「シナプシン」の版間の差分

56行目: 56行目:


== 組織・細胞内局在 ==
== 組織・細胞内局在 ==
 シナプシンは、中枢神経系・末梢神経系に広く分布するが、非神経組織にはほとんど発現していない。シナプシンI、IIは、神経終末に局在し、シナプス小胞に結合しているが、形質膜直下のシナプス小胞よりも、むしろ膜から離れたところにある予備のプールのシナプス小胞に局在している。またその一部は、シナプス小胞から遊離した状態でも存在している。さらにシナプス小胞の中では、[[グルタミン酸]]、[[GABA]]、ドパミン・セロトニン・ノル[[アドレナリン]]、[[アセチルコリン]]といった古典的な神経伝達物質を含む小さなシナプス小胞(small synaptic vesicle)の細胞質側の表面に付着しているが、[[神経ペプチド]]を含む大きな濃い芯のあるシナプス小胞(large dense-core synaptic vesicle)には存在しない。また、シナプシンは、感覚器官のリボンシナプスを除いて、ほとんどのシナプスに存在し、アイソフォーム毎に異なる分布を示す。シナプシンIIは[[興奮性]]グルタミン酸作動性シナプスに、シナプシンIは[[抑制性]][[GABA作動性]]シナプスに比較的多い(Hilfiker, 1999; Gitler, 2009; Khvotchev, 2009; Cesca, 2010)。
 シナプシンは、中枢神経系・末梢神経系に広く分布するが、非神経組織にはほとんど発現していない。シナプシンI、IIは、神経終末に局在し、シナプス小胞に結合しているが、形質膜直下のシナプス小胞よりも、むしろ膜から離れたところにある予備のプールのシナプス小胞に局在している。またその一部は、シナプス小胞から遊離した状態でも存在している。さらにシナプス小胞の中では、[[グルタミン酸]]、[[GABA]]、ドパミン・セロトニン・ノル[[アドレナリン]]、[[アセチルコリン]]といった古典的な神経伝達物質を含む小さなシナプス小胞(small synaptic vesicle)の細胞質側の表面に付着しているが、[[神経ペプチド]]を含む大きな濃い芯のあるシナプス小胞(large dense-core synaptic vesicle)には存在しない。また、シナプシンは、感覚器官のリボンシナプスを除いて、ほとんどのシナプスに存在し、アイソフォーム毎に異なる分布を示す。シナプシンIIは[[興奮性]]グルタミン酸作動性シナプスに、シナプシンIは[[抑制性]][[GABA作動性]]シナプスに比較的多い<ref name=ref4 />, <ref name=ref1 />, <ref name=ref5 />, <ref name=ref2 />。


 一方、シナプシンIIIは細胞体に主に発現し、[[成長円錐]]にも発現するが、神経終末には局在しない。シナプシンIIIの一部のアイソフォームは非神経組織にも発現している。
 一方、シナプシンIIIは細胞体に主に発現し、[[成長円錐]]にも発現するが、神経終末には局在しない。シナプシンIIIの一部のアイソフォームは非神経組織にも発現している。
31

回編集