「くも膜」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/kyosukekamada 鎌田 恭輔 ]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/kyosukekamada 鎌田 恭輔 ]</font><br>
''旭川医科大学[[脳神経]]外科 ''<br>
''旭川医科大学[[脳神経]]外科 ''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2015年6月10日 原稿完成日:2015年月日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2015年6月10日 原稿完成日:2018年1月1日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
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{{box|text= くも膜は、脳脊髄を覆う3層の髄膜のうち、外から2層目にあたるものである。[[硬膜]]には密着しているが、内の[[軟膜]]との間には[[脳脊髄液]]で満たされているくも膜下腔があり、小柱という線維の束がくも膜と軟膜をつなぐ。くも膜下腔内に存在する動脈瘤が破れるとくも膜下出血をおこし、空間が限られる頭蓋内では重症化しやすい。脳内脈絡巣から産生された髄液が、脳表のくも膜顆粒、軟膜を介して吸収される。くも膜下出血などでくも膜下腔の髄液吸収路が障害されると、髄液貯留がおこり水頭症となる。}}
{{box|text= くも膜は、脳脊髄を覆う3層の髄膜のうち、外から2層目にあたるものである。[[硬膜]]には密着しているが、内の[[軟膜]]との間には[[脳脊髄液]]で満たされているくも膜下腔があり、小柱という線維の束がくも膜と軟膜をつなぐ。くも膜下腔内に存在する動脈瘤が破れるとくも膜下出血をおこし、空間が限られる頭蓋内では重症化しやすい。脳内脈絡巣から産生された髄液が、脳表のくも膜顆粒、軟膜を介して吸収される。くも膜下出血などでくも膜下腔の髄液吸収路が障害されると、髄液貯留がおこり水頭症となる。}}


[[image:クモ膜1.png|thumb|350px|'''図1.頭蓋骨及び髄膜とその間隙''']]
[[image:くも膜1.png|thumb|350px|'''図1 頭蓋骨及び髄膜とその間隙''']]
[[image:クモ膜2.png|thumb|350px|'''図2'''<br>くも膜下腔を走行する脳動脈にできたコブが破裂すると、出血は髄液の通路であるくも膜下腔に広がる]]
[[image:くも膜2.png|thumb|350px|'''図2. くも膜下出血'''<br>くも膜下腔を走行する脳動脈にできた瘤が破裂すると、出血は髄液の通路であるくも膜下腔に広がる]]


 くも膜(蜘蛛膜)は、脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうち、外から2層目にあたるものである。名は小柱の入り組んだ様子がクモ(ラテン語でarachnoid)の巣を思わせることからが由来である(図1)。
 くも膜(蜘蛛膜)は、脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうち、外から2層目にあたるものである。名は小柱の入り組んだ様子がクモ(ラテン語でarachnoid)の巣を思わせることからが由来である(図1)。
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
(適当な教科書など、文献をご紹介ください)
# '''児玉 南海雄/佐々木 富男監修、峯浦 一喜/新井 一/冨永 悌二/宮本 享編集'''<br>標準脳神経外科学 第13版<br>''医学書院'', 2014 ISBN 978-4-260-01843-2