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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0148418 高森 茂雄]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/read0148418 高森 茂雄]</font><br> | ||
''同志社大学 脳科学研究科''<br> | ''同志社大学 脳科学研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年1月28日 原稿完成日:2016年2月7日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/haruokasai 河西 春郎](東京大学 大学院医学系研究科)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/haruokasai 河西 春郎](東京大学 大学院医学系研究科)<br> | ||
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一方、輸送の駆動力である膜電位勾配とpH勾配は、小胞膜上にある[[塩化物イオンチャネル]]の活性によって調節されるが、その分子実態は諸説ある。電位依存性Cl<sup>–</sup>チャネルファミリーの[[ClC-3]]とする説<ref name=ref29><pubmed> 11182090</pubmed></ref>と、VGLUT自体がチャネル活性を持つとする説である<ref name=ref1 /> <ref name=ref30><pubmed>19169251</pubmed></ref>。また、塩化物イオンがVGLUTに直接結合し、グルタミン酸輸送活性を調整するという仮説も提唱されており<ref name=ref31><pubmed>8226829</pubmed></ref> <ref name=ref32><pubmed>20920794</pubmed></ref>、Cl<sup>–</sup>はプロトン電気化学勾配とVGLUTの両方を修飾している可能性が示唆されている。 | 一方、輸送の駆動力である膜電位勾配とpH勾配は、小胞膜上にある[[塩化物イオンチャネル]]の活性によって調節されるが、その分子実態は諸説ある。電位依存性Cl<sup>–</sup>チャネルファミリーの[[ClC-3]]とする説<ref name=ref29><pubmed> 11182090</pubmed></ref>と、VGLUT自体がチャネル活性を持つとする説である<ref name=ref1 /> <ref name=ref30><pubmed>19169251</pubmed></ref>。また、塩化物イオンがVGLUTに直接結合し、グルタミン酸輸送活性を調整するという仮説も提唱されており<ref name=ref31><pubmed>8226829</pubmed></ref> <ref name=ref32><pubmed>20920794</pubmed></ref>、Cl<sup>–</sup>はプロトン電気化学勾配とVGLUTの両方を修飾している可能性が示唆されている。 | ||
脳から精製したシナプス小胞のグルタミン酸再充填の時定数は数分程度であるが、[[ヘルド杯状シナプス]]においては、室温で測定した場合、再充填の時定数15秒程度であることが報告されている<ref name=ref33><pubmed>23141063</pubmed></ref>。また、輸送速度は、細胞質のCl<sup>–</sup>濃度によって修飾されること、生後発達過程で徐々に速くなること等が示された。 | |||
===遺伝子改変マウスと生理機能=== | ===遺伝子改変マウスと生理機能=== |