Schuichikoizumi

2012年2月1日 (水)に参加
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====アストロサイト====
====アストロサイト====
=====グルタミン酸 (glutamate) =====
=====グルタミン酸 (glutamate) =====
アストロサイトは、シナプスを取り構造を有することから、シナプスとの機能連関が最も強く研究されているグリア細胞である。グリア伝達物質による神経・グリア連関研究としては、海馬培養神経-グリア細胞を用いたAraque<ref><pubmed>10322493</pubmed></ref>らの研究が最初である。アストロサイトは刺激依存的にglutamateを放出し、これが近傍神経に作用して樹状突起シナプス外N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体を介したslow-inward current(SIC)誘発、さらに代謝型glutamate受容体 (mGluR)を介した前シナプス性の抑制を引き起こす 。これは、今日のグリア-神経連関の契機となった研究であると言える。その後の多くの研究が続き、グリア伝達物質glutamateを介したアストロサイトは、脳部位及び制御する神経細胞の違い等により、非常に複雑なシナプス伝達制御様式を呈することが明らかとなった。例えば、海馬Schaffer側枝刺激によりCA1領域アストロサイトは興奮してglutamateを放出するが、このglutamateはCA1錐体細胞の後シナプスに存在するNNMDA受容体(NR2B含有)に作用して、興奮性のSICを誘導する。これは、隣接した錐体神経発火の同期に関与し、CA1神経ネットワーク全体の興奮性制御に強く影響する12)。一方、貫通線維を刺激した場合には、歯状回(DG)アストロサイトから放出されたglutamateは、DG顆粒細胞の前シナプスに存在するNMDA受容体に作用し、興奮性シナプス伝達を亢進させる13)。さらにCA3-CA1シナプスでは、前シナプス性 mGluR(グループI)を介した興奮性シナプス伝達促進作用14)が認められている。抑制性シナプス伝達に対しては、CA1アストロサイトは前シナプス性 mGluR (グループII/III)を介して、そのシナプス伝達を抑制する15)。グリア伝達物質の初期の総説に、glutamate興奮性の制御、ATP抑制性の制御、のような記載がされているものがあるが、glutamateという1つのグリア伝達物質だけに注目しても、その制御様式は非常に多義にわたる。
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