「外国語学習」の版間の差分

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==== 言語理解のプロセス ====
==== 言語理解のプロセス ====
 音声言語による文理解のプロセスは、Friederici & Kotzの認知神経科学的モデルによれば、①入力音声の音響分析([[聴覚野]])にもとづく音素の同定([[上側頭回]]中間部)、音韻の[[分節化]]・[[音節化]]の処理([[ブロードマン44野]]上後部)、②語の形態処理(上側頭回後部)、統語範疇の同定(上側頭回前部)にもとづく局所的統語構造の構築(ブロードマン44野下部)、③語の統語・形態情報の同定(上・中側頭回後部)にもとづく意味情報と統語情報の統合(上・[[中側頭回]]後部)、意味役割付与(ブロードマン44野、[[45野]][[47野]])、④さまざまな情報の統合([[基底核]])や再分析および修復(上側頭回後部)といった4つの段階に大別される<ref><pubmed>14597292</pubmed></ref>。書き言葉の処理もこれに準じる。(<u>編集部コメント:ブロードマン領野番号をご確認ください。44-47は前頭葉腹側面を示すようです。側頭葉ですと20-22野あたりになります。[[ブロードマンの脳地図]]をご参照ください。</u>)
 音声言語による文理解のプロセスは、Friederici & Kotz の認知神経科学的モデルによれば、①入力音声の音響分析([[聴覚野]](BA41, 42))にもとづく音素の同定([[上側頭回]](BA22)の中間部)、音韻の[[分節化]]・[[音節化]]の処理([[下側頭回]](BA44)の上後部)、②語形の同定([[上側頭回]](BA22)の後部)、統語範疇の同定([[上側頭回]](BA22)の前部)にもとづく局所的統語構造の構築([[下側頭回]](BA44)の下部)、③語のレマ(統語)・形態情報の同定(上・[[中側頭回]](BA20, 22)の後部)にもとづく意味情報と統語情報の統合(上・[[中側頭回]](BA20, 22)の後部)および意味役割付与(下前頭回・下前頭前野(BA44, 45, 47))、④さまざまな情報の統合([[基底核]])や再分析および修復(上側頭回(BA22)の回後部)といった4つの段階に大別される<ref><pubmed>14597292</pubmed></ref>。書き言葉の処理もこれに準じる。
 
 外国語学習におけるリスニングの困難点は、①音声の連続体の中から単語を切り出すこと(分節化)、②統語構造を構築すること、③話者の話すスピードで理解すること、などにある。また、リーディングの困難点は、①語彙知識の不足、②文法知識の不足、③母語と語順が異なる場合は、語順通りに理解すること、などにある。いずれの場合にも、話題についての背景知識が内容理解に影響を及ぼすことも知られている。
 外国語学習におけるリスニングの困難点は、①音声の連続体の中から単語を切り出すこと(分節化)、②統語構造を構築すること、③話者の話すスピードで理解すること、などにある。また、リーディングの困難点は、①語彙知識の不足、②文法知識の不足、③母語と語順が異なる場合は、語順通りに理解すること、などにある。いずれの場合にも、話題についての背景知識が内容理解に影響を及ぼすことも知られている。


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