「電気けいれん療法」の版間の差分

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 国立精神神経センター病院うつストレスケア病棟に入院し、週2回の両側性修正型ECTを行った31名のうつ病患者での、うつ病評価尺度平均得点のECT回数による経時的な改善を('''図1''')に示す。
 国立精神神経センター病院うつストレスケア病棟に入院し、週2回の両側性修正型ECTを行った31名のうつ病患者での、うつ病評価尺度平均得点のECT回数による経時的な改善を('''図1''')に示す。
   
   
 このようにECTは早期の症状改善効果を持ち、早急な抗うつ効果が必要とされる症例に有用であり、特に、深刻な[[自殺|自殺念慮]]があり自殺が切迫している状態の早期改善を要する場合<ref name=ref51><pubmed>15863801</pubmed></ref>、精神症状から食事摂取が困難で栄養の維持が困難な場合、全身状態が悪化してきており早期の症状改善を要す場合等には、薬物療法より効果発現や寛解に至るまでが早いECTが選択されうる。ECTの迅速で高い治療効果は、医療経済の観点からも費用対効果比が高いことも示されている<ref name=ref52><pubmed>15774232</pubmed></ref>。さらに、近年は麻酔として、低用量で抗うつ効果が報告されている[[ケタミン]]を用いることによって、ECTの効果発現をさらに加速させる試みも行われている<ref name=ref53><pubmed>19935085</pubmed></ref>。
 このようにECTは早期の症状改善効果を持ち、早急な抗うつ効果が必要とされる症例に有用であり、特に、深刻な[[自殺|自殺念慮]]があり自殺が切迫している状態の早期改善を要する場合<ref name=ref51><pubmed>15863801</pubmed></ref>、精神症状から食事摂取が困難で栄養の維持が困難な場合、全身状態が悪化してきており早期の症状改善を要す場合等には、薬物療法より効果発現や寛解に至るまでが早いECTが選択されうる。ECTの迅速で高い治療効果は、医療経済の観点からも費用対効果比が高いことも示されている<ref name=ref52><pubmed>15774232</pubmed></ref>。さらに、近年は麻酔として、低用量で抗うつ作用が報告されている[[ケタミン]]を用いることによって、ECTの効果発現をさらに加速させる試みも行われている<ref name=ref53><pubmed>19935085</pubmed></ref>。


===効果の長期的維持に関する限界、維持薬物療法と維持ECT===
===効果の長期的維持に関する限界、維持薬物療法と維持ECT===