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== 性ステロイドホルモンと性行動 == | == 性ステロイドホルモンと性行動 == | ||
[[image:性行動の神経回路1.png|thumb|300px|'''図1.ステロイド取り込み細胞のオートラジオグラム'''<br><ref>'''J.I. Morrell and D.W. Pfaff'''<br | [[image:性行動の神経回路1.png|thumb|300px|'''図1.ステロイド取り込み細胞のオートラジオグラム'''<br>文献<ref>'''J.I. Morrell and D.W. Pfaff'''<br>American Zoologist, 18, 447-460. 1978</ref>より改変]] | ||
[[image:性行動の神経回路2A.png|thumb|300px|'''図2A.キンギョにおけるエストロジェン感受性ニューロンの分布(オートラジオグラム)'''<br>文献<ref name=ref3><pubmed>721971</pubmed></ref>より改変]] | [[image:性行動の神経回路2A.png|thumb|300px|'''図2A.キンギョにおけるエストロジェン感受性ニューロンの分布(オートラジオグラム)'''<br>文献<ref name=ref3><pubmed>721971</pubmed></ref>より改変]] | ||
[[image:性行動の神経回路2B.png|thumb|300px|'''図2B.キンギョの脳局所破壊により性行動に有意な変化のあった部位'''<br>文献<ref name=ref4><pubmed> 6610412 </pubmed></ref>より改変]] | [[image:性行動の神経回路2B.png|thumb|300px|'''図2B.キンギョの脳局所破壊により性行動に有意な変化のあった部位'''<br>文献<ref name=ref4><pubmed> 6610412 </pubmed></ref>より改変]] | ||
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== ペプチドホルモンと性行動~GnRHを例として~ == | == ペプチドホルモンと性行動~GnRHを例として~ == | ||
[[image:性行動の神経回路3.png|thumb|300px|'''図3'''<br> | [[image:性行動の神経回路3.png|thumb|300px|'''図3'''<br>文献<ref name=ref8><pubmed> 7636018 </pubmed></ref>より改変]] | ||
脳内の代表的なペプチドホルモンとして、視床下部ニューロンで産生され、脳底の正中隆起とよばれる部位の脳下垂体門脈血中に放出され、脳下垂体前葉に運ばれて脳下垂体ホルモン放出を促進・抑制する、いわゆる向下垂体ホルモンhypophysiotropic hormoneとよばれるものがある。ここで解説する生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone, GnRH)はその代表である。近年[[免疫組織化学]]およびin situ hybridization (ISH)を用いた形態学的な研究がなされ、[[脊椎動物]]脳内では、形態的・機能的に異なる以下の3つのGnRH神経系が存在しているという基本的コンセンサスが得られている(図3)<ref><pubmed> 7636018 </pubmed></ref>。 | 脳内の代表的なペプチドホルモンとして、視床下部ニューロンで産生され、脳底の正中隆起とよばれる部位の脳下垂体門脈血中に放出され、脳下垂体前葉に運ばれて脳下垂体ホルモン放出を促進・抑制する、いわゆる向下垂体ホルモンhypophysiotropic hormoneとよばれるものがある。ここで解説する生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone, GnRH)はその代表である。近年[[免疫組織化学]]およびin situ hybridization (ISH)を用いた形態学的な研究がなされ、[[脊椎動物]]脳内では、形態的・機能的に異なる以下の3つのGnRH神経系が存在しているという基本的コンセンサスが得られている(図3)<ref name=ref8><pubmed> 7636018 </pubmed></ref>。 | ||
#視索前野GnRH(POA-GnRH)神経系 ;視索前野の細胞体から[[軸索]]を正中隆起に投射して、下垂体門脈系を介して下垂体からの性腺刺激ホルモン(関連項目参照)放出を促進する(ただし、真骨魚においては直接下垂体前葉に投射)。遺伝子はgnrh1。 | #視索前野GnRH(POA-GnRH)神経系 ;視索前野の細胞体から[[軸索]]を正中隆起に投射して、下垂体門脈系を介して下垂体からの性腺刺激ホルモン(関連項目参照)放出を促進する(ただし、真骨魚においては直接下垂体前葉に投射)。遺伝子はgnrh1。 | ||
#中脳GnRH (Midbrain GnRH)神経系;中脳被蓋に細胞体をもち、脳内に広く軸索投射して主に神経修飾作用をもつ(正中隆起には投射しない)。遺伝子はgnrh2。 | #中脳GnRH (Midbrain GnRH)神経系;中脳被蓋に細胞体をもち、脳内に広く軸索投射して主に神経修飾作用をもつ(正中隆起には投射しない)。遺伝子はgnrh2。 |