「学習障害」の版間の差分

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 教育的立場(文部科学省)における学習障害の定義は次の通り。
 教育的立場(文部科学省)における学習障害の定義は次の通り。


 学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、[[中枢神経系]]に何らかの機能障害があると推定されるが、[[視覚]]障害、[[聴覚]]障害、[[知的障害]]、[[情緒障害]]などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
 ''学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、[[中枢神経系]]に何らかの機能障害があると推定されるが、[[視覚]]障害、[[聴覚]]障害、[[知的障害]]、[[情緒障害]]などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。''


 以上の定義・分類の背景を下表にまとめた('''表3''')4)。これらは相反するものではなく、目指すべき方向が異なっていると解釈するのが妥当であるが、実際に症例に介入する際にはどの立場でどのような意味で用いられているかを確認することが望ましい。
 以上の定義・分類の背景を下表にまとめた('''表3''')4)。これらは相反するものではなく、目指すべき方向が異なっていると解釈するのが妥当であるが、実際に症例に介入する際にはどの立場でどのような意味で用いられているかを確認することが望ましい。
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!!!医学的立場!!神経心理的立場!!教育的立場
!!!医学的立場!!神経心理的立場!!教育的立場
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|診断・分類基準||DSM, ICD||森永の分類など||文部科学省の定義
|'''診断・分類基準'''||DSM, ICD||森永の分類など||文部科学省の定義
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|用語の背景||機能不全、疾患単位の確立||機能不全、心理機能・法則の確立||学習のしかたの相違・教育的措置の重視
|'''用語の背景'''||機能不全、疾患単位の確立||機能不全、心理機能・法則の確立||学習のしかたの相違・教育的措置の重視
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|利点||器質的原因の解明と医学的治療法の解明||神経心理学的な原因の究明・対応策の確立||特別支援教育の必要性を社会的に是認
|'''利点'''||器質的原因の解明と医学的治療法の解明||神経心理学的な原因の究明・対応策の確立||特別支援教育の必要性を社会的に是認
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|診断基準運用上の問題||鑑別の困難さ||疾患単位の曖昧さ||概念の曖昧さ
|'''診断基準運用上の問題'''||鑑別の困難さ||疾患単位の曖昧さ||概念の曖昧さ
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|[[自閉症]]スペクトルを含むか||合併を認め、並列表記||表記していないが含んでいる(NLD-2)||あいまい
|'''自閉症スペクトルを含むか'''||合併を認め、並列表記||表記していないが含んでいる(NLD-2)||あいまい
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== 疫学 ==
== 疫学 ==
 国内における最も大規模な調査は平成24年に[[wj:文部科学省|文部科学省]]によって行われた調査である。通常学級に在籍する児童・生徒53,882人を対象として、学習面で著しい困難を示す(学習障害)頻度は4.5%であった。
 国内における最も大規模な調査は平成24年に[[wj:文部科学省|文部科学省]]によって行われた調査である。通常学級に在籍する児童・生徒53,882人を対象として、学習面で著しい困難を示す(学習障害)頻度は4.5%であった。