16,040
回編集
細 (→デルタ2受容体) |
細 (→デルタ1受容体) |
||
46行目: | 46行目: | ||
== デルタ1受容体 == | == デルタ1受容体 == | ||
デルタ1受容体(GluD1)は成体では、大脳皮質、線条体、海馬、[[扁桃体中心核]]、小脳皮質など、多くの脳領域に発現するほか、[[内耳]]の[[有毛細胞]]に強く発現している。 | |||
GluD1もCbln1(やそのファミリー分子)やニューレキシンとin vitroにて結合する。小脳では、分子層介在ニューロンの細胞体における平行線維とのシナプスにGluD1が局在する<ref name=Konno2014><pubmed>24872547</pubmed></ref> 。GluD1欠損マウスでは同シナプスが減少するので、GluD2と同様、ニューレキシン-Cbln1-GluD1の3者コンプレックスがシナプス形成に寄与していると考えられる。また、GluD1欠損マウスは高周波の聴覚障害を示すほか<ref name=Gao2007><pubmed>17438141</pubmed></ref> | GluD1もCbln1(やそのファミリー分子)やニューレキシンとin vitroにて結合する。小脳では、分子層介在ニューロンの細胞体における平行線維とのシナプスにGluD1が局在する<ref name=Konno2014><pubmed>24872547</pubmed></ref> 。GluD1欠損マウスでは同シナプスが減少するので、GluD2と同様、ニューレキシン-Cbln1-GluD1の3者コンプレックスがシナプス形成に寄与していると考えられる。また、GluD1欠損マウスは高周波の聴覚障害を示すほか<ref name=Gao2007><pubmed>17438141</pubmed></ref> 、[[うつ病|うつ]]様行動、[[攻撃性]]の亢進、[[社会性]]の障害などが見られ<ref name=Yadav2012><pubmed>23560106</pubmed></ref> 、以下に述べるヒトゲノム研究の成果も併せ、[[精神疾患]]との関連が示唆される。 | ||
GluD1の細胞内シグナリングについてはまだ十分分かっていない。GluD1欠損マウスでは、海馬において[[mGluR5]]刺激によるAMPA型受容体受容体のエンドサイトーシスが障害されており、[[Akt]]-[[mTOR]]シグナリングの亢進が示唆されている<ref name=Suryavanshi2016><pubmed>27231330</pubmed></ref> 。また、GluD1のC末端にもGluD2と同じPDZタンパク質が結合するので、シグナリング経路を共有する可能性がある。 | |||
== GluDと疾患 == | == GluDと疾患 == |