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{{box|text= P1受容体とは、アデノシンをリガンドとする一群の細胞表面受容体である。Gタンパク質共役型受容体(GPCR)で、A1、A2A、A2BおよびA3に分類される。それぞれの受容体を活性化するリガンドの種類や濃度、また発現組織分布や発現細胞種などが異なり、生体機能におけるサブタイプ固有の役割が徐々に明らかになってきている。}} | {{box|text= P1受容体とは、アデノシンをリガンドとする一群の細胞表面受容体である。Gタンパク質共役型受容体(GPCR)で、A1、A2A、A2BおよびA3に分類される。それぞれの受容体を活性化するリガンドの種類や濃度、また発現組織分布や発現細胞種などが異なり、生体機能におけるサブタイプ固有の役割が徐々に明らかになってきている。}} | ||
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== P1受容体とは== | == P1受容体とは== | ||
P1受容体とは、[[アデノシン]]を[[リガンド]]とする一群の細胞表面[[受容体]]である。[[Gタンパク質共役型受容体]](GPCR)で、[[A1受容体|A1]]、[[A2A受容体|A2A]]、[[A2B受容体|A2B]]および[[A3受容体|A3]]に分類される。[[プリンヌクレオチド]]([[ATP]]、[[ADP]])、[[ピリミジンヌクレオチド]]([[UTP]]、[[UDP]])、[[糖ヌクレオチド]]などを内因性リガンドとする[[P2受容体]]と共に[[プリン受容体]]と呼ばれる('''表1''')。 | P1受容体とは、[[アデノシン]]を[[リガンド]]とする一群の細胞表面[[受容体]]である。[[Gタンパク質共役型受容体]](GPCR)で、[[A1受容体|A1]]、[[A2A受容体|A2A]]、[[A2B受容体|A2B]]および[[A3受容体|A3]]に分類される。[[プリンヌクレオチド]]([[ATP]]、[[ADP]])、[[ピリミジンヌクレオチド]]([[UTP]]、[[UDP]])、[[糖ヌクレオチド]]などを内因性リガンドとする[[P2受容体]]と共に[[プリン受容体]]と呼ばれる('''表1''')。 | ||
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== A1受容体 == | == A1受容体 == | ||
[[Gi]]/[[Go]]タンパク質共役型受容体である。[[カフェイン]] | [[Gi]]/[[Go]]タンパク質共役型受容体である。[[カフェイン]]の作用標的としても知られている。[[脳]]や[[脊髄]]などの[[中枢神経系]]組織に加え、[[心臓]]や腎臓、肺といった末梢組織を含む全身の様々な組織に発現している<ref name=ref3><pubmed>8234299</pubmed></ref> <ref name=ref4><pubmed>18984166</pubmed></ref>。A1受容体はP2Y1受容体とヘテロマーを形成することも知られている<ref name=ref5><pubmed>12417330</pubmed></ref>。これまでに数十種類の選択的[[作動薬]]や[[拮抗薬]]が合成され、その機能解明も進んでいる。例えば、脳において[[興奮性シナプス]]伝達を抑制的に制御していることが知られており<ref name=ref6><pubmed>23332692</pubmed></ref>、A1受容体欠損マウスの[[海馬]]においては、シナプス伝達の異常興奮が観察される<ref name=ref7><pubmed>11470917</pubmed></ref>。また、心筋の収縮力や心拍数の制御に加え、血管拡張作用、[[体温調節]]機構にも関与していると考えられている<ref name=ref7 /> <ref name=ref8><pubmed>11641103</pubmed></ref>。A1受容体欠損マウスは、てんかん症状や[[痛覚]]過敏症状、不安関連行動を呈するほか、インスリン[[分泌]]の亢進や低酸素性障害や虚血[[ストレス]]に対する抵抗性の低下が観察される<ref name=ref7 /> <ref name=ref9><pubmed>15661449</pubmed></ref>。 | ||
==A2A受容体== | ==A2A受容体== | ||
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==関連項目== | ==関連項目== | ||
*[[プリン受容体]] | *[[プリン受容体]] | ||
*[[ | *[[P2X受容体]] | ||
*[[P2Y受容体]] | |||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references /> | <references /> |