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英語名:morpholino | 英語名:morpholino | ||
同義語:モルフォリノオリゴヌクレオチド (morpholino oligonucleotide) | |||
{{box|text= モルフォリノとは、RNA、DNAのリボース、デオキシリボースの代わりにモルフォリン環を持つオリゴヌクレオチドであり、一般的なアンチセンスの問題点(安定性、特異性、細胞毒性など)を克服した第3世代のアンチセンスである。}} | {{box|text= モルフォリノとは、RNA、DNAのリボース、デオキシリボースの代わりにモルフォリン環を持つオリゴヌクレオチドであり、一般的なアンチセンスの問題点(安定性、特異性、細胞毒性など)を克服した第3世代のアンチセンスである。}} | ||
[[ファイル:Morpholino.png|250px|サムネイル|右|'''図. モルフォリノ(左)と通常(右)のRNAの比較'''<br>[http://commons.wikimedia.org/wiki/File:MorpholinoHeteroduplex.png Wikipedia]より翻訳]] | [[ファイル:Morpholino.png|250px|サムネイル|右|'''図. モルフォリノ(左)と通常(右)のRNAの比較'''<br>[http://commons.wikimedia.org/wiki/File:MorpholinoHeteroduplex.png Wikipedia]より翻訳]] | ||
モルフォリノとは、RNA, [[DNA]]のリボース、デオキシリボースの代わりにモルフォリン環を持つオリゴヌクレオチドであり(図)、一般的なアンチセンスの問題点(安定性、特異性、細胞毒性など)を克服した第3世代の[[アンチセンス法|アンチセンス]]である<ref name=ref8><pubmed>17493584</pubmed></ref>。遺伝子の機能解析に利用されており、特に、[[アフリカツメガエル]]、[[ゼブラフィッシュ]]、[[ウニ]]などを用いた発生学分野の研究において頻繁に利用されている。 | |||
一方、2015年、モルフォリノオリゴヌクレオチドは標的遺伝子以外の遺伝子機能も抑制する可能性が高いことが報告された(オフターゲット効果)<ref name=ref9><pubmed>25533206</pubmed></ref> | 一方、2015年、モルフォリノオリゴヌクレオチドは標的遺伝子以外の遺伝子機能も抑制する可能性が高いことが報告された(オフターゲット効果)<ref name=ref9><pubmed>25533206</pubmed></ref>。ゼブラフィッシュにおいてモルフォリノオリゴヌクレオチドによる[[表現型]]と[[突然変異体]]の表現型を体系的に調べた結果、70%以上の遺伝子に関して表現型が一致しなかった。このことから、モルフォリノオリゴヌクレオチドの使用には、突然変異体の表現型観察なども用いた慎重な解析が必要とされている<ref name=ref9 /> <ref name=ref10><pubmed>25584794</pubmed></ref>。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== |