「失認」の版間の差分
細編集の要約なし |
細 →視覚関連の失認 |
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<font size="+1">高山 吉弘</font><br> | <font size="+1">高山 吉弘</font><br> | ||
'' | (編集部コメント:ご所属をお願いいたします) | ||
DOI:<selfdoi /> | ''''<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真] | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年10月4日 原稿完成日:2016年月日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真](滋賀医科大学 医学部 内科学講座 神経内科)<br> | |||
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英:agnosia 独:Agnosie 仏:agnosie | 英:agnosia 独:Agnosie 仏:agnosie | ||
(編集部コメント:1段落程度の要約をお願いいたします) | |||
== 失認とは == | == 失認とは == | ||
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一方、[[神経心理学]]・[[高次脳機能障害]]学のテキストを開くと、失認という用語が付いている症候はたくさんある。認識・認知を失ったのが「失認」とされるので、指や身体の認識・認知を失ったものは[[手指失認]]・[[身体失認]]である。病態を認識できないものは[[病態失認]]である。つまり、現象的に何かを「認識・認知」することを失う時にも、「失認」と命名されている。 | 一方、[[神経心理学]]・[[高次脳機能障害]]学のテキストを開くと、失認という用語が付いている症候はたくさんある。認識・認知を失ったのが「失認」とされるので、指や身体の認識・認知を失ったものは[[手指失認]]・[[身体失認]]である。病態を認識できないものは[[病態失認]]である。つまり、現象的に何かを「認識・認知」することを失う時にも、「失認」と命名されている。 | ||
(初学者の理解の助けになるような図があればと思います) | |||
==視覚関連の失認== | ==視覚関連の失認== | ||
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===視覚失認 === | ===視覚失認 === | ||
<ref name=ref8>'''Heinrich Lissauer'''<br>Ein Fall von Seelenblindheit, nebst einem Beitrag zur Theorie derselben.<br>''Archiv für Psychiatrie und Nervenkrankheiten''.:1890,21; 222-270</ref> <ref name=ref9>'''Martha Farah'''<br>Visual Agnosia, 2nd Ed. <br>''The MIT Press'',. Cambridge,. Massachusetts,. 2004, </ref> | |||
(編集部コメント:見出しには技術上、参考文献がつけられないので、どこか、本文にお願いいたします。) | |||
統覚型知覚失認・統合型知覚失認・連合型視覚失認は視覚失認の最近の分類方法である。これらは、一連の視覚関連の物品認知障害がスペクトラム的にとらえることが妥当であることを示している。(編集部コメント:この文章はこの説の末尾にありましたが、こちらに持ってきてよいでしょうか)。 | |||
====統覚型視覚失認 ==== | ====統覚型視覚失認 ==== | ||
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===== 同時失認による視覚認知障害 ===== | ===== 同時失認による視覚認知障害 ===== | ||
複数の形態を同時に認知できなければ、全体を把握することができない。複雑な情景画などでその個々の部分は理解できるが、全体が何を表しているか理解できない症候である<ref name=ref17>'''Wolpert T.'''<br>Die Simultanagnosie.<br>''Zeitschrift für die Gesamte Neurologie und Psychiatrie'' :1924,93;397–415.</ref>。部分ごとの視知覚は正常だが、その部分と部分の互いの関係を把握できず、結果として全体の意味が分からないものである。同時失認の報告例は、「全体把握の能力の障害」としてとらえられてきた。しかし、一連の視覚刺激に視空間性の注意を維持しつづけることの障害であるととらえ、[[注意障害]] | 複数の形態を同時に認知できなければ、全体を把握することができない。複雑な情景画などでその個々の部分は理解できるが、全体が何を表しているか理解できない症候である<ref name=ref17>'''Wolpert T.'''<br>Die Simultanagnosie.<br>''Zeitschrift für die Gesamte Neurologie und Psychiatrie'' :1924,93;397–415.</ref>。部分ごとの視知覚は正常だが、その部分と部分の互いの関係を把握できず、結果として全体の意味が分からないものである。同時失認の報告例は、「全体把握の能力の障害」としてとらえられてきた。しかし、一連の視覚刺激に視空間性の注意を維持しつづけることの障害であるととらえ、[[注意障害]]であるとの仮説も述べられてきた。損傷部位として、左後頭葉前方部あるいは後頭側頭葉損傷、もしくは両側後頭葉外側部損傷が報告されている。(編集部コメント:ブロードマン脳領域の番号がわかればお願いいたします) | ||
==== メカニズム ==== | ==== メカニズム ==== | ||
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== 研究手法== | == 研究手法== | ||
(編集部コメント:此の節はイントロの次におかれていましたが、こちらに持ってきました) | |||
=== 機能障害から検討する手法 === | === 機能障害から検討する手法 === | ||
脳損傷例から脳障害の症候を検討する方法が高次脳機能障害を考える基本的な手法である。[[症例研究]]である。症候を分析し、その症状の発現メカニズムを検討する。また、最近の手法の進展で、健常者に対し、例えば[[経頭蓋磁気刺激法|経頭蓋的に磁気刺激]]を与えることで瞬時の脳機能低下を誘発させることも行われている。患者の[[脳動脈]]に[[麻酔薬]]を注入し一時的に脳の機能を低下させることで脳機能を検討する[[アミタールテスト]]や、[[てんかん]]患者への電極植え込み後の[[覚醒下電気刺激法]]、覚醒開頭下の[[機能的脳外科]]における[[局所的脳機能確認]]といった手法<ref name=ref2><pubmed>19071024</pubmed></ref>も機能低下・機能障害から症候を解析する研究手法といえる。 | 脳損傷例から脳障害の症候を検討する方法が高次脳機能障害を考える基本的な手法である。[[症例研究]]である。症候を分析し、その症状の発現メカニズムを検討する。また、最近の手法の進展で、健常者に対し、例えば[[経頭蓋磁気刺激法|経頭蓋的に磁気刺激]]を与えることで瞬時の脳機能低下を誘発させることも行われている。患者の[[脳動脈]]に[[麻酔薬]]を注入し一時的に脳の機能を低下させることで脳機能を検討する[[アミタールテスト]]や、[[てんかん]]患者への電極植え込み後の[[覚醒下電気刺激法]]、覚醒開頭下の[[機能的脳外科]]における[[局所的脳機能確認]]といった手法<ref name=ref2><pubmed>19071024</pubmed></ref>も機能低下・機能障害から症候を解析する研究手法といえる。 | ||