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細 (→Ptc-Smo-Gli経路) |
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細胞膜で受容されたシグナルを核に伝達するのは、[[Gli]](ショウジョウバエでは[[Cubitus interruptus]]; Ci)と呼ばれる[[Znフィンガー型転写因子]]であり、脊椎動物に存在する3種類のGli([[Gli1]]-[[Gli3|3]])<ref name=ref31><pubmed>21801010</pubmed></ref> のうちソニック・ヘッジホッグのシグナルを1次的に伝達するのは[[Gli2]],3である('''図3''')。Gli2,3は繊毛内でSmoと何らかの相互作用をすることにより、シグナルを繊毛から核へと伝達する<ref name=ref32><pubmed>16254602</pubmed></ref>。 | 細胞膜で受容されたシグナルを核に伝達するのは、[[Gli]](ショウジョウバエでは[[Cubitus interruptus]]; Ci)と呼ばれる[[Znフィンガー型転写因子]]であり、脊椎動物に存在する3種類のGli([[Gli1]]-[[Gli3|3]])<ref name=ref31><pubmed>21801010</pubmed></ref> のうちソニック・ヘッジホッグのシグナルを1次的に伝達するのは[[Gli2]],3である('''図3''')。Gli2,3は繊毛内でSmoと何らかの相互作用をすることにより、シグナルを繊毛から核へと伝達する<ref name=ref32><pubmed>16254602</pubmed></ref>。 | ||
Gli2/3は転写活性領域と抑制領域を併せ持つ転写因子で、ソニック・ヘッジホッグシグナルが存在しないときには翻訳されたポリペプチドが恒常的に分解([[ユビキチン化]])されてアミノ末端側だけの断片として存在し、転写抑制因子として働く。Gli2/3のユビキチン化は、まず[[PKA]]([[プロテインキナーゼA]])と[[Glycogen synthase kinase 3|Glycogen Synthase Kinase 3]]β([[GSK3β]])によって[[セリン]]残基が[[リン酸化]]され、それを、 [[β | Gli2/3は転写活性領域と抑制領域を併せ持つ転写因子で、ソニック・ヘッジホッグシグナルが存在しないときには翻訳されたポリペプチドが恒常的に分解([[ユビキチン化]])されてアミノ末端側だけの断片として存在し、転写抑制因子として働く。Gli2/3のユビキチン化は、まず[[PKA]]([[プロテインキナーゼA]])と[[Glycogen synthase kinase 3|Glycogen Synthase Kinase 3]]β([[GSK3β]])によって[[セリン]]残基が[[リン酸化]]され、それを、 [[β-TrCP]]([[E3ユビキチンリガーゼ]])と[[足場タンパク質]][[Cullin3]]を含むSCF β-TrCP複合体がターゲットすることによって進む<ref><pubmed>16705181</pubmed></ref><ref name=ref34><pubmed>16611981</pubmed></ref><ref><pubmed>16651270</pubmed></ref>。 | ||
いったんソニック・ヘッジホッグシグナルが細胞に導入されるとPKAが不活化され<ref name=ref36><pubmed>24336288</pubmed></ref><ref name=ref37><pubmed>27799542</pubmed></ref>、Gli2/3のユビキチン分解が抑制されて全長型Gli2/3は繊毛内に移動する<ref name=ref32><pubmed>16254602</pubmed></ref><ref><pubmed>20154143</pubmed></ref>。その後、核に移動して遺伝子発現を誘導する<ref name=ref39><pubmed>23799571</pubmed></ref>。この際にはGli2/3に対してSPOPと呼ばれるユビキチンリガーゼによるユビキチン化が起こってタンパク質自体の安定性が変化する<ref name=ref40><pubmed>20360384</pubmed></ref><ref><pubmed>20463034</pubmed></ref>ほか、さまざまな修飾(リン酸化、[[アセチル化]]、[[SUMO化]])も関与してその転写活性を制御する<ref name=ref40><pubmed>20360384</pubmed></ref><ref><pubmed>20711444</pubmed></ref><ref><pubmed>23762415</pubmed></ref><ref><pubmed>24373970</pubmed></ref>。 | いったんソニック・ヘッジホッグシグナルが細胞に導入されるとPKAが不活化され<ref name=ref36><pubmed>24336288</pubmed></ref><ref name=ref37><pubmed>27799542</pubmed></ref>、Gli2/3のユビキチン分解が抑制されて全長型Gli2/3は繊毛内に移動する<ref name=ref32><pubmed>16254602</pubmed></ref><ref><pubmed>20154143</pubmed></ref>。その後、核に移動して遺伝子発現を誘導する<ref name=ref39><pubmed>23799571</pubmed></ref>。この際にはGli2/3に対してSPOPと呼ばれるユビキチンリガーゼによるユビキチン化が起こってタンパク質自体の安定性が変化する<ref name=ref40><pubmed>20360384</pubmed></ref><ref><pubmed>20463034</pubmed></ref>ほか、さまざまな修飾(リン酸化、[[アセチル化]]、[[SUMO化]])も関与してその転写活性を制御する<ref name=ref40><pubmed>20360384</pubmed></ref><ref><pubmed>20711444</pubmed></ref><ref><pubmed>23762415</pubmed></ref><ref><pubmed>24373970</pubmed></ref>。 |