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通常、条件刺激と非条件刺激が時間的に接近して提示されるが、非条件刺激が提示されない状況で、条件刺激のみが持続的に、または、繰り返し提示され続けると、条件刺激に対する反応が見られなくなる条件づけ反応の「消去」が起こる。恐怖条件づけの消去は、固定化された恐怖記憶が想起された時に誘導されるプロセスである。逆に、条件刺激の提示時間が短い場合には、恐怖記憶想起に伴って恐怖記憶が維持あるいは増強する、再固定化という現象が起きる。このように、恐怖記憶想起後には、恐怖記憶を維持(再固定化)するか、あるいは、消去するかを決定するメカニズムが存在するものと考えられている<ref name=ref11 /> <ref name=ref34><pubmed>10963596</pubmed></ref> <ref name=ref35><pubmed>15152039</pubmed></ref>。 | 通常、条件刺激と非条件刺激が時間的に接近して提示されるが、非条件刺激が提示されない状況で、条件刺激のみが持続的に、または、繰り返し提示され続けると、条件刺激に対する反応が見られなくなる条件づけ反応の「消去」が起こる。恐怖条件づけの消去は、固定化された恐怖記憶が想起された時に誘導されるプロセスである。逆に、条件刺激の提示時間が短い場合には、恐怖記憶想起に伴って恐怖記憶が維持あるいは増強する、再固定化という現象が起きる。このように、恐怖記憶想起後には、恐怖記憶を維持(再固定化)するか、あるいは、消去するかを決定するメカニズムが存在するものと考えられている<ref name=ref11 /> <ref name=ref34><pubmed>10963596</pubmed></ref> <ref name=ref35><pubmed>15152039</pubmed></ref>。 | ||
[[image: | [[image:恐怖条件付けの図.jpg|thumb|350px|'''図1.恐怖条件づけの概略'''<br>恐怖文脈条件づけでは(上段)、チャンバー(文脈)が条件刺激、電気ショックが非条件刺激となる。一方、恐怖音条件づけでは(下段)、ブザー音が条件刺激となる。]] | ||
== げっ歯類における恐怖条件づけ == | == げっ歯類における恐怖条件づけ == | ||
===恐怖文脈条件づけ=== | ===恐怖文脈条件づけ=== |