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| 繰り返しになるが、行動経済学は、より人間本位の経済モデルの構築を目指す学問である。神経経済学は、脳科学の手法を用いて、究極の人間本位の経済モデル、つまり「脳の経済モデル」の構築を目指す学問であり、目指すところは同じである。しかし現状は、人間の非合理的な行動にフォーカスするのみで、なぜ非合理的な行動になるのか、というメカニズムの解明までには至っていない。今後は、経済学者は脳を分子レベルから、ネットワークレベルまでの一連の流れを持つ一つのシステムとしてとらえることが、また神経科学者は経済問題への応用が可能な実験パラダイムの開発が必要になるであろう。 | | 繰り返しになるが、行動経済学は、より人間本位の経済モデルの構築を目指す学問である。神経経済学は、脳科学の手法を用いて、究極の人間本位の経済モデル、つまり「脳の経済モデル」の構築を目指す学問であり、目指すところは同じである。しかし現状は、人間の非合理的な行動にフォーカスするのみで、なぜ非合理的な行動になるのか、というメカニズムの解明までには至っていない。今後は、経済学者は脳を分子レベルから、ネットワークレベルまでの一連の流れを持つ一つのシステムとしてとらえることが、また神経科学者は経済問題への応用が可能な実験パラダイムの開発が必要になるであろう。 |
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| 引用文献
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| Hsu M, Bhatt M, Adolphs R, Tranel D, Camerer CF (2005) Neural systems responding to degrees of uncertainty in human decision-making. Science 310:1680-1683.
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| Thorndike EL (1911) [[Animal]] intelligence; experimental studies. New York: The Macmillan Company.
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