の内側部はレプチン受容体やオレキシン受容体が豊富に発現しており、摂食行動に重要な働きをしている。腹内側核は[[視床下部#.E8.A6.96.E4.BA.A4.E5.8F.89.E4.B8.8A.E6.A0.B8|視交叉上核]]、弓状核、室傍核、背内側核、外側野と密な線維連絡を持ち、扁桃体、結合腕傍核からの投射を受ける。特に、腹内側核PACAP陽性細胞から弓状核POMC神経への興奮性投射は摂食行動抑制に重要である<ref name=krashes2014><pubmed>24487620</pubmed></ref>。また、[[内在性カンナビノイド]]系を活性化すると摂食行動促進、体重増加を引き起こすが、[[カンナビノイド受容体]]CB1は腹内側核に豊富に存在している。 | 腹内側核の内側部はレプチン受容体やオレキシン受容体が豊富に発現しており、摂食行動に重要な働きをしている。腹内側核は[[視床下部#.E8.A6.96.E4.BA.A4.E5.8F.89.E4.B8.8A.E6.A0.B8|視交叉上核]]、弓状核、室傍核、背内側核、外側野と密な線維連絡を持ち、扁桃体、結合腕傍核からの投射を受ける。特に、腹内側核PACAP陽性細胞から弓状核POMC神経への興奮性投射は摂食行動抑制に重要である<ref name=krashes2014><pubmed>24487620</pubmed></ref>。また、[[内在性カンナビノイド]]系を活性化すると摂食行動促進、体重増加を引き起こすが、[[カンナビノイド受容体]]CB1は腹内側核に豊富に存在している。 | ||
==== 室傍核 ==== | ==== 室傍核 ==== | ||
室傍核は、弓状核のNPY/AgRP神経およびPOMC神経の投射先として重要であり、α-MSHの受容体であるメラノコルチン4受容体が豊富に発現している。室傍核でのメラノコルチン4受容体発現を低下させると肥満する<ref name=balthasar2005><pubmed>16269339 | 室傍核は、弓状核のNPY/AgRP神経およびPOMC神経の投射先として重要であり、α-MSHの受容体であるメラノコルチン4受容体が豊富に発現している。室傍核でのメラノコルチン4受容体発現を低下させると肥満する<ref name=balthasar2005><pubmed>16269339</pubmed></ref>。弓状核のNPY/AgRP神経やPOMC神経は、メラノコルチン4受容体を発現するSim1陽性に投射する。POMCはα-MSHを介して興奮性に、NPY/AgRP神経はNPY, AgRP, GABAを介して抑制性にSim1陽性メラノコルチン4受容体陽性神経を制御する。このSim1陽性メラノコルチン4受容体陽性神経の多くはオキシトシン産生細胞である<ref name=atasoy2012><pubmed>22801496</pubmed></ref> <ref name=krashes2014><pubmed>24487620</pubmed></ref>。この細胞は、孤束核近傍に投射し、摂食行動の実行を制御する。 | ||
==== 外側野 ==== | ==== 外側野 ==== | ||