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Masahitoyamagata (トーク | 投稿記録) 細 (→コネクトームの研究史と階層) |
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特に、医学領域では、[[認知症]]、[[うつ病]]、[[統合失調症]]を含めた[[精神疾患|精神]]・神経疾患、[[自閉症]]などの[[発達障害]]、神経組織の損傷などに伴う様々な病態や症状の理解の基礎データにもなる。将来はこれらの疾患の客観的な診断への活用が注目されている。そして遺伝子情報を活用した[[精密医療(precision medicine)]]<ref>https://www.nih.gov/precision-medicine-initiative-cohort-program</ref>とともに、有効な治療法の開発と個々の患者への適用にも貢献するであろう。 | 特に、医学領域では、[[認知症]]、[[うつ病]]、[[統合失調症]]を含めた[[精神疾患|精神]]・神経疾患、[[自閉症]]などの[[発達障害]]、神経組織の損傷などに伴う様々な病態や症状の理解の基礎データにもなる。将来はこれらの疾患の客観的な診断への活用が注目されている。そして遺伝子情報を活用した[[精密医療(precision medicine)]]<ref>https://www.nih.gov/precision-medicine-initiative-cohort-program</ref>とともに、有効な治療法の開発と個々の患者への適用にも貢献するであろう。 | ||
更に、脳を神経回路の仕組みを模倣した人工知能の開発のための基礎情報としても役立つと思われる。コネクトームの知見を活用することで、[[心理学]]、[[言語学]]、経済学、商業、犯罪、保険、教育、政治、芸術、倫理学などのヒトの脳活動が関係した分野に、神経回路の観点から、これまでにない概念が提供されることも考えられ、その社会的な影響も大きいとの予想もある<ref name=seung>'''Sebastian Seung'''<br>Connectome: How the Brain's Wiring Makes Us Who We Are<br>''Mariner Books'', 2013 ISBN 9780547678597<br>邦訳'''セバスチャン・スン''' (著)、 '''青木 薫''' (訳)<br>コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか<br>草思社</ref><ref>'''Olaf Sporns'''<br>Discovering the Human Connectome<br>''MIT Press'' 2012 ISBN 0262017903</ref><ref>'''Gary Marcus, Jeremy Freeman (Eds), May-Britt Moser, Edvard I. Moser (Contributors)'''<br>The Future of the Brain: Essays by the World's Leading Neuroscientists<br> ''Princeton University Press'', 2014, ISBN 069116276X</ref>。 | 更に、脳を神経回路の仕組みを模倣した人工知能の開発のための基礎情報としても役立つと思われる。コネクトームの知見を活用することで、[[心理学]]、[[言語学]]、経済学、商業、犯罪、保険、教育、政治、芸術、倫理学などのヒトの脳活動が関係した分野に、神経回路の観点から、これまでにない概念が提供されることも考えられ、その社会的な影響も大きいとの予想もある<ref name=seung>'''Sebastian Seung'''<br>Connectome: How the Brain's Wiring Makes Us Who We Are<br>''Mariner Books'', 2013 ISBN 9780547678597<br>邦訳'''セバスチャン・スン''' (著)、 '''青木 薫''' (訳)<br>コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか<br>草思社</ref><ref name=sporns>'''Olaf Sporns'''<br>Discovering the Human Connectome<br>''MIT Press'' 2012 ISBN 0262017903</ref><ref>'''Gary Marcus, Jeremy Freeman (Eds), May-Britt Moser, Edvard I. Moser (Contributors)'''<br>The Future of the Brain: Essays by the World's Leading Neuroscientists<br> ''Princeton University Press'', 2014, ISBN 069116276X</ref>。 | ||
コネクトームの情報をどのように利用していくのか、その是非を含めて、社会の広い分野での議論の必要性が高まってきている。 | コネクトームの情報をどのように利用していくのか、その是非を含めて、社会の広い分野での議論の必要性が高まってきている。 |