「到達運動」の版間の差分
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到達運動に必要な目標の位置は、網膜の上の位置([[座標系|網膜座標系]])から、[[座標系|眼球中心座標系]]、[[座標系|頭部中心座標系・身体中心座標系]]、[[座標系|身体部位中心座標系]](手先中心座標)へと座標変換される必要がある(Cohen & Andersen, 2002) | 到達運動に必要な目標の位置は、網膜の上の位置([[座標系|網膜座標系]])から、[[座標系|眼球中心座標系]]、[[座標系|頭部中心座標系・身体中心座標系]]、[[座標系|身体部位中心座標系]](手先中心座標)へと座標変換される必要がある(Cohen & Andersen, 2002)。脳内では、[[頭頂連合野]]の複数領域で、複数の[[座標系]]が、並行して処理され[[空間知覚]]に関わっている。 |
2019年4月17日 (水) 15:59時点における版
英語名:reaching movement, arm reaching
到達運動は、目標に向かって腕を伸ばし、手先を目標の位置に動かす運動である。この運動を実現するためには、運動の意図、目標の定位、効果器の選択、手先の位置から目標に向かう軌道の計画、空間座標から関節・筋座標への変換、運動指令の生成、誤差の修正、学習・適応などの過程が必要となる。脳内では、頭頂連合野や前頭葉の運動領野、小脳、大脳基底核などがこれらの過程に関わっていると考えられている
到達運動とは
上肢の肩、肘の関節を動かし、手先を目標の位置にもっていく運動である。脳の中での上肢運動の制御は、ロボットの複数の関節を動かすための制御問題を解くことと共通しており、多くの生理学的研究とともに理論的な研究が行われている。そこでは、目標の定位、座標変換、軌道計画、運動指令の生成・制御、適応・学習の問題を解く必要がある(Kawato et al., 1987)(阪口豊, 2004)。脳内では、空間情報が視覚の背側経路に含まれる頭頂連合野で処理されている。その空間情報をもとにした視覚運動変換、運動指令の生成と制御が前頭葉の運動領野へ至るネットワークで行われる。運動の調節、学習・適応には、小脳、大脳基底核が関わっていると考えられている。
目標の定位
到達運動に必要な目標の位置は、網膜の上の位置(網膜座標系)から、眼球中心座標系、頭部中心座標系・身体中心座標系、身体部位中心座標系(手先中心座標)へと座標変換される必要がある(Cohen & Andersen, 2002)。脳内では、頭頂連合野の複数領域で、複数の座標系が、並行して処理され空間知覚に関わっている。